初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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 書いている途中まではモブのはずだったんだ。
 まさかここまで我を出してくるとは…この娘の扱いは最後まで悩みました。


メタモルフォーゼ!

「「デュエル!!」」

 

 先攻・後攻はデュエルディスクが自動で行ってくれる。

 僕のデュエルディスクが先行の点滅をしている。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 初めてのデュエルディスクでのデユエル。

 ワクワクする。

 今までのようなテーブルで行われる静かなデュエルじゃない。

 ある意味において本当のデュエルが始まるんだ!

 

「僕はガガギゴを攻撃表示で召喚!」

 

 

《ガガギゴ》 攻撃力1850 守備力1000

 

 

 僕は勢いよくガガギゴのカードをデュエルディスクにセットした瞬間。僕の目の前に成人男性ほどのサイズをした爬虫類型のモンスターが現れた。

 

「すごい」

「うん。すごく可愛いね」

 

 僕は感嘆の声を上げ、女の子もガガギゴを見て可愛いと言っている。

 

 可愛い???

 

「…可愛いかな?」

「可愛いよ!? 目がクリッとしてるところとか」

 

 フィールドに現れたガガギゴをよく見てみる。

 確かにわからなくも…いや、どうだろう。

 でも女の子が可愛いって言ってるしなあ。

 

「…そうかな…そうかも…」

「そうだよ!!」

 

 って、いやいや。いつまでも話してちゃだめだ。デュエルを進めないと。

 

「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「私のターン! 私はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

 カード2枚伏せるだけ、手札事故でも起こした?

 あるいは何かの作戦かもしれない。

 

「僕のターン、ドロー!」

 

 僕の手札にはこのターンでゲームエンドまでする方法はない。

 だけど女の子の場には伏せカードが2枚だけ、罠の可能性は否めないけどブラフなら大ダメージを見込める。

 

「僕は暗黒の海竜兵を召喚、ダイレクトアタック!」

 

 

《暗黒の海竜兵》 攻撃力1800 守備力1500

 

 

 僕が召喚した暗黒の海竜兵が女の子に向かって長大な槍を思いっきり振りかぶった。

 

「きゃあああ!?」

「だっ、大丈夫!?」

 

 

《女の子》 残 LP 2200

 

 

 やばいって、女の子があまりの恐怖に涙目になってる。

 当たり前か、大人ほどのサイズのモンスターが自分に向かって武器を向けてくるんだ。怖いに決まってる。

 命令を下してる僕だって怖い。

 たとえ痛みや怪我がないとしても怖いものは怖いのだ。

 

「僕は…うう、ガガギゴでダイレクトアタック!」

「きゃっ」

 

 僕の怖がらせたくないという思いをガガギゴが受け取ったのかチョコンと女の子のデュエルディスクをつついて攻撃してくれた。

 

 

《女の子》 残 LP 350

 

 

「…すごいなソリッドビジョン。もしかして僕の気持ちがわかったの?」

 

 僕はずいぶんと手加減をしてくれたガガギゴに向かって声をかけてみたけれど、まあ当たり前だけど反応はしてくれなかった。

 

「僕はこれでターンエンド。君のターンだ」

 

 僕は反応がなかったことに少し残念に思いながらターンエンドをした。

 

「ふう、怖かったあ。ソリッドビジョンてこんなに怖いのね。お父さんたちが私には早いっていうのがわかるわ」

「うん、ごめんね。怖がらせちゃって」

「大丈夫よ。これから慣れていかなくっちゃいけないし、暗黒の海竜兵は怖かったけどガガギゴちゃんは手加減してくれたもの」

 

 女の子は涙目になった目を拭いながら立ち上がってデッキに指を置いた。

 よかった。まだデュエルできそうで。

 最悪今のがトラウマになってもうデュエルしない!っていう可能性もあった。

 

 ていうかなんでガガギゴのことちゃん付けで呼んだんだろう。

 やっぱりそんなかわいいビジュアルじゃないと思うんだけどなあ。

 

「私のターンね。ドロー!」

 

「私は聖なる魔術師を攻撃表示で召喚!」

 

 

《聖なる魔術師》 攻撃力300 守備力400

 

 

 聖なる魔術師? 

 あのモンスターはリバース効果で魔法カードを回収できるカードだ。

 それをわざわざ攻撃表示で召喚するなんて、デュエルを諦めたわけじゃなさそうだしなにかあるな。

 

「私は手札から魔法カード突然変異(メタモルフォーゼ)を発動!」

 

 突然変異か。

 生贄に捧げたモンスターと同レベルの融合モンスターを召喚できる強力なカード。

 聖なる魔術師のレベルは1。レベル1の融合モンスター…何かいたかな?

 

「私はエクストラデッキからサウザンド・アイズ・サクリファイスを召喚!」

「なに!?」

 

 

《サウザンド・アイズ・サクリファイス》 攻撃力0 守備力0

 

 

 サ、サウザンド・アイズ・サクリファイス!?

 

 あのペガサス会長が使用していた超激レアモンスター!

 なんでそんなレアカードを持っているんだ!?

 それも突然変異で召喚するなんて、この女の子は一体。

 

「えへへ。びっくりしたでしょ? 私この子の融合素材は持っていないんだけど、突然変異で召喚できるよって教えてくれた人がいたの」

 

 僕は女の子の場に現れたサウザンド・アイズ・サクリファイスを前に驚きで固まっていた。

 

「信じられない。こんなレアカードが見られるなんて」

「すごいでしょう」

 

 女の子はドヤァと自信に溢れた笑みをして腕を組んでいる。

 そしてサウザンド・アイズ・サクリファイスが現れたことで僕たちの周囲が騒がしくなっている。

 

「私はサウザンド・アイズ・サクリファイスの効果発動。1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる! 私はガガギゴちゃんを装備!」

「ガガガゴがっ!」

 

 女の子がモンスターを選択したことで僕の場にいたガガギゴがサウザンド・アイズ・サクリファイスに取り込まれた。

 

 

《サウザンド・アイズ・サクリファイス》 攻撃力1850 守備力1000

 

 

 たくさんの目があるモンスターに人型の爬虫類が取り込まれてる。

 なんていうか、ちょっとぐろいな。

 

「ごめんねガガギゴちゃん。でも勝つためなの。…私はガガギゴちゃんを装備したサウザンド・アイズ・サクリファイスで暗黒の海竜兵を攻撃!」

 

「うわあああ!?」

 

 

《コナミ》 残 LP 3950

 

 

 サウザンド・アイズ・サクリファイスの千の目が一斉に光を放ち僕の暗黒の海竜兵が破壊された。

 

「くっすごい迫力だ。これがソリッドビジョンのデュエル」

「私はこれでターンエンド!」

 

「僕のターンドロー!」

 

 女の子のライフは残り僅か。だけどサウザンド・アイズ・サクリファイスには他のモンスターの攻撃を封じる効果を確か持っていたはずだ。

 つまりサウザンド・アイズ・サクリファイスがいる限り僕は攻撃による勝負は決めれない。

 どうするか…。

 

「僕は暗黒の狂犬を攻撃表示で召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

《暗黒の狂犬》 攻撃力1900 守備力1400

 

 

 とりあえず暗黒の狂犬で場をつなごう。サウザンド・アイズ・サクリファイスの装備モンスターは自力では外せない。

 自爆特攻で外してくる可能性はあるけれど、守備表示で破壊されるよりましだ。

 

「私のターン! ドロー!」

 

 突然変異からのサウザンド・アイズ・サクリファイスのコンボは驚いたけれど、それで終わるなら問題はない。

 特別警戒しなくとも勝てるだろう。

 だが、この女の子が更なるコンボを狙えるほどの実力者だった場合は…。

 

「私はクリッターを召喚!」

 

 

《クリッター》 攻撃力1000 守備力600

 

 

「そしてリバースカードオープン ジェネレーション・チェンジを発動!」

 

「ジェネレーション・チェンジは自分の場のモンスター1枚を破壊して破壊されたモンスターと同名のモンスターを手札に加える!」

「自分のモンスターを破壊してデッキから同じモンスターを加える? 何の意味が…そうか、そのためのクリッター!」

 

「そうよ。私はジェネレーション・チェンジの効果でデッキから2枚目のクリッターを手札に、そして墓地に行ったクリッターの効果発動! デッキから攻撃力1500以下のモンスターを1枚手札に加える」

 

「私はデッキからスピリットモンスター 月読命を手札に加える!」

 

 持ってくるカードがスピリットモンスターとは、また珍しいテーマのモンスターを手札に加えてきたな。

 月読命ってモンスターは知らないけれどわざわざデッキから呼び込んだモンスターだ。

 必ず何か役目があるはず。

 

「私は…これでターンエンドです」

 

 自爆特攻はしてこないか…。

 多少ダメージを負うにしてもサクリファイスで暗黒の狂犬を攻撃することでガガギゴを破壊して新たに暗黒の狂犬を装備する選択もあった。

 

 僕ならそうする。

 既にライフが風前の灯火まで減っている以上少し減るくらい大差ないのだから。

 

 目の前の女の子が僕と同等か、それ以上の実力と仮定して攻撃しなかった理由。

 僅かでもライフを減らしたくなかったか…サーチした月読命の効果を待っているかだ。

 

「僕のターンドロー!」

 

 僕の読みが当たっている場合、このターンであのサウザンド・アイズ・サクリファイスを処理しなければ面倒なことになる。

 

 だから彼女が何か仕掛けてくる前に倒す!

 

「僕は鉄の騎士 ギア・フリードを召喚!」

 

 

《鉄の騎士 ギア・フリード》 攻撃力1800 守備力1600

 

 

「さらに召喚された鉄の騎士 ギア・フリードに盗人の煙玉を装備。そしてギア・フリードの効果は発動! 装備された盗人の煙玉は破壊されて墓地に送られる!」

「えええ!? 自分の装備カードを破壊するの!?」

 

「破壊された盗人の煙玉の効果発動! このカードが破壊されたとき相手の手札を見てカードを1枚破壊する!」

「私の手札を破壊!?」

「僕は月読命を選択する!」

 

 まずは確実に厄介そうなカードから破壊する。

 サクリファイスはその次だ!

 

「僕は暗黒の狂犬に流星の弓ーシールを装備! このカードが装備されたモンスターは攻撃力が1000下がる代わりに直接攻撃ができる!」

「無駄だよ! サウザンド・アイズ・サクリファイスがいる限り他のモンスターは攻撃を行うことができない!」

 

「知っているさ、だからこうする! 僕はリバースカード イタクァの暴風を発動! 君のモンスターの表示形式を全て入れ替える!」

「?」

 

「サウザンド・アイズ・サクリファイスは守備表示になったからって効果は消えないよ?」

「そうだね。だからその厄介な効果はこれから消えてもらう。僕はもう一枚のリバースカード ゴーゴンの眼を発動!」

 

「ゴーゴンの眼は相手の守備表示モンスターの効果をこのターンすべて無効にできる!」

「そんな!? くっ私はリバースカード スケープゴートを発動! 私の場に4体の羊トークンが召喚される」

 

 女の子のモンスターゾーンがすべて埋まった。

 普通ならこの時点でこのターン内での勝負を決めることはできないのだろうが…。

 

「君の場にはモンスターは2体。私の場には5体。これで」

 

「どうやら忘れているようだけど、僕の場には流星の弓を装備したモンスターがいる」

「え? …そうだった流星の弓はっ」

 

「これで終わりだよ。暗黒の狂犬でダイレクトアタックだ! 優しく攻撃してくれよ暗黒の狂犬」

 

 暗黒の狂犬は少し面倒そうにこちらを見ながら手足と口を起用に使って弓矢を宙に放った。

 そして弓矢が女の子の前にストンと落ちることで彼女のライフポイントが0に変わった。

 

 

《女の子》 残 LP 0

 

 

「あう〜負けちゃったあ。君、強いのね」

 

 僕はデュエルに負けて座り込んじゃった彼女に手を差し伸べながら今のデュエルを振り返って思う。

 

「君も強かったよ。僕と同い年くらいの子では2番目くらいには」

「ええ〜! 1番じゃないの〜?」

 

 残念ながら1番は三沢君だ。彼は本当に強いからね。

 

「私愛理(えり)って言うの。君は?」

「僕は粉眠、コナミって呼ばれてる」

 

「ふ~んコナミ君かあ…私あなたのこと気に入ったわ♪」

「? それってどう言う」

「仲良くしましょうってこと!」

 

 僕が愛理ちゃんと話していると遠くから歓声が響いてきた。

 

『ワァー!!!』

 

「わ! すごい歓声。ねっ、コナミ君、ちょっと見に行ってみましょ!」

「え? うわぁっ! ちょ、ちょっと引っ張らないで!」

 

 僕は愛理ちゃんに手を引っ張られながら歓声が聞こえてくる場所へ見に行くのだった。

 

 

 

 

 





 タッグフォースでデュエルの参考のために適当に選んだ女の子が聖なる魔女→突然変異→サウサクの鬼コンボ決めてきて面白かったのでこれは出さなきゃっとなりました。

 あと愛理ちゃんの見た目は霊使いのエリアちゃんです。
 モブ扱いできなさそうなのでどうせならかわいい娘がいいしガガギゴと結構な繫がりあるしで決まりました。

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