初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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幼年期の終わり読んでて、ライトノベルってのは本当に読みやすい文体で書かれてるなあとしみじみ感じたりしてます。


惑星発信レディーゴー!!

「僕のターン、ドロー!!」

 

 さて、今回のデュエルはいつもの勝利することや楽しむことを目的としたデュエルとは違う。このデュエルは世に1枚しか存在しないプラネットモンスターたちの御披露目とそれを扱う僕と言う存在を世にアピールするための言わば僕と言うデュエリストのプロモーションビデオの撮影であった。

 

 それ故、このデュエルの肝はその結果の先に得る目的は別として、最低限果たさなければならない課題がある。一つはプラネットモンスターの紹介。最低でも手持ちのプラネットモンスターを1回は召喚して活躍させないと行けない。

 残念ながらVenusは他モンスターとの相性の兼ね合いから今回のデッキからは抜いてある。そこは必要ならまた別の機会に撮ると言う形で了承済みだ。下手したら自分のモンスターを弱体化させて悪印象を与えかねないから仕方ないのだ。

 

 この課題の一番の問題は、3体のプラネットモンスター、ジ・アース、NEPTUNE、MARSを召喚することではなく、召喚した上で愛理ちゃんを倒しきらない状態でしっかり全員の強みを引き出して活躍するいい画を撮らないといけないと言うところだ。

 

 これはただ勝つだけよりはるかに難しいだろう。ちょうどいい具合に愛理ちゃんの力を引き出して、且つ一撃でデュエルを終わらせないように手加減しながら最終的には勝たないといけないのだ。つまり、圧倒しすぎてもいけないのだ。相手が弱いと見られてはプロモーションにならない。いい具合に苦戦し、いい具合に活躍して最後は鮮烈に決める。それが最低限果たすべきノルマ。

 これほど難易度の高いデェエルは初めてかもしれないと思う程だ。

 

 っと、言うわけで、僕はまず初めに事前準備としてのカードを発動させた。

 

「僕は手札を1枚捨ててスネーク・レインを発動! 自分のデッキから爬虫類族を4枚選択し墓地へ送る。僕はこの4枚を墓地へ送る!」

「えっ!? NEPTUNEを墓地へ送るの!」

 

 僕は愛理ちゃんにデッキから墓地へ送るカードを見せながらデュエルディスクの墓地エリアへ収納した。そこには愛理ちゃんが驚く通りプラネットモンスターの1体であるNEPTUNEの姿があった。

 

「僕はさらにサルベージを発動! 墓地から攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を手札に加える! 僕は墓地から「キラー・スネーク」と「The tyrant NEPTUNE」を手札に戻す!」

「そっか。サルベージがあるから墓地へ送ったのね」

「うん、そしてスネーク・レインで墓地へと送った首領亀を除外することで手札から水の精霊 アクエリアを攻撃表示で特殊召喚。さらに僕はライフを1000払い簡易融合を発動。エクストラデッキからレベル5以下の融合モンスターを特殊召喚できる。僕はエクストラデッキから黒き人食い鮫を攻撃表示で召喚!」

 

 

《コナミ》 残 LP 3000

 

 

《水の精霊 アクエリア》 攻撃力1600 守備力1200

 

 

《黒き人食い鮫》 攻撃力2100 守備力1300

 

 

「簡易融合で上級モンスターを召喚したのね。でも、アクエリアはともかく、黒き人食い鮫はこのターン攻撃できず破壊される。だとしたらその役目は更なる上級モンスターへの繋ぎね!」

「ご明察、僕は水の精霊 アクエリアと黒き人食い鮫をリリースして、表れろ、冷たき暴君よ!! その力をもって抗うものを薙ぎ払え!! 僕は手札からThe tyrant NEPTUNEを攻撃表示でアドバンス召喚!!!」

 

 

《The tyrant NEPTUNE》 攻撃力3700 守備力2500

 

 

 僕の場にプラネットモンスターの1体であるNEPTUNEが堂々たる姿で召喚された。僕は先行1ターン目から順調に召喚してその存在とそれを召喚する技量を持つ自分を画面に映すことができたことに満足そうに頷いた。

 

「すごい、1ターン目から攻撃力3700のモンスターを召喚するなんて」

「NEPTUNEには生贄素材としたモンスターのステータスの合計分の力を得ることができる。さらに、リリースしたモンスター1体の効果と名前も手に入れることができるんだ。まさに、暴君の名に相応しい効果をもったモンスターだよ」

「ステータスの上に、効果まで!? すごいわ、これがプラネットモンスターの力なのね」

 

 はー、すごいモンスターだわーと、愛理ちゃんはこれがプラネットモンスターの紹介も兼ねた撮影だからだろう。既知であるはずの情報や僕の戦術一つ一つに驚いて見せてくれている。

 僕はその演技派な愛理ちゃんの姿に、むしろ君がそこまで見事に驚いているように演技ができることに驚くよと、内心で彼女の演技力に感心していた。

 

「僕は当然、水の精霊 アクエリアの効果をNEPTUNEに付与する。これで、NEPTUNEは君のスタンバイフェイズ毎に君のモンスターの表示形式を変えることができる。また表示形式を変えられたモンスターはその後、表示形式を変更はできない。僕はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

「くっ、それじゃあ、下手なモンスターを守備表示で召喚したら却って大ダメージを負うと言うことね」

 

 僕は若干、初ターンでこれはやり過ぎだったかなと思いながらターンを愛理ちゃんに回した。動画に撮る関係上、初めのインパクトが肝心だ。そこが上手くいけば途中が多少ダレても評価はもらえやすいとの愛理ちゃんの言葉だ。無論、最後の締めがその次に重要で、終わり良ければ総て良しを目指せばいい動画は撮れるとのことだ。

 

 正直なところを言うならば、リリース素材にするならばエクストラデッキのドラゴンに乗るワイバーンの方が、盤面上、より勝利に近づきやすいモンスターであった。しかし、それを使うわけにはいかなかった。

 何故ならもし愛理ちゃんの手札に地・水・炎のモンスターしかいなかった場合、下手をしたら次のターンの直接攻撃で致死量のダメージを与えれてしまうからであった。まあ、裏守備で守りに入ってもらえれば問題はない話ではあるのだけどね。

 

 現状の攻撃3700の表示形式変更でも十分愛理ちゃんからすれば脅威ではあるだろうが、まだジ・アースとMARSも召喚して紹介せしめないといけないのだ。

 ここであまりアクセルを踏みすぎると、愛理ちゃんの息が続かなくなってしまう。プロを目指す以上、デュエルはエンターテインメントでなければならない!

 

「私のターン、ドロー! 私は手札から素早いモモンガを守備表示で召喚! カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

《素早いモモンガ》 攻撃力1000 守備力100

 

 

 素早いモモンガ、破壊されるとライフを回復できるモンスターか。僕は愛理ちゃんの場に召喚されたその可愛い、ちょっとだけ顔を怖くしたモモンガそのもののモンスターに含み笑いをした。

 

「僕のターン、ドロー! バトルだ! 僕はNEPTUNEで君の素早いモモンガを攻撃! Scythe of ruin(サイス・オブ・ルーイン)!!」

「素早いモモンガが破壊されたことで効果発動! 私はライフを1000回復して、デッキから素早いモモンガを裏側守備表示で2体、特殊召喚します!」

 

 

《愛理》 残 LP 5000

 

 

 僕は内心でよしっと頷いて、愛理ちゃんに感謝した。素早いモモンガでライフを回復してくれたこと、そして生贄にせよ守備で固めるにせよ。NEPTUNE及び、それ以外のプラネットモンスターの活躍の場を作る時間をくれそうなことに、僕は感謝した。

 

「僕はE・HERO フォレストマンを守備表示で召喚。ターンエンドだ」

 

 

《E・HERO フォレストマン》 攻撃力1000 守備力2000

 

 

「私のターン、ドロー!」

「この瞬間、水の精霊 アクエリアと同名カードとなったNEPTUNEの効果が発動する。君の素早いモモンガを攻撃表示に。そして、その表示形式を変更することはできない!」

 

 これで、次のターン、もし愛理ちゃんが対策を取らなかったら素早いモモンガを攻撃したNEPTUNEによって大ダメージを与えなければならない。明らかな手加減をするわけにはいかないからだ。とはいえ、回復もされるからそこまでではないが、何かしら手を打ってほしいところではある。

 さて、愛理ちゃんはどうするかな。

 

「私は素早いモモンガ2体をリリース。そして手札からコスモクイーンを攻撃表示で召喚!!」

「上級モンスターを呼んできたか!」

 

 

《コスモクイーン》 攻撃力2900 守備力2450

 

 

 コスモクイーン、魔法使いの中では最高峰の攻撃力を誇るモンスターだ。素早いモモンガから流れるように召喚されたその女王の名を持つ魔法使いの登場に普通のデュエルならこれだけで有利に立てるだろうなと僕は思った。

 

「でも、コスモクイーンは強力な魔法使いモンスターだけど、残念ながら今のNEPTUNEには届かないね」

「ええ、でも、こうすればどうかしら! 私は手札からフォースを発動! コナミ君のNEPTUNEの攻撃力を半分にして、減った分をコスモクイーンに譲渡する!」

「………そうきたか」

 

 フォースの魔法カードから放たれた光がNEPTUNEを包み込み、NEPTUNEの体からエネルギーが詰まった光の玉が噴出された。

 それはコスモクイーンの元までにふらふらと移動し、彼女の中へ吸収されたのち、その力がこの瞬間のみ、吸収された。

 

「これで、コスモクイーンの攻撃力は4750まで上昇したわ。バトルよ! 私はコスモクイーンであなたのThe tyrant NEPTUNEを攻撃。それに合わせてマジシャンズ・サークルを発動! お互いのデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族を1体、特殊召喚できる! 私はデッキからお注射天使リリーを攻撃表示で召喚!!」

 

 

《お注射天使リリー》 攻撃力400 守備力1500

 

 

「お注射天使リリー、ライフを払うことで攻撃力を3000上昇させるモンスターか。僕はデッキから憑依装着ーアウスを守備表示で召喚!」

 

 

《憑依装着ーアウス》 攻撃力1850 守備力1500

 

 

 僕の場にアウスが、愛理ちゃんの場にお注射天使リリーが召喚された。愛理ちゃんは僕のデッキの内容をほぼ知っているから、霊使いの誰かが召喚されると読んでいたはず。その上でお注射天使リリーを召喚してきたとなると、恐らくライフを削ってでもフォレストマンを破壊することが狙いだろう。融合を僕の手札に持ってこさせないために。

 

「バトルは続行されるわ。コスモクイーンでThe tyrant NEPTUNEを攻撃!」

「ふっ、僕はリバースカード イタクァの暴風を発動! 相手フィールドの全モンスターの表示形式を変更する!」

「そんなっ!?」

 

 コスモクイーンのエネルギー波がNEPTUNEに迫る中、突如として上空からフィールド全体に吹き荒れた風がその攻撃も含めた全モンスターの態勢を強引に変えさせた。

 

「くっ、それなら私は手札からマジック・ブラストを発動! 私の場の魔法使い族1体につき、200ポイントのダメージを相手に与える! 私の場の魔法使い族は2体。よって400ポイントのダメージ!」

「ぐっ、まだまだ」

 

 

《コナミ》 残 LP 2600

 

 

 フォースを使い、何とかNEPTUNEを排除しようとした策が上手くいかなかったことに苦しい表情を浮かべながら愛理ちゃんは最後っ屁のようにマジック・ブラストで僅かながらのバーンダメージを狙ってきた。

 

「私はこれで、ターンエンド!」

「僕のターン、ドロー! この瞬間、場のフォレストマンの効果発動! デッキから融合を手札に加える!」

 

 フォレストマンの効果でデッキから融合を手札に持ってきながら僕は考えた。状況は五分五分だろうか。モンスターの差では恐らくこちらが有利と言っていいが、ライフポイントの差で言えば、僕の方が圧倒的に不利だ。だが、このターンで追い込めばそれもひっくり返る!

 

「さあてそろそろ、詰めていこうか愛理ちゃん! 僕は手札から天使の施しを発動! デッキから3枚ドローして、2枚墓地へ送る! そして、融合を発動! 場のE・HERO フォレストマンと憑依装着ーアウスを融合! エクストラデッキからE・HERO ガイアを融合召喚!!」

 

 

《E・HERO ガイア》 攻撃力2200 守備力1500

 

 

 僕の場に現れた全身を黒い鎧で守った重量感を感じさせるHERO、ガイア。そのモンスターは召喚されるとすぐに大地を叩き壊して地割れを起こした。それは愛理ちゃんの場のコスモクイーンの元までひび割れていき、彼女から自由を奪うに至った。

 

「その効果により、コスモクイーンの攻撃力を半分にしてガイアの攻撃力にする!」

「コスモクイーンの攻撃力は2950、その攻撃力が加算されればガイアの攻撃力は──」

「そう、3650だ! だけど、まだ僕の戦術は終わらないよ。僕はさらに手札からミラクルフュージョンを発動! 墓地のE・HEROフォレストマンと天使の施しで墓地へ送ったオーシャンで融合! 表れろ、海と大地が一つとなった最強のHEROよ。仲間と共に僕の手に勝利をもたらせ!! E・HERO ジ・アースを融合召喚!!!」

 

 

《E・HERO ジ・アース》 攻撃力2500 守備力2000

 

 

 デュエル場の大きなライトに照らされながら天から勇ましくそのHEROは召喚された。全身を白く、どこかテレビ作品のヒーローの造形を思わせるHEROであった。

 

「これが2体目のプラネットモンスター。地球のHEROなのね」

「そう、その名前の通り、僕たちの生きるこの星から生まれたモンスターなのさ」

 

 これで2体目のプラネットモンスターを召喚できた。場の状況もジ・アースを活躍させるには十分。これ以上はないだろう。

 

「僕はジ・アースの効果を発動! 自分の場のE・HEROを墓地へ送ることで、その時点での攻撃力を自らに吸収する! 僕はE・HERO ガイアを墓地へ送り、その攻撃力3650をジ・アースに吸収する!! 地球灼熱(ジ・アース マグマ)!!」

「コスモクイーンの攻撃力を吸収したガイアをさらに吸収しようと言うの!? …………でも、そんなことしたら私のモンスターを破壊してもダイレクトアタックするには数が足りなくなるわ! それではただのプレイミスよ!」

 

 愛理ちゃんの言う通り、現状僕の場にいるモンスターは2体。ジ・アースとNEPUTUNEだ。そして愛理ちゃんの場にも彼女を守るモンスターは2体。守備表示のコスモクイーンとお注射天使リリーの2体だ。このままでは愛理ちゃんの場をがら空きにすることはできてもダイレクトアタックを決めれない。

 これではいくらジ・アースの攻撃力を上げても無意味。何の意味もなさない。僕は愛理ちゃんの指摘に同意しながらもほくそ笑んだ。

 

「それはどうかなあ。要するにジ・アースの攻撃を通すためにもう一体の攻撃メンバーがいればいいわけだ。その方法はすでに用意してある!」

「えっ!? でも、あなたの手札にいるのは1ターン目に回収したキラー・スネーク。それではコスモクイーンもお注射天使リリーも破壊できないわ。コナミ君にはもう他に手札もないし、どうやって召喚しようと言うの!!」

「ふ、僕がガイアを召喚したのはジ・アースの攻撃力を上げるためだけではないのさ。3体目のプラネットモンスターを召喚するためさ! 僕は墓地にいるE・HERO ガイア、首領亀、憑依精霊ーアウスを除外することで、墓地から表れろ、灼熱の火星よ!! 絶えることなき炎で全てを焼き尽くせ!! 僕はThe blazing MARSを墓地から特殊召喚!!!」

 

 

《The blazing MARS》 攻撃力2500 守備力2000

 

 

 デュエル場の大地を引き裂くように灼熱を生み出しながら召喚されたMARS。巨大な竜の頭に下半身のない鎧を着た戦士がくっついた歪な姿をしたモンスターはその異様さと共に放つ威圧感でその存在感を如何なく発揮していた。

 

「墓地のモンスターを除外することで召喚される3体目のプラネットモンスター…………」

 

 僕は愛理ちゃんが愕然とした表情で僕の場に並んだ3体目のプラネットモンスターにこれ以上はないと言えるほどにこの動画撮影の成功を確信した。

 3体の最上級モンスターであるプラネットモンスターが一堂に並ぶ光景は圧巻に尽きないだろう。この光景は撮影前に僕が理想盤面として望んでいた光景そのものだった。

 

 この光景を写せただけで、恐らく僕と言うデュエリストとプラネットモンスターの強大さをアピールする分には十分な効果が期待できると思う。

 あとは、このデュエルを華麗に終わらせるだけだ!

 

「さあ、これで終わらせていこうか愛理ちゃん! 僕はNEPTUNEでコスモクイーンを、MARSでお注射天使リリーを攻撃! そして、これでフィニッシュだ。E・HERO ジ・アースで愛理ちゃんにダイレクトアタックだ!! 地球灼熱斬(アース・マグナ・スラッシュ)!!!」

 

 このデュエルを終わらせるべく、怒涛のプラネットモンスターたちの攻撃が一斉に愛理ちゃんに殺到した。

 それは呆然とした彼女の意識を置いてけぼりにするほどに鮮烈な光景となって彼女の膨大なライフを一撃で残さず削り取っていった。

 

「キャアアアアアア!!?」

 

 

《愛理》 残 LP 0

 

 




 ぶっちゃけ今回の話いるって思ったけど、何かしら理由付けしないと属性HEROが全部集まるにはレアリティ含めて可笑しいかなと思ったので書きました。ZEROとかトルネードとか強すぎてどうやって手に入れたんだよって今後自分で思っちゃうので。

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