Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを   作:載せられた人

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 これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語

 でも、取り戻される方にも事情ってありますよね



第12.5話 Re:ガールズサイド

 

 

 ベイルの町 ベイル亭・517号室 春の4日・夜 

 

 

 ミチオが夢の世界に旅立ったあと。

 

「ミチオ様、本当に手を出してきませんでしたね」

 

()()()()?」

 

「ぴっ、す、すみません。でも、ほんの4日前までは()()抱いてもらっていたのです」

 

 

()()()

 

「はい、毎日。それにしても、ミチオ様ぐっすりと眠っています。やはり、今日の告白(懺悔)は精神的にとても疲れたのでしょう」

 

「そうですね。聞いていた私も疲れた気がします」

 

 

 

 

 

 そう、今日は、昨日に続いて、とんでもない一日でした。

 

 昨日の旦那様は、私の()()()()()()()()()()

 

 

 ご主人様を選べない立場になった自分を守るための、

 

 『()()』と『()()

 

 性奴隷になったときに、諦めと共に()()()()に仕舞った()()()()

 

 それを()()()、なんて、

 

 なんて()()()()()()()のだろう、

 

 

 それなら、どうしてもう少し早く来てくれなかったの?

 

 私が奴隷になる前に迎えに来てほしかった!

 

 そんな私の言葉も許してくれた。

 

 

 

 

 

「でも、ロクサーヌお姉さまが仲間に戻って、わたくしも側室として認められてよかったです」

 

「そうですか? 今ならルティナは伯爵令嬢として本妻を目指せるのではないですか?」

 

「その…前回も今回も、ミチオ様の()()()()()の向かう先は、いつもロクサーヌお姉さまです。わたくしも愛されているとは思いますが、そこまでは来ません」

 

 

 

 

 

 ちょっと嬉しかった。

 

 無理をしなくていいって言ってくれて、()()()手を出さなかった。

 

 …アソコは()()()()になっていたのに。

 

 奴隷商の商館で学ば()()()性奴隷に対する扱いではなかった。

 

 温かくて、心が()()()()してきて、

 

 たくさん約束してくれた。

 

 私が一番だって。

 

 私だけをパートナーにしてくれるって。

 

 私を唯一のお嫁さんにしてくれるって。

 

 私の心に寄り添ってくれた。

 

 

 

 

 

「それに前回の最後をミチオ様は自業自得だと私に言ってましたが、今となっては、ある意味よかったのかもしれない、とも思うのです」

 

「それはどうして?」

 

「前回、わたくしたちのパーティで討伐した()()()()()()()()()()と思いますか?」

 

「たしか、3年はあったのですから、年に2個、は多すぎるとして、3個くらい討伐したのですか?」

 

 

 

 

 

 私を迷宮に連れて行ってくれた。

 

 私の言うことを聞いてくれた。

 

 私のハナが利くことも信じてくれた。

 

 私が戦うのを褒めてくれた。

 

 そして、迷宮討伐の厳しさを教えてくれた。

 

 

 

 

 

1()8()

 

「えっ?」

 

 

「叙爵したときの分を入れると1()9()です」

 

「それは…」

 

 

「最期の1年だけで1()2()()1()3()はありました。帝国の別の貴族の領地の迷宮が大半でしたが、わたくしたち、実はかなり()()()()()いたようなのです」

 

 そんな旦那様が…

 

 

「でも、ミチオ様って常にまーじん?をとっているらしくって、かなり慎重だったんですよ? 大抵ロクサーヌお姉さまとセリー様が次の階層に上がるのを決めていました」

 

 まさか使い潰されそうになっていたなんて。

 

 

「かくいうわたくしも、今回が始まるまで()()なことに()()()()()()()()でした」

 

 迷宮の討伐のことを、安易に階層を上げることを窘めてきたのは、

 

 

「怠惰で愚かな父が伯爵だった十数年で、討伐した迷宮が()()()()()()()ということに気付くまで」

 

 そういう経験を多数(19回も)していたからなんですね。

 

 

「貴族の責務を超えていますよね? しかし、当時は、憎き()()()()()()()()……ハルツ公爵とその夫人を見返すため、それに()()()()()()として()()されている、と思って……()()()()()いました」

 

「…皇帝の懐刀って」

 

 たしかに、ここは帝国ですが…

 

 

「今年の夏、帝国解──とある秘密組織に加入したときに個人的に知己となったそうです」

 

 健全な秘密組織ですよ? と苦笑しながら付け加えてきた。

 

 …それって、絶対に健全じゃないやつでしょう!

 

 

「それに、その当代の皇帝ガイウスのクーラタルの迷宮への親征にも付き添いました。箔付けのため、と95階層まで行きましたよ」

 

 まぁ、迷宮の討伐をする気は無かったようでしたが、と愚痴る。

 

 ルティナの、皇帝への敬意を欠片も感じない口調に驚いていた。

 

 一体、旦那様に、なにをしてくれたのでしょう?

 

 

 そして、パーティのメンバーのことを誇らしげに語ってくれた。

 

 

 鍛冶師の上位ジョブ隻眼にして、スキル結晶(モンスターカード)()()()と名を轟かせたセリー

 

 迷宮のラスボスすら石化してみせた、()()()()()()ミリア

 

 動かざること山の如しと詠われた、()()使()()()()()ベスタ

 

 最年少魔導士にして、()()()()()()()ルティナ(わたくし)

 

 最前列で踊る巫女、()()()()()不知火(しらぬい)()()()、ロクサーヌ

 

 帝国の最終兵器、()()()()にして迷宮討伐(ダンジョンスレイヤー)ミチオ・カガ

 

 

「思えば、そう祭り上げられて、誰かにまんまと踊らされていましたね」

 

 と自嘲していた。

 

 

「それに、ミチオ様を帝国に取り込むため、()()()()()()で送り込まれてきたのが第二夫人(人間の嫁)

 

「そんな…」

 

 皇帝の肝煎り(はいりょ)を帝国の貴族が断れるわけがない。

 

 

「ミチオ様は、これまで第二夫人(人間の嫁)こと(名前)を頑なに言葉にしないでしょう?」

 

「そうです、ね……」

 

 人間の嫁としか言いません。

 

 

「叙爵した帝国貴族として、皇帝からの()()を無下にできず娶りました。でも、取り戻したい対象ではないのでしょう」

 

 ああ、個人として見ると、姉御肌の悪い人ではありませんでしたよ? ()()()()帝国の貴族の()()()ではありましたが。

 

 そう付け加えてきた。

 

 …でも、未亡人って、年上の寡婦を紹介さ(あてがわ)れたっていうの?

 

 

「だから、わたくしたちがミチオ様に(はべ)っていても、()()()気にされませんでした」

 

 特に、子供を妊娠してからは、というルティナの眼は濁っていて、

 

 

「ミチオ様も、わたくしたちが侍ることは譲らなかったようです。なんせ『全男の敵(ハーレムの主)』ですから」

 

 鬱蒼(うっそう)と笑っていた。

 

 

「そういうわけで、今思い返すと、少しずつ歪に揺らいでいたのです」

 

 そんな…

 

「ですから、パーティのメンバー(仲間)の誰かが倒れる前に終われて、ある意味よかったんです」

 

 まぁ、二度目があるとは思っていませんでしたが、とケラケラと笑っている。

 

 

 

 

 

 さっき、ロクサーヌ()が考えることは(ロクサーヌ)にはわかる、って言ったけど訂正が必要かもしれない。

 

 ここまで()()()だなんて思っていなかった。

 

 

「ミチオ様が、色魔の上級職を極めていた、って言ったとき、わたくし実は()()()()()()()いたのですよ?」

 

 ()()()()()()()()()()()()()、って。

 

 そう言うルティナの顔はとても()()としていて、どこか()()()感じがした。

 

 

 

 

 

 余りのことに少し意識が飛んでいたようです。

 

 

 現実に戻ってから、

 

「それでは、前回のパーティのメンバーについて詳しく聞く前に、ルティナ、あなたの()()は現在どうなっているのですか?」

 

 と聞いた。

 

「…実は迷宮討伐に対する意見の違いから、父と激しく対立してしまって、我慢できずに家を飛び出してきたところです」

 

「セルマー伯爵……でしたね」

 

 

「ロクサーヌお姉さまは覚えてはいらっしゃらないようなので説明しますと、父は貴族としての責務を()()()()怠って()()()()にしているのです」

 

 ルティナは重苦しく息を吐いた。

 

 

「このままでいくと、父は全エルフ最高代表者会議に見限られ、討伐されて家を乗っ取られてしまうのです。前回はそうでした」

 

 そして、当然今回も状況は変わっていませんでした、と続ける。

 

「愚かなわたくしも、父に言われるがままで、迷宮の討伐に関して何一つしていませんでした」

 

 本当に名ばかりの貴族でした、と自嘲するルティナの、

 

 

「そこで、記憶が戻ってから、父に迷宮の討伐を──貴族の責務を強く勧めたのですが、妙に楽観的な父とは逆に(こじ)れてしまいました。わたくしを帝都の別宅に軟禁しようとしたのです」

 

 眼から涙が零れ落ちていました。

 

「このままでは、父は討たれてしまいます。そうすると、セルマー伯爵の次期継承権(アンセルム)を持つわたくしは、とても面倒な人になってしまいます」

 

 ルティナの事情も果てしなく重いものでした。

 

 

「その前に、どうにかしないといけない、と思ったのですが、名案が思い付くわけでもなく、ミチオ様に縋る思いで、身一つでクーラタルのあの家に逃げだしたのです」

 

 しかし、着いたら誰もいなくて、家の陰で途方に暮れているところをミチオ様に見付けてもらいました、とっても運命的です、と嬉しそうに話す。

 

 

「いくらわたくしが魔導士であるとはいえ、一人では迷宮の討伐はできませんし、臨時のパーティでは無理です。あれはパーティ全員の勇気が問われるものです」

 

 旦那様の言葉の重さは、迷宮を19も討伐しているからこそ感じたものだったのでしょう。

 

 

「父のことは最悪諦めます。貴族の責務を怠っているのですから仕方のないことです。でも、弟や妹のことを思うと…」

 

 旦那様の上ではありますが、頭を軽く抱き寄せて涙を隠してあげました。

 

 

「それに継承権(アンセルム)の問題もあります」

 

 くぐもった声が届く。

 

「前回は、ミチオ様の奴隷になることで外れてしまいましたが、今回は、そうならないかもしれません」

 

 

「何か思いついたことはないのですか?」

 

「カッサンドラおばばに泣き付く、くらいしか思いつきませんでした」

 

 前回も最期の方まで心配してくれました。その倍くらい迷惑をかけられましたが、と言う。

 

 

「あの、そう言えば前回の最期って、いつなのですか?」

 

「ロクサーヌお姉さまがミチオ様を刺して無理心中を図ったときです」

 

 それは別のロクサーヌ()仕業(しわざ)です。

 

 

「ロクサーヌお姉さまは先にこと切れていましたが、ミチオ様にはわずかに息があったのです。エリクシールを口移しで飲ませようとしたり、傷口にかけたり、手を握って声をかけたり、零れ落ちた臓物を戻そうとしたり、しばらくみんなで奮闘していたのですが、結局そのまま息を引き取られました」

 

 だから別のロクサーヌ()仕業(しわざ)です。

 

 

「それと同時に、(セリー・ミリア・ベスタ)も同時に下腹部を押さえて倒れました。子宮が熱くなったように感じたので、みんなもそうだったのだと思います。そして春の1日の昼に眼が覚めました」

 

 いやな予感がしますが…

 

「その……心当たりはありますか?」

 

前日ミチオ様に抱いてもらった人だけでしたっ! 第二夫人(人間の嫁)ピンピンしているのが視界の隅に見えてましたからっ」

 

 清々としていても、眼が濁っていますよー。

 

 

「だから、当然ロクサーヌお姉さまにも記憶があると思っていたのです…」

 

 ちょっと“は”怖かったのですよ? と言われました。

 

 

「それは別のロクサーヌ()仕業(しわざ)です。でも、そうなると、旦那様が死ぬまで生きていた人で、且つ、前日に旦那様に抱かれている人には記憶があるのかもしれませんね」

 

 私が旦那様に、懐かしさと愛しさと、切ない気持ちを感じるのも、半分条件を満たしていたからかもしれません。

 

 ─実はさらに前々日(三日前)に抱かれて条件を少し満たした人もいたのです。そう浮気相手(カシア)です─

 

 この意見を述べたところ『ありえますね』と賛同されてしまいました。

 

「では、パーティのメンバーには記憶があるかもしれないとして…」

 

 

大変です!

 

 

「静かに! 旦那様が起きてしまいます」

 

「ぴっ。べ、ベスタが竜騎士になっています! このままではオークションにでないかもしれません。それに、実はミリアさんって犯罪奴隷だったので、そもそも奴隷にならないかもしれません!」

 

 

「ルティナも記憶を元に回避しようとしているのですから、他のパーティのメンバーもそうかもしれません。セリーはどうなんですか?」

 

「確か、兄が怪我したのが原因だって言ってましたから回避するでしょう。それに鍛冶師どころか隻眼ですよ! 普通奴隷になりませんよね?」

 

 

「数少ない鍛冶師の中でも、さらに希少な隻眼ということですか…」

 

「それに、セリーはスキル結晶(モンスターカード)の融合に失敗したことがありません」*1

 

 

「ルティナ、私たち二人で旦那様と遠くに逃げましょうか?」

 

「『遠く』が『死後の世界』と違うなら考えないこともないです」

 

 そうなると、私にとっては、ここが『死後の世界』のようなのですが…

 

 もしかして、私、無理心中して来世で大勝利! ってことですか?

 

「ロクサーヌお姉さま…さすがにそれは無いです。そうだったとしても、二度とミチオ様は殺させませんよ」

 

「じょ、冗談ですよ、もちろん」

 

 ちょっと願望が口から漏れていたようです。

 

 

*1
─ルティナはミチオの鑑定のおかげで失敗しなかった、ということを知りません─





 最近すなるガールズサイドというものが書けましたので更新します。

 ほとんどネタバレしてしまいました。

 繰り返しになりますが、本作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮攻略的には。

 つまり、それ以外の分は…

 それどころか、チュート・リアルは…

 なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。

PS.題を全角→半角へ修正
 次回の更新もかんばりますので、よろしくお願いします。
 
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