Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
でも、取り戻される方にも事情ってありますよね
ベイルの町 ベイル亭・517号室 春の4日・夜
ミチオが夢の世界に旅立ったあと。
「ミチオ様、本当に手を出してきませんでしたね」
「
「ぴっ、す、すみません。でも、ほんの4日前までは
「
「はい、毎日。それにしても、ミチオ様ぐっすりと眠っています。やはり、今日の
「そうですね。聞いていた私も疲れた気がします」
そう、今日は、昨日に続いて、とんでもない一日でした。
昨日の旦那様は、私の
ご主人様を選べない立場になった自分を守るための、
『
性奴隷になったときに、諦めと共に
それを
なんて
それなら、どうしてもう少し早く来てくれなかったの?
私が奴隷になる前に迎えに来てほしかった!
そんな私の言葉も許してくれた。
「でも、ロクサーヌお姉さまが仲間に戻って、わたくしも側室として認められてよかったです」
「そうですか? 今ならルティナは伯爵令嬢として本妻を目指せるのではないですか?」
「その…前回も今回も、ミチオ様の
ちょっと嬉しかった。
無理をしなくていいって言ってくれて、
…アソコは
奴隷商の商館で学ば
温かくて、心が
たくさん約束してくれた。
私が一番だって。
私だけをパートナーにしてくれるって。
私を唯一のお嫁さんにしてくれるって。
私の心に寄り添ってくれた。
「それに前回の最後をミチオ様は自業自得だと私に言ってましたが、今となっては、ある意味よかったのかもしれない、とも思うのです」
「それはどうして?」
「前回、わたくしたちのパーティで討伐した
「たしか、3年はあったのですから、年に2個、は多すぎるとして、3個くらい討伐したのですか?」
私を迷宮に連れて行ってくれた。
私の言うことを聞いてくれた。
私のハナが利くことも信じてくれた。
私が戦うのを褒めてくれた。
そして、迷宮討伐の厳しさを教えてくれた。
「
「えっ?」
「叙爵したときの分を入れると
「それは…」
「最期の1年だけで
そんな旦那様が…
「でも、ミチオ様って常にまーじん?をとっているらしくって、かなり慎重だったんですよ? 大抵ロクサーヌお姉さまとセリー様が次の階層に上がるのを決めていました」
まさか使い潰されそうになっていたなんて。
「かくいうわたくしも、今回が始まるまで
迷宮の討伐のことを、安易に階層を上げることを窘めてきたのは、
「怠惰で愚かな父が伯爵だった十数年で、討伐した迷宮が
そういう経験を
「貴族の責務を超えていますよね? しかし、当時は、憎き
「…皇帝の懐刀って」
たしかに、ここは帝国ですが…
「今年の夏、帝国解──とある秘密組織に加入したときに個人的に知己となったそうです」
健全な秘密組織ですよ? と苦笑しながら付け加えてきた。
…それって、絶対に健全じゃないやつでしょう!
「それに、その当代の皇帝ガイウスのクーラタルの迷宮への親征にも付き添いました。箔付けのため、と95階層まで行きましたよ」
まぁ、迷宮の討伐をする気は無かったようでしたが、と愚痴る。
ルティナの、皇帝への敬意を欠片も感じない口調に驚いていた。
一体、旦那様に、なにをしてくれたのでしょう?
そして、パーティのメンバーのことを誇らしげに語ってくれた。
鍛冶師の上位ジョブ隻眼にして、
迷宮のラスボスすら石化してみせた、
動かざること山の如しと詠われた、
最年少魔導士にして、
最前列で踊る巫女、
帝国の最終兵器、
「思えば、そう祭り上げられて、誰かにまんまと踊らされていましたね」
と自嘲していた。
「それに、ミチオ様を帝国に取り込むため、
「そんな…」
皇帝の
「ミチオ様は、これまで
「そうです、ね……」
人間の嫁としか言いません。
「叙爵した帝国貴族として、皇帝からの
ああ、個人として見ると、姉御肌の悪い人ではありませんでしたよ?
そう付け加えてきた。
…でも、未亡人って、年上の寡婦を
「だから、わたくしたちがミチオ様に
特に、子供を妊娠してからは、というルティナの眼は濁っていて、
「ミチオ様も、わたくしたちが侍ることは譲らなかったようです。なんせ『
「そういうわけで、今思い返すと、少しずつ歪に揺らいでいたのです」
そんな…
「ですから、パーティの
まぁ、二度目があるとは思っていませんでしたが、とケラケラと笑っている。
さっき、
ここまで
「ミチオ様が、色魔の上級職を極めていた、って言ったとき、わたくし実は
そう言うルティナの顔はとても
余りのことに少し意識が飛んでいたようです。
現実に戻ってから、
「それでは、前回のパーティのメンバーについて詳しく聞く前に、ルティナ、あなたの
と聞いた。
「…実は迷宮討伐に対する意見の違いから、父と激しく対立してしまって、我慢できずに家を飛び出してきたところです」
「セルマー伯爵……でしたね」
「ロクサーヌお姉さまは覚えてはいらっしゃらないようなので説明しますと、父は貴族としての責務を
ルティナは重苦しく息を吐いた。
「このままでいくと、父は全エルフ最高代表者会議に見限られ、討伐されて家を乗っ取られてしまうのです。前回はそうでした」
そして、当然今回も状況は変わっていませんでした、と続ける。
「愚かなわたくしも、父に言われるがままで、迷宮の討伐に関して何一つしていませんでした」
本当に名ばかりの貴族でした、と自嘲するルティナの、
「そこで、記憶が戻ってから、父に迷宮の討伐を──貴族の責務を強く勧めたのですが、妙に楽観的な父とは逆に
眼から涙が零れ落ちていました。
「このままでは、父は討たれてしまいます。そうすると、セルマー伯爵の次期
ルティナの事情も果てしなく重いものでした。
「その前に、どうにかしないといけない、と思ったのですが、名案が思い付くわけでもなく、ミチオ様に縋る思いで、身一つでクーラタルのあの家に逃げだしたのです」
しかし、着いたら誰もいなくて、家の陰で途方に暮れているところをミチオ様に見付けてもらいました、とっても運命的です、と嬉しそうに話す。
「いくらわたくしが魔導士であるとはいえ、一人では迷宮の討伐はできませんし、臨時のパーティでは無理です。あれはパーティ全員の勇気が問われるものです」
旦那様の言葉の重さは、迷宮を19も討伐しているからこそ感じたものだったのでしょう。
「父のことは最悪諦めます。貴族の責務を怠っているのですから仕方のないことです。でも、弟や妹のことを思うと…」
旦那様の上ではありますが、頭を軽く抱き寄せて涙を隠してあげました。
「それに
くぐもった声が届く。
「前回は、ミチオ様の奴隷になることで外れてしまいましたが、今回は、そうならないかもしれません」
「何か思いついたことはないのですか?」
「カッサンドラおばばに泣き付く、くらいしか思いつきませんでした」
前回も最期の方まで心配してくれました。その倍くらい迷惑をかけられましたが、と言う。
「あの、そう言えば前回の最期って、いつなのですか?」
「ロクサーヌお姉さまがミチオ様を刺して無理心中を図ったときです」
それは別の
「ロクサーヌお姉さまは先にこと切れていましたが、ミチオ様にはわずかに息があったのです。エリクシールを口移しで飲ませようとしたり、傷口にかけたり、手を握って声をかけたり、零れ落ちた臓物を戻そうとしたり、しばらくみんなで奮闘していたのですが、結局そのまま息を引き取られました」
だから別の
「それと同時に、
いやな予感がしますが…
「その……心当たりはありますか?」
「前日ミチオ様に抱いてもらった人だけでしたっ!
清々としていても、眼が濁っていますよー。
「だから、当然ロクサーヌお姉さまにも記憶があると思っていたのです…」
ちょっと“は”怖かったのですよ? と言われました。
「それは別の
私が旦那様に、懐かしさと愛しさと、切ない気持ちを感じるのも、半分条件を満たしていたからかもしれません。
─実は
この意見を述べたところ『ありえますね』と賛同されてしまいました。
「では、パーティのメンバーには記憶があるかもしれないとして…」
「大変です!」
「静かに! 旦那様が起きてしまいます」
「ぴっ。べ、ベスタが竜騎士になっています! このままではオークションにでないかもしれません。それに、実はミリアさんって犯罪奴隷だったので、そもそも奴隷にならないかもしれません!」
「ルティナも記憶を元に回避しようとしているのですから、他のパーティのメンバーもそうかもしれません。セリーはどうなんですか?」
「確か、兄が怪我したのが原因だって言ってましたから回避するでしょう。それに鍛冶師どころか隻眼ですよ! 普通奴隷になりませんよね?」
「数少ない鍛冶師の中でも、さらに希少な隻眼ということですか…」
「それに、セリーは
「ルティナ、私たち二人で旦那様と遠くに逃げましょうか?」
「『遠く』が『死後の世界』と違うなら考えないこともないです」
そうなると、私にとっては、ここが『死後の世界』のようなのですが…
もしかして、私、無理心中して来世で大勝利! ってことですか?
「ロクサーヌお姉さま…さすがにそれは無いです。そうだったとしても、二度とミチオ様は殺させませんよ」
「じょ、冗談ですよ、もちろん」
ちょっと願望が口から漏れていたようです。
最近すなるガールズサイドというものが書けましたので更新します。
ほとんどネタバレしてしまいました。
繰り返しになりますが、本作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮攻略的には。
つまり、それ以外の分は…
それどころか、チュート・リアルは…
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。
PS.題を全角→半角へ修正
次回の更新もかんばりますので、よろしくお願いします。