初心者粉眠くんのデュエル日誌   作:XX

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 カイザー戦を想定した論理的な十代と普段の十代の戦術の違いって正直よくわからなかったけど、まあ相手に合わせた妨害カードを選択するって感じでイメージしています。


天使の飛翔

 青白く発光する月夜の下、大きな木が見守る海辺の丘で僕と十代君のデュエルが始まろうとしていた。

 

「先行か後攻か。それは十代君が決めていい。明日の本番を意識して決めるといいよ」

「そんなんいらねえよ。ランダムでいいだろ」

「明日の卒業模範デュエルでは、先行後攻は僕たち後輩側に決定権が与えられる。なら、このデュエルもそれを想定して行うべきさ。特に君が弱くないことを証明したいなら尚更ね。君は明日、どちらを選ぶつもりだい」

 

 普段通りの十代君ならまず間違いなく先行を選んでくる。しかし、そうはならないだろうと言う確信をもって僕は彼に聞いた。

 

「俺は後攻を選ぶ。カイザーの持つサイバー流は後攻にこそ強いデッキだ。なら………」

「先行を取らせて、受けに回らせるのが定石。それはまあ、間違ってはないけどね。まあ、いいさ。それなら僕の先行だね。僕のターン、ドロー!」

 

 僕は十代君の選択に納得と不満を感じながらデッキからカードを引いた。

 

「僕はジェルエンデュオを攻撃表示で召喚! そしてカードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

 

《ジェルエンデュオ》 攻撃力1700 守備力1000

 

 

「コナミのデッキにジェルエンデュオ? あれは確か天使族だったはず、デッキが違うのか? 俺のターン、ドロー!」

 

 ジェルエンデュオ、桃色と薄緑色をした小さな2体1組のモンスター、それは普段扱っている僕のデッキにはないモンスターだ。そんなモンスターが召喚されたことに違和感を感じたのだろう。十代君は怪訝な表情を浮かべながらカードを引いた。

 さて、ご希望の十代君の後攻1ターン目、彼はどう行動してくるかな。自慢の融合で一気呵成に攻めてきてくれるとありがたいのだけど…………。

 

「俺は手札からEーエマージェンシーコールを発動! デッキからE・HEROを手札に加える。俺はデッキからE・HERO クレイマンを手札に加える。そして融合を発動! 手札のE・HERO クレイマンとバーストレディを融合! E・HERO ランパートガンナーを守備表示で召喚!!」

「ランパートガンナーを選択してきたか………」

 

 

《E・HERO ランパートガンナー》 攻撃力2000 守備力2500

 

 

 十代君の十八番である融合、それによって召喚された大きな盾を持った人型のHEROは高い守備力を活かすために身を守る体勢で召喚されていた。

 僕はその融合先のモンスターの選択に一抹の疑問を感じて彼に聞いた。

 

「意外だよ、十代君なら手札にバーストレディと融合があったならフェザーマンを選択してくると思っていた。そうすれば君のお気に入りのフレイム・ウィングマンを召喚できるからね。これまでいつもそうしてただろうに、どうしてランパートガンナーを選んだんだい」

「へっ、俺が気づかないと思ったのか。ジェルエンデュオは戦闘では破壊されないモンスターだ。破壊されるのはダメージを受けた瞬間、ならフレイム・ウィングマンよりもランパートガンナーの効果で直接攻撃をした方がダメージ量は多いぜ!」

「それはまあ………そうなんだけどね…………」

 

 自信満々に語る十代君に僕はどこか不承不承と言った感じで答えた。

 なるほど、ダメージ量を計算してのランパートガンナーの選出か。戦術としては正しい選択だな。彼らしくないと言う点を除いてだけどね。普段の彼なら何はともかくフェイバリットHEROであるフレイム・ウィングマンを召喚してきたはずだ。この瞬間のダメージ量ではランパートガンナーより劣るとしても、その先は別なのだから。

 

 やはり彼は自らのデュエルスタイルを見失っているなと僕は一層確信してどう立ち直らせるかを考えた。僕は彼に気づかれないように小さく嘆息を吐いた。

 

「バトルだ! 俺はランパートガンナーでお前にダイレクトアタックだ!! この時、守備表示のランパートガンナーは直接攻撃できる! ランパート・ショット!!」

「ぐぅ!」

 

 

《コナミ》 残 LP 3000

 

 

 ランパートガンナーの盾から発射された小型のミサイル群はジェルエンデュオを無視してその奥にいる僕を直撃した。

 

「よし、これで先制はとったぜ。そして、お前のジェルエンデュオも破壊される!」

「ああ、僕がダメージを負うことでジェルエンデュオは効果により破壊され墓地へ送られる」

「これで俺はターンエンドだ!」

「僕のターン、ドロー!」

 

 ランパートガンナーに対してどう対処するかと考えながらデッキから引いたカードを見て、僕は笑みを浮かべた。

 

「十代君、君は疑問に感じているんだろう。僕がジェルエンデュオという見慣れないモンスターを使ったことに。お察しの通り、このデッキは何度も君とデュエルしたデッキとは違う。勿論、調整用の昆虫デッキとも違う。言うなれば、第3のデッキなんだ。あるカードを使うためのね」

「コナミの……3つ目のデッキ……」

「そう、そして、そのカードを今から見せてあげるよ! 僕は死者蘇生を発動! 墓地のジェルエンデュオを墓地から特殊召喚! そして、ジェルエンデュオをリリースして、手札からThe splendid VENUSをアドバンス召喚!!」

 

 僕がVENUSをデュエルディスクにセットした瞬間、夜闇を切り裂く一筋の閃光が天を切り裂いた。そして光を降り注ぎながら天から降臨したVENUSはまさしく月に照らされた女神そのものの美しさだった。

 

 

《The splendid VENUS》 攻撃力2800 守備力2400

 

 

「すげえ、VENUSってことは、これってもしかしてお前の三体目のプラネットモンスターなのか…………!?」

「そう、金星の名を持つモンスターさ。その効果は天使族以外のモンスターの攻撃力、守備力を500ポイントダウンさせる。君のランパートガンナーの攻守は500ポイント下がるってことさ」

「くっ、それじゃあ、俺のモンスターはそいつがいる限り、全部弱くなっちまうってことかよ」

 

 十代君のデッキはE・HEROモンスターで固めた戦士族デッキ。時折それ以外のサポートモンスターも入っているけれど、メインは全て戦士族だ。とてもVENUSを倒せるステータスはしていない。

 

「僕はThe splendid VENUSでランパートガンナーを攻撃! ホーリー・フェザー・シャワー!!」

「──ランパートガンナーがッ!?」

 

 VENUSが両羽から放った光の羽根の攻撃はランパートガンナーを容易く打倒した。残念ながら守備表示のため十代君にダメージは通らなかったが、十分な役目を果たしてくれていた。

 

「僕はカードを1枚伏せて、これでターンエンドだ」

「くっ、俺のターン、ドロー!!」

 

 状況は揺り戻しが起こり十代君から僕へと有利が変わった。ここからすぐさま逆転はいくら彼でも難しいだろう。だから、彼がするなら…………。

 

「俺は手札から戦士の生還を発動! 墓地からE・HERO クレイマンを手札に戻し、守備表示で召喚! カードを1枚伏せてターンエンドだ」

「僕のターン、ドロー!」

 

 

《E・HERO クレイマン》 攻撃力300 守備力1500

 

 

 ………ま、そう来るよね。守備で固めてチャンスを待つ。僕でも同じことをするだろう。或いは彼なら…………と思ったが、今の十代君にそれは難しいか。なら、さらに追い込むとしよう。そして、彼のデュエルが間違っていることを教えてやるんだ。

 

「僕は手札からテラ・フォーミングを発動! デッキからフィールド魔法を持ってくる。僕は天空の聖域を選択、そして発動! このカードがある限り、天使族の戦闘ではダメージを受けない!」

「天空の聖域!? そいつはやべえ! 俺はカウンタートラップ 封魔の呪印を発動! 手札のフェザー・ショットを墓地へ送ってそのカードの発動を無効にするぜ! さらに封魔の呪印によって、天空の聖域はもう発動できない!!」

 

 天使族の様々なサポートカードの起点となるキーカードにカウンターできたことが嬉しいのか十代君はその顔に笑みを浮かべていた。そしてそれはすぐに驚愕へと変化していった。

 なぜなら、天空の聖域は無効にされなかったからだ。彼は手札の魔法カードを犠牲にし、二度と発動できないカウンターを仕掛けたがそれは不発に終わった。

 丘の上のフィールドは雲に覆われ、僕の背後には神殿が雲の中から現れた。僕はそれを見て、月下に照らされる天空の聖域は明るい場所で使用されるのとは違った趣があるなと感慨にふけった。

 

「なんでだ、俺は確かにカウンタートラップを発動させたはずだぜ!」

「それはね、VENUSには攻守の変動以外にもう一つ効果を持っていたのさ。VENUSがいる時、僕が発動する魔法・罠はカウンターされないっていうね。だから、君がいくら強力なカウンター罠を発動しても無駄だと言うことさ」

「なにィ!? くそっ! そんな効果を持ってたのか…………」

 

 カウンターが無効化されたことに悔しがる十代君に僕は疑問に感じていたことを聞くことにした。それが、彼の間違いを知らせる第一歩となると思ったからだった。

 

「十代君、今の封魔の呪印だけど、どうしてデッキに入れているんだい。以前までの君のデッキには入っていなかったカードだったと思うけど」

「ん? あーそりゃあ決まってるだろ。明日はカイザーが相手なんだぜ、カイザーの融合は強力だ。逆に言えば融合を封じてしまえば勝利にぐっと近づけるってわけだ。融合封じにこのカードを入れない理由はないぜ」

 

 まるでそれが当然だと言うように語る十代君に僕は落胆を隠せなかった。それは想像していた通りの回答ではあったけれど、だからこそ、あってはならない回答でもあったからだ。

 

「十代君、君はいつからそんなに弱気になってしまったんだ。それじゃあ僕も丸藤さんも失望をせずにはいられないよ」

「なっ、なんだと!?」

「だってそうだろう。相手の戦術に合わせてそれを封じるなんて、それは明日香さんや三沢君の領分じゃないか。ひたすら前に、自分のデュエルを押し通す君らしくないじゃないか。僕も、そして恐らく丸藤さんも、そんな君のデュエルが大好きなんだよ。だから、君を最後の相手に選んでくれたんじゃないか。まったく、がっかりだよ。まさか君がここまで弱くなっているなんてね」

 

 僕は彼への呆れと失望を隠さずに下を向いて大きくため息を吐くことで僕の思いを吐露してデュエルを再開した。

 

「僕は手札から天使の施しを発動、カードを3枚引いて2枚墓地へおくる。そしてデュミナス・ヴァルキリアを攻撃表示で召喚!」

 

 

《デュミナス・ヴァルキリア》 攻撃力1800 守備力1050

 

 

「バトルだ! デュミナス・ヴァルキリアでクレイマンを、The splendid VENUSで君にダイレクトアタックだ! ホーリー・フェザー・シャワー!!」

「ぐぁあああああ!!?」

 

 

《十代》 残 LP 1200

 

 

 天使の羽根をはやした戦乙女であるヴァルキリアがクレイマンを光の剣を生み出して切り裂いた。そして開けた道を貫くように十代君へとVENUSの攻撃が突き刺さるのだった。

 

「僕はこれでターンエンドだ。もうサレンダーしてもらっても構わないよ。このデュエルは敗北は決まったようなものだからね。今の君では僕にも、丸藤さんにも絶対に勝てない」

「ぐっ、ふざけんな。誰がサレンダーなんかするかよ。俺のターン、ドロー!」

 

 十代君は追い詰められているのは自覚しているのだろう、苦しい表情をしながらデッキからカードを引いた。

 

「俺は手札からE・HERO バブルマンを守備表示で召喚! デッキからカードを2枚ドローする!」

 

 

《E・HERO バブルマン》 攻撃力300 守備力700

 

 

「バブルマンか。この局面で引いてくるあたり、君も僕と同じで引きが強い。だけど、いいカードは引けたかい十代君」

「くっ、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」

「僕のターン、ドロー!」

 

 十代君はバブルマンで手札を補充はできたようだけど、結局それでできたのはカードを1枚伏せるだけ。そして、そのカードに僕はさほどの脅威は感じなかった。だから、迷わず攻めに行くとしよう。

 

「僕はデュミナス・ヴァルキリアをリリース、そして天空騎士パーシアスをアドバンス召喚! そしてさらにパーシアスをリリースすることで手札から天空勇士ネオパーシアスを特殊召喚する!!」

 

 

《天空勇士ネオパーシアス》 攻撃力4100 守備力3800

 

 

 月夜の下の神殿の目前にVENUSに負けず劣らずな神々しさを宿した巨大な天使が召喚された。それは優に3mは超えているかもしれない。黄金に輝く鎧を身に纏い、光輪を背にそのモンスターは全てのカードを圧倒する攻撃力で十代君を威圧していた。

 

「攻撃力………4100!?」

「ネオパーシアスは天空の城が存在するとき、僕のライフが君より多ければその分攻撃力と守備力を増大させる。そして、このモンスターが守備モンスターを攻撃した時、その差分のダメージを君に与えるのさ。さあ、これを受け止めることはできるかな! 僕はネオパーシアスで君のE・HERO バブルマンに攻撃!!」

 

 僕の号令と共に、ネオパーシアスの傍に浮いていた黄金の剣が宙を泳ぐように舞い踊り、バブルマンへと迫った。

 

「これで終わりになんかさせるかよ! 俺はリバースカード 攻撃の無力化を発動! ネオパーシアスの攻撃を無効にする!」

 

 バブルマンへと迫ったネオパーシアスの攻撃はバブルマンの眼前に現れた渦に呑まれて消えてしまった。そしてそれは、このターンでは勝負を決めきれないと言う事実を僕に与えていた。

 

「ふむ、なら、僕はこれでターンエンドだ。まだ、足掻くことはできるかな」

「はぁ………はぁ。くそっ、俺のターン、ドロー」

 

 これまでの勢いはどこへ行ったのか、十代君は力なくカードを引いた。そして、そこにあるカードを見て、そして地面に膝をついてしまった。

 

「ハネクリボー…………すまねえ、お前がコナミを連れてきてくれたのはわかるけど、俺はコナミに勝てそうにねえ。こんなんじゃ、カイザーにも勝てるわけがねえ…………」

 

 引いたのはハネクリボーか。確かに、それではVENUSの攻撃を防ぐことはできても、ネオパーシアスの貫通攻撃を防ぐことはできない。

 ハネクリボーは天使族だから天空の聖域の恩恵を受けれるけど、バブルマンを守ることはできない以上、デュエルを諦めてしまうのも止む無しか。だが…………。

 

「十代君、諦めるのもいいが、その前に僕の話を聞いてもらってもいいかな」

「……話?」

「うん、十代君、デュエリストには様々なタイプがいるけれど、その中でも君は特にエゴイスティックなデュエリストだと僕は思っている。自分のデュエルスタイルを貫いて、相手がどんなデッキを使おうとも、自分のデュエルを貫いて正面から薙ぎ倒す。殆どの人ができないそれをできてしまうデュエリストだとね」

 

 僕はポツポツと膝を落とし、落ち込む十代君に話した。これでダメなら、本当に明日は諦めるしかないだろう。そう覚悟しながら──。

 

「十代君、小手先の技術に拘って相手に合わせたデュエルをする。それが君のデュエルなのかい? 違うだろう。君はいつだって自分を貫いて最高にデュエルそのものを楽しんでいたじゃないか。だけど今はそうやって膝をついて諦めてしまっている。まだ、手札には可能性が詰まっているかもしれないというのに……」

「手札の……可能性……」

「そうさ、デッキを信じて最後まで諦めない。そんなデュエリストだろ、君はさ」

 

 僕は祈っていた。どうか僕の言葉の真意を受け取って気づいてくれと願っていた。

 そして十代君はゆっくりとした動作で手札をもう一度見た。

 

「デッキを信じて戦う。俺の、俺たちの……可能性……そうか、わかっぜコナミ!」

「──十代君!」

「へへ、デュエルに負けるかもって思って諦めちまうなんて俺らしくなかったな。すまねえコナミ、みんな、最後まで諦めずに戦うぜ!」

「うん、それでこそ十代君だ!」

 

 どうやら気を取り戻せたようだ。十代君は僕とデッキに謝りながら手札を見ている。しかし、それがこの状況を好転させるに足るかは彼次第だろう。

 そして、もし彼が本当に元の彼に戻れていたならば、きっとカードは答えてくれるはずだ。なぜなら彼は天性のデュエリストなのだから。

 

「俺は手札からモンスター回収を発動! 俺はバブルマンと3枚の手札をデッキに戻してシャッフル。そしてデッキに戻した手札の枚数、3枚をドローする!」

「手札のやり直しか、それでいいカードを引ければまだ逆転の目はあるが、そう上手く引けるかな」

「へへ、コナミ、俺のドローは奇跡を生むぜ! 俺はデッキから3枚ドロー!!!」

 

 その時、確かに僕は見た。十代君のカードが眩しいほどに輝く光を放っていたことを──。

 

「よっしゃっ! 俺は手札からE・HERO バブルマンを守備表示で召喚! そして、その効果でさらに2枚ドローだ!」

「なに! 再びバブルマンを引いてきたのか!?」

 

 

《E・HERO バブルマン》 攻撃力300 守備力700

 

 

「よし、俺は、カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

「僕のターン、ドロー!」

 

 まさかモンスター回収でバブルマンを戻してさらにもう一度引くことでドローしてくるなんてね。さすがは十代君、と言ってあげたいところだけどそれでしたのはカードを2枚伏せただけか。

 しかし、伏せ2枚とはいえそれで逆転のキーカードという可能性は十分にある。ここは万が一に備えてダメ押しをしてさらに彼との差を広げておこう。

 

「僕は強欲な壺を発動しカードを2枚ドロー。そしてリバースカード 白衣の天使を発動! 僕は1000ライフ回復する。また、僕の墓地にある同名カードがある場合さらにその枚数分500ポイント回復。僕の墓地には白衣の天使が2枚。よって合計2000ポイント回復だ!」

 

 

《コナミ》 残 LP 5000

 

 

 僕の背後に現れたナース服を着た天使が僕に光の粒子を注ぎ込む形で僕の削られていたライフを万全以上にまで押し上げた。

 

「コナミのライフが………5000にまで…………」

「さらにこれによってネオパーシアスの攻撃力はさらに増大する。今の僕と君のライフの差は3800になった。よって今のネオパーシアスの攻撃力は…………6100!!」

 

 

《天空勇士ネオパーシアス》 攻撃力6100 守備力5800

 

 

 ネオパーシアスの攻撃力はもはやこれ以上の攻撃力を持つモンスターなどこの世に存在しないと言えるレベルにまで上がった。あとはこのモンスターで圧殺すればすべて終わる………。だが、一応あの伏せカードがカウンター罠だった場合に備えておく、それで本当に詰みだ!

 

「僕は最後に手札から天空聖者メルティウスを攻撃表示で召喚! このモンスターがいる限り、カウンター罠が発動するたびに僕は1000ライフ回復し、天空の聖域が存在するため、さらに場のカードを1枚破壊できる! これで、君が何を伏せていようと君の場はがら空きになる!」

 

 

《天空聖者メルティウス》 攻撃力1600 守備力1200

 

 

 付け加えるなら僕の手札には紫光の宣告者がいる。このモンスターがいる限り、如何なる罠カードを発動させようがこのカードともう一枚の天使を墓地へ送ることで無効にできる。そう、たとえ一発逆転ができる最強の罠である聖なるバリアーミラーフォースーが伏せられていてもだッ!!

 

「これで終わりだ十代君! 僕は天空勇士ネオパーシアスで君のバブルマンを攻撃!!」

 

 今度こそこのデュエルを終わらせる攻撃がバブルマンを破壊せんと向かった。四方から迫る黄金の剣は確かにバブルマンを破壊する……はずだった。

 

「まだだぜコナミ! 俺はこの瞬間、リバースカード クリボーを呼ぶ笛を発動! デッキからハネクリボーを呼ぶぜ、来てくれ相棒!!」

「この局面でハネクリボー!? しかし無駄だよ、今更ハネクリボーを呼んだところでね!!」

 

 

《ハネクリボー》 攻撃力0 守備力0

 

 

 バブルマンへと迫っていたネオパーシアスの攻撃を遮るようにハネクリボーが召喚された。しかしそれはあまりに脆弱で、ネオパーシアスの攻撃を防ぐには力不足にすぎるモンスターであった。少なくとも僕にはそう見えていた。

 そんな僕を笑うように、十代君が伏せてあったもう1枚のカードを発動させた。

 

「いいや、相棒は奇跡を呼んでくれたぜ! おれはさらに進化する翼を発動! 手札を2枚捨てて、ハネクリボーはLV10へと進化させる!!」

「──トラップカードじゃない!!?」

 

 ネオパーシアスの前では小さく儚い壁にすらなれない小さな羽根をはやしたクリボーが進化する翼のカードにより輝かしい発光を放ちながらその姿を変貌させていった。

 それは龍の形を模した黄金の鎧を纏い、その身よりも遥かに大きな真っ白で穢れのない天使の羽根を生やしたクリボーであった。

 

 

《ハネクリボー LV10》 攻撃力0 守備力0

 

 

「ぐっ、ハネクリボーの進化体! その効果は──」

「そうだ、ハネクリボー LV10は自身を生贄に捧げることでフィールドの全モンスターを破壊。その攻撃力分のダメージをコナミ、お前に与えるぜ!!」

 

 進化したハネクリボーが強く目を開けてられない程に眩しい輝きを放ちながら僕のVINUSを、ネオパーシアスを、そしてメルティウスを包み込み、その巨大な光は最後に僕を巻き込んですべてを破壊していった。

 

「完璧な戦術、手札も万全だったのに、それを超えてくるのか十代君!! ………っぐ、うぁああああああ!!?」

 

 

《コナミ》 残 LP 0

 

 

 海辺の丘で、ハネクリボーによる巨大な光が闇夜を切り裂く光となってデュエルを終わらせた──。 

 

 




アニメってカード効果を知らない方が悪いを地で行きますよね。

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