無事精神的にほぼ無敵となった私は、山田くんの言うあほなことも笑顔でスルーし続けることが出来るようになりました。そして、坊が教室に来そうな時は漆野さんと話しましたし、予想外のタイミングで来られたときも、山田くんとの会話を当たり障りない、例えば学園祭やテストの話なんかに持っていき、山田くんを油断させた後に教室を離脱して、坊にばれないように振る舞っていました。子猫さんと志摩さん、ついでに念のため神木さんと朔子ちゃんには、坊と喧嘩しているため私のことについて何か聞かれても言わないように口止めしました。口止めした翌日のお昼に坊から「俺とお前は今喧嘩しとるんか」と直球で聞かれましたが、これは仲がいい方の喧嘩です。そう笑顔で言うと坊は「そうか」と言って焼きそばパンを口に運びました。それを受けて、おそらく板挟み的なストレスを多大に受けていたであろう子猫さんと志摩さんが、喧嘩ということだったら自分たちは二人の喧嘩内容についての話題は今後一切何も聞かないし何も話さないと宣言しました。それくらい言ってくれたほうがこっちとしても遠慮なく喧嘩できてありがたいです。しかしそもそも、山田くんもいい感じにやり過ごせていますし、漆野さんともいい感じの距離感で仲良く出来ていますし、順風満帆で、坊は糸口を見失ったようでした。よし、このまま問題自体消滅させなくてはいけません。そして今日も塾の授業が終わった教室。いきなり、奥村くんが何か話し始めました。
話題はクロスフェスティバル、通称ダンスパーティーについて。そういえばそんな行事があると蝮ねえさまが言っていました。学園祭二日目の夜にメッフィーランドで行われる催しのようです。色んな有名アーティストが来る音楽イベントであるものの、入場資格は正十字学園高校生徒の
「どーすんの!?」
「……どーすんにゃろね……」
「どーすんにゃよ!?」
志摩さんと奥村くんがやたらめったら騒いでいます。なんというかこの行事、若いってイイネと言い切った理事長の顔が脳裏に浮かぶんですけど、まさにその手のひらの上といった光景です。
「俺ぜっってえ参加してえ!! だってきゃみーとかユーバーとかルーキーズとか、すげーアーティストいっぱいくるんだぞ!? なのに女子同伴とかしえみは学生じゃねーし、出雲は……」
「あたしは参加しないから」
「ああ……!! 俺他に女友達いねーよおお!!」
あれ、奥村くんあては? ねえあては? いや、行く気がないんで言いませんけど、ねえ、私は? あと霧隠先生噂だと学籍持ってはるそうですよ。
「祭りごときに浮かれてバカみたい」
「出雲ちゃん奥村くんがダメなら俺と行こか?」
「もっと行かない」
「えー、『もっと行かない』てどーゆー日本語?」
冷たい神木さんに言い寄る志摩さん、その根性もっと他の所で生かせんのでしょうか。
「つーか子猫丸はどーすんの?」
「僕もよう参加せんわ。誘えるよな女の子おらへんし」
「くだらん」
坊が言い捨てます。奥村くんは尻尾を床にパシンパシンさせながら言います。その尻尾、前から思ってたけどやっぱりある程度感情反映してますよね。尻尾だからしょうがないんでしょうか。
「なんだよお前らそろってお通夜なのかよ!?」
「あのね」
神木さんが立ち上がりました。
「年一回の
「ちぇー」
そしてそのまま出ていきます。そうです。今大変なのです。誰や
「――フン、初めてアイツと気ィ合ーたわ」
坊も立ち上がります。
「え、お前はどこへ?」
「これから銃火器の実技講習や。俺も
「……皆カッケェな……。子猫丸と鶯花も一発合格を?」
「い、いやぁ。僕は一発では無理やと思てるけど」
「あては今回は
「……待てよ、勝呂ダンスパーティー行かねえなら鶯花ってフリー?」
……ん?
「……奥村くん待って、なんや、あての知らん前提が奥村くんの中にありそうなんやけど」
「……え? 鶯花って勝呂のこと好きなんだろ? でも勝呂行かないってことは、鶯花は行く人いねーのかなって」
いや、もうこの際私が坊大好きなことを奥村くんが把握している件はスルーしましょう。きっとモロバレですし。
「……まあせやね、あて今フリーや」
「そっか。ってことで鶯花、俺とダンスパーティー行こうぜ!」
奥村くんは座っていた机から立ち上がって、めちゃくちゃいい笑顔でいいました。おそらくキメ顔です。うーん無邪気や。でも。
「ごめんね奥村くん、行けん」
「えーっ、何で!? お前もきゃみーとか見たくねえの!? 俺他に頼るやつ居ねえんだって! やっぱ勉強か!? 勉強なのか!?」
「いや、あてはあそこまでマジメやないし、一晩くらい息抜きに遊んでもええと思うよ。何や雰囲気だけでもえろう楽しそうやし。……でも、その。あては誰ともダンスパーティー行きとうないから」
「……勝呂とも?」
奥村くんはすとんと着席して、キョトンとした顔で言います。
「坊が別に行きとうないのに、引きずって連れてっても意味ないし」
「んん? ダンスパーティー自体に興味はあるけど誰とも……あれ?」
「奥村くん、鶯花さんの恋愛観に真正面から付き合うたらあかんよ」
「志摩さんひどい」
笑い混じりでつっこんできた志摩さんに、唇を尖らせて一応抗議だけしておきます。この件については志摩さんと私の方向性の違いは顕著です。
「俺からしたら振り向きもせん坊に操立てしとる方が意味判らんもん。別にダンスパーティー行くってのが恋人同士ってわけでもないんに」
「……お前らそういう……恋バナ、とかするんだな……。何か意外だ……」
「するえ? わりと……。中学の頃とかよう、なあ?」
「せや鶯花さん、こないだのピアス開けた日結局何があったん」
子猫さんが聞いてきました。そういえばその話してませんでしたね。仲直りしたけど喧嘩したから黙っててくれ、みたいな言い方しかしてませんでした。それに対し、奥村くんは焦った様子で止めてきます。
「待て待て待て、それ俺聞いていい話?」
「別にええよ、坊に言わんかったら」
「じゃあやめてくれ! 俺隠し事向いてねえから! 結局鶯花は俺とは行かないってことだけ判ってれば俺はもうそれで……」
「ごめんな奥村くん。一応言うとくけど、この件坊には内緒な」
「……はっ。絶対人生損しとるわ。みんなおかしいんや……。奥村くんは正しい!!」
唐突に、志摩さんが叫び出しました。机をバンと叩いて立ち上がって、びっくりするじゃないですかもう。
「試験が年一回ゆーても毎年あるやん! せやけど高校一年生の学園祭はほんまの一回なんや! 短い青春を満喫することが悪か!? 否!! ジジイんなって後悔したくないやんなあ? 奥村くん! こうやってのん気に遊びまくれるのも今の内なんや!」
「し、志摩さん……。恥ずかしいほどめにくもりない……」
「ていうか奥村くんは今度の試験受からんとジジイにもなれずほんまに短い青春を散らすとちゃうん?」
引いてる子猫さんに囁くと子猫さんは頷きましたが、どうやら二人にはこの至近距離でも聞こえていないようです。
「志摩……。その通りだ! 初めて気が合ったなまじ見損なったよ!!」
「ありがとう奥村くん! でも見損なうとかヒドイからやめてな!?」
二人はガッシと手を組んで楽しそうに言い合います。いや、いやいやいや。
「そうだ! 俺は後悔したくない! ……ないけど俺は……女友達が……少ない……」
「もの凄いスピードでふりだしに」
「女友達だけの問題ちゃうやろ」
唐突に盛り上がり萎れた奥村くん。そこに志摩さんの不敵な笑いが響きます。
「フッフッッフ奥村くん……そんな時はこの志摩さんにおまかせやろ?」
「!? え……」
「俺の女子友紹介したる……!」
「志摩! 心の友よーー!!」
「青春のキラメキやで奥村くん! でもいたいやめて」
志摩さんと奥村くんはどこか遠い感じのワールドに旅立ってしまいました……。とりあえずあんまり揺すると志摩さん酔うで奥村くん。
「……子猫さん、行こか」
「ああ、せやね、実習室借りられる時間あるしなあ」
「ほんまおおきに……。ごめんなあ……。なんか力貸せることあったら言うてや……」
実習室に移動して、参考書を片手で眺める子猫さん相手に三本の注射なのに計七回刺させてもらって、これで終わりです。事前に用意した献血のお礼みたいな貢ぎ物を渡して機材を片付けていると、腕を抑えた子猫さんが言いました。
「……ピアス開けた日、ていうか最近……夏頃からの鶯花さんと坊は変や。僕ら、そっちも心配しとるんやで」
「おん、心配かけてごめんなさい。でも、大丈夫。ええと、坊があてとの距離感ちぃと考えとって、あの日結論出た、ってだけやから」
「……その結論は、鶯花さんにもええものやったの?」
子猫さんは、絆創膏を上から抑えるのをやめて言いました。私は、少し首を傾げました。
「ええも悪いも、坊のええように、っていうのが、あての望みやから」
「……僕は、坊にもやけど、もちろん鶯花さんにも幸せになってもらいたい」
「うん、おおきに、知っとる。……中学の頃にこの話をしたときから、状況は何一つ変わっとらんよ。あては坊を好きで、坊は色恋なんて邪魔。言うても困らせるだけやし、叶わんし、今でも幸せやさかい、あては坊に何にも言わん。ね?」
「ほんまに、鶯花さんは何にも変わっとらんと思うの?」
「まあ、色々あったけど、本質的には変わっとらんよ。せやから、この話はおしまい。やって、前にも志摩さんと一緒にしたやんか」
子猫さんは、今度はなんにも言いませんでした。否定はしませんでしたが、肯定もしないまま。ただ悲しそうにして、私の背を優しく叩きました。泣く子をあやすようなそれに、一瞬涙がこみ上げかけて、それを飲み込みます。
――一生隣で、ただそれだけて、えらい幸せで、えらい生殺しやんなぁ。
その、幸せにだけ目を向けて、子猫さんに笑って見せて、私たちは実習室を後にしました。
次の日の4時間目。うちのクラスでも学園祭に向けてプラネタリウムをやるための係決めをすることになりました。事前に原稿を準備し当日読み上げる原稿係、事前にプラネタリウム自体を作り当日動かす大道具係、事前に進捗や予算の確認し当日受け付けなどをする事務係、事前当日ともに事務係の命を受けてあちこち増援や不測の事態に反応する予備係をつくるそうです。狙うは当然予備係でしたが、流石に人数が増えすぎて、誰か原稿係に移るように、という話になりました。二人移って欲しいそうで、予備係と原稿係に今のところ誰がいるか見ます。原稿係には、予備係の人数が多くて諦めた子猫さんに、ついでに山田くん。予備係希望には神木さん。ちなみに漆野さんは事務係です。誰かは移らねばならないならばと、私はじゃんけんで負ける前に原稿係に異動しました。子猫さんが居ますし、それに、神木さんが絶対何が何でも働きたくないみたいな顔してたので。
プラネの班決めの後の昼休み、例によって山田くんがずんずんこっちに来ました。私はにこにこ出迎えます。さて、今日はどんなふうに悪魔を否定してくれるんでしょうか。いい感じに凝り固まった考えの傾向を探るというのは楽しいかもしれません。
「冬隣さん、ダンスパーティーは知ってるね?」
「……え?」
ダンスパーティーという悪魔や寺に覚えはありません。……じゃなくて。あ、あねさますごい。あの予想マジやった!
「僕と一緒に行こう」
「なんで……」
「聞くけど、他に行くやつがいるのかい?」
「いや、おらへんけど」
「じゃあ行こう」
「あては山田くんとは……」
「別に、他にいないならいいじゃないか。どうせ暇なら付き合ってくれていいだろう?」
「や……」
「じゃあ、楽しみにしてるから」
いやあては楽しみやないです。初めて、私のところから去る山田くんの背中なんて初めてみました。
……浮かれて蝮ねえさまの忠告を聞かなかったツケが来ました。漆野さんが教室をためらいがちに一緒に出てくれます。
「……山田くんとダンスパーティー、行くの?」
「行きたない……」
「じゃあ、誰か他に行く人を探せばいいんじゃないかしら。暇じゃないってことになったら、いいんでしょう? 三輪くんとか、鶯花さんは男の子のお友達も多いんだし」
「え、いやや……。あて誰ともダンパ行きとぉない」
「……じゃあ、困ったわね」
「困った……。風邪引けんやろか」
「最終手段にはそれもありじゃないかしら……」
漆野さんとはまた階段前の廊下で別れて、そしていつもの中庭に出る前に階段の裏のデッドスペースに逃げ込みます。掃除用具入れの間で、ちょっと坊らと顔を合わせる前に考え事をしたくて。
山田くんを正攻法で断るのは、彼の話の聞かなさと私の断れなさ的に無理です。なら、誰か別の人と行くと言ってしまえばいい。それはたしかに名案です。でも、誰と?
「坊……。いや、あかんやろ、山田くんの存在知らせるわけにいかんし、坊ダンスパーティー行かん言うとるし。あああ色ボケしとる。でも坊以外と行きたない……。志摩さんは恋人同士ってわけやないとか言うけどあんな男女で夜踊るなんてそんなの坊以外と行けるわけ無いやろ……でも……。……お、奥村くんとかどうやろか。奥村くんならしえみちゃんって本命もおるしセーフちゃう? せや、奥村くんや! 昼食べたら奥村くん誘ってみよ。そうしよ」
独り言を終えて顔をあげると、視界の端に、白いものがちらりと動きました。そちらを見ると、白くてシルクハットとピンクの水玉のスカーフを身につけたゴキブリ。目を合わせると、ウインクしたようです。
「……」
ええ、落ち着いて。私は賢いのです。しぃちゃんの時と同じ轍を踏みません。故に。確かあれがありました。金造兄さん直伝の、坊主の殺生に対する頭悪すぎる言い訳。逃げるゴキブリに向かって……。
「極楽往生ォ!!」
上段回し蹴り!
渾身のそれはゴキブリに当たらず、私は床に転がっていました。これが時の王サマエルの力……!
……いえ、単に蹴り足に意識がいきすぎて軸足がおろそかになり勢いで転んだだけの自滅なんですけど。やっぱ蹴りはあかんな、蹴りは。慣れんことしたらあかん。
「お転婆ですねぇ」
煙幕とともに人の姿に戻ったフェレス卿が、私に片手を差し出しました。ありがたく取って立たせてもらいます。
「理事長はえろうええ趣味してはりますねェ」
「私はダンスパーティーの悲喜交交を見るためにダンスパーティーを開いていると言って過言ではありませんからね!」
「ハァー流石理事長さんやわお大尽やなあ、やっぱ金子をもっとる方は世のためにお金使うんやねェ偉いわァ」
「ええ、理事長ですから実際偉いのです。では、冬隣さんも良き青春の日々を。私は学園生徒すべての味方ですからね!」
「ほな、この学園生徒さんえろう仰山いはるからもう会いませんねェ」
ああ畜生、何であてはめったに言わん独り言なん言うてまったんや。こっちが時の王サマエルの力ちゃうんか。全然時関係ないけど。デッドスペースを出て、理事長はまたゴキブリに戻ってどこかに走っていきました。塩撒いたろかあの悪魔。ダンスパーティーの元凶とは言えほぼほぼ八つ当たりです。
そして、坊らといつもご飯を食べるところに行くと、私はやや遅れたのにまだ志摩さんは来ていませんでした。どうやら奥村くんと女の子を誘いにあちこち出歩いているようです。ちゃんとご飯は食べたほうがええと思うけどなあ。
「……鶯花、何や元気ないな。またなんかあったんか」
「……ハハハ」
坊に指摘されて、笑って誤魔化します。半分肯定みたいなものです。それに対し、子猫さんは言いました。
「おん、あったんです。
「子猫さん!? それ、不可侵条約違反やないの!?」
「喧嘩やなくて、僕から鶯花さんの落ち込みについて言うたほうがいいと思ったから言うたけど、もうこれ以上はそれこそ口出しせんって約束破る事になるし言いません」
「子猫、ようやった。最近見失っとったんや。薄情もんが何も言わんけど、これで色々探せそうや」
「うああ、もう! あてかて坊に不義理しとるわけやないんですよ!? 詳しゅうは言えんけど、別に坊は関係ないとかやなくて、坊を巻き込むのはあての矜持に関わるってだけで……」
「それを薄情言うんや」
これで薄情なら情に厚いっていったい坊の中ではどんなレベルなんですか。……いやでも、坊の中ではそれくらい厚いかもしれません。そういう人ですし。食事を詰め込んでお茶で流し込んで、私は立ち上がりました。
「じゃ、あて用事あるんで行きます」
「そうか、よし子猫聞かせえ」
「堪忍してください坊、鶯花さんかて怖いんやから……」
とかなんとか言っているのを子猫さんを信じて後にして、私は奥村くんを探します。直に、校舎でその姿を見つけました。志摩さんといると思ったら、奥村先生と一緒に居ます。どうやらお弁当箱をやりとりしているみたいです。……さて、なんて呼べばいいんでしょう。奥村くん、じゃこの場合二人共を指すことになります。先生の方はメガネの方とか浮かぶけど、奥村くんの方は悪魔の方とか言ったらあかんし、あほの方とか以ての外やし、背の小さい方は悪口くさいし、力持ちの方じゃ先生が非力みたいやし、考えとるうちに二人は遠ざかるし、ああもう!
「裸眼の方の奥村くーん!」
「……兄さん呼ばれてるよ」
「え? 俺? ……俺だな! 何だよ変な呼び方すんなよ、何の用?」
先生に言われて奥村くんが振り返りました。言ってからD組の方とかもっとオーソドックスに兄の方とか出てきました。あかんテンパっとる。
「だ、ダンスパーティーの件なんやけど、その、都合で行かなあかんくなってきて……。断った身で申し訳ないんやけど、まだ奥村くん空いとる?」
「空いてる!! 空いてる空いてる行こうぜ!! ……でも待てよ、お前ダンスパーティー行きたくないんだろ? 何があったんだよ」
「のっぴきならない事情が……」
「……もし、ダンスパーティーに参加したくないのに行かなくてはならないなら、スタッフ参加という手もありますよ」
不思議げに見てくる奥村先生が言いました。スタッフ参加。スタッフ参加! なるほどその手が。
「せん……奥村くん……弟の方、それほんま?」
「ええ。毎年直前になってカップル成立してバックレるケースが有って人手はいくらでも欲しいそうです」
「なんだよそれ……ゼータクでメーワクな連中だな……。鶯花、事情ってそっちでもいいのか? ならスタッフにしとけよ。志摩はああ言ってたけど、俺、お前みたいな純情派もいいと思うし」
「じゃあ、特進の奥村くんそれ詳しゅう聞かせてくれん? そんで奥村くんほんまごめん……ぬか喜びを……」
「いいって。俺もそこまで落ちぶれちゃいねーし。……いねーし……」
奥村くんはニコッと笑って、そして目を逸らしました。奥村先生はそんな奥村くんを無視してどの先生に申し出ればいいのか教えてくれます。奥村くんには申し訳ないですが、せっかく武士は食わねど高楊枝な意地を見せてくれた彼のためにも、ここはお言葉に甘えることにしました。
医療行為については恒例のほぼ捏造ですごめんなさい。そして私は金造さんを愉快な暴力あんちゃんと勘違いしている……しかし原作の金造さんは出会い頭に弟に飛び蹴りを決めている……。