Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを   作:載せられた人

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 これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語

 とうとうカッサンドラおばばとの交渉が始まりました。



第35話 おばば様

 

 

  ネスコの町 カッサンドラ邸・ロビー 春の27日・昼過ぎ 

 

 

 結局、春の15日に始まったエルフの騒動は、立て直すのに、10日以上かかった。

 

 なんといっても、全エルフ最高代表者会議所属の現役の6番隊隊長による罪の告白……というか自白である。

 

 さらに、その罪の証拠まで自ら高々と提示したのだ。

 

 

 彼が6番隊の隊長権限で有耶無耶にしてきた数々の悪事が明らかになっていった。

 

 そして、彼の証言により後ろ暗いことに加担していた関係者や部下たちも、軒並み捕縛されることになった。6番隊は不名誉解隊となった。

 

 

 とかげの尻尾を切りに走るものもいたが、なんといってもあの男(主犯)が微にいり細に穿ち告白するものだからうまくいかなかった。

 

 そして、彼を口封じしようとして暗殺しようとする者も後を絶たなかった。

 

 が、彼を確保していた1番隊の精鋭により捕縛されていって、さらに余罪を追及されることになった。

 

 最終的に、全エルフ最高代表者会議の構成員の10%が何らかの形で関わっていたことに、驚いた方がいいのか、呆れた方がいいのか…

 

 

 とにかく、残った騎士隊の綱紀粛正を行い、共犯だったものを逮捕して、新しい首にすげ替えていくしかなかった。

 

 

 しかも、その影響はエルフ内だけに(とど)まらなかった。クーラタルの冒険者ギルドに対する脅迫、強要が帝国政府の知るところとなったのだ。

 

 それまで、エルフ内の問題で押し通そうとしたが、冒険者ギルドからの嘆願状が帝国政府に提出され、事態を重く見た当代皇帝により、状況を開示せよ、との勅命が下されるに至った。

 

 結果、エルフの6番隊隊長が行った脅迫・強要について説明せざるをえなかった、主に()()()()()が。そして、その原因となったセルマー伯の怠慢についても叱責がくだされた。

 

 かくして、セルマー伯は降爵にはならなかった。しかし、伯爵家についてはエルフ内で見直しと、騎士隊への再発防止を迫られることになった。

 

 かなり恩情のある結果ではあるが、傲慢なエルフのプライドは木っ端微塵となった。

 

 といっても、ハルツ公爵等の開明的なエルフたちには追い風となったようだが…

 

 

 

 

 

 その間に、こちらはロクサーヌが巫女のジョブを取得するために滝行を行ったり、セリーが魔法使いになったり、()()()()()()()()()()()が届いて、俺が大ハッスルしたりした。

 

 もちろん前回同様、どの服についても、たっぷり堪能させてもらいましたとも。

 

 

 それに、あれ以来『二人きりで抱かれる』というのも嫁さんたちには好評だ。

 

 今では、そっちもローテーションが組まれている。

 

 …実は、『中忍』の分身(パラレルアタック)は2体まで、「遊び人」にセットすれば最大8体*1まで出せるのだが、今のところ気付かれていない。

 

 俺的には、個別にヤる、みんなと一緒にヤる、どっちもいいものだと思うのだが。

 

 

 

 それに、そろそろベスタが奴隷商人に一時的に引き取られる。

 

 現主人がそれまで仕事の量を減らしてくれたようで、ちょくちょく家に顔を出してくれたりした。

 

 

 

 そして、エルフのドタバタによる延期に次ぐ延期の後、やっと昨日、交渉人(一族の者)と合意して、本日カッサンドラおばばと会談することになったのだ。

 

 なお、アレ以降は一族の者がちゃんと来て、まともな交渉ができていたからな、念のため。

 

 昨日は俺が、先方の冒険者のフィールドウォークでカッサンドラおばばの居城に案内されたので、今回こっちはベスタを除くパーティのメンバー全員で向かうことにした。

 

 

 昨日も来たが、どこかの城か屋敷かという立派なロビーだ。

 

 奥の扉側にいる門番に向かって声を掛ける。

 

 

「本日面会予定となっているルティナと、そのパーティのメンバーだが」

 

「は、ではこちらにどうぞ」

 

 

 通路を通って大きな扉の前に到着した。

 

「カッサンドラ様に面会のものが来ています」「お通しせよ」

 

 受付の兵が扉をノックし、向こうの人と話し合って押し開ける。

 

 

「はっ、どうそ」

 

 中に入るが、こじんまりとした小部屋(前室)だった。

 

「カッサンドラ様に面会だ」「はっ、」

 

 奥で、更に別の人が話を通している。

 

 

「こちらへ」

 

 その奥の人が俺達を呼んだ。

 

「こちらでお待ちください。今カッサンドラ様をお呼びしています」

 

 こうして、ようやく待合室に案内された。

 

 

「どうぞおかけください」

 

 いつ見ても立派な待合室だ。その椅子にすわると。

 

「失礼します」

 

 侍女さんが()()()()()()を配っていった。

 

 

 ()()()()()()()()()()()が漂う。

 

 セリーとルティナが優雅に上品に飲んでいる。

 

 俺とミリアは、優雅ではないかもしれないが、下品にはならないように気を付けて飲む。

 

 ロクサーヌは、眼を白黒させながらセリーたちを見様見真似して()()()()()

 

 

 お茶を楽しむことしばし。

 

 

「失礼します。こちらへどうぞ」

 

 呼び出しに応じて通路の先にあった部屋に向かう。

 

 

 その扉が開くと、中からおばばのお付きの人が出てきて俺達を迎えた。

 

「どうぞお入りください」

 

 ようやく応接室に入ることができた。

 

 

 中に入ると、ルティナが、

 

「カッサンドラおばば様」

 

 と呼び掛けた。

 

 そこには、前回見慣れた、矍鑠(かくしゃく)としているが、ヨボヨボしているお婆ちゃんがいた。

 

 カッサンドラおばば様(107歳)である。

 

 

 前回(チュート・リアル)の最後の方で、ルティナを、ついでに俺達も助けてくれよう(エルフに引き抜こう)とした数少ない味方の一人だ。

 

 しかし、今日は少し疲れているような雰囲気もあった。

 

 

「ルティナかい。あんたの父親も大概だったが、あんたもたいしたことをしでかしてくれたもんじゃあないか」

 

「あれは、最初にきた騎士隊の隊長?が無茶苦茶なことをしてくるから悪いんです」

 

 

「あぁ、あの()騎士隊長のことだね。ありゃ確かにこっちも駄目な奴を使いに出してしまったと後悔したもんだ。ちょっと小物でいけ好かないことをやってる奴だったけどねぇ。まさか本気でルティナを狙ってちょっかいかけるつもりでいたとはねぇ」

 

「わたくし、本当に危ないところだったんですからね」

 

「ふん。まぁでもあんたの所から帰ってきたら、()()()()()()()のか、ぺらぺらぺらぺらと余計なことまで喋りまわるから、こっちは大変だったんだよ」

 

 

「あら、わたくしが思うに、腐ったモノを追い出せたのではなくて?」

 

「それで、会議所属直属の6番隊は解隊することになるわ、会議の会員の10%も入れ替えになるわ、セルマー伯の件も帝国政府に叱責されるわ、てんやわんやになったというのに、言うことはそれだけかい?」

 

 

「…父の怠慢についてはわたくしも申し訳なく思っております。でも、それ以外は、その騎士隊の隊長さんの問題ではないですか?」

 

「はぁ〜っ、ルティナの言うとおりだよ。あいつをのさばらせていた我々が悪いのは事実だが、もうちょっと、言い方ってもんがあるだろう?」

 

 

「そこは鋭意勉強中でございます」

 

「ほぅ、あんたを躾けてくれる人がいるっていうのかい? それに、始まりはルティナがあんたの父親を説得できずに逃げ出したことになるんだが?」

 

「でも、帝都の別邸に軟禁されるところでしたので、緊急避難いたしました」

 

 軟禁されていたら、もっと危ないところだったでしょ? と聞く。

 

 

「ちっ、ちったあ知恵が廻るようになったじゃないか。これだからカンの良い小娘は嫌いだよ」

 

「あら、最高の褒め言葉じゃないですか」

 

 そう言ってルティナはころころと笑ってみせた。 

 

 

「ふん。それにしても、家を飛び出したにしちゃあ、ずいぶん小綺麗にしているじゃないか。服だって良いものを着てるし、なによりその肌艶といい、腰回りの充実具合といい……男ができたね?」

 

「あら、わかってしまいますの?」

 

 

「はん、その、幸せ一杯ですって顔をみれば誰でもわかるってもんさ。で、あんたが助けられたっていうパーティがこの面子なのかい」

 

「はい、この方がパーティのリーダー、ミチオ・カガです」

 

「ほ〜ん。おぬしがかえ」

 

 

 皺の間から鋭く睨んでくる。

 

「…初対面のはずなのにどっかで見た気がするねぇ。それにいきなり耄碌しましたね、なんて書いてくるとはいい度胸をしているじゃないか」

 

「俺はミチオ、ミチオ・カガ、自由民だ。故に自力救済のために必要な処置をしただけだ。あんな奴を交渉人として向かわしてきたんだ。噂に聞くおばばが耄碌したと判断してもおかしくはないと思うが?」

 

 

「へぇっへぇっへぇっ。言うねぇ。まぁあの男を向かわせてしまったのは()()()()()()()だが、あの後、こっちがどれくらい大変だったと思ってるんだい」

 

「そこはお疲れ様でした、としか言わんよ。こっちがあの男の薬を飲んで殺されていればよかったとでも?」

 

 そうしたらルティナもどうなっていたことやら、と告げる。

 

 

「はぁ〜っ、まぁそのとおりだよ。そのとおりなんだが、恨み言の一つ二つは聞いてもらいたい、そう思ってもしかたないじゃないか」

 

「…そっちの事情は、とある伝手で聞いた範囲では理解している。それでは交渉と行こうか?」

 

 

「ほう、ちったあやるのかね。 だが私を相手に()()()()だって?」

 

 おばばの笑みが一気に深くなった。

 

 俺も笑みを深めると、一言だけ言った。

 

 

「ネスコの迷宮」

 

 

 おばばの雰囲気が一気に変わった。

 

「ルティナからの情報じゃあないね。そこの獣人たちも関係なさそうだ。でも…ドワーフの娘は何か知ってそうだねぇ」

 

 この瞬間、俺とセリーは一気に冷や汗を掻いた。

 

 

「たしかに、交渉の材料にはなるねぇ。…どうやって知ったかも含めて」

 

「この10日間近く、こっちも何もしていなかったわけじゃあない。最近増えたんだろう? 西と南に」

 

 

「ちっ、()()()()()()()()。クーラタルの探索者ギルドで迷宮の情報を洗ったのかい。確かに最近エルフの領域で迷宮が増えたのはそことハルパーだけだね」

 

 おばばは納得してくれたようだ。セリーが迷宮の最新情報を調べていてくれて助かった。

 

「そっちは…ハルツ公爵領だったからな。それに元々あるのを含めて三つもあるんだろ」

 

 

 それで、

 

「なにが望みだい? うちの迷宮を討伐しても叙爵はされないよ」

 

「いや、叙爵されるつもりはない。」

 

 

「おや? 違うのかい。ルティナを娶るのに叙爵されるつもりじゃなかったのかい」

 

「どうしても爵位が必要だというならな。あんなもんはいつでもなれる」

 

 

「ひょっひょっひょつ。大言壮語を吐くねぇ。あたしの亭主も()()()()()()()()だった。迷宮での度胸もあるし腕も確かだった。それでも苦労して叙勲したもんだよ。それを、()()()()()()()と豪語するとはねぇ」

 

「あんたの亭主も、別に叙爵したくて迷宮討伐したわけじゃないだろ? 先に迷宮討伐があって、その結果貴族になっただけじゃないのか」

 

 

「…叙勲が討伐の結果でしか無かったのは事実なんだがね。でも、あんたに言われるのは気分が悪いねぇ」

 

「氣を悪くさせたことは謝るが、似たようなもんだぞ。俺はルティナが迷宮の攻略を、討伐をして一族に貢献を捧げるというから手伝う、それだけだ。結果貴族になれなくとも気にしない」

 

 

「ほう、ルティナがそんなに()()()()()のかぇ」

 

「あぁ、ルティナはとびっきりのいい女だ。それにパーティのメンバーもいい女ばかりだろう?」

 

 

 おばばは、ロクサーヌたちに眼をやってから、

 

「あんた…()()()()かい?」

 

 ちょっと声が低くなった。

 

 

「人間だからな。でも、ただの色魔とは思ってくれるなよ」

 

「まさか……でも()()()もあの娘の()()には合わないねぇ」

 

「ちょっと待て()()あぁちょっとやんちゃした先達がいたことは知っている」

 

 近年、色魔の中級職の淫魔になって、「種付け」で種族問わずやりまくった先達がいることが()()でわかってしまった。

 

 エルフも毒牙に掛けていたようで、おばばの関係者にいるみたいだ。できる確率は低いのによく頑張ったね、と言いたいところだ、が。

 

「あいにくと色魔ギルドに所属しているわけではないからな詳しくは知らんよ」

 

 と惚けておく。

 

 

「…ルティナ、()()()はやめておいたほうがいいんじゃないかい?」

 

「わたくしも愛しているのです。いつか()()()()との()()()()()()のです」

 

「はぁ、まぁこうやって交渉しに来るだけマシってことなんだろうかねぇ。あたしも年を取ったもんだねぇ」

 

 

 おばばは肩を落として溜息をついた。

 

 

「で、どれくらいやってくれるんだい?」

 

「逆に聞くが、どれくらいやればルティナの対価として十分になる? セルマー伯にも納得してもらうには?」

 

「ほほぉ、かなり自信があるねぇ。…よし、ルティナの()()についちゃあ、あたしが話をつけてやるよ。どうせ伯爵家は交代することになったんだ。その代わり……」

 

 

 指を三本立てた。

 

 

「わかった。()()()までなら手を打とう」

 

「ちょっ、ちょっと待ちな。ネスコの迷宮3個で、ということだったんだが、増えてないかい?」

 

 

「その代わり、俺達のことを秘匿してくれればいい。迷宮の攻略はすぐ始めてもよいが、討伐は…そうだな。夏までに一つはいけるだろう。それでいいか?」

 

「どうやら()()みたいだねぇ」

 

 

 あはははっ、うふふふ、と笑顔を交わす。

 

 

「面白い、夏までにネスコの迷宮を一つ討伐してみせな。そうだね、西()()()()()()。そうしたら…」

 

「ルティナの件を不問としてくれる、と」

 

 

「あぁ、そうだ。そして冬までには全部のネスコの迷宮を無くしておくれ」

 

「たしか、西と南はまだ若い迷宮だったな。50階層級だから問題ないだろう」

 

 

「かっかっかっ。ではネスコの奥の迷宮は? あそこは60階層あるかもしれんぞ」

 

「なぁに、60階層であれば大したことはないさ」

 

 たしか、前回は、1年後に67階層だったからな。

 

 

「くっくっくっ。ルティナも()()()()()()()()()()()ものじゃ。このところ憂鬱じゃったが気分が良くなった気がするわい」

 

 おい、と付き人に一族を示すエンブレムを持ってこい、と命令する。

 

 

「大言壮語をほざいたんだ。()()させてくれるなよ?」

 

「そっちこそ、あとでルティナはやらない、とか言うなよ」

 

 こんなにいい女なんだからな。

 

 

 ここに、と言って付き人が見慣れたエンブレムを持ってきた。

 

「これを持っていきな。ネスコの迷宮には一族の者が誰か必ず側にいる。それを見せれば最上階まで連れて行ってくれる」

 

「ありがたくもらっておく。が、迷宮攻略は1階層から順にやっていく主義でね。セリー?」

 

 

「そうですね。各階層のモンスターの種類だけでも教えてもらえればよいかと」

 

 あとは自前でやります、そう言い切った。

 

 

「あっはっはっはっ。こりゃ面白い。いや、愉快愉快」

 

 

「愉快過ぎて、こっちの頼みごとを忘れてくれるなよ?」

 

 

 立ち上がって、おばばからエンブレムを受け取ると、そのままその手を握った。

 

 

 契約完了ってことだ。

 

 

「わしの眼の黒いうちは誰にも文句は言わせんよ。それに…」

 

 ニヤリと笑って続ける。

 

「あの元騎士隊長を()()したのも、お前さんのスキルじゃろ?」

 

 余罪が多すぎて、未だに死刑にすることができんのじゃ、と。

 

 

「それに、黒髪のものが近付くと、ガタガタ震えて、泣く、喚く、泡を吹く、漏らす、と大変なことになっちょる」

 

 

「はてさて、いったいなんのことやら?」

 

 まぁいい。

 

「すべてはネスコの迷宮の討伐が終わった後の話じゃな」

 

 

 

*1
─Lv1、Lv49、Lv99、Lv199、Lv399、Lv799、Lv1599、Lv3199 計8体─





 続きを更新します。

 とうとうカッサンドラおばばとの交渉に漕ぎ付けました。

 なんというおっそろしいことしたのでしょう。

 おばばは、かな~り手加減をしてくれたようです。


 この二次創作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮は。

 なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。

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