Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
…ラスボスと鉢合わせしてしまいます
クーラタルの町 ミチオ邸・食堂 春の28日・朝
食堂で朝食を食べている時に、
「それにしても…」
と、セリーが俺に聞いてきた。
「旦那さま、前回、カシアが何をやっていたのか、アカシック・レコードで確認できるのですか?」
「ちょっと待って」
チュート・リアルのことは回答可能なのか教えてアカシック・レコード先生プリーズ。
【分岐未来に当たるため、不可能ではないです】
「不可能ではないって回答だったぞ」
すると、セリーの眼が鋭くなった。
「不可能ではない、ということは代償は大きいのですか?」
それは……どうなの? 教えてアカシック・レコード先生。
【分岐未来の分岐に関連する情報も一気に流されるため、頭がパーンとなる可能性が高いです。総Lv10万以上を推奨します】
「セリーの予想通りだ。頭がパーンとなるそうだ」
危ないところだった。
「では、『エルフの一撃』について回答可能か聞いてください。代償も」
ほいほい
『エルフの一撃』について、教えてアカシック・レコード先生。
【諾】
はっ?
「どうしたんですか、旦那さま?」
「い、いや、ちょっと待って」
「スキルについて聞くくらい大したことではないのではないですか?」
えっ?
これは本当に魅了なのか?
「もう、もったいぶらないで教えてくださいよ、旦那さま」
「うっ、わ、わかった。俺の背後に来てくれ」
セリーにロクサーヌとルティナが俺の背後にやって来た。
では、パーティ効果で…
ぴこ~ん
「これで見えるか?」
「見えました……が、旦那さま?」
「ええ、旦那様」
「あの……ミチオ様」
「「「これって魅了スキルなんですか?」」」
「そう思う…よなぁ」
「これって好意を持っていて、相手からも好意を持たれていないと発動しない、とありますよね、旦那さま?」
「ええ、全然一方的に魅了するような能力じゃないですよ、旦那様?」
「ミチオ様、これだと、好きな人が、もっと好きになる能力じゃないですか?」
俺は冷や汗を流しながら
「そ、そうだなぁ」
かろうじてそう答えた。
え~~と、全然予想外だ。
なんか、こう一方的に相手を魅了するような能力だと思っていたのになんか違ってるぞ。
「…でも、仮にこれが原因だとすると…旦那さま?」
セリーの声が、冷たく、平坦になっていた。
ヤバイヤバイヤバイ
「旦那さまは『カシアに好意を持っていた』ということになりますね?」
「はっ、そうですね。ミチオ様はカシア姉さまを好きだったのですか?」
ルティナの眼が冷たいものになった。
「あの…カシアさんって方も『旦那様に好意を持っていた』のですね?」
ロクサーヌが一番の爆弾を無邪気に落としてきた。
し~~~ん
「そういえば、貴族に叙爵されるときも、その祝賀会も、私達の結婚式の準備も、全部取り仕切ってくれましたね」
セリーの言葉に、全身が、びくっ、びくっ、びくびくっ!と反応してしまった。
セリーの眼も冷たいものになった。
「えっと、この間の旦那様の
「ありがとうございます、ロクサーヌさん。私の記憶でも、カシアは」
セリーは指折り数え始めた。
・ちょっと危険な火遊び感覚
・子供ができないから、色魔を持つ人間は不倫相手としてちょうどよかった
「旦那さまは……」
・美貌に魅かれていた
・あの艶のある美声にそそのかされて、あの仕草にときめいてしまって、ほいほい誘いに乗った
・まんまとカシアに頂かれて、関係を持ってしまった
・あの嬌声に脳を焼かれて、ズルズルと浮気をし続けた。
「他にもあったかも知れませんが……旦那さま」
セリーが後ろから両肩に手を置いた。
「だいたい、
手に力が込められ、俺を固定した。
「疑問なのですが、
そして、セリーの指が肩に食い込んで…
…はこなかったけど、ギリギリと握りしめてくる。
「不思議だったのですが、
セリーの表情は見えないが、
……
……俺は、
……最高に調子に乗って、
……後先のことをなんにも考えずに、
……
……告白するしかないのか……
ゴンゴン
と玄関のノッカーが叩かれた。
思わず、セリーも力が抜けてしまったようで、
みんなと顔を見合わせてしまう。
ゴンゴンゴン
「では、私が…」
ロクサーヌが行きそうになるところを、
「いや、俺が行く」
そう言って、引き止めると、
食堂を出て、玄関に向かう。
すると、
ぴこ~ん
好感度
ロクサーヌ: 97/100 私は旦那様のお嫁さんの1人。でも、子供は私が一番に産みたいなぁ
ルティナ : 95/100 わたくしもミチオ様の奥さんの一人!でもカシア姉さまと浮気とは…
ミリア : 92/100 ご主人様大好き! でも、カシアって、前にやさしかった人だよね?
ベスタ : 95/100 そろそろ奴隷商に預けられる。ご主人様、早く迎えに来てくださいね
セリー : 99/100 私も旦那さまのお嫁さん。カシア様との関係は明らかにしなくちゃ!
カシア :
はっ?
思わず、その場に立ち止まってしまった。
冷や汗が滝のように流れだした。
この扉の向こうにカシアがいる?
なんで?
どうして?
カシアがここに居る?
カシアはこの家の住所なんて知らないはずだ!
いつもカシアの手配してた邸宅で逢引していた……はずだ。
なのにどうしてここを知っている?
それに、この娘のパパ?
ゴンゴンゴンゴン
食器をかたずけ終わったセリーとルティナが玄関にやって来た。
「どうしたんですか、旦那さま?」
「そうですよ。まだ開けてないんですか?」
「いや…その……」
「はーい、どなたですか~?」
ルティナが気にせず、玄関を開けた。
そして、
「ぴっ!!!」
と固まった。
まぁそうなる。
ラスボスが家に押しかけてくる、とか想定外だよな。
「どちらさまでございますかっ……」
セリーも固まった。
「うふふふん。ミチオくん、取り敢えず人眼に付く前に、家に入れてくれないかしら?」
外出用にしては質素なフード付きローブを被っている。
そんな姿でも、清楚で瀟洒で
「私は噂になっても、別にどっちでもいいのだけれども…」
背後に侍女を3人……こちらはローブを着ているだけで、エルフを3人連れていることまでは隠していない。
俺は固まったルティナとセリーを除けて扉の前を空ける。
「家に入ってくれ」
カシアが優雅に玄関に入ってくる。
侍女がささっと入ってきて、玄関の扉を閉めると、鍵と閂をかけた。
なんで他人の家やというのに手慣れてんねん…
ローブを侍女に脱がせてもらうと、
「やっと会えたわ」
そういって、そのまま俺に抱きついてきた。
「
俺の頭に手を回すと、ちゅっ、とキスをしてきた。
そのまま、深いキスを仕掛けてくる。
カシアの甘く誘うような香水の匂い…
華奢に見えて、実はボリュームのある抱き慣れた熟れた肉体の感触……
そして、熱くちょっと細長い舌が俺の舌を誘う。
俺もその舌に舌を合わせて、カシアの味を味わって、手をカシアの背に廻してギュッと………
「旦那さまっ!」
正気に戻ったセリーの言葉で、慌てて彼女を押しのけようとする。
眼を開いたカシアは、唇を離して、もう、無粋ね、といいながら離れてくれた。
口と口の間を、唾が糸を引いていた。
背後に控えていた侍女がハンカチでふき取る。
セリーとの間に割り込んでいた
セリーと、同じく正気に戻ったルティナが、俺の前に立って、カシアと対峙した。
「それでは、お茶でも飲みながらお話ししましょう?」
「みなさま、ハーブティです。どうぞ」
カシアの連れてきた
「手土産にお持ちしたお菓子です。どうぞ」
小さめのスプーンも一緒に配られた。
この世界にプリンは無かった。
俺が
俺はチラリとセリーとルティナを見た。
セリーは厳しい眼をしたままだった。
が、ルティナは……懐かしいですぅ、といって、ぱくぱく食べ始めてしまった。
ルティナのおばかっ!
これでカシアが前回の記憶持ちだって、確信してしまうじゃないか!
ロクサーヌは、
「あの……これはなんでしょうか?」
これで、ロクサーヌの記憶が無いことも、確信したんじゃないかな?
で、ミリアは……
珍しく空気を読んで、まだ手を出していなかった。
テーブルの誕生日席?に座るカシアは、そんなやりとりを、優美にティーカップで口元を隠しながら見ていた。
カップをテーブルに戻すと、
「セリーさん、別に毒を盛ったりしてないわよ」
そう言うと、
「うふふっ。今回は
「そうですね。前回に比べると、まだまだですね。滑らかさとかプルンプルンさが足りてないですね…」
おいおい、ペラペラしゃべるんじゃないよ!
セリーがルティナを睨みつけているが、気付きもしない。
「そう。精進するように……してもいいのかしら?」
俺とセリーにちょっと傾けながら顔を順番に向けてくる。
そんなふとした仕草の中にも色気を感じて見とれてしまう。
さっき、イスに座るときのスカートの裾捌き一つをとっても、座る姿勢からでも、高貴さと優美さが漂ってくる。
でも、
俺が鼻の下を長くしているのに気付いたのか、向かいの席のセリーが俺の足を蹴ってきた。
正気に戻った俺も、慌ててプリンを食べることにした。
そういえば、ロクサーヌは……?
スプーンを口に咥えたまま、イスに座ったまま、全身をぷるぷるとさせていた。
まぁ、
「旦那様……」
「あぁ」
「すっごく美味しいです! これは神の食べ物です!!」
「あらあら、それを初めて作ったのは、ミチオくんなのよ?」
カシアがそう教えてあげると、
ロクサーヌの俺を見る眼が、その…尊敬するものに変わる。
そして、ふと気付いたように言う。
「でも、私達は食べたことがありません。いつ作られたのですが?」
「そうね。プリンのお披露目になったのは、再来年の春の5日、ミチオくんの男爵への陸爵の祝賀会の時ね」
「……再来年? ……男爵への陸爵?」
「そうよ。再来年、騎士爵から男爵への陸爵の時よ。
『黄色い悪魔』なんて呼ばれるようになったのよ、と続ける。
「そうよね、セリーさん?」
「……それは…そうでしたが……」
セリーがなんとか言葉を捻りだす。
カシアの蠱惑的に微笑む。
「ね? そうそうロクサーヌさん、初めまして、わたくしはカシアというの。気楽にカシアさんと呼んでちょうだい」
「はい、カシアさん。初めまして、私はロクサーヌと申します」
そして、
「お久しぶりね、ミチオくん、セリーさん、ミリアさん、そして、
「ぴっ!!!」
にっこりと微笑んで、カシアはそう続けた。
但し、ルティナの所だけ、無茶苦茶力が入っていたが。
「あら、挨拶は無いのかしら」
くっ、
「お、お久しぶりです。カ、カシアさん」
「えぇ、お久しぶりセリーさん。お父様とはちゃんと縁が切れまして?」
ぐっ、
「こ、今生では、ちゃんと縁を切ってきました。わ、私は自由民です」
「そう。なら良かったわ」
ふわりと微笑む。
その仕草の一つ一つから、俺はどうしても眼が離せなかった。
「ミリアさんも弟さんが助かって良かったわね?」
「はい、なのです。マックスも助かりました、全部ご主人様のおかげ、です」
「あらあら、よかったわね」
「はい、なのです」
今にも頭を撫でてもらうかのように得意そうにミリアが応える。
「あ、あの…カシア姉…」
「そういえば、ベスタさんはまだいないのかしら?」
ガクッ、
「べ、ベスタは…その……」
「まだ前の主人の所にいるのね。夏の休みのオークションの前に来れるといいわね?」
ぐっ!
「そ、そうですね。そ、それまでに迎えてあげたいですね」
「そう。なんなら奴隷商宛に、ハルツ公爵の紹介状でも書いてあげるわよ?」
「あ、ありがとうございます。カシアさん」
「えぇ、彼女だけいないというのも寂しいでしょう?」
「あ、あの…カシア姉さま……お、お久しぶりです」
「えぇ、お手紙を書いたのに、はやり病で臥せっていたんですって?」
「い、いえ…あの……」
「あらあら、どうしたのかしら? まるで嘘だったとでもいうのかしら?」
くっ、
「…それとも、実は帝都の別宅から出奔して、ミチオくんの所に転がり込んでいたとか?」
「だから、なぜカシア姉さまが、そのことを」
「あらあらまぁまぁ。別に不思議なことではないわ。おばばに送った手紙を見ただけよ」
あかん。完全に行動を読まれている。
「それに、あの
「…って、ちょっと待ってください。あの
思わず、セリーが割って入った。
「ええ、再来年の夏、ロクサーヌとルティナを賭けて決闘があったあと、色々と明るみになって処刑されたわ」
「そんなの知りません! て、前回も処刑されるくらいに酷かったんですか?」
「そうよ。あの2対1の卑怯な決闘も、あの
奪ったルティナを部下と一緒に
「えっ、ちょっと待ってください。わたくしそんなに危ないところだったのですか?」
そう言って、隣の俺に抱きついてきた。
カシアがわずかに、ぴくりと反応したみたいに見えたが…
「そういうこと。ロクサーヌさんの方は残念ながら巻き込まれただけみたい」
狼人族の男爵だったけど乗り換える? 御冗談を。
そして、俺にその眼を向けた。
「ぉ、お久しぶり、カシア」
「ええ、かれこれ
そして、下腹部を愛おしそうに撫でてから、
「やっと会えたわ。この娘のパパよ」
そう言った。
カシア編(今生版)を更新更新します。
少し更新が不定期となります。申し訳ありません、
ラスボスと鉢合わせしてしまいます。
それも、ミチオ達の自宅でです。
この二次創作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮は。
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。