Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
カーテンの隙間から、部屋に朝日が差し込んできている。
「ロクサーヌ!」
「ロクサーヌ俺も愛してる…ロクサーヌ…ロクサーヌ…ロクサァーヌゥー…」
瞳孔の開いた眼で廻りを見廻す。
額の汗をジャージの袖で拭う。
全身冷や汗まみれだった。
乱れた息のまま、恐る恐るジャージとTシャツを捲って腹を見る。
そこには
正面から何度も突き立てられた“シミター”も、
零れ落ちた臓物も無かった。
そのまま自分の手を見る。
自分とロクサーヌの血で
そこで、ようやく自分の居るところに気付いた。
「はぁ!? 嘘だろ。なんで
領城の
子供のお披露目のパーティのあと“他の人には内緒で”というから人払いをして二人きり、
そして、
ロクサーヌが情熱的にキスをしてきて、
腹に灼熱を感じた。
頭に手を廻されて唇を唇で強引に塞がれて悲鳴もだせなかった。
何度も何度も
ひたすら
念入りに
執拗に
もう熱くて、熱くて、
次第に熱も感じなくなって、
辺りには鮮血が飛び散って。
「愛しています、ご主人様」
俺の血で真紅に染まったメイド服のロクサーヌの
「ずっと一緒です」
その鳶色の瞳は狂気に染まっていた。
「ずっと
情熱的なキスの合い間に溢れてくる
「ずっと私
ロクサーヌの本音の方が痛かった。
「私
そして、自分の首筋にシミターを当てると、
「一緒に逝きましょう?」
躊躇せず笑顔で斬り裂いた。
「愛しています、ご主人様」
俺はどこで何を間違ってしまったのだろう?
ロクサーヌ
我が愛しのロクサーヌ
何がお前を凶行に走らせたのか
迷宮を討伐して帝国で叙爵したことか? 違うな。
ロクサーヌが嫌がったので奴隷から解放しなかったことか? これも無い。
カシアと不倫したことか? これはありそうだな。
その後に皇帝の紹介で人間と
その第二夫人が子供を生んだことか? これかぁ…
セリーに「子供を見るロクサーヌの眼が怖いです」と忠告されていた。
ミリアは「お姉ちゃん、夜中にシミターを研いで怖いです」と言っていたな。
ベスタとルティナからも、もっとロクサーヌを気遣うよう注意されていたのに。
ミチオ・カガ 享年 二十歳
「一体、何だったんだよ」
自室のPCの液晶モニターの画面を見ると、全ての『はじまり』の画面があった。
そして、その下に、もうひとつウィンドウが開いていた。
「ははっ、何だよ」
そんな馬鹿な。
「今のは『チュートリアル』だった、っていうのか?」
あの灼熱は、紛れもなく
飛び起きた時に、放りだしたマウスを拾ってきた。
『チュートリアル』なんてウィンドウは無かったはず。
もしかして、
そう思って画面上をマウスでくまなく走らせ、tab ボタンを連打して、ウィンドウを切り替えていく。
すると、
というウィンドウと、
というウィンドウが隠されていることを発見した。
この、異世界の『チュート・
ドットサイズのウィンドウとか、気付けるものか!
俺は迷わず、下のウィンドウをクリック…する前に、『隠しコマンド』のウィンドウをクリックした。
すると、
ボーナスポイントはゼロにしたはずが、BP制限解除が1で取得できている。
たしかボーナス設定は、
ボーナス武器 6 63pt →6
アクセサリー 2 3pt →2
必要経験値減少 1/5 15pt →4
必要経験値減少 ×5 15pt →4
セカンドジョブ 1pt
鑑定 1pt
キャラクター再設定 1pt 計 99pt→19pt
残りポイント 0pt
だったはずだが、残りポイントが 80pt になっている。
まあいい。
残りポイントで隠しコマンドを選択していくと、最後を除いて 1pt ですんだ。
全部で 25pt
再設定できません、とあるが、問題無いな。
『隠しコマンド』をコンプリートして制限を全部解除する方が多分重要だ。
あとBP1ptあれば……で泣いたことは多かったから。
それに、残りのBPを割り振るために、ここで『いいえ』を選択してしまうと、
『チュート・
俺は、ロクサーヌに会うことが……できなくなってしまう……それは嫌だ。
それは避けたい。
今度こそロクサーヌと……最期はアアなってしまったが、俺も愛しているのだ、ロクサーヌを。
あの日々を無かったことにしたくない。
とはいえ、ここで再度チュートリアルして確かめる気力も…正直無い。
俺は、
のウィンドウをクリックする。
一息ついてから「はい」をクリックする。
俺の意識は『再び』何かに吸い込まれるように遠くなっていった。
そして、
気づいたら、俺は藁の上で寝ていた。
どこかの物置小屋みたいなところに藁が積まれていて、俺はその上で寝ていた。
これは、多分3年前と同じ始まりか?
ここはどこだ?
ソマーラの村 ビッカーの厩戸
いきなり視界の左上にいつものウィンドウが開いて、地名と場所が表示された。
右上には、地図らしきウィンドウも浮かんでいる。
こんな機能は無かった…ハズだ。
地図らしきモノを縮小すると、近くに『ベイル』がでたので地図なのだろう。
俺は、少しドキドキしながら、キャラクター再設定、と念じた。
いくつか表示が変わっているのがあったが、隠しコマンドがあることを確認して、ホッとした。
そして、気を引き締める。
確か、盗賊団の襲撃があった…のだ。
右上の地図にも赤い点が見えた。
鑑定を使ってデュランダルと決意の指輪を見つけると、ボーナス装備の防具を選択する。
頭、胴、手、足装備を、それぞれ6まで選ぶ。
BPは24しか必要無かった。
焦らず、足、胴、手、頭の順に装備する。
続けて、ボーナススキルから、ジョブ設定とレベル制限解除とダメージ限界解除を選択する。
更に、パラレルジョブを
残りBPは55ー24ー12=19。
これで有効ジョブは10個になった。
そこに、チュート・
探索者Lv123、戦士Lv105、剣士Lv103、英雄Lv88、狂戦士Lv55、勇者Lv48、剣聖Lv45、
他には、博徒Lv55と、回復職の沙門Lv45と……賞金稼ぎLv48でいいか。
BPの残りは、はぁ? 1000を超えている!!
もしかして、BP制限解除って1stジョブだけでなく、全所有ジョブに波及している!?
…検証は後だ、とにかくステータス上昇を全部99まで上げていく。
って、よく見るとHP・MP・幸運もステータス上昇に増えてるし。
ステータスの9項目を99まで上げても余っている…
クリティカル上昇、HP・MP回復速度上昇の
鑑定の上に、看破、隠蔽があったのでそれも取る。
隠蔽ね。
全身ボーナス装備の
ボーナス呪文のワープも取っておこう。
余りは…経験値系を
地図上で盗賊が村に侵入してきた。
すると、村全体に響くような大きな声が轟いた。
東の方を見る。
なにやら叫んでいるが、何を言っているのか、詳細は聞き取れない。
『…盗賊が…』『…女子供は…』『…武器を…』
そのうち、村人たちが武器を持って家から出てきた。
剣や鍬を持っている。
村人たちは何人かまとまると東に向かって駆けていく。
俺もひっそりと、厩戸の陰に隠れた。
東の方を見ると、砂煙が立っている。
20名くらいの盗賊が村に押し寄せてきていた。
〈男・23歳〉童帝
盗賊:Lv7
装備:銅の剣 皮の靴
〈男・25歳〉オープンスケベ
盗賊:Lv11
装備:銅の剣 皮の鎧 皮の靴
〈男・26歳〉ムッツリスケベ
盗賊:Lv4
装備:銅の剣
盗賊たちはまだ遠くにおり米粒ほどにしか見えないが、必要な情報は浮かんでくる。
鑑定スキル変化してないか? いや、看破か。
あの時は、まだゲームだと思っていた頃だったな。
盗賊たちのレベルはおしなべて低く、レベル一桁が多い。
以前の俺でも十分相手にできたが、村人が持っている銅の剣では対抗できないだろう。
村人たちは、俺が寝ていた厩戸の先、村の内側の境目に陣取っていた。
そこで盗賊を迎え撃つようだ。
対する村人の方は、主力は村人:Lv25のおっさん・47歳 嫁さん大好き か。
もしかして、ティリヒさんの旦那か?
村長もいた。
無理すんな、ソマーラ・68歳、村長:Lv8 腰が低い よ。
対する盗賊は……いたいた。
〈ウーゴ・38歳〉ペイルを別派閥に追い出された。この村を襲って…
盗賊:Lv41
装備:鉄の剣 盗賊のバンダナ 鉄の鎧 皮の靴
この男が頭目だった。
一人だけレベルが高い。
盗賊のバンダナ を装備品で身に着けている。
そういえば盗賊内部の抗争で負けて追い出されたんだっけ。
その次は、がくっと落ちてLv19、ここまでが賞金首だったハズ。
さっきのLv11が三番目で、あとは一桁。
俺は、チュート・
ワープを使って、一人も逃さないように全滅させていたなぁ。
盗賊たちは、やがて村にたどり着くと、剣をかざして斬り込んできた。
『男は殺せ! 女は輪姦せ! 金と食料は奪い盗れ!』
村人がそれを迎え撃つ。
『盗賊に死を! 家族を守れ!!』
って、人間の言葉が解るようになってるやん。
まぁ、意味が解っても全然嬉しくないが。
盗賊も村人も、双方レベルが低いせいか、鍔迫り合いになっている。
Lv25のおっさんが殺られる前に手を貸さねば、
俺はブラヒム語で叫びながら、厩戸から飛び出した。
「我は自由民、ミチオ・カガ。義によって助太刀致す」
ウーゴに向かって走りながら、オーバードライブと念じる。
スキルが発動して、世界が遅くなる。
途中の盗賊を一刀のもとに次々と斬り伏せながら、ウーゴに迫ると、
おっさんと切り結んでいたウーゴの首を、あっさり切り飛ばした。
世界が動きだし、喧騒が戻ってきた、
『『お頭ぁ!』』『頭目っ』
すかさず剣をかざして叫ぶ。
「盗賊の頭目の首、討ち取ったり!!」
続けて、オーバーホエルミングと念ずると、盗賊に圧倒されている村人から順に助けていく。
Lv19もキッチリ斬り伏せたところで、また喧騒が戻ってきた。
もう、半分以上討ち取っている。
「負傷者は下がれ! 無事な者は囲め!」
叫びながら、残りを淡々と斬り伏せていく。
村人達に遠巻きに囲まれて、逃げることもできない盗賊を斬っていく。
最後の一人を斬り終えて残心していると、
『流石です、現役の冒険者の方ですかな? はてさて…』
と、村長が人間の言葉で話しかけてきた。
喋れるようになったようだが、
「ブラヒム語は喋れるか?」
と、俺的には日本語で返した。
「おっと失礼、ブラヒム語の話者でしたか…」
村長が、ブラヒム語で返してきた。
「流石です、冒険者の方ですかな?」
「いや、探索者だ」
1stジョブは。
「そこの厩戸で休憩していたところで襲撃があったのでな。義によって助太刀したまで」
「村の窮地を救っていただき、ありがとうございました」
そうそう、とても腰が低かった。
「できる限りのお礼はさせてもらいます」
「いや…よい」
辺りを見廻すと、結構負傷者が多いな。
『あなた、怪我してるじゃない』
『ティリヒ、大丈夫だ』
全然大丈夫じゃないヤツだ。
「あ〜、村長? 傷薬の手持ちが多くあるので、相場で買い取らんか」
「よろしいのですか?」
「せっかく助けたのに、死なれるのもな」
徐ろにLv25のおっさんの口に滋養剤を突っ込む。
見る見るうちに傷が治っていく。
後は、村長に滋養丸を10粒ほど渡せばいいだろう。
「一粒60ナール、計600ナールだ。怪我人に配ってくれ」
おっさんが、『自分の分は…』と言いだしたので、自分の唇に人差し指を立てる。
ささやかながら、チュート・
十分な報酬だ。
『お父ちゃん』『あなた』
って、おっさん、子供も居たのかよ。
俺はこの時、何も知らなかったんだな…
こうして、ソマーラ村でのデキゴトを終えて…
盗賊のバンダナのすりかえ事件は起こして、
翌朝、ペイルへとビッカーの馬車で旅立った。
そうそう、
全員俺が倒していたので、武器・防具代も全部俺のモノだ。
ロクサーヌの
しかし、そうアイテムボックスも
はてさて、どうしよう?
「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」の良作二次創作にアテられて書いた。
スーパー・イージー・モードを考えていたら、何故かこう成った。
Re:要素はすでに終わりました(笑)
タグの勉強でもある。
需要があれば続き書く…
※ アイテムボックスの表記を列からスタックに変更しました ※