Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
これは
カシアが乙女心を暴走させ始めました
彼が
私は冒険者の侍女を使って、叔父上に連絡を取っていたの。
そして三日後、なんとその日にうかがうことになってしまった。
日程が決まった後に、
私は結納のときに着た、藤色のドレスにティアラを付けて、ロビーであの子が来るのを待っていた。
うふふふっ、体形は旦那と結納したころから悪くなってなかったわ。
逆に、ちょっと胸元が苦しくなっていたので急いでお直ししたのよ。
あの子は、このドレスにティアラを見たら、どう思うかしら?
貴方のために特別に着てきたのよ、ってわかってくれるかしら。
それに、いつもと違って甘い香りのする香水も付けてきたのよ、気付いてくれるかしら。
あの子が出てくるであろう壁に目を向けながら、そんなことを考えていたら、
城のロビーに出てくるのではなくて、城の外から歩いてロビーに歩いてきたの。
何かあったのかしら? お姉さん心配しちゃうわ。
そして、特別なドレスを着た私を見て「美しい」って呟いてくれたの。
あぁ、やっぱりわかってくれたのね。─勘違いです─
貴方のことを思って、いつもより丁寧に時間をかけて用意してきたのよ。
そして旦那が意地悪そうな顔であの子に今から向かうことを告げた。
「すみません、ミチオ様。閣下が日取りはそのほうがよかろうと。セルマー伯のところへは本日うかがうことになりました」
旦那が意地悪で申し訳ない、と頭を下げる。
そうしたら「甘くかぐわしい香りだ」って小声で言ってくれたの!(ミチオの心の声が漏れました)
それに、私の方をみて、少し笑みを浮かべてくれたわ。
お姉さん胸がきゅんきゅんとしてきたわ。
「なに、どうせすぐに終わる。ミチオ殿との何度も来訪するよりはよかろう」
「よろしくお願いします」
旦那に続いて軽く頭を下げてお願いすると、
「分かりました」
あの子は、
もう、これは相思相愛よね。─勘違いです─
あの子は旦那といくつか問答した後、私と
あの子と一緒に、城の奥にある
旦那が結納したときもその部屋を使ったのよね。
でも、あの子が同じものを実家に結納してくれるの!
お姉さんすっかり浮かれているわ。
どうしましょう、大丈夫かしら。
「伯爵が中でお待ちです」
「うむ。おまえたち二人はここで待て」
旦那が剣を部下の騎士に預ける。
そう、中に入るのは旦那と私とあの子だけ。
お姉さんちょっとどきどきしてきたわ。
実家の騎士が扉を開けてくれる。
あら、この人私が結納したときにも扉を開けてくれた人だわ。
こんな偶然があるなんて。やっぱりこれって運命なのね!─偶然です─
ぴこ〜ん
鑑定の発動を感知しました
鑑定者ミチオ・カガに対する抵抗 エラー 対象とは違うため抵抗が発動しません
待機状態の『エルフの一撃』の起動を開始します Lv不足のため失敗しました
経験値をスキル『エルフの一撃』の起動のために一時的に集約を提案 受託します
鑑定者ミチオ・カガへの対抗手段として『エルフの一撃』の早期使用を推奨します
あら、また幻覚が? それにあの子の名前も載っている。
私ったら、こんな幻覚の中に見えるくらいにあの子のことが気になっているの?
「さ、さあ、ミチオ様」
と慌ててあの子に声をかける。
お姉さん張りきっちゃうわ。
旦那、あの子、私の順に粛々と前に進む。
あの子は堂々と私の前を進んで、叔父上の前に進んで頭を下げた。
そして私は旦那の横に並ぶ。
私の気分的には叔父上の方に並ぶべきなんだけど……今の身分はハルツ公爵夫人だから。
「ハルツ公閣下、良く参られた。カシアも久しいの」
「はい。叔父上におかれてもご健勝そうでなによりです」
「…それは皮肉か?」
「いいえ、そんなことはありません。ルティナもお元気ですか?」
「あぁ、元気にしているよ」
「今度ご挨拶させてくださいな」
「わかった。それにしても、そのドレスにティアラを付けているのは…」
「あら、叔父上は覚えておいでですのね。ええ、
「…そうなのか? ハルツ公閣下?」
「ふむ。人間にしては見どころのある奴でな」
「そ、そうか…して、その者が?」
「この者が見事兇族のハインツを倒したミチオ殿だ」
旦那が胸を張って言う。
「僥倖であったの」
「この者の手にかかればハインツを倒すことなど造作も無いこと。ミチオ殿には領内の迷宮退治にもご助力いただいておる」
「それはうらやましいの。我が領内は騎士団ばかりでてんてこ舞いだ」
もう、叔父上も旦那も子供の喧嘩のように言い合って。
お姉さんちょっと恥ずかしいわ。
さっきまでの浮かれていた気分が、どこかに飛んでいきそうだわ。
その後も嫌みの応酬は続いて…
「そういえば、ハインツの一味の中に指輪を装備していた者がおったそうだ。そうだったな、ミチオ殿」
「は、はい」
さすがにあの子も緊張しているのかしら。
「防具鑑定をさせたところ決意の指輪と出た。セルマー伯爵のほうで心当たりはないか」
「い、いや。知らぬの」
「であるか。ならば指輪の方は余のほうで所持しておこう。もし必要だというのなら売却することを考えないではない」
ちょっとちょっと、あの子が
叔父上は、私の
どうして?
あの子とは相思相愛なのよ?─勘違いです─
「ところで、兇族ハインツを倒したのは冒険者だという風評があったが、まさかそのようなことはあるまいの」
「そ、そんなことは」
「であろうの。何かの間違いだの」
「と、当然だ」
あら、私が叔父上とOHANASHIする方法を思い詰めている間に、話の流れが変わっているわ。
「城の謁見室にまで冒険者を送り込んだとなれば、セルマー領に対する侵略の意図があると判断してもおかしくはないの」
「そ、そうであろうな」
「インテリジェンスカードのチェックをすることは簡単だが、公爵が連れてきた者を疑うわけにはいくまいしの」
叔父上の伝手……って、もしかして、私の実家からついてきた侍女から聞き出したのね!?
この卑怯者!!
お姉さん困ってしまうわ。
侍女の待遇も考えなくちゃならないわね。
あら、でも、これをネタにすれば、あの子との逢引きを手伝ってもらえるかもしれないわね。
「そ、そうだな」
「しかしそれはそれとして、それなりには誠意を見せることがあってもよいのではないかの。少しくらいは」
「まさか余のことを」
「もちろん疑ってなどおらん。微塵も疑っておらんの」
「それなら」
「そうだのぉ」
駄目ね。旦那は頼りにならないわ。しかたない、ここは私が…
「叔父上」
「もちろん疑ってはおらぬとも。公爵のことも、カシアのことも」
駄目だわ。頼りないお姉さんでごめんなさい。
困ったわ。
親族への挨拶だと思っていたのに、肝心の叔父上がこんな嫌がらせをしてくるなんて。
すると、ここであの子が頭を上げて言ってくれたの。
「分かりました。疑いを晴らすために、インテリジェンスカードをチェックしていただきましょう」
そして、私に「大丈夫だ」というように微笑むと、後ろに控えている騎士に向かって歩いていく。
ちょっと今の笑顔は反則だわ。
少しぼーっと見とれてしまったじゃない。
お姉さんときめいてしまったわ。もしかしてこれが恋?─勘違いです─
「いやいや。なにもそこまでせずとも公爵やカシアが頭を下げれば」
胸がどきどきして、頭がふわふわしている。
「私ごときのために公爵やカシア様に頭を下げさせるわけにはまいりません。どうぞチェックを」
そんなことない! 私ごときなんて言わないでっ!!
ごめんなさい。旦那が無茶を言ったから。
それに従った私も悪いの。
冒険者とバレたら…なんとかしてあの子を逃がしてあげないと!
「ミチオ・カガ様。ジョブが探索者です」
騎士が告げた。
私は驚きで胸がいっぱいになった。
そして
……あぁあの子は
心の底からそう思ったの。
「話は後日改めてうかがおう。きょうのところは失礼されていただく」
旦那が大股であの子に近付いていく。
私は、あそこが濡れてしまって、小股で小走りになって後を追った。
そして、謁見室を出て、ロビーに戻って…ボーデの城まで戻った。
「ミチオ殿、すまなかった。セルマー伯の…」
帰って早々、旦那がぼやきだした。
私も、誠心誠意謝罪する。
「ミチオ様が冒険者だというお話は、実家から連れてきているわたくしの侍女の誰かから聞いたのでしょう。きちんと口止めしておくべきでした」
「いまさら仕方あるまい。余も迂闊だった」
「叔父上がこんな嫌がらせをしてくるとは思いませんでした」
本当にごめんなさい。
「それにしてもミチオ殿が探索者にジョブを変更していたのは驚いた。インテリジェンスカードをチェックされるときには冷や汗をかいた」
そうしたら、あの子ったら得意そうな顔になってこう言ったの。
「こんなこともあろうかと」
お姉さんときめきが止まらなくなって、実はこのあとの会話を覚えてないの。
それでも、
「それではミチオ様、本日はありがとうございました」
そう微笑んで挨拶して私室に戻りましたよ、と侍女に教えてもらったわ。
後で旦那から聞いた話では、どうもあの子はあの古い慣習を知っていて、それを最初から見越していた、って。
余も一本取られたな、これでは彼を認めるしかないか、ってちょっと悔しそうだったけど。
でも、そうだったのね。
最初から想定していたのね。
だから今日は直接ロビーに来れなくて、外から歩いてきたのね。
そんなに私のことを考えていてくれたなんて…
それに旦那も認めてくれるって言ってくれた。
今日はあの子の記念日ね。
え~と、
それからあの子のことは、色々と報告にあがるようになった。
騎士団からはハルツ公爵領にある迷宮を攻略している、って。
「ミチオ殿ですが、ターレとボーデの迷宮の攻略をしてくれているようです。入口の探索者に都度進捗具合を確認しておられます」
「またボーデの迷宮の進捗を確認しておられました。探索の最高階である12階層に案内したそうなので、そこの攻略をされているようです」
御用商人のルークからも、
でも、一番ビックリしたのは、いきなりあの子の従者に対する決闘の申し込みがハルツ公爵騎士団にあったことよ。
ちょうど旦那と執務室にいたので、その場で報告を受けることができたの。
ゴスラーからの急使から聞いた話によると、
「ミチオ殿の従者、狼人族のロクサーヌに対する決闘が申し込まれました。相手はバラダム家の自由民の女です」
もう、あの子に迷惑をかける従者なんて……でも、ロクサーヌというのね。
それにバラダム家というと、あの狼人族の『暴れ者』として名を馳せるサボー・バラダムがいるところではないですか。その女と同じパーティにサボーがいるとすると……
その後も、代理としてミチオ殿が受けるのを従者が拒否なさいました、とか、非公開での即時決闘となりました、とか。そして、ボーデの城の騎士団の訓練場を使用します、とか連絡が入ってくる。
それにしても非公開での決闘を受けるなんて、その従者には何か後ろ暗いことでもあるのかしら?
しかも、その従者はバラダムの女の身代わりミサンガを発動させながら、ミチオ様の厚意に甘えてその後相手に止めも刺さず、降参もさせず、引き分けにした、という始末。
互いの名誉の懸かった決闘でなんて中途半端なことを! 怒りで目の前が赤くなったわ。
そして、バラダム家のサボーが、引き分けを不服として、バラダム家の家父長権の
「決闘で引き分けなんて中途半端なことをするから…」
再戦を申し込まれてしまうのです。
「ふむ、余は、その従者の戦いを見てみたかったがの。ずいぶんと見応えのある決闘だったようだ。で、ミチオ殿は勝てるのか?」
「ミチオ様が負けるはずないわ」
「ほう、カシアはずいぶん高く買っておるな。あれでバラダム家のサボーといえば『暴れ者』として名を売っているが」
あの子が秘密にしているから言わないけど、あの狼人族の海賊『狂犬』シモンを討ち取っているのよ、負けるわけ無いでしょう。しかし、必要のない殺生をあの子にさせることになってしまう。それにバラダム家の恨みもあの子に向くことになってしまうかもしれない。
案の定、サボー・バラダム、決闘にてミチオ殿に討ち取られました、との連絡が。
「ほらね、やっぱり」
しかも、申し訳ございません、私にはサボーを
その後、サボーの装備品を見逃したとか、これでバラダム家の恨みがあの子に向くことがないといいのだけれど。
そうね、バラダム家もサボーが討ち取られたのなら、
「公爵? ここは『水に落ちた犬は打て』といいますし、バラダム家には退場してもらってよいのではないですか?」
お姉さんちょっとだけ援護してあげるわ。
「やれやれ、こんなにカシアが入れ込んでいると複雑な心境になるな」
「あら、でも相手は閣下の
そう、公爵夫人として下手な火遊びはできない、だから旦那のお眼鏡に適った相手から選んでいるのよ。
それに、この言い訳が使えるのはよいのだけど、お姉さん今胸がきゅんきゅんしているからね、これが恋なのね。
その後、公爵は外に出ていることにしたので、詳しい話を聞くために呼び出すことにしました、とは。さすがゴスラーね。
でも、決闘から5日後にあの子が城に顔を出したときに呼ばなかったのは、旦那の頼みとはいえ感心しないわ。
それに、どうやってサボーを二度倒したかは、秘中の秘らしく教えてもらえなかったって言うの。
あなたバカっ?
当たり前じゃない。だいたい、普通一流の探索者や冒険者は手の内をみすみすさらしたりしないものよ。
私も自分の配下をここにもぐらせないといけないのかしら。
先ずは以前にセルマー伯にあの子のことをバラした侍女を使いましょうか。
その後も、あの子のことは報告にあがる。
また呼んでもらえなかった。でも会えない時間が
そういえば、旦那があの子の従者の狼人族の娘に興味を示したところ、殺気の籠もった目で旦那を睨んでいました、って聞いたわ。
もう、あの子に迷惑を掛けた従者じゃないの。
あと、ゴスラーが何か隠していることがあるようなので、ちょっとOHANASHIしたの、アンセルム式よ。
そうしてやっと聞き出したのは、決闘の時には猫人族の従者が増えていた? そして追加で鏡の注文を3枚した? そう、あの子に迷惑をかけないような子だといいのだけど。あと、そうやって伝手を残したのは評価しましょう。
でも、仲間はずれが続くと私にも考えがあるのよ。
その後も、最高級のコハクを購入したとか、奴隷のオークションやバラダム家が出品する聖槍に興味を示しているとか。
私がバラダム家の追い落としに勤しんでいるかいがあったというものね。これも
その後、配下の鍛冶師のドワーフを使って吸精のスタッフを用意して交換して聖槍を手に入れた、と。しかも豪商を相手に堂々とした態度でいたらしい。
うふふふん。あの子がどんどん魅力的になっていくわ。
でも、ちょっとだけイラって来たこともあるの。あの子、竜人族の奴隷(それも性奴隷の処女で15歳の
あの子も若いから仕方がないけど、もう少し私を待ってもらいたかったわ。私も貴方を想って一人で慰めて我慢しているのよ。それに村人らしいけど役に立つのかしら?
でも、このあと、
バラダム家のことが大体終わったので、ハルパーの迷宮の攻略ために旦那たちと籠もる日々。潤いが欲しいわ。
そう想っていたら、ハルパーの迷宮が討伐されたの、さすがゴスラーね。そして地上に出ると、あの子がいたの。
「ゴスラー、やったようだな」
「はっ。ありがとうございます」
「お、ミチオ殿もおられたのか」
「はい」
「出てくるのが早かったのだな。余のパーティもそれほど奥へは進んでいなかったはずだが」
旦那が前に出て私を隠す。
「たまたま近くにいましたので」
「ミチオ殿にも助力をいただいた。礼を言う」
「いえ」
「欲をいえば、今後もぜひ領内の迷宮に入ってほしいが」
「あ…。いや……。あ…。しかし……」
「何か問題でも」
「ミチオ殿には何かご都合が?」
「あー、まぁちょっと行きたい迷宮があるというか」
「行きたい迷宮だと?」
「に、22階層でマーブリームを狩るのを彼女が楽しみにしていたので。それに、少しクーラタルの迷宮に入って鍛えたいというのもありますし。今までのようにこちらの迷宮がメインというのではなく、多少なりとも散らしていけたらなと」
「…マーブリーム?」
「公爵からの許可が降りたらな」
「マーブリームか。確かあそこが」
「はい」
「そういうことなら是非もない。強要するわけにもいかぬ。ただ、これからもできるだけ我が領内の迷宮に入ってもらえるとうれしい」
「分かりました」
「それと、マーブリームが22階層の魔物という迷宮は紹介できる。明日の朝にでも城の方に来てほしい」
「(私の実家の)ノルトセルムの迷宮に行かれるのでしたら、侍女が場所を存じているはずです」
私は慌てて割って入った。
あの侍女Aを使うならいつなの? 今でしょう!
「案内はこちらの方で付けられる」
旦那が邪魔をしてくる、ちっ。
「そうですか。ではミチオ様、どうか(実家の迷宮を)よろしくお願いします」
私は一礼する。
「あ。はい」
「マーブリームと戦いたいならボーデの12階層でいいと思うが、ミチオ殿もそうなのか……」
「強くなる人というのは、たいがいそんなものです」
「うむ。それもそうか」
「ミリアは、22階層でなくてもいいか?」
「22階層、です」
「22階層でやるべきだと思います。マーブリームごとき、ご主人様やミリアがいれば楽勝です」
「いまさら下の階層を探索するメリットはあまりないでしょうね」
「22階層で大丈夫だと思います」
「では明日行きます。あと、お借りしているものは……まだ持っていていいですか」
「そうだな」
「大丈夫です。持っておいてください(奥様の平安のために)」
そして、私に
それなのに…次の日の朝、旦那は、
「すまない、カシア。ミチオ殿はもう帰ってしまった」
そう言ったの。また私を除け者にした……
そろそろ旦那にもOHANASHIが必要なのかしら? アンセルム式の。
そんな潤いの無い日々を送っていた私に、奇跡は訪れた。
「おお。ミチオ殿ではないか」
「あ。これはどうも」
「余の領内の迷宮に入ってくれているのか」
そう、家の領の迷宮に入ってくれてたのね。
もしかして、同じ迷宮にいたのかしら?
「まぁ、入っているというか、今日から入りに来たところというか」
「それでもありがたい。何階層だ?」
「あ、ええっと、33階層へ」
「ほう?」
えっ!
「い、いやまぁ。クーラタルの迷宮だと、33階層は大変らしいですし、31階層のボス戦は混むので。クーラタルの33階層に挑む力をつけるまでの間、少しここの33階層で鍛えさせてもらおうかと」
「ほうほう」
ちょっ、ちょっと待って。
「ノンレムゴーレムが33階層である迷宮を探すという手もあったとはいえ」
「いやいや、まことに重畳の至り。ここの迷宮の33階層へは余のパーティの探索者に案内させよう」
先日まで22階層のマーブリームを攻略するって言ってなかった?
お姉さんビックリだよ!
「おお。ありがたく」
「34階層と35階層にも案内させよう。ボーデの迷宮は今のところ35階層まで探索が進んでいる」
「そうなのですか」
「ここは領都に近く、一般の探索者なども集まりやすいからな。ゴスラーたちが33階層まではがんばって探索してくれた。ゴスラーは今、ターレの迷宮を討伐しようと向こうに入っており、それ以降はあんまり探索は進んでおらん」
そう。私たちは安全を優先せざるをえないから、30階層までしか探索してないというのに。
「なるほど」
「しかし、すでに33階層まで進んでいるのか。前は22階層だったのに。さすがはミチオ殿よの。仰天のスピードだ」
そうよ。旦那の言う通り、ビックリ仰天のスピードなのよ!
「23階層から33階層までは別にそれほどあれでも。地図さえあれば」
「そうか。そうか?」
「装備も整えたし、うまくはまったというところでしょう」
「まぁそれでもさすがよの。34階層に入るようになったら、ぜひ一度城のほうを訪ねてきてくれ。楽しみにしておる」
あの子のパーティちょっとおかしいわ。
主人が上に行き過ぎそうなときに止めないなんて、従者として失格じゃない!
「は」
「ではな」
あぁ、挨拶もさせてもらえなかった。
でも、公爵夫人として人目のあるところでは旦那を袖にもできないし……顔も見れたし声も聞けたからいいとしましょう。
それに、
私も柳眉を逆立てて睨んでおいたわ。きぃ~~~っ!
アナタなんていつもあの子と一緒にいるのに、迷宮に入らせてばかりじゃないでしょうね!
そうだったら、お姉さんとOHANASHIしましょう! アンセルム式で!!
そこそこ先が見えてきたので続きを更新します。
これは
ミチオの前回って、キレイなカシアから見ると頑張っているかわいい子だったんです。
そんなカシアが乙女心を暴走させ始めました。元々箱入りだったんでしょう、もう大暴走です。
さらに、ロクサーヌがカシアの視界に入ってきましたが……印象悪かったんですね。
当二次創作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮&今生は。
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。