Re:異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作:載せられた人
これは“ミチオ・カガ”が取り戻す物語
ロクサーヌとの初めてのやり直し
パーティ編成をしたら、視界の下の方に見慣れない新しいウィンドウが開いた。
好感度
ロクサーヌ: 50/100 初体験を前に緊張気味、でもちょっとだけ期待も…
セリー : 85/100
ミリア : 70/100
ベスタ : 80/100
ルティナ : 75/100 ニアミスしたのに…落ち込む 現在父様を説得すべく対立気味
はぁっ? と声が出そうになるのはこらえ……れたよね?
怪しい内容のウィンドウは置いておいて、
「…これでロクサーヌは、俺のパーティーの一員になった」
とりあえず、
「は、はい……」
挨拶から始めよう。
「では、改めて、よろしく」
「はい。よろしくお願いします」
頭を下げてきたので、
「頭、撫でていいかな?」
とひと声かけてから、ロクサーヌの頭に手を置いた。
触ったときに、少しだけビクっとしてその眼を閉じていた。
ベッドに並んで座り少し身体をひねって向かい合う、
互いに斜めになった膝が触れるかどうかの距離が、少しもどかしかった。
正面から見るロクサーヌは華やかで美人だ。
濃い栗色の髪の毛が、なめらかに俺の手を滑らせる。
柔らかくてふさふさの髪だ。
まさに、見てよし、触ってよし。
髪の触り心地を十分に堪能した後、軽くイヌミミにも触れてみた。
垂れ耳のせいか硬い部分がなく、なんかのパフみたいな感じで、ふわふわ、ふかふかだ。
少し俯いて眼をギュッとつぶるのが見えた。
いかん! 焦るな、俺。
今回は、ロクサーヌを奴隷から解放して、堂々と奥さんになってもらうんだろう。
ロクサーヌと
そのために『マスター・オブ・エロ』の称号まで取ったんだろうが!!
俺も一瞬眼を閉じて煩悩を退散……
「えヘヘっ、ご主人様に撫でられると、なぜか心が暖かくなってふわふわしてきます」
少し蕩然な表情を浮かべて笑いかけてきた。
煩悩を……
「それに、懐かしさと愛しさと……切なさも感じるんです、本当に不思議です」
無理だっ!
俺はロクサーヌを抱きしめていた。
「あ、あのっ…」
ロクサーヌの身体がびくっと震えたのがわかった、
でも嫌がるまではいってない、
そう思えた。
「いや、俺もそう感じたんだ。だから嬉しくて」
「ご主人様……」
おずおずと手が背中に廻されて、抱きしめられて、
しばしロクサーヌの温かさを、その感触と匂いを感じていた。
「ありがとう、ロクサーヌ」
「えっと……こちらこそありがとうございます」
名残り惜しかったが、これでは話ができない。
ゆっくりやさしく抱擁を解く。
離れるときに眼が合って、思わず互いに微笑んでいた。
「まず最初に言っておきたいことがある」
「はい」
「俺は、ロクサーヌが聞いても、信じられないくらい遠くから来た」
背筋を伸ばし、改まってロクサーヌに告げた。
本当のことを全部告げることはできないし、後で嘘だと思われても困る。
だから、できるだけ本当のことを伝えよう。
「遠いというと、カッシームよりも遠くからですか?」
少しとまどっているようだ。
「カッシームは知っているが、それより遥かに遠くだ。普通に行こうとしても決して届かない場所にあるんだ」
「そうなのですか?」
ロクサーヌがなにやら考え込んだ。
世界が違う、といってもわからないだろうし、どうだろうか。
「それにこことは文化も違っていた。師匠に教えてもらったが、イマイチこちらの常識がよく分かっていない」
まぁその師匠がセリーとロクサーヌになるのだが。
「ここでの常識については、こんなことも知らないのか、とは思わずに、ロクサーヌに色々と教えてもらいたい」
「かしこまりました」
「あと、ロクサーヌにも一緒に迷宮に入ってもらうから、そのつもりで」
「はい。昨日も言いましたが、戦闘ではお役に立てると思います。おまかせください」
ロクサーヌの雰囲気が、ルティナの言うところの『迷宮モード』に入ったのがわかった。
「それでは、服をクローゼットにかけてもよろしいでしょうか。しわになるので」
ロクサーヌが立ち上がる。
「ああ。そうだな」
「ありがとうございます」
ロクサーヌが商館から持ってきたケースを開ける。
入っていたのはメイド服……だけのようだ。
そうだったな。
ロクサーヌと一緒に買ったメイド服。
結局アランがサービスしてくれたんだよな。
定価で4000ナールと、それ自体は結構な値段がする。
いい貰い物をした。
ロクサーヌはメイド服をクローゼットにかけ、服のしわを伸ばしている。
その後ろ姿も可愛い。
胸の割に、ロクサーヌの体つきはスリムだ。身長は俺よりやや小さいくらいなのに一回りは細い。
こう、女の子っていう感じがする。
「これもついでにしまっといて」
リュックサックからジャージの上下を出して渡す。
「はい……こ、これは見たことのない素材です。きっと素晴らしい物に違いありません」
いやいや、安物の化繊です、すみません。
そのまま背後からロクサーヌを抱擁する。
優しくだ、俺は童帝じゃないので余裕だ。……あれ?今生ではまだ童帝か?
少し身じろぎしてから身体の力が抜けたのがわかった。
「残念だが、今日はベイルの市が立っていない。なので、必要なものを別の町で買いそろえよう」
迷宮攻略の必需品に、生活必需品もね、と耳もとで囁いた。
「…はい」
ロクサーヌはくすぐったそうに、でも少し嬉しそうに小声で答えてくれた。
「常設の店舗がある町って知ってる?」
「そうですね。帝都か、クーラタルにでも行かないと難しいですね」
「クーラタルの町ね」
「クーラタルには大きな迷宮があります。私も一度行ったことがありますが、探索者を相手にする店が立ち並んでいて、便利です」
さっき言ったことを覚えていて、俺に教えてくれる。
なんかうれしい。
「ありがとう。じゃぁ、クーラタルまで買い物に行こう」「はいっ」
内緒話をしているかのようで、なぜか少し親密になれた気がした。
「…と、その前に、一つ教えておくことがあった」
ちょっとだけ腕に力を込めた。
ロクサーヌは首を廻して耳を口元に近付けてくれた。
「…俺は、師匠の教えで、複数のジョブを使うことができる」
念の為に左手を動かしてロクサーヌの口を軽くふさいだ。
ロクサーヌは少しびっくりしたようだが、驚愕するまではいかなかったようだ。
手をどけると、
「えっと、そんな話、聞いたことがありません。でも…」
「そうだな。それに俺は特別な移動魔法も使うこともできる」
俺と師匠以外に使える、と聞いたことはないぞ、と続けた。
「そんな……ご主人様って、すごいです」
ロクサーヌの尊敬するような眼差し……悪くはないな。
「まぁ他にも色々あるが、おいおいな。だから、他の人にはバレないようにする必要がある」
「それは、そうですね。他人にバレると大変そうです」
というわけで、アイテムボックスを開いて、ロクサーヌの防具とレイピア、盾を取り出し装備してもらう。
俺も自分のボーナス装備の防具(手)と、部屋に入ったあとで脱いだ防具と(胴)を取り出して装備する。
そうそう、自分のリュックサックも空にして背負った。
部屋に鍵をかけ、鍵を旅亭の受付に預けると、ベイルの迷宮の入口を目指す。
ベイルの迷宮の入口でダンジョンウォークを使ったように見せて、クーラタルの迷宮の出口に移動する。
面倒だがジョブの件とかがバレないようにするためだ。
なお、二人だけの秘密、というのがロクサーヌに刺さったのか、終始ご機嫌だった。
入り組み惑う迷宮の、勇士導く糸玉の ダンジョンウォーク
ダミー詠唱をしながら、ワープと念じると、その出口はクーラタルの迷宮の出口に通じていた。
ロクサーヌを見ると、ちょっとだけ眼を丸くしていた。
クーラタルの町 クーラタルの迷宮前
そしらぬ顔で迷宮の入り口に立つ騎士の間を抜けて出ていく。
中心部近くには何軒かの店が建物一階の壁を開放して営業していた。
魚屋とパン屋があって、その向こうに金物屋に、手前に雑貨屋、奥に服屋もある。
先ず、雑貨屋で生活必需品として、以下の物を購入して手分けしてリュックサックに詰めていく。
リュックサック 1個(ロクサーヌの分)
ベルトポーチ 2個(ロクサーヌの分)
中くらいの木の桶 1個
小さな木の桶 2個(コップ代わり)
ロープ 2本(洗濯干し用)
手ぬぐい 各4枚 計8枚
房楊枝 各2本 計4本
水筒 各1本 計2本
コイチの実のふすま 1個
装備の手入れ用のオイル各種はドロップアイテムのストックがあるから買う必要がない。
次に、服屋では、時間を
肌着(上下)各3枚 計6枚
靴下 各3足 計6足
元日本人、そして
ロクサーヌは恐縮していたが、押し切ってサイズが合うやつをさっさと買った。
そして、
「最後に、替えの服を上下を3枚と、
「えっと、ここは新品の服を売っている店ですが、本当によろしいのですか?」
ご主人様にあればよいと思いますが……と遠慮している。
「それに、奴隷には最下等の中古服が一般的だと思います」
だいたい、新品を買うのは貴族様です、と続けてくる。
そうだな。服には、貴族→庶民→奴隷という流れが確かにあった。
金持ちや貴族が新品を買って、飽きたら中古に売る。
それを庶民が買って着倒して、また売る。それを奴隷用に買う、と流れていた。
でも、
「別にいいんじゃないか」
「でも、私の分なら…」
「俺の眼に映るロクサーヌに身綺麗でいてほしい、という俺のわがままだよ」
それに、
「だから、かまわないだろう。好きなのを選んでくるといい」
ロクサーヌの背中を押す。
しかし、ここで条件を一つだけ付けよう。
「但し、
カーンとゴングを鳴らしてしまった気がする。
現在、15時くらい。
日本とは違って、そう多くは無い服の種類の中から、一枚ずつロクサーヌが丹念に見て選んでいく。
ロクサーヌの分だけでなく、俺の服も一着一着細かく見てくれている。
ときおり俺の体に服を合わせに来て、「これはどうでしょう?」とか「これは色が…」と駄目出ししている。
よろこんでくれるのはいいけれど、毎度ながら店の服を全部確認する勢いだ。
横に来た店員さんも目を点にしている。
そして、
こちらなどお薦めでございますが、 ……うーーん。
あ~あ、店員さんも撃沈した。
ロクサーヌの場合「どういったものをお探しですか?」と声をかけても「全部見せてください」とか言いそうだもんなぁ。
まぁ好きなものを買っていいと言ってるし、合計6着も売れるのだから我慢してもらおう。
「これはどうですか?」
「それもいいね」
俺に見せに来る品は気に入ったものだろうに、好きに選べばいいのに。
ロクサーヌは美人だしかわいいし、こっちはそれを見ているだけで暇をつぶせるからいい。
何よりあれだけ選んだ様子で尋ねにくるのだから、悪い気がするはずもない。
「ご主人様、
こういうときは、
「ロクサーヌはどっちがいいと思う?」
先にロクサーヌの意見を聞く。ヘタレと言うな。
それに、
「そうだな、どちらの方が俺の
大抵こう言うと、
「そうですね。ご主人様のに合わせるなら、こちらの方がいい色かもしれません」
大体決まるんだ、悪いね。
まあ、『ロクサーヌ』は『
「ご主人様、これらをお願いします」
「ああ、他に何か必要なものはあるか?」
「いえ、これ以上は他にはありません」
「では、そこのトランクを買うので入れてもらえるか?」
持ち運びに必要だからね。
「ありがとうございます、ご主人様」
「俺の服も選んでもらってありがとうな。でも急がせちゃったかな」
いいえ、とトランクを手に持ってうれしそうにしている。
さすがに
そこからアランの商館の裏通りにワープで顔を出して確認する。
ベイルの町 アランの商館の裏通り
よし、誰も見ていないな。そのままロクサーヌと移動する。
「じゃあ
「はい」
夕日に赤く染まった大通りをベイル亭まで歩いていく。
互いに気恥ずかしくて眼を合わすことができなかった。
「よう、お帰り」
ベイル亭に戻り、受付けから鍵を受け取る。
「そういえば、お湯とカンテラは、いつ持っていったらいい?」
「夕食が終わってからで」
「お湯2つとカンテラ1つで、45ナールでいい」
銅貨で払う。階段を5階まで上がり、部屋に戻る。
ベイルの町 517号室
鍵を開けて部屋に入ると、ロクサーヌはトランクを開けて服と外套を大事そうにクローゼットにしまった。
「ありがとうございました」
「いいからいいから」
そして、ロクサーヌの装備品をアイテムボックスに収納する。
自分のボーナス装備はブーツ以外は全部解除した。
その後ベッドに座るが、ロクサーヌは所在なげに立っていた。
「こっちに来て座っていいよ」
先手を打って、隣に招く。
「はい」
ロクサーヌがベッドにそっと腰を下ろす。
最初に部屋に入った時に座った位置よりも、少し近くに座ったのが嬉しかった。
「これから、別に床の上に座らなくていいから」
「で…でも、ここはご主人様のベッドですから。あっ」
「ロクサーヌもここに寝ることになるけどね」
そっと抱きしめて近寄せると、小声で囁いた。
「あ……あの。お情けをいただくときは入りますけど、寝るのは床でかまいませんが…」
ロクサーヌが上眼遣いにつぶやく。
「それって、常識?」
「…商館では、そういうご主人様もいると聞きました」
「なら俺はいいや。寒いしめんどくさいし、一緒にベッドで寝て」
さりげなくロクサーヌの表情をうかがうと、
「は…はい。ありがとうございます」
あぁ、前回は気付いてなかった、
ちょっと表情が硬くなっていたなんて。
「うん」
腕を廻して抱き心地を楽しむ。
先ずは俺の不足しているロクサーヌ成分の補充だ。
その後は、どうしたらいいのだろうか?
「あ…あのっ、まだ日もあるので手入れいたします。装備品を出してください」
「あー、ロクサーヌの分だけ頼む。俺のは特殊で不要なんだ」
「いけません」
ロクサーヌが突如俺に強い眼を向けてきた。
「迷宮に入ったら装備品に命を預けるのです。きっちり手入れをしなければなりません」
勢いに負けて腕を離すと、ロクサーヌは立ち上がった。
「あー、だから俺の装備は特別でね」
ボーナス装備の武器(剣)7『真・デュランダル』と、防具(胴)7『真・アイギスの鎧』を取り出す。
「こいつらをどう思う?」
「これは…まるで出来立ての剣と鎧のようです」
「というわけで、こいつらに手入れは不要だ。代わりに」
ロクサーヌに装備してもらったレイピア『聖剣レギンレイヴ』と防具『聖レギンレイヴの盾・鎧・籠手・兜』を取り出した。
これに、今ロクサーヌが付けている『聖レギンレイヴの脚甲』を合わせたのがレギンレイヴ・シリーズだ。
残念ながら、
低層階なら問題ないし。
「こっちをお願いする」
一緒に出した、ドロップアイテムの手入れ用のハイ・カメリアオイルも渡す。
「あ、あの……」
ロクサーヌが振り向いて、俯いた。突然雰囲気が元に戻ったな。
「新しい肌着を買っていただいたので、今私がつけているものを手入れ用のボロ布にしたいと思います」
そういえばそういう展開だったな。
「…ご主人様はどうぞ食事に行かれてください」
「食事が先、というわけにもいかないか」
「ですので」
「もう食事付きの値段を払ったんだ。下で一緒に食べよう。それとも、一緒の食事は嫌か?」
遠慮しているのか、一緒に食事するのが嫌なのか
「嫌だなんて、滅相もありません」
「じゃあ、そういうことで。あ、あと、手入れにはこの布を使ってくれればいいから」
手ぬぐいを強引に手渡す。
「でも、これは新品の手ぬぐいです」
「装備品の手入れに妥協はいけないんだろう? 布についても妥協しなくていいから」
「…わかりました」
イスに座ると、ロクサーヌの表情が真剣なものに変わる。布に少量の油をつけ、磨いていく。
「こうして手入れしておけば、いつまでも新品の状態です」
「研いだりは……鍛冶師のスキルだったな」
「はい。それに、使う者が気分良く使えなければ、性能を発揮できません」
手入れが終わると、食堂に降りて、
俺と同じメニューを選んで、
二人がけのテーブルに座って食べた。
「ありがとうございます。本当に美味しい食事でした」
「喜んでもらえてよかった」
部屋に戻る階段の途中で感謝してくる。
「はい、しかもご主人様と一緒のテーブルで、同じ食事なんて。本来なら床の上でよかったのですが」
「いや、床の上で食べてる人なんていなかったし」
「奴隷が食べるような店ではないからだと思います」
「でも俺はロクサーヌと、今後も一緒に食べてほしいな」
「それがご主人様のお望みでしたら」
「うん、だから一緒に食べようね?」
「はいっ」
部屋に帰ってきたとき、
「お、丁度よかった。お湯とカンテラ持ってきたぞ」
旅亭の男は置くとさっさと降りていった。
机に湯を一つ置いたところでロクサーヌを見ると、少し緊張しているようだ。
「では、背中を拭いてくれるか」
服を脱いで、ロクサーヌに背を向けて立つ。
「はい、ご主人様」
ロクサーヌは、手ぬぐいを湯に浸して絞ると、背中を拭きはじめた。
一昼夜、迷宮に籠って超絶Lv上げをしていたので、少々汗くさくなっていたであろう背中を、ロクサーヌの華奢な手が拭き取っていく。
「…すごい、脱いだら……筋肉が……細いのに……」
あー、その超絶Lv上げで体型も細マッチョに仕上がってしまったんよ。でもムキムキにならなくて良かったよ。
試しに一瞬力をいれてから抜く。
「……凄く硬い……ミチミチ……」
ロクサーヌは、蕩然としながら手や足も、ついに前まで、って
「前は自分で拭くからいいよ」
手を掴んで止める。
手ぬぐいを受け取り身体の前面とアソコを
って、ロクサーヌが横からナニを見て惚けていた。
……すごい……大きい……とか呟いてる、なんか嬉しいが恥ずかしいな。
「じ、じゃあ、次はロクサーヌの番ね」
赤くバツの悪そうな顔をしながらも、
「……は、はい」
小さい声を絞り出すと、チュニックに手を掛けた。
その間に手ぬぐいを濯いで絞って準備する。
「あ…あの、私は狼人族なので、毛深いかもしれません。ごめんなさい」
「いや、俺は気にしないが」
むしろ大好物だが!
「実は背中が…」
背中の上の方にあるのは、髪じゃなくて毛だ。ベリーショートでかわいい。
左手で背中をなぜる。
毛はしとやかで柔らかかだ。
「ふさふさして柔らかいし、俺は好きだ」
「あ、ありがとうございます」
煩悩退散……煩悩退散
ロクサーヌの毛を、背中を手ぬぐいで拭っていく。
「うん、何の問題もない」
「あ、あの…ご主人様に拭いていただくわけには」
手ぬぐいを濯いで絞ってロクサーヌに渡す。
俺は紳士、俺は紳士。
「他は自分でお願いね」
俺は、イスをベッドの横に動かして、そこに湯の桶を一つ置く、
その間に、ロクサーヌは手早く手・足・身体の前側を拭いた……ようだ。
「頭を洗えるか実験をしたい。ベッドの上に仰向けになって、頭をこの桶の上に出して。縁に首を乗っけるくらい」
ロクサーヌは毛布で身体を隠しながら言われた通りの姿勢になった。
お湯を掬って髪にかける。指で梳きながら、もみ洗った。
「無理な姿勢ではない? 首、痛くない?」
「大丈夫です、問題ありません」
頭の向きを変えてもらいながら何度もお湯をかけて、梳き洗った。
ロクサーヌの耳にもお湯をかけて丁寧に洗った。
「よし……じゃあ頭を起こして」
もう一枚の手ぬぐいで押さえながら頭を起こさせる。やや乱暴に髪の水分をとる。
「ありがとうございます」
「うん、二人いれば頭も洗えそうだな」
「はい、ご主人様もお洗いしましょうか?」
「頼む」
手ぬぐいを渡してから、場所を入れ換わる。
ロクサーヌの細い指が髪に絡み、優しくもみ洗う。
お風呂ほどではないが、さっぱりとしていい気分だ。
そして、ふと眼を開けると、パラダイス!! があった。
いかん、眼をつぶって洗ってもらう頃に集中する。
「横を向いてください」
「ああ」
集中する…
ロクサーヌの指って、細く柔らかくて、
「最後に下を向いてください」
集中する…
ほんのり温かい……って、集中できるかぁ!
「ありがとう。拭いてくれるか」
「はい」
前から優しくわさわさと拭いてくれる。
必然的に眼の前に、
無防備な、パラダイス!! が広がっていた。
「……そ、それでは、お洗濯しますね」
「ん、たのんだ」
桶の湯を使って、タライで洗濯するロクサーヌ、
その動きにあわせて胸が揺れているのがわかる、
パラダイス!!
いかん、浮かれてる。
俺は、どうしようもなくロクサーヌに惹かれている。
ああ、我が愛しのロクサーヌ、
再び俺のもとに戻ってきてくれた!
今度こそロクサーヌと添い遂げるんだ!!
だから、俺は……
そうこうしているうちに洗濯も終わり、
洗い物をクローゼットに干し終わる。
…いよいよすべての作業が終了した。
「ロクサーヌ」
「は、はい」
ちょっと緊張している。
こっちにおいで、とベッドに誘う。
「はい」
すっとすりよってきて、毛布をめくった所に座る。
ロクサーヌの手をとり、俺の胸におし当てた。
「俺も実はとても緊張してドキドキしているんだ」
あっ、とロクサーヌも、少し驚いたようだ。
「あの、私も凄く緊張しています」
ロクサーヌも、俺の手を自分の胸におし当てた。
ロクサーヌのトクントクンという鼓動を感じる。
「一緒です」「あぁ一緒だ」
薄暗いカンテラの灯りの下で、見つめあった。
お互い鼓動が少し落ち着いたのを感じて、
「おいで」
と、手を広げると、ロクサーヌがおずおずと近付いてくる。
上眼遣いに俺を見つめながら、ゆっくりと手を広げて抱きついてくるのを待った。
素肌がふれあい、再び互いの鼓動を感じる。
ロクサーヌの胸が、俺の胸筋におし当てられて、つぶれていく。
背中にロクサーヌの腕を感じた後に、
俺はゆっくりとロクサーヌを抱きしめた。
ああ、ロクサーヌが俺の腕の中にいる、
こんなに嬉しいことはない。
ロクサーヌ、一眼惚れだった
ロクサーヌ、好きだ
ロクサーヌ、愛している
ロクサーヌ、君が欲しい
ロクサーヌ、君が必要なんだ
ロクサーヌ、君がいなくちゃ駄目なんだ
ロクサーヌ、
ロクサーヌ、
こんなことはまだ言えないけど、
「ロクサーヌ」
「ご主人様」
ただ、ロクサーヌの鼓動を感じられることがよかった。
「ロクサーヌ」
「ご主人様」
ただ、ロクサーヌの温もりが心地よかった。
「ロクサーヌ」
「ご主人様」
ただ、ロクサーヌの声を聴けるだけでよかった。
「ロクサーヌ…」
「ご主人様…」
でも、もっとロクサーヌにふれたかった。
「ロクサーヌ、キスをしてもいいか」
「あの、ご主人様…」
少し体を離して、うつむいてつぶやくのを、
「わかってる、ロクサーヌ。でも、俺はロクサーヌの心も欲しい」
抱きしめて、遮るように口にした。
「ご主人様…」
ちょっと驚いているようだ。
「昨日、ロクサーヌとの出会いに運命を感じたんだ」
俺は、
「出会いは変えられない」
とても酷いことを、
「でも、それだけじゃいやだって」
言っているのかもしれない、
「いつか、俺のパートナーになってくれるかもしれない」
前回のように強引にいくのが正解だったかもしれない、
「俺のお嫁さんになってくれるかもしれないって」
でも、ロクサーヌを本当の俺の一番にするためなら、
「そう思ったんだ」
いくらでも我慢できる!
「だから、ロクサーヌに無理してほしくない」
俺の究極のわがままだけど、
「ゆっくりでもいい。俺を知って好きになってほしい」
ここだけは譲れない!!
でも、
冷たい雫を、
感じた。
「…私は奴隷なのに」
「ああ」
ロクサーヌは泣いていた。
「…私を性奴隷として買ったのに」
「そうだな」
泣きながら、
「…私の身体も命も買ったのに、心まで欲しいなんて」
「そうだ」
涙を流しながら、
「…私に事情があることも知っているのに」
「うん」
それでも、
「…私が一番奴隷って、他にも奴隷を買うのに」
「すまん」
ロクサーヌの本音を
「…だったら、どうしてもっと早く来てくれなかったんですか!」
「ごめんな」
語ってくれた。
嗚咽が止むことは無かった。
「…ご主人様」
「なんだ」
そして、
「私が一番なんですね」
「そうだ」
ロクサーヌは、
「私をパートナーにしてくれるんですね」
「ああ」
ようやく、
「私
「パートナーはロクサーヌだけだ」
将来のことを、
「私を唯一のお嫁さんにしてください」
「まかせろ」
嫁さんになることを、
「こんな私を見捨てないでください」
「ロクサーヌに見捨てられない限り」
認めてくれた。
「それと、私どうやら
「大歓迎だ」
惜しむらくは、
「ハーレム以外に、」
「ああ」
もうすでに、
「浮気
「浮気
ヤンデレに、
「ミチヲを殺して私も死ぬから」─当然浮気相手も殺します─
「覚悟しよう」
なっちゃった。
そして、ロクサーヌと
「これからは、
「はい、ご主人様……いえ、旦那様」
ピコーン
好感度
ロクサーヌ: 199/100 初体験前だが大暴走、でも心が欲しいなんていう旦那様が悪いの
セリー : 85/100
ミリア : 70/100
ベスタ : 80/100
ルティナ : 78/100 ミチオ会いたい、助けて。 お父様は甘い!このままじゃまた…
なんとか書けたので、投稿します。
一行も登場していないのに、ルティナの状況が悪化している件
さて、ロクサーヌについては意見が分れるかもしれません。
が、原作や漫画版の最初の方を読んでいると、結構複雑な気持ちでいるよな、
と思っていたら、こうなりました。なので愛が激重です。
繰り返しになりますが、当二次創作は、スーパー・イージー・モードです。
なので「ついて行けない」「合わないな」と思われた方はブラウザバックをお願いします。
PS.眼と目については意図的に誤字としています。誤字報告ありがとうございました。