「僕のターン、ドロー!」
レッド寮の催し物であるコスプレデュエル。僕の対面でコスプレをしているブラック・マジシャン・ガール──本名は不明──とのデュエルは、僕の先行から始まった。
十代君は苦戦したとの話だし、手加減は不要だろう。ちょうど、手札も悪くない。僕は初手札の内容から、様子見も兼ねて、一体のモンスターを召喚することに決めた。
このモンスターへの対応の方法しだいで、勝利は前提としてもどれほどの警戒をもって戦うかを決めようと思った。
経緯はどうあれ、学際中に行われるこれは観客が楽しむことも含めたデュエル。ただ勝つことだけを求めるのは無作法と言うものと判断したからでもあった。
「僕は手札からギゴバイトを召喚! そしてギゴバイトに下剋上の首飾りを装備する。このカードを装備したモンスターはバトルする相手とのレベル差分、攻撃力が500ポイントアップする」
《ギゴバイト》 攻撃力350 守備力300
「さらにカードを1枚伏せてターンエンドだ」
「私のターン、ドロー!」
レッド寮の広場に対戦相手である彼女の明るくきれいな声が響き渡った。その瞬間、周囲で観戦していた主に男子生徒の歓声が広がった。
その歓声に僕は静かに頷いた。わかる──と、彼女はただドローしただけだ。だが、その透き通るような声が、見惚れんばかりの容姿が、そして見るものすべてを魅了するような露出の激しい服装が、その歓声の全てを僕に受領させていた。
ともすれば、この歓声の全てが僕への批判へと変わるだろうと危機感も感じていたが、立場が変われば僕も同じ声を発していただろうと思えば、仕方ないことと受け入れざるを得なかった。
「私は魔導獣 ケルベロスを攻撃表示で召喚!」
《魔導獣 ケルベロス》 攻撃力1400 守備力1400
「魔導獣 ケルベロスか。確か魔法カードを使うたびにカウンターが乗るんだったよね」
「そう、そのカウンター一つにつき、攻撃力が500ポイントアップするの! 私は手札からマジックブラストを発動! 私の場の魔法使い一体につき君に200ポイントのダメージを与えます!」
「………」
《コナミ》 残 LP 3800
なるほど、バーンダメージと同時にケルベロスの攻撃力アップを図ってきたか。そして、僅か50ポイントだけだが、ケルベロスの攻撃力がギゴバイトを上回る計算になる。
カウンター自体はバトル後になくなるが、ギゴバイトを倒すだけならそれで十分だろう。
ケルベロスにマジックブラストか………僕は彼女のデッキスタイルの大まかな把握ができたことに微かに微笑んだ。
「これで、君のギゴバイトが下剋上の首飾りがあってもケルベロスは超えれるわ! 私は魔導獣 ケルベロスでギゴバイトを攻撃します!」
「──くっ」
《コナミ》 残 LP 3750
「私はカードを2枚伏せてターンエンドです。ケルベロスの攻撃力は攻撃を行ったことでなくなり、元に戻ります」
「それじゃあ、僕のターン、ドロー!」
彼女がターンを終えると同時に、観客席から更なる歓声が鳴りひびいた。僕に先制攻撃が成功したことに対するものだろう。気持ちはわかるが、ちょっと静かにして欲しいものだ。デュエルがやりにくい。
この分だと、終始アウェーなデュエルになるだろうなと、彼女が何かしらの動きをするたびに食い入るように見守る男たちを見ながら僕は思った。そして、同時にこれが十代君の言っていた周りの反応の意味なのだろうと得心した。
「僕は手札から憑依装着ーエリアを攻撃表示で召喚! そして──」
「君がエリアを召喚したその瞬間、私は永続トラップ 漆黒のパワーストーンを発動! このカードに魔力カウンターを3つ置きます!」
《憑依装着ーエリア》 攻撃力1850 守備力1500
僕がエリアを召喚して、次の手を発動しようとした瞬間、それを遮るようにマジシャン・ガールさん──呼び名として長いが、便宜上こう呼ぶことにさせてもらう──が魔力カウンターを乗せるだけのカードを発動させた。
「漆黒のパワーストーンは3つあるカウンターを、別のカウンターを乗せれるカードにつけることができます」
「………だけど、それは君のターンがくるタイミングだ。今発動する必要があったのかな」
「それは秘密です!」
可愛らしく人差し指を口に当てながらウインクするマジシャン・ガールさんを見ながら、僕は一旦その意図に対して口元を手で覆いながら思考することにした。
漆黒のパワーストーン、僕のターン中に発動するのは当然として、このタイミングで発動する必要はない。普通にエンドフェイズに発動した方がずっと利のある選択だ。
ケルベロスに追加のカウンターを乗せることが目的だとしても、やはり今である必要はない。なら、もう一枚のリバースカード。あれに何かしらの罠が仕掛けられてそうだな。
あるいは、僕がそう読んで警戒することを考えたブラフか………。
ふむ、魔力カウンターを使用する罠。何かあったかな。カウンター系は使用者が少ないのもあり、縁がなさ過ぎて想像もつかない。とりあえず、罠が前提にあると考えて行動するとしよう。
「よし、僕はエリアでケルベロスに攻撃! レイジング・ストリーム!!」
「きゃっ!」
《ブラック・マジシャン・ガール》 残 LP 3550
心なしか、通常より激しい水流をケルベロスに叩き込んでエリアは攻撃した。その激しい攻撃には今の愛理ちゃんの感情が現れているようだった。そのため、デュエル後は、ご機嫌取りをしようと僕は内心で決めた。そしてやはりうるさい僕を責める観衆の声が煩わしかった。
「僕はこれでターンエンドです」
「私のターンドロー!」
マジシャン・ガールさんは僕のエリアの攻撃に対しリバースカードを発動させなかった。だけど、エリアを召喚してすぐに漆黒のパワーストーンを発動させた以上は、そこにカウンターの意図が必ずあるはず。
つまり、最低一回は魔法・罠。あるいはモンスター効果か。それが止められると考えて行動した方がいいだろう。
つまり、どこでそのカードを使わせるかが肝要。そしてこのターンマジシャン・ガールさんがどういう行動するかもポイントだな。
「私は王立魔法図書館を守備表示で召喚! カードを1枚伏せてターンエンド!」
《王立魔法図書館》 攻撃力0 守備力2000
王立魔法図書館! あれもケルベロスと同じようにカウンターを貯めていくモンスターだ。ケルベロスとの違いは攻守の変動はない代わりにドローができる点か。ふむ、あまり、僕のカードへのカウンターカードを増やさせたくはない。できれば真価を発揮する前に破壊したいカードだな。
僕は早々に破壊する方針に決めて、デッキからカードを引いた。
「僕のターンドロー! 僕は黒いペンダントを発動! このカードを装備したモンスターは攻撃力が500ポイントアップする!」
「んっ、攻撃力が王立魔法図書館を超えた──!」
──今、マジシャン・ガールさんが反応したな。微かにだけど、指が何らかのカードを発動させるかを迷った際特有の動作をしていた。
今のが見間違いでも、そう思わせるため敢えてした動作でなければ、1ターン目に伏せたもう一枚のカードは魔法に対するカウンターだ。
黒いペンダントに対し発動しなかった以上、仮に撃ってくるとしたらもっと強力なカードに対してだろう。もしくは、漆黒のパワーストーンを破壊するようなカードに対してか………。
「黒いペンダントが発動したことで王立魔法図書館の効果発動! このモンスターに魔力カウンターが乗ります」
「でも、ケルベロスと違い、そのモンスターに攻守変動の効果はない。エリアの今の攻撃力は2350。破壊圏内だ。僕はさらに憑依装着ーアウスを召喚!」
《憑依装着ーアウス》 攻撃力1850 守備力1500
僕は彼女が伏せてあるカードがそう危険なカードではないだろうと判断して、アウスによる追撃を行える態勢を整えた。
エリアにアウス、可愛い美少女系のモンスターの並びに、マジシャン・ガールさんを応援していた男性陣から彼女たちへの歓声が巻き起こった。
それを見て、やはり今回はこのタイプの戦いが盛り上がるだろうなと確信をもって受け止めた。
「バトル! 憑依装着ーエリアで王立魔法図書館を攻撃! レイジング・ストリーム!!」
「──ッ!」
「これで、君を守るモンスターはいない。続いて僕は憑依装着ーアウスでダイレクトアタックだ! アース・クエイク!!」
エリアが水流を操り攻撃するように、アウスもまた、地属性故に大地から隆起させた鋭い岩を操り相手へ放ることで、マジシャン・ガールさんへと攻撃した。
その鋭くとがった岩がマジシャン・ガールさんに迫った瞬間、彼女の前に魔法陣が現れ、そこから飛び出してきたブラック・マジシャン・ガールがアウスの攻撃である岩を破壊した。
「これは……!」
「私は君のアウスの攻撃に対してリバースカード マジシャンズ・サークルを発動していました。このカードによってお互いのプレイヤーはデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族を召喚できます。私はブラック・マジシャン・ガールを召喚させた。だから君も、魔法使い族を召喚できるよ」
「………僕は水霊使いエリアを守備表示で召喚」
《ブラック・マジシャン・ガール》 攻撃力2000 守備力1700
《水霊使いエリア》 攻撃力500 守備力1500
なるほど、マジシャンズ・サークルの効果か。いきなり現れた魔法陣からマジシャン・ガールさんが飛び出してきたのかと驚いてしまった。
しかし、見れば見るほど、マジシャン・ガールさんの仮装はすごいな。ブラック・マジシャン・ガールにそっくりだ。
初めて生のブラック・マジシャン・ガールの召喚を見れたことに対する喜びと、瓜二つの存在が前後で並んでることに対する違和感が同居する不思議な感覚を憶えるよ。
まあ、そんなこと言ったら、今この場には愛理ちゃん含めて、エリアが3人いることになるから、これまた可笑しなことになるんだけどね。
「アウスではブラック・マジシャン・ガールを破壊できない。僕はこれでターンエンドするよ」
「それじゃあ、私のターンだね。ドロー! 私は手札から天使の施しを発動! デッキから3枚引いて、2枚墓地へ送る! そしてブラック・マジシャン・ガールがいる時、このカードを発動できる! 私は手札から賢者の宝石を発動! デッキからブラック・マジシャンをデッキから特殊召喚できる!!」
《ブラック・マジシャン》 攻撃力2500 守備力2000
場のブラック・マジシャン・ガールが祈るように両手で包んだ賢者の宝石。それが光り輝き、導かれるように召喚されたブラック・マジシャンに観客も含め僕は興奮したように声をあげた。
「ブラック・マジシャン・ガールとブラック・マジシャンが並ぶところが見れるなんて! 今日ここでデュエルできてよかったぁ!!!」
ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガール。それはデュエルキングである遊戯さんが使用していることで有名な2体のモンスターだ。
加えて、この2体のカードを所有しているのは世界でも遊戯さんだけと言う話もあるほどに、有名で希少なカードである。
世界に3枚しか存在しないと明言されているブルーアイズじゃあるまいし、流石にそれはないと、使用していないだけで誰かしら持ってるだろう。というのが僕の考えではあった。
そんな僕であるが、いざ現実にその2枚をこうして目前で使用されたことを信じられないと驚愕している自分を鑑みるに、自分も遊戯さん以外は持ちえないと内心考えていたのだなあとしみじみ感じていた。
そして、その希少な2枚を揃えたこの人は一体何者なのだろうとその正体にとても興味が尽きないところであった。
「さらに私はブラック・マジシャンに拡散する波動を発動! 1000ライフポイントを払って、ブラック・マジシャンの攻撃を君のモンスター全てへの攻撃にします!」
《ブラック・マジシャン・ガール》 残 LP 2550
僕がマジシャン・コンビに見惚れている間も場の状況は進む。マジシャン・ガールさんは有利に進み始めた状況をさらに後押しするように、最上級魔法使い族にとっての切り札を使用してきた。
「最上級魔法使いに拡散する波動。そのマジックコンボはマストだよね! でも、そうはさせないよ。僕は速攻魔法 月の書を発動! ブラック・マジシャンには裏側になってもらう!」
「なら、それにチェーンして私は対抗魔術を発動! 漆黒のパワーストーンの魔力カウンターを2つ取り除いて、魔法カードの発動を無効にして破壊します!!」
「ここで使われたか!」
マジシャン・ガールさんが1ターン目から伏せながら一向に使おうしなかったリバースカードは、僕の読み通り魔法カードに対するカウンターだった。
それをここで使われたのはきついな。ブラック・マジシャンの猛攻撃を受けざるを得なくなった。そして、ここまで温存しきったマジシャン・ガールさんは十代君の言う通り、とても強いデュエリストであった。
「私はブラック・マジシャンで君のモンスター全てに攻撃! ブラック・マジック!!」
「ぐぉっ!?」
《コナミ》 残 LP 2950
その攻撃は想像以上の衝撃で僕を守っていたエリアとアウスを一撃で破壊せしめて見せた。尻もちをつくことはなかったが、攻撃された身でありながら僕は微かに感動を覚えていた。
そしてこの後に追撃するであろう攻撃にも、僕は諸手を挙げて受け入れんとした。ある意味で、この一瞬の攻撃には百の勝利以上の価値があったからだ。
「エリアに装備されていた黒いペンダントが破壊されたことで、君に500ポイントのダメージが与えられるよ」
《ブラック・マジシャン・ガール》 残 LP 2050
「これくらい、私はさらにブラック・マジシャン・ガールでダイレクトアタック! ブラック・バーニング!!」
「──ぐぅッ!」
《コナミ》 残 LP 950
「私はこれでターンエンド。ふふん。次のターンで私の勝ちだね!」
「ふふふ、いい攻撃だ、感動ものだよ。だけど、勝ちを確信するのはまだ早いね。この状況、ワクワクするよ! 僕のターン、ドロー!」
心の奥深くから浮かび上がる感動を隠すことなく、僕は強くデッキからカードを引いた。それが光の尾を引いたのを僕は見ながらカードを発動させた。
「僕は強欲な壺を発動! さらにこの瞬間、手札を1枚捨ててリバースカード マジック・キャプチャーを発動! 今発動した強欲な壺を発動後、墓地へ行った後手札に戻す! カードを2枚ドロー!」
「強欲な壺を二回発動するの!?」
「そう、僕はマジック・キャプチャーの効果で手札に戻った強欲な壺を再度発動しカードをさらに2枚ドローする!」
強欲な壺とマジック・キャプチャーのコンボで僕の手札は4枚になった。とはいえ、僕の場にはリバースカードもモンスターもいないが、マジシャン・ガールさんの場にはブラック・マジシャンにその愛弟子たるブラック・マジシャン・ガールがいる。
さらにライフもまだ彼女は2050も残っている。手札は多いとはいえ、このターンで決めるのはいささか厳しい状況と言わざるを得ないな。
だが、それでもできることはある。勝利のために、全力を尽くそう。
「僕は手札からフィールド魔法 伝説の都 アトランティスを発動! フィールドの水属性モンスターは攻撃力・守備力は200ポイントアップする! そして死者蘇生で憑依装着ーエリアを再び特殊召喚!」
《憑依装着ーエリア》 攻撃力2050 守備力1700
僕が発動したフィールド魔法によってオシリスレッド寮の前の特設デュエル場は海底に沈んだ。その中でアトランティスを背後に僕のアイドルであるエリアが再び召喚された。彼女はアトランティスの恩恵を受け、その攻撃力を引き上げた。
「攻撃力がブラック・マジシャン・ガールを超えた」
「これでブラック・マジシャン・ガールは倒せる。バトル! 僕はエリアでブラック・マジシャン・ガールを攻撃! レイジング・ストリーム!!」
《ブラック・マジシャン・ガール》 残 LP 2000
フィールドが海底に沈んだアトランティスの前、エリアが海中の水を渦を巻くように操ってブラック・マジシャン・ガールを錐もみしながら遥か遠くまで飛ばして破壊した。
そこにケルベロスにしたような八つ当たり染みた感情は乗っていない。さすがにブラック・マジシャン・ガールに直接そのような感情をぶつけるつもりはないのだろう。
「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
何とか魔法使いコンビの片割れ、ブラック・マジシャン・ガールは倒せた。しかし、その師匠であるブラック・マジシャンは残ってしまっている。次の彼女のターンで僕の状況は再び追い込まれるだろうな。
「私のターンドロー! 私はブラック・マジシャンをリリースして、黒魔導の執行官を特殊召喚!!」
「ブラック・マジシャンを生贄に捧げるのか!?」
《黒魔導の執行官》 攻撃力2500 守備力2100
ブラック・マジシャンを生贄に捧げることで召喚された執行官。仰々しいまでの葡萄色をしたマントを身につけ、その手には二又に別れ中心に宝石の付いたマントと同じ色彩をした杖を片手に持っていた。
「初めてみるモンスターだ。ブラック・マジシャンが必要な時点で相当レアなカードだね」
「黒魔導の執行官は私か君が通常魔法を発動するたびに相手に1000ポイントのダメージを与える効果がある。このターンで君を倒すことはできないけれど、もう君は通常魔法を発動はできない」
「くっ、魔法を発動するだけで1000ポイントものダメージか。すごいなそれは」
僕の残りライフは1000を切っている。それは事実上、僕はもう魔法カードを扱えず、そして彼女がそれを引いた時点で敗北すると言うことを意味していた。
つまり、次のマジシャン・ガールさんのターンが来た時点で僕の敗けは確定的というわけだ。彼女の墓地にはマジックブラストがある。
あのカードはドローを放棄する代わりに手札に戻せる効果がある。これまで使用してこなかったが、次のターンでは確実に手札に戻してくるだろう。それで勝利が決まるのだから…………。
「バトル! 私は黒魔導の執行官で憑依装着ーエリアを攻撃!」
「ぐぁああ!」
《コナミ》 残 LP 500
黒魔導の執行官の攻撃、その杖から発せられた黒い電は激しい光を発しながらエリアを多くの気泡を発生させながら破壊した。
「ぐぅ、僕はこの瞬間、リバースカード 時の機会ータイム・マシーンを発動。今は破壊された憑依装着ーエリアを再召喚する」
水中に満たされたフィールド。その中で宙に浮きながら走ってきた黒い汽車のドアを開け、エリアが再び召喚された。
「またエリアが出てきた。そこまでエリアに拘るなんて、君エリアが大好きなんだね!」
「そうだね。僕のアイドルだよ。愛してると言ってもいいね!」
正直なことを言うと、デュエルでエリアをここまで酷使することはあまりないんだけど、愛理ちゃんが妙に張り切ってるのか、そういう手札になってるんだよね。
なら、その想いに応えないと。デュエリストが廃るってもんだ。
「私のターンは終わり、次が本当にラストだよ!」
「ああ、そうだね。これが正真正銘ラストターンだ。僕のターン、ドロー!」
デッキから引いた最後の1枚。それを見た瞬間、僕に勝利への道が開けたのを確信した。
「いざという時、君は本当に頼りになるな。僕は手札からE・HERO バブルマンを攻撃表示で召喚! そしてバブルマンに装備魔法 バブル・ショットを装備する!」
「バブル・ショット……装備魔法じゃ、黒魔導の執行官の効果は発動しない…………」
《E・HERO バブルマン》 攻撃力1800 守備力1400
「僕はバブルマンで黒魔導の執行官に攻撃! バブル・ショット!!」
「黒魔導の執行官の方が攻撃力は高いよ! 反撃して!」
バブルマンの攻撃、それは装備したバブル・ショットから放出された激流によるものだった。そして、その攻撃は黒魔導の執行官の反撃による雷撃で打ち消されることなく、黒魔導の執行官を破壊した。
「えっ!? どうして、攻撃力はこちらの方が高いのに!」
「バブル・ショットの効果によって、僕へのダメージはなしだ。そして、バブル・ショットを装備したバブルマンとの戦闘をしたモンスターは戦闘後破壊される。バブル・ショットも消える代わりにね」
役目を終えたバブル・ショットは消えてなくなった。バブルマンこそ健在だが、彼の役目はもうない。黒魔導の執行官を破壊するという役目を十分に果たしてくれた。
「さあ、これで君の場に守るモンスターはいない。この攻撃でフィニッシュだ! 僕は憑依装着ーエリアでマジシャン・ガールにダイレクトアタック! レイジング・ストリーム!!」
黒魔導の執行官を破壊したことで完全にがら空きとなったマジシャン・ガールさんへと、エリアの最大級に溜め込まれた水の激流が迫った。
「きゃぁあああ!!」
《ブラック・マジシャン・ガール》 残 LP 0
霊使いは難しい。効果に癖がありすぎる。未来の専用サポートなしで戦うのは厳しいね! 強欲なバブルマンはサポートがいっぱいあってこの時代でもまだ扱いやすい!