Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
ミチオ達がカッサンドラおばばの攻略を考えます
クーラタルの町 ミチオ邸・寝室 春の14日・朝
俺は、ミリアとルティナと一緒に朝食を作っていた。
少しときは戻って、春の12日 昼
修行2日目の午後は、ルティナの対策について話し合っていた。
「それでは、最初はカッサンドラおばばに手紙を出すんだな?」
「はい。いきなり直接会うのはどう考えても無理なので、ルティナ直筆の手紙を、クーラタルの冒険者ギルドに、エルフのカッサンドラおばば宛に配達する依頼を出します」
「これには、たいして内容は書きません。直接会いたい旨だけを書きます」
これは仕込みです。
「無事に届けられてもよし。セルマー伯側がルティナの依頼だと気付いて横取りされても構いません」
クーラタルの冒険者ギルドから発送した、という体を取りたいのです、とセリーは言った。
「それでは、居場所を特定されないか?」
「はい、いいえ。この依頼を出すときに、ルティナはフードの付いたマントで顔を隠して、旦那さまのワープで冒険者ギルドに行ってください。フィールドウォークで来たと誤解してくれるでしょう」
もちろん、認識阻害を旦那さまだけ発動してくださいね、と追加で言われた。
「ルティナについては、対象から外してもらうことで、金髪のエルフが依頼したことを印象付けます」
「もしも、すでに冒険者ギルドがエルフに監視されていたら?」
「構いません」
仮にセルマー伯側だとすると、向こうはルティナが失踪していることを隠蔽しているので、捜索する側も身分を隠しているハズです。なのでルティナを守るために“少々”手荒な対応をしても構いません、とセリーは言う。
「仮に身分を隠していない場合、ルティナ
次に、カッサンドラおばば側が監視していたとすると、その場合すでにルティナの失踪を知っていることになります、ここまではいいですか? とセリーが確認を取ってくる。
そこまでは解る。
「向こうはできるだけ穏便に接触してくると思います。その場合、もう一通、日時指定をした手紙を用意しておくので、それを渡してください。向こうが賢いエルフの場合それで手を引くでしょう。バカなエルフの場合は保護しようとするかもしれませんが、そこはルティナが拒否してください。後は一緒です」
仮に向こうが最初から強引に保護しようとしてきた場合も一緒です。ルティナが拒否して騒いでください。そうすれば旦那様が手荒に助けても問題ありません、と続けていった。
「というわけで、向こうが強引な手段を選ぶのであれば、撃退してください。但し怪我までにしてくださいね。死人が出ると不味いですが、そうでなければ『不幸な行き違い』があった、ということで治めてみせます」
セリーがそう言い切ってくれた、頼もしい。
「あと考えられるのは、冒険者ギルド自体が協力している場合です」
この場合、セルマー伯はルティナの失踪を隠蔽しようとしているので、冒険者ギルドに協力要請できないため候補から外します、とのことだった。
まぁそうだな。
「そうなるとカッサンドラおばば側ということになります。この場合、先と同じように失踪していることに気づいているわけです」
その場合、依頼を受けない、受け取って時間を稼ぐ、色々と聞きだそうとする、等が考えられますが、どれも全てルティナが拒否してさっさと立ち去れば問題ありません、と。
そうですね。わざと依頼予定の手紙を落として逃げればもっといいですね、とちょっといたずらっぽく笑って付け加えた。
「後は、普通に受け取ってくれた場合です」
ここでちょっと面倒そうな顔をした。
「この場合、その場では判断できませんので、手紙と依頼料をさっさと渡してワープで立ち去りましょう。それで問題ありません」
さて、想定するのはこれくらいでしょうか? と廻りを見回した。
「なぁ、 ギルドが普通に受け取った場合どうするんだ」
「普通に依頼が貼り出されるかを確認します」
私とロクサーヌさんで冒険者ギルドに依頼を見に行くようにしましょう、そう提案した。
「もし、貼り出されなければ冒険者ギルドは黒ですので、手紙はカッサンドラおばばに渡っているでしょう。逆に問題はありません」
どちらかと言うと、貼り出された場合が問題ですね、とそう言いながら腕を組んだ。
「この依頼については、料金は1万ナールで期限は2日、とします。破格の料金を提示するので、だれかに引き受けてもらえるでしょう」
たしかに、フィールドワークで案内するだけで銀貨2〜5枚なのだから、金貨1枚は破格の料金になるだろう。
「カッサンドラおばばの手に渡れば、手紙に書いてあるように向こうはクーラタルの冒険者ギルド経由で接触を図ってくるので、後は問題ないでしょう」
問題は、一日待っても依頼が引き受けられなかった場合です、といって指を二本立てた。
「一つ目、たまたま引き受ける人がいなかったのなら問題ありません。もう一日待てばいいです」
問題は、といって2本めを手で握った。
「しかし、ギルド側が引き受ける人に断っていた場合は問題です。この場合、依頼者を見つけようとしている可能性があります」
「どうするんだ?」
「どちらにせよ、期限切れになった後で依頼について確認に行かねばなりません。ここから先はルティナ次第なのですが…」
まず、普通に期限が切れました、となれば、料金を倍額にしてさらに1日期限を延ばします。それで問題ありません、と告げる。
「まぁそうなるな」
「問題は、向こうが待ち受けていた場合です。その場合、カッサンドラおばばの意向がどうかによって対応が変わってきます」
穏便にすます意向であれば、賢いエルフが来て、別室に呼ぶとかして穏便に話し合いになります。そこで、日時を指定した手紙を渡します。向こうから日時を指定されたら拒否してください。後は立ち去れば問題ありません。
「問題は、バカなエルフが来た場合です。拘束しようとするかもしれません」
…穏便にすます意向の場合、普通はバカはよこさないはずですが、こちらも時間を切ってやるので、バカがくる可能性もあります。その場合拒否して旦那さまが対応してください、と頼んできた。
「出直してこい、ということになります。交渉人を代えるような手紙を作っておくので、それを渡すなり投げつけるなりしてください」
問題は、カッサンドラおばばが問答無用で保護しようとする意向の場合です。そうなるとバカなエルフが来る可能性が高くなります、とげんなりと答えた。
「その場合、ルティナの身柄を一度預けるのが一番手っ取り早いんですが…」
「いやです!」
「とりあえず一度連れ戻されるのが一番楽なんです。向こうもこっちをいきなり殺しにはこないでしょうから」
「いやです!」
「ワープが使えるので、遮蔽セメントも問題なくいつでも逃げられますよ?」
「いーやーでーすー!」
「と、こういう具合なので、この場合は、別の手紙……交渉人を代えるように書いた手紙を渡すか落とすかして逃げるしかありません」
向こうの規模にもよりますね。少人数であればその場で旦那さまが対応できると思います。死人だけはださないでください。そして手紙を渡してから逃げてください。仕切り直しになります。
「大人数の場合は、手紙を投げつけるなり落とすなりして渡して、その後逃げ切れるだけの実力を示さなければいけません」
「何分、カッサンドラおばばの意向次第ですので…… 後は、こう、ルティナが毅然とした態度で拒否できればいいのですが…」
後は、手紙が渡った後ですので、向こうの対応を見て考える必要がありますが、総じて来るのが賢いエルフか、バカなエルフかによって対応が変わると思ってください。
色々な場合を考えていたが、結局は交渉に来るエルフによる、というのは困ったものだ。
こうして、昨日──春の13日、クーラタルの迷宮での修行3日目の昨日の昼に冒険者ギルドに手紙の依頼をだしてきた。
拍子抜けしたことに、普通に受け取ってもらえたので、今のところは順調だ。
その時、ロクサーヌとセリーに依頼掲示板を見てもらっていたのだが、普通に貼り出されていた、とのことだった。
そして、今日も、早朝にクーラタルの迷宮を攻略し、朝食を買って帰る途中にロクサーヌとセリーに冒険者ギルドの依頼を見に行ってもらっていたのだが……
「ただいま帰りました、旦那様」
「おかえり、ロクサーヌ、セリー」
で、反応はどうだった。
「依頼は無事無くなっていました」
ふむ、となると後は、手紙を受け取ったカッサンドラおばばの意向次第というところか。
それと交渉人が、賢いエルフか、バカなエルフか、ということか。
そのまま食堂で、俺とミリア、ルティナで作った、厚切りハムを使ったハムエッグと、お浸しに焼きたての高級パンを並べて食べる。
「「「「「いただきます」」」」」」
うむ、厚切りハムが肉肉しくていいな。
で、
「出した手紙の内容が、これか…」
写しておいたルティナ直筆の手紙を読む。
親愛なるカッサンドラおばばへ
急に迂遠な方法で手紙を託すことになったこと失礼します。
現在、私は病に伏していると父から聞いているかもしれません。
それは父の虚言です。
自領内の迷宮討伐が進んでいないことに、改めて気付いた私は、父と口論となり、
結果、帝都の別宅に軟禁されるところでした。
の教えにあった金貨一枚のみでした。
それでも、なんとか迷宮対策を、と装備を整え、とある迷宮に、一人で入ろうとしました。
今思えば、なんとも無謀な試みでした。
当然のように魔物に勝てず、このまま魔物に倒され、迷宮に喰われて果てるのか、と、
覚悟を決めた時に、とあるパーティの方々に救われました。
その方々の厚意により、私は助けられ、さらに魔法使いの適性があること、他にも迷宮に
ついて色々と教わり、そのパーティの
現在私はそのパーティのメンバーとして、迷宮の中層を攻略できるようになりました。
嘘みたいに聞こえるかもしれませんが、本当です。
ただ、私が失踪したままこのパーティのメンバーでいると、他のパーティのメンバーに、
迷惑がかかるかもしれない、と思い、カッサンドラおばばにこの手紙を送ることにしました。
もしも、私を助けていただけるのでしたら、クーラタルの冒険者ギルドに一族の者を
使いに出してください。
さらに、厚かましい願いですが、その時には、私の失踪を秘匿している父、セルマー伯と、
従姉妹のハルツ公爵、カシア公爵夫人には、知られないように手配をお願いします。
たとえ父と袂を分かつことになっても、貴族の責務である迷宮討伐から逃げずに、一族に貢献
を捧げたくあります。
「なぁセリー、なにも具体的情報がないが、これで問題ないのか?」
「はい。それで問題ありません。要は詳しくは会ってから話す、という意思表示です」
それにセルマー伯とハルツ公爵には隠すように書いたので、裏を探るくらいは行うでしょう。そして、セルマー伯の虚言がわかればこの手紙の信頼性もあがるでしょう、とセリーがニンマリ笑いながら続けていった。
「でも、ハルツ公爵のことは書かないほうがよかったんじゃないのか?」
「いいえ、これはハルツ公爵婦人カシアとカッサンドラおばばの離間工作でもあります」
セルマー伯が疑わしければ、並べて書いたハルツ公爵側も疑わしく思えるでしょう? と黒く笑うセリーがいた。
「まぁこっちはついでみたいなものです。ハルツ公爵やカシア夫人への対策の一環とでも思っておいてください」
そうセリーが締めくくった。
となると、今頃カッサンドラおばばは何をしているのかな?
「そうですね、旦那さま。まず、セルマー伯への裏取りでしょうね。ルティナ宛に手紙の一通でも書いて、手渡すようにすれば…」
そう言ってルティナに眼をやる。
「十中八・九、父のことですから、病気で寝ているので、私が渡すといって、取り上げようとするでしょう」
「そう。では、お見舞いを、となったら?」
「そうですわね、病気がうつるといけないから、とか、私が渡すと言っているのに我が家のことに文句を言うのか! と立場を嵩に押し通そうとするでしょう」
あぁ、セルマー伯からは、なんかそういう小物感があったなぁ。
「それで確信するでしょうね。その使者が、せめて一目だけでも会って、とか言ってセルマー伯で
そう言って、セリーが肩を竦めた。
「ふむ、ではハルツ公爵の方はどうなる?」
「はい。ハルツ公爵の方へは特に何もしないでしょう。同じくせいぜいカシアに手紙の一本でも書くくらいでしょう」
「そうか?」
「よくわかりますね、セリー様。ええ、カッサンドラおばばから手紙が来ることは珍しくはなかったのです」
例えば、春が来てからしばらくたつが元気にしているか? とか、また今度顔をだせとか? とか、……つらつらとお小言が書かれていましたよ、と続けた。
「それはルティナの所が迷宮討伐してなかったから、ではないのですか?」
セリーがジト目でルティナをみる。
「そ、その可能性も無いことは無いような気がしないでも無いのですが…」
だから、どっちやねん!
「すべては、明日冒険者ギルドに行ったときにわかります」
えっと、カッサンドラおばばの意向と、来るエルフが賢いかバカか、だったな。
「端的に言えば、その二つです」
手紙を2通書いてもらって、それを使いわけることになりますね、とセリーが答えた。
「あと、万が一ですが、カッサンドラおばばの使者が、セルマー伯で遊びすぎたりしていた場合ですね」
それはどういうことだ?
「カッサンドラおばばの使者の対応から、ルティナが一族の長に連絡を取った、と気付かれる可能性です」
だから、遊び過ぎないといい、ということなんだな。
「はい。エルフってプライド高いですから、こう上にたてそうなときに自重しないことが多いじゃないですか」
「たしかに、マウントを取れるときには徹底的に取りにいくな。前回、俺がセルマー伯に会いに行ったときもハルツ公爵は容赦無かったもんな」
こう、嫌みの応酬というか、言葉はオブラートに包んでいるんだけど、ガキの喧嘩みたいというか…
「そうでしたね…。ミチオ様は父に会ったことがございましたね。だからハルツ公爵の先兵として当時の領城に侵攻してきたのでしたね。今となっては懐かしい話ですが」
「当時は
「いいえ、あの時ミチオ様がいなかったら、わたくしはどうなっていたことか。それを思うと恨んではおりません。恨みはハルツ公爵……それも過去、というか無くなった未来の話です」
俺はルティナの横に行くと、ルティナを抱きしめた。
俺も結果的にルティナに出会えて悪くはなかったよ、と耳元で囁いた。
「始まりはああだったが、愛してる、ルティナ」
「ミチオ様……わたくしも愛しています」
前回は、俺の
眼と眼を合わせて、
「今生でも、俺と一緒になってくれ、ルティナ」
そう告げると、
「はい。ミチオ様」
そう返してくれた。
そのまま、瞳を閉じて強く触れるだけのキスを楽しんだ。
「むーっ。私も旦那様に心が欲しいと言われました」
「はいはい。空気を読んでだまっていましょうね、ロクサーヌさん」
ごめんな、ロクサーヌ。でも、そうやって妬んでくれるの
なお、ミリアの弟君は、さっさと食堂を出て行っていた。
ごめんな、気を使わせて。
で、結局、明日の昼に手紙の依頼の結果を冒険者ギルドに聞きに行くことになった。
バカなエルフが来たとき用に、あらかじめ冒険者ギルドにセリー・ミリア・ロクサーヌは掲示板を読む振りをして待機してくれることになった。
もちろん、認識阻害をかけて、だ。
そして、ルティナは昨日と同じくフードを
荒事になるかもしれないため、万全を期す必要があった。
というわけで、まだセリーとミリアの初めてはお預けとなった。
お預けとなった。大事なことなので二回言いました。
まぁ、キスとお触りはOKとなったし、お風呂も一緒に入っているので、十分楽しんでいるが。
そして、当日を迎えた。
続きを更新します。
ミチオ達がカッサンドラおばばの攻略を考えます。
得てして現実は想定の斜め上をいくものですが…
でも考えないわけにはいきません。
それと
えっ、それ偽物やん!と思われるかもしれませんが……
本二次創作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮は。
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。
PS.レベル-経験値換算表の間違いを確認したためミチオのLvを修正しました。