初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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 コナミ君主題の話だと基本真面目な話になってしまうのでコウキ君メインの話で息抜きでもしようと思いコウキ君回です。

 あと今回は読みやすい文章って何だろうなって思いながら書きましたのでいつもとちょっと書き方が違うかもしれません。




初恋デュエル!君の名は byコウキ

 

 夏休み、俺ことコウキはカードショップ カドピンで机にへばりついていた。

 

「あ~。勝てねえよう。勝ちてえよう」

 

 俺は最近負けが込んでいた。

 クラスの奴らには勝ったり負けたりを繰り返していたが問題はコナミだ。

 全っ然勝てねえ。

 三沢の奴はまあいい。隣のクラスだし、めちゃくちゃ頭がいいし。まだ許せる。

 コナミは何なんだ。同じ日に始めたのに何であんな強いんだ。

 

「どうしたんだいコウキ君。そんな情けない声を出して」

「店長~。コナミの奴が強くてさあ。どうして勝てねえんだろうなあ」

「う~ん。コナミ君かあ。まああの年にしては強いよねえ。でも僕やお客さんには負けることも多いし」

「コナミは負けることも多いけど一応勝ってるじゃん。俺なんて全戦全敗だぜ?」

 

 俺とコナミどこで差がついたというのか。

 デッキか? 頭の良さか?

 いやないな。デッキはともかく頭の良さでは俺とどっこいだ。

 

「あの子は少々早熟なんだ。今は勝てなくても仕方ないさ」

「そうじゅく~? そうじゅくってなんだ?」

「君より少し成長が早いってことさ」

 

 そうなのか? そうなんだろうな。

 なら仕方ねえか。

 店長がそういうんだ。きっとそうなんだろう。

 

「ふ~ん。まあいいさ、今は負けちまっているが、そのうち追い抜けばいいわけだしな。あいつは早熟ってやつみたいだし。俺が負けちまってるのは仕方ねえ」

「…そうだね。きっと勝てるさ。頑張っていけば」

 

 店長が俺を見る目が妙に優しくて、何か気味悪いな。

 

「はあ~なんかいいことないかなあ。レアカード当たるとかさあ」

「…そうだ。ちょっとまだ先だけど、夏休みの間にこんなイベントがあるよ」

 

「なにこれ。チラシ? え~と…デュエルディスク体験会!? さらに大会で上位入賞者には子供用デュエルディスクをプレゼントだと!」

「う、うるさいな。そんな大声出さなくても。まあ興奮するのはわかるけどね。デュエルディスクは高いから」

「それを上位入賞者だけとはいえもらえるわけだな」

 

 なんてビックイベントなんだ! 

 これを逃すわけにはいかねえ!

 

「なんでもっとはやく教えてくれねえんだ店長! ありがとう!」

「それ、この町でやるみたいだから。挑戦してみるといいよ。コナミ君や前に言ってた三沢君って子を誘ってさ」

「おう。ありがとう! 頑張るぜ。うおーー! やる気がみなぎってきたあ!」

 

 ははは! デュエルで負けてるとか関係ねえ!

 このイベントで念願のデュエルディスクゲットしてやるぜえ!

 

 

カランカラン♪

 

 

「お客さんだ。いらっしゃいませー!」

 

 

ーへえ~ほら明日香、色々なカードが置いてあるよ

 

ーうん、お兄ちゃん。いいカード置いてあるといいね。

 

 

 俺がイベントに向けて魂を燃え上がらせているとどうやら兄妹の客が来たみたいだ。

 

「人が盛り上がってるところになんだあ? 子供のお客さんかあ? はっ!?」

 

 

 ズキューーン!?

 

 

 店の入り口で立っている女の子を見た瞬間! 俺の胸にハート形の矢が突き刺さった。

 

「はっ! 幻覚か。でも。な、なんだあの子可愛すぎる」

 

 目をこすりながらもう一度女の子を見る。

 

 

 ズキューーン!

 

 

「がはっ! くそ、まただ。幻覚が、俺に攻撃しやがった」

 

 

ー僕たちこの町で今度やる体験会の下見に来たんです。…から来たんです。

 

ーまたずいぶん遠いところから。まだイベントは先だろうに君たちだけで来たのかい?

 

ーいえ、母さんと一緒に。僕たちがカードを見てる間、そこの店でちょっと買い物を。

 

 

 俺はドキドキと爆音を鳴らす心臓を何とか落ち着けながらしっかりと女の子を見る。

 

「あ、あの子、年は同じくらいかな。隣の人は兄貴かな。少し年上っぽい。知り合いたい。できるなら友達になりたい」

 

 その子は黄金に輝く長髪をいじくりながら店内を見まわしている。

 その手は兄の服をつかみながら、どこか所在なさげに。

 

「かっ可愛い」

 

 不思議と彼女の周りが輝いて見えた。

 まだ幻覚が見えているようだ。

 裸の天使が俺に矢を向けてやがる。

 

ーじゃあゆっくりしていくといい。何だったらそこの机に今度君たちが行くイベントに行く少年が座っているから、デュエルを申し込んだら喜んで受けてくれると思うよ。

 

 グッジョブ! 店長!

 

 彼女たちが俺の方を見た時とっさに彼女に向けてぎこちなく手を振ってぜひ来てほしいとアピールした。

 

 おっ落ち着け。心臓がバクバクしている。いつもならこっちから話しかけに行けるのに、彼女には行けない!

 頼む来てくれ! 兄の方はともかく妹さんとは友達になりたいんだ!

 

ーそうですね。明日香どうだい? 君と年も近そうだしデュエル、申し込んでみるかい?

 

ーうん。いいよ。

 

 よっしゃあ!?

 いつも通り、いつも通り落ち着いて話すぞ~。

 

「君、今いいかい?」

「はい! 何でしょう!」

「おっおう。元気がいいね、きみ。この子、僕の妹なんだけどよかったらデユエルしてくれないかい? 最近デユエルモンスターズを始めたんだ」

 

「こんにちは。初心者だけど私とデュエルしてくれる?」

「もちろんさ! 初心者大歓迎! うんうん。デュエルしよう。是非!」

 

 よし! よし!! よし!!!

 

 運は俺に味方してくれているぞ!

 三沢! お前の言ってた流れってのはこれかあ! これなんだなあ! 

 この流れを掴んで俺は彼女と友達になってみせる!

 

「お兄ちゃん。私、この人とデュエルしてるからカード見てていいよ?」

「なにを言うんだ明日香。君のデュエルだ。最後まで見守っているよ」

「うん。ありがとう」

 

 まずは名前だ。友達ってのは名前を知らないとなあ!

 

「えっと君の名前は」

「明日香。私は天上院明日香。よろしくね」

「よ、よろしく。俺は早瀬コウキ。コウキって呼んでくれ。じゃあ、あっ明日香ちゃん。始めよう」

 

 いきなり名前呼びは気やすいか?…いやこのまま行く!

 俺に後退の二文字はねえ!

 

 友達になるためだ。躊躇ってられねえ!

 

 

「「デュエル!」」

 

 俺の人生で最も気合の入った声がカードショップに響いた。

 

 いくぜええええ!!!

 

 

 





 明日香ちゃん。流石に子供時代は本編ほど強気な子ではないはず。
 お兄ちゃん大好きな普通の女の子をイメージしてます。


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