Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
ラスボスとの決闘のはずが…
クーラタルの町 ミチオ邸・食堂 春の28日・朝
その瞬間…
俺は固まった。
思考だけが空回りしていた。
えっ!
はぁあ?
俺がパパ?
だって、カシアはエルフだぞ、異種族だぞ!
えっ、俺とカシアとの子供?
でも本当なら…
…なんかちょっとだけ嬉しい。
そうか『孕め孕めっ』ってやってたのが、実ってたんだ。
でも、そんなのあり得るのか?
ロクサーヌとセリー、ミリアにベスタ、ルティナともたくさん
それなのにカシアだけ……?
うわっ、なんかちょっと嬉しくなってきた。
本当の
でも、実はハルツ公爵や他のエルフと浮気して子供を作ったとか?
その可能性の方があるのか!?
となると、そいつの子供じゃないのか?
「はぁっ、正真正銘わたくしとミチオくんの子供よ。ミチオくんの『淫魔』の種付スキルで生まれたのよ」
なんで?
そんなことがなぜわかるんだ?
この世界の人間にはそんな特技があるのか?
「そんなことはわからないわ。でも……ミチオくん鑑定スキルを持っているでしょう?」
なんでそれを!
確かに持っているけど、
今までバレたことないぞ?
「それも、わたくしとの初対面のときから使っていたでしょう?」
初対面のときって……いつだ?
洪水のときに援助物質を運びに行ったときか?
いや、あれは
となると…
あれだ!
ベルマスクの鏡をハルツ公爵のボーデの城に持っていった時だ。
使った。
確かに使った!
カシアのことを鑑定で見た。
そして、まだ29歳だってことがわかって…
「その時に、幻覚が出てきたの。ぴこ~んって」
ちょっとまて、
幻覚って……もしかしてウィンドウのことか?
えっ、
それって現地人でもありえるのか?
そりゃあ、ジョブとスキルが当たり前の世界だが…
「心当りがあるようね。そう、そのとき、生まれてから初めて出てきたの」
たしか…
「赤い縁取りのある白い板に黒い文字で、」
と続けて言う。
「鑑定による情報の強制収集を感知しました、だったかしら」
そう言ってくる。
俺の鑑定は、通常、白い縁取りのある黒い板に白抜きの文字だ。
そこは違うのかもしれない。
が…
なんらかのシステムが働いていることは確かだ。
「まぁ、その鑑定に対する対抗手段として、『エルフの一撃』が使えるようになったのだけど、今は関係ないわね」
ちょっと!
ちょっと待って、
そこ超重要!
『エルフの一撃』本当に持ってたんかい!!
「その時から、そういう幻覚が見えるようになったのだけれども」
まぁ、何らかのシステムの影響かな?
たしかに幻覚と思われていても仕方がないのか。
「ロクサーヌさんがミチオくんを刺し殺した日に、こうあったの」
今でもはっきり覚えているわ、そういって、以下のことを告げた。
『淫魔』ミチオ・カガによる「カシア」への種付 春の68日より進行中
ミチオ・カガの精子によるカシアの卵子への干渉 累計150億回?くらい
カシアの卵子は受精しました(受精後9日)
子宮に着床 妊娠しました(妊娠3日)女の子です
って。
ちょっと、
ちょっとまって。
「春の68日って、カシアに誘惑された記念日じゃん!」
「ということは、俺って、そのころには「淫魔」のジョブがあった、ということか?」
「俺はそれを知らず、孕め孕めって……」
「あらあら、うふふん。何を口にしているのか、ミチオくんわかっているのかしら?」
「それにしても150億回って」
「春の68日から、ロクサーヌに刺されたのが秋の51日……だったかな?」
「ざっと、春5+夏15+秋8=28回」
「夏と秋の休日も入れると30回の逢引があって、」
「1回に10~12回は
「1回に数億の精子がでるとして、5億だとして、1800億!!」
「10分の1として180億だから…」
……
「計算は会うのか??」
「というか、「淫魔」の種付って、どれくらいの数が必要だったんだよ!!」
「150億回なんでしょうね……旦那さま?」
はっ、と気付くとロクサーヌ、セリー、ミリア、ルティナに白い眼で見られていた。
「も、もしかして…」
「はい、旦那さま。
「それに
セリーの眼はフラットだった。
「私達の搾り取りが足りなかったのですね。毎日
いや、その…
「ミチオくんが納得してくれて嬉しいわ」
いや、納得はしていないからな!
でもね、
「残念なことにあの子は未来に置いてきてしまったの」
まるで聖母のように、下腹部を愛おしそうに撫でまわしながら告げた。
えっ!
「だから、ちょっと早いけど、
そう言ってから、妖艶に微笑んだ。
マジだ。
マジの眼だ。
カシアの淡い青の瞳は澄んでいて、
その中に一点の曇りも見られなかった。
「
わたくしの妊娠が隠せなくなる2季節と、出産後の1季節は時間が欲しいわね。
「旦那さま、ちょっとカシアさん、おかしくないですか?」
セリーがイスから降りて近付いてくると耳元で小声で囁いた。
いや、これはおかしいというよりも…
「失礼ね。どこもおかしくなんかなってないわよ」
それでもカシアには聞こえたのか、反論してくる。
「ミチオくんが望みに望んで、わたくしも祈りに祈って、その結果宿った命だったのよ?」
それが亡くなってしまったの。
「女なら、ちゃんと産んであげなきゃ、って思うでしょう?」
そう聞いてくるカシアは、やはり大輪の青い薔薇が咲き誇っているかのように綺麗で、
なぜか、ロクサーヌが、
「それはそうですよね」
と同意すると、花がほころぶように笑った。
ミリアもルティナも頷いている。
どうやらわかってないのは、俺とセリーだけのようだ。
「そ、それは……そうかもしれませんが……」
訂正する。わかってないのは俺だけのようだ。
でも、
俺は過去──未来に想いを馳せていた。
ので、以下の話し合いを聞き逃してしまったんだ。
何か質問があるなら、今なら答えてあげるわよ?
では、いつからこのような関係に?
そうね、この夏の後半、ルティナがミチオくんに引き取られて、なんやかんやあって、お婆様がグリニアへの捜索の依頼を出した後のころね。
ちょ、ちょっとまってください、カシアさん。
あのころハルツ公爵閣下が、ミチオくんの叙爵に向けて貴族教育を始めたでしょ? その後よ。
えっ、そんなに前からだったのですか、カシア姉さま?
ええ、そうよ。閣下が貴族教育が進まない、って言うから、
…解放会での打合せがあるって、だいたい6日置きに午後から出掛けていましたね、旦那さま。
あら、そうやって
匂い、です。
あら、どうしたのミリアさん。
過去? 未来? の夏の終わりから、ご主人様からときどき、この匂いがしていた、です。
あらあら、香水を変えたのがわかっていたのね。
えっへん、です。
ええ、えらいえらい。
…ちょっと待ってください。ということはロクサーヌさんも…?
お姉ちゃんも気付いていた、です。
…はぁ。
あら、でもミチオくんはなかなかお姉さんに
どういうことですか、カシアさん?
さっきミチオくんが言っていたじゃない。
…夏の終わりから浮気していたんじゃないんですか?
そうね。浮気の定義によるのではないのかしら?
つまり?
それまでは
清い? 交際??
ええ、貴族の教育をして、迷宮の相談や、パーティの悩みの相談を受けたり、一緒にお茶を飲んだり。
ふ、二人っきりで?
そうね。途中から侍女にも席を外してもらっていたわ。
うふふん。わたくしなんか奴隷として引き渡されたその日の夜には一緒にお風呂に入って、身体を洗われて、抱かれましてよ。
…ええ、羨ましかったわ。あの時、ルティナをミチオくんにお願いしなければよかったわ。あのクズにでも渡していれば…
ぴっ!
あらあら、冗談よ。さすがにあのクズはありえないわ。
じ、冗談に聞こえませんでした、カシア姉さま!!
あらあら、うふふん。
では、その…ほんとうにそれまでは?
ええ、手をとるくらいしかしてないわよ。
本当ですか?
ええ、わたくしはいつでも襲ってくれてよかったのだけれども…
ミチオ様は手を出さなかった、というのですか?
ええ。…でも少しずつだけど、わたくしのことを受け入れてくれたのよ。
そんな…旦那さまが……
少しずつわたくしとの距離が近くなっていったの。
でも……そ、そうです『エルフの一撃』を持っているんですよね?
そうね。でも、その当時は使えなかったわよ。
えっ、使えなかったのですか?
そうよ。レベル?とか経験値?が足りなかったみたい。
でも、使えるようになったんですよね?
ええ、春の62日に初めて起動したわ。
やっぱり! それをつかって旦那さまを誘惑したんだ!!
ところが残念。誘惑は成功しなかったの。
えっ?
ほら、あれって、
…ええ、たしか、そうでした。
成功しなかったんですか?
ええ、
じゃあ、旦那さまは…
ええ、
そ、そんな…
だから、春の68日に、わたくしが倒れそうになったところをミチオくんが受け止めてくれたときに、思い切って告白したのよ。
好きです……愛してます……ミチオくんに恋してるんです
ミチオくんに二人きりで会うだけで我慢してきたけど……もう我慢できない
お願い、わたくしをミチオくんのモノにしてっ!!
そう懇願したの。
旦那さま…もしかして告白されたの……初めてだったとか…ありそう。
ミチオ様からではなくて、カシア姉さまから、こ、告白したんですか?
ええ、そしてミチオくんは、わたくしの告白を受け入れてくれたの。
噓です! だって春の71日が私達の結婚式だったんですよ!
ええ、わたくしもこれで最後と思って、はしたないとは思ったけど愛の告白をしたのよ。
…叙爵の準備やお披露目のパーティを開いて、結婚式の準備や、披露宴もしてくれたじゃないですか!カシア姉さま!!
わたくしもミチオくんを愛していたから、内助の功と思って、内心は
…やっぱり嘘です。『エルフの一撃』を使って…使って……
ええ、『エルフの一撃』は
そんな…
気になるのでしたら、ミチオくんに確認してみたら?
わたくしから告白してミチオくんが受け入れた、その時に違和感とか覚えたかどうか。
も、もちろんです。
そんなに邪険にしないで、セリーさん。わたくし
ぐっ
貴女達もミチオくんの子供が欲しいのでしょう?
そこは大丈夫です。ミチオ様は色魔の上級ジョブまで極めているので、種付(種族不問)が使えますので!
…あらあら、愛されているのね、ルティナは。
そうなんです!
なら、わたくしにもしてほしいわ。この娘を産むためにも。
そ、それは……
…別に、この娘の兄や姉がいても構わないわよ。もともと
…本当に前回旦那さまのこどもを妊娠していたのですか、カシア様。
えぇ、信じてもらえないかもしれないけれど。
それは……
そうね。
…たしかに、あの時は私と旦那さまを相手にして、ときおりぼーっとしていることがあったように記憶していましたが…あと、旦那さまと顔を合わせたら赤くなっていましたよね。
あら、それも気付かれていたのね? あれはわたくしが妊娠したことで起こった体調の変化だったようなの。
本当だったら……大スキャンダルになってたかもしてないのに、産むつもりだったんですか?
だって、
ミチオくんの子供を、いつか孕んで産みなさい、って。
…
いいえ、でも、
この娘のお兄ちゃんになるのね、ってわかったもの。
でも、公爵夫人が配下の男爵の──異種族の子を子供を産むなんて…
わたくしはどうやってでも、ミチオくんとの
そ、それは……私達も同じ気持ちではありますが……
それに、未来で貴女達も子供ができていたかもしれないのよ?
そ…それもそうですね。ミチオ様が頑張ってくれれば……できていたかもしれないのですね。
そうですね。「淫魔」の種付にそういう効果があることは文献にもありましたね。
あら、もしかしてロッジの図書室にあったアレのこと?
! カシア様もご存知だったのですか?
ええ、偶然見つけて、恥ずかしくなってしまったわ。
そうですよね!
ミチオくんとの子供を産めるかもしれないって、可能性がゼロじゃないってわかってしまったのだもの。
そうですよね! そうですよね!! カシア様もそう思いますよね!!
ええ、そうよ。ミチオくんとの…その…あ、愛の交わりが、愛の証を作るための神聖なものに思えてしまって…
そうですそうです。ミチオ様との心と身体の交わりが、二人の愛の結晶を作り出す神聖な儀式になってしまうんです。
そうですね。やっぱり
…ロクサーヌさんもそう思ってくれるのね。
私も、この世界に寄る辺のない旦那様に、私が血族を作ってあげたい、って思いましたから。
…えぇ、そう。 それなら、たくさん産んであげないといけないわね……。この娘の妹弟もたくさんできるのね。
むっ、私が一番に産むんです!
…あらあら、じゃあロクサーヌさんが長男で、わたくしがその次に長女を産むわ。さすがにわたくしはたくさん子供を産むことはできないから……
そこはわたくしたちがたくさん生むのです。
ミリアも、お姉ちゃんの弟と妹を産むの、です。
私も長男の後には娘を産んで育てます。
あらあら、ではセリーさんは?
う、わ、私も姉弟を産んであげたいです。
うふふん、ベスタさんもいれると子供が何人になるのかしら。
そう告げた。
「もうそんな時間……」
カシアは、溜息をついた。
そして、ルティナを少し睨む。
「ぴっ!」
「八つ当たりなのはわかっているけど、いまエルフはとても混乱しているの」
おかげで、この時期なのにてんてこまい…なのよ。
「この後、ハルツ領は洪水になるし、その対応もしなくてはならないし、セルマー伯の領の迷宮の討伐を支援しないといけないし、そこにいる兇賊ハインツに海賊『狂犬』シモンの討伐もしないといけないし……」
うっ!
「何か特別な情報収集方法……持っているんでしょう?」
なっ!
「カッサンドラお婆様も感心してたわよ。一族の恥部として門外不出にしている情報を容易く手に入れている……って」
「や、やっぱり、あれは引っかけだったのですね?」
セリーが呻くように確認する。
「えぇ、通り一片の情報は入手できているようだから、絶対にルティナが知らない情報の中でも、話の流れから醜聞に近いものを選んだみたいよ」
「それに、セリーが主導していることもその場の視線や話の動きからわかったみたいよ」
カシアは肩をすくめると、
「お婆様と直接会うなんて、無謀なことをするから。これくらいですんで良かったと思いなさい」
だいたい、ルティナの父や弟や妹のことも一言も触れなかったでしょう? そう続けた。
「一応、エルフの──アンセルムの一族に配慮してくれて、エルフに庇護を求めているようなのと……」
そこで、再びルティナに眼をやった。
「ルティナも、
「一応じゃありません!! 正真正銘一族です」
「でも、ルティナ、アンセルム式のOHANASHIできないでしょ?」
「ほえ? なんでしょうか、それは?」
「アンセルムの名を継ぐものに継承されてきたOHANASHIの方法よ。
今生?では、ルティナにも覚えてもらう必要があるわね。この場合従姉妹のわたくしが面倒を見ることになるのかしら? そう言って首を傾げた。
「ぴっ」
「大丈夫よ。手加減はしてあげるから。あと貴女の貴族教育もやり直しよ」
今生?貴女達は貴族にはなりたくないみたいだけど、元貴族が貴族の常識をしらない、というのは無理があるのよ?
「では、明日また来るわ。ねぇセリーさん、フィールドウォーク用の絨毯はどこにあるの?」
「そ、それは…その……い、今旦那さまは探索者なので…じゅ、準備してなくて…」
「…そう。それなら、
「こちらを何処かに掛けさしてもらえませんか?」
「じゅ、絨毯ですか?」
「えぇ、毎回毎回侍女を連れて歩いてくると、目立つでしょう?」
ぐっ
「そうね、玄関の階段の所に上から吊せるでしょう?」
「ぐっ……そ、そうですね」
お願いね、
テキパキと絨毯を吊るしていく侍女たち。
そして、
「では、また明日まで、ごきげんよう」
悠々と帰っていった。
なぜかちょっと浮かれているミチオを残して。
そして、
カシア編(今生版)の続きを更新更新します。
マイルド版ですが、場合によっては書き直すかもしれません。
また、更新が不定期となり、申し訳ありません、
ラスボスと決闘のはずが…
ラスボスによる
この二次創作は“基本的に”スーパー・イージー・モードです、迷宮は。
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。