Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
ベイルの町に向かうビッカーの馬車の上で、昨日の夜確認したキャラクター再設定とジョブ設定の画面を思い出していた。
とりあえず、
というか、ジョブ数を数えただけで頭が痛かった。
合計43ジョブ
Lv50を超えて派生していたのに気付いてなかった(大魔導士、戦鬼、禰宜、山師、探検家、淫魔)のもあるし、
二つのジョブLv50でなれる複合職(賢者)もあったし、
Lv99でなれる上位?ジョブ(探索師、婆羅門、重戦士、剣豪)もあった。
それにしても、BP制限解除の効果が酷かった。
キャラクター再設定でBP制限解除の詳細を見たときの衝撃を思い出す。
BPの消費が、例外を除いて全部1になっていた。
他の制限解除に波及するって、
パーティ制限解除と併せて、パーティメンバーのBP制限も解除できる、とか。
装備制限解除と併せて、ボーナス装備の消費BPも1、だった。
これまで、ボーナス装備6等に掛かっていた63ptのコストが、たったの6ptになっていた。
なお、ボーナス装備は9まであった…本来2の9乗−1=511ptのコストが、たったの9ptでって。
ぶっ壊れ性能である。
更に、所有BPも、初期:+99に、有効ジョブで 483pt、無効ジョブの 1472pt、合計 2054pt あった。
うん、ジョブのレベル数とかカルクを使って計算した。─エクセル使ってます─
カルクって、値段交渉6の±30%が効いたりして今一信用できないけど。
そうそう、値段交渉(値引/買取)は6の±30%が上限だった。
隠しコマンドのことを、アドミニストレーター権限、というだけのことはある。
おそらく、この異世界の創生神話の神々クラスが使っていた力に値するのだろう、
……それくらいに収まっていてほしい。
とはいえ、ボーナス装備7(127pt)から付いている不壊属性は欲しかったな。
迷宮討伐に苦労した原因の一つに、迷宮のラスボスによる武器破壊があったのだから。
それをBPたったの7ptで実現してしまうって。
ある意味中途半端で、それも4thジョブとか5thジョブが前提という歪な構成の俺を、
獲得経験値20倍でパーティ各自のジョブを決めて急成長させることで修正して、迷宮を討伐した。
討伐を目前にして、
カッサンドラおばば様の無茶振りを思い出し、ちょっとしょっぱい気持ちになった。
いや、普通は1年未満で、迷宮討伐ができるように成長するパーティなんてないから!!
経験値系のボーナススキルを持っているからと、パーティメンバーには無理をさせた気がする。
これは……もしかしたら今回の改変ポイントなのでは?
強気で行け行けの回避盾と鍛冶師の意見に流されて、パーティメンバーを増やしてからは、
どんどん上の階層に上がっていくようになってしまった
今回は、高層経験がある俺が居るわけで、もっとゆとりを持って迷宮の攻略を…
って、あかん、無理だ。
それでは
そう、
今、ベイルの町の奴隷商人アランのところに、事情持ちの奴隷として居る“はず”だ。
今度こそロクサーヌと幸せに添い遂げたい!
それにセリー、ミリア、ベスタ、ルティナ、かけがえのないパーティの仲間たち。
そう、あの
チュートリアルだったからと
─とりあえず、第二夫人のこととかは置いておこう─
盗賊を全滅させたことで、前途有望な探索者とは思われている…よな?
ビッカーとうまく話しておかねば。
俺的には日本語で──ブラヒム語で話しかける。
「ああ、時にビッカー、道中は安全なのか?」
「ベイルの町までの街道沿いは、定期的に魔物の討伐が行われております」
「なるほど」
「危険はあまりございません」
辺りがようやく明るくなり始め、荷馬車のスピードが上がり始めた。
森の中の道を、荷馬車はガタガタとかなり揺れながら通っていく。
俺は黙って揺れに耐えるしかなかった。
「そうか。自分は師匠と山奥で修行をしてきた故、いろいろと疎いこともある」
「はぁ」
昨日のうちに改めて考えておいた設定を話す。
そういえば3年前も、似たような話をしたような、気がする。
「それに、俺はまだ師匠の所から独り立ちしたところでな」
前を向きながら話し続ける。
「この辺に放り出されてきたんだ。この辺りのことを教えてくれないか?」
「さいですか、それではベイルの町の話でもしましょうか」
「たのむ」
「ベイルはこの辺りでは一番の町にございます。村の収入の支えとなっている農夫も、あの町の農夫ギルドに属しております」
「ほう」
「私は商人でございますからこの町の商人ギルドに属し、村とベイルで商いをしております」
「そうなのか」
「そしてベイルでは五日に一度、市が開かれます。それに合わせて村から来ております」
「では、ちょうど日付が良かったのだな」
ビッカーと話をしていると、右上のレーダーにピコンと赤い点が
グミスライム・Lv1
おいおい、結構魔物が出るじゃないか。
「グミスライムだな」
「グ、グミスライムでございますか」
ビッカーが荷馬車の速度を落としはじめた。
「どうした?」
「グミスライムは人を見ると襲ってくる魔物でございます。しかも、体が柔らかいのでこちらの攻撃がなかなか効きません」
今更モンスター・Lv1程度大したことはない、のだが。
「こ、この辺りでは一番の難敵にございます。グミスライムに捕まって覆われると、体が溶けてしまいます。出現したときには村人総出でかかるほどの魔物でございます」
商人がグミスライムの恐ろしさを説明してくる。
「俺が対処するから大丈夫だ。このまま近くまで進め」
「か、かしこまりました」
ビッカーが荷馬車を進めた。
荷馬車が近づくと、グミスライムもこちらを認めたのか、俺たちの方に向かって進んでくる。
「よし、とまれ」
「は、はい」
颯爽と馭者席から飛び降りて、
前方に駆け抜けてグミスライムの正面に出ると、
グミスライムが俺に向かって跳ねるが、
そのまま左腰に帯剣したデュランダルを鞘*1から抜き打ちざまに斬りつける。
クリティカル!
哀れグミスライムは爆散して緑の煙となって消え失せた。
ドロップアイテムのスライムスターチが残った。
「お、お倒しになったのでございますか」
「うむ」
「たったの一撃で……さすがでございます」
「まあ、な」
そう言いながら再び荷馬車に乗り込む。
そのあと、スライムスターチをビッカーに売ったり、使い方を説明してもらったりして…
「見えてまいりましたよ、あれがベイルの町です」
「おお、なかなかにでかいな」
城壁の長さは、一辺が一キロメートル以上はあるだろうか。
帝都とは比べ物にならないが、なかなかの都市だろう。
城壁の周囲には、町の住人が育てているのか、畑が広がっていた。
「人もけっこう多いな」
「今日はずいぶんと人だかりがございますなぁ。何か珍しいことでもあったのでしょう」
思い出した。新しい迷宮ができていた…はずだ。
ベイルの町 大通り
「それでは、騎士団の詰め所と、武器屋防具屋は後回しにし、まずは奴隷商へまいり賠償金をお支払いしますが、よろしいでしょうか?」
「任せる」
荷馬車が町の中を大通りを進んだ。
道は広く、石畳が敷いてある。大通りの左右の建物は、漆喰の塗られた四~五階建てくらいの立派なものだ。
雑踏というほどでもないが、人も結構歩いている。
落ち着いたよい街といえるだろう。
「市はこの先、町の中心に立っておりますが、今は右へ」
「分かった」
荷馬車が道を右に曲がる。
「この先は治安の悪い所もございます。娼館などもございますが、あまり奥に入ることは勧められません」
「そうだな、気をつけよう」
ザ、娼館! 風俗店! めくるめく官能ワールド
前回はそんな
などと考えていると、荷馬車は右に入ってすぐ、二軒目の家の前に止まった。
ここだ!アランが商会長をしている──そしてロクサーヌの居る奴隷商だ。
果たして、本当に居るのか?
ぱっと見は漆喰の塗られた五階建ての普通の家なんだよな。
「何かご用でしょうか」
「奴隷身分に落とされた犯罪者を引き渡しにまいりました。荷台をご確認ください」
一連のやりとりの後、店の中に案内された。
ベイルの町 アランの店
案内された部屋の中に入る。
座り心地のいいソファーに座っていると、やがて一人の男が現れた。
ビッカーと慌てて立って出迎える。
「お待たせいたしました」
アラン<男・51歳>やり手の奴隷商人。故に訳アリの奴隷も多く抱えている…
奴隷商人:Lv44
いや、そうだけど… おい、看破! この説明はなんだよ!
「当家の主、アランでございます」
「ソマーラの村のビッカーでございます」
「ミチオだ」
どうぞおかけください、と声をかけてきた。
「それにしても、本日は市もなかなか盛況のようで」
「おや? ご存じないのですか? 二日前に迷宮が見つかったのです」
そうそう、二日前に新しい迷宮ができんだよな。
「町の近くで魔物に遭遇しませんでしたか?」
「ベイルの町近くではありませんが、今日に限りグミスライムに」
「それは……。大丈夫だったのでしょうか」
奴隷商人が心配顔で問いかけてきた。
「ですが、こちらにおられるミチオ様が退治してくださいました」
「それは…」
「それに魔物ではありませんが、昨日村を数十人の盗賊に襲われまして。迷宮出現に乗じたのかもしれませんな」
「ですが、ミチオ様が、襲ってきた賊を一人で退治してくださったのです」
「お一人で……でございますか?」
なんかとてもほめられて居心地が悪い。
「買いかぶらないでくれよ、盗賊たちが一太刀で倒れる雑魚ばかりだったたけだ」
「ほぅ………」
おっ、眼つきが変わっているのが今回はわかった。
「で、その盗賊の装備を盗もうとした男がいまして、村の掟で奴隷身分に落とすことになりました」
ビッカーがエプロンのポケットから手紙を取り出した。
「これが村長からの委任状でございます」
「では、拝見させていただきます」
封蝋を確認してから開いて書状を読み始める。
「…なるほど、確かにそのようでございます。男はすでに確認させていただいておりまして、価格は…」
こちらを窺いながら告げた。
「健康体で働き盛り、三万ナールが買取の相場かと存じます」
これぐらいが相場なのか?
軽くうなずいてくる。
「わかった。それでよかろう」
「それでは、私とミチオ様に半分ずつお支払いください」
無事に話はまとまったようだ。
「…ところで、不躾ながらお客様は当家をご利用になられるのは初めてですね?」
奴隷商人が俺に訊いてくる。
「ああ、この町には初めて来たところだ」
「なるほど。冒険者のかたでございましたか」
俺の顔や風体はそんなに冒険者に見えるのだろうか?
もっとも、辺鄙な田舎の村の近くをブラブラしているのは、冒険者くらいなものなのかもしれないが。
「いや…まぁギルドにも入っておらんしな」
「それではミチオ様」
アランが一呼吸置いてから、少し眼に力を入れながら続けて言う。
「ミチオ様は今後……奴隷をお買いになられるご予定がございますでしょうか?」
これはっ、来たかっ!
「当家では、女奴隷も取り扱っております」
どうやら、無事にアランのお眼鏡に適ったようだ。
わりと好評なようなので続きを書いたので投稿します。
オリジナルジョブについては他作品と被っていないといいけれど…
目指せ、スーパー・イージー・モード!です。
なので「合わないな」と思われた方はブラウザバック願います。
PS.鑑定系抜けの修正と計算ミスの修正しました