花に嵐   作:上枝あかり

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夜間非行 6

 わかってはいるんです。

 坊も子猫さんも志摩さんも神木さんもしえみちゃんも奥村くんや奥村先生だって、皆私の事それはもう心配してくれてるって。私に何かあったら、自分に同じことがあるより悲しむだろうって。

 家には知らせていませんが、兄だって祖父だって危ないことはしないでほしいでしょうし、事情を知っている蠎様や青ねえさまだって心配しているはずです。和尚(おっさま)や女将さんや、お寺の人皆私が怪我したりしたら悲しみます。草葉の陰の両親だって嫌でしょう。

 クラスの子だってそうです。検査入院という表向きの理由は具体的に何だったのか説明されていなかったため、私は火傷を言い訳にして、詳しく事情を聞いてきた漆野さんに、昔の大火傷があることを伝えられました。漆野さんは私が登校したのを見るなり駆け寄って心配してくれて、火傷の話を聞くと何か不調があれば言うよう言ってくれました。姉崎さんだって、文化祭の後からいなくなった私に何があったのか心配してくれて、大事無いと言うと安心してくれました。山田くんも、漆野さんと話している時に寄ってきてしつこくない程度に検査結果を気遣ってくれました。

 でも、どんなに心配されても、どんなに危機感をもてと言われても、どうしようもないことってあるわけで。

 夜の街は危ないとわかっているのです。わかっているのに、私は朔子ちゃんも神木さんも寝静まった頃、北正十字の低価格住宅区域(エリア)に向かっていました。

 寮を抜け出すこと自体はそこまで難しくありませんでした。良家の娘さんを預かっているだけあってセキュリティなどしっかりしていますが、夜間外出を許可されることの多い身からすれば出るのは楽勝です。問題は学園にかかっている理事長の結界でした。中級以上の悪魔を弾いているこの結界が、人間の行き来を記録していないと、言えるでしょうか?

「というのはまあ、半分くらい言い訳なんやけど……。前からやってみたかったし」

 今回企むのは理事長の結界の緩和です。林間合宿へのアマイモンの襲撃なども理事長の差し金だったそうですし、上級悪魔を行き来させることのできるような裏口的なシステムが組まれている可能性が高いので、それを使うのを試みます。夜中に寮を抜け出すだけで何やら大きな話になってきましたが、祓魔塾で西洋系の(まじな)いを習ったりこの前の攻撃の際に一部組成を確認した今となっては相手にとって不足はありません。むしろちょっとわくわくしてます。というかわくわくだけでやらかしてます。

 いえ、私だって別に、知的好奇心の暴走で日本支部を守る結界にちょっかいをかけ、関係各所の心配も無視して深夜徘徊と洒落込んでるわけではないのです。遅れていた学校の勉強だとか早まるらしい祓魔師(エクソシスト)認定試験の勉強とか、やることはたくさんあって体も頭も疲れていて、それでも、ベッドの中にある自分の体の存在を感じると、どうも眠れなくなってしまうのです。

 ルーマニアから帰って以来、眠れない日々が続いていました。どんなに皆が心配してくれていたって、冷たい不安が消えるわけでも眠れるわけでもありませんでした。みんなの向けてくれているあったかい気持ちが、私の前で滞って、ただそれを眺めているだけのような気持ちでした。体は、最後に頼れる自分の味方。なので私は体を鍛えているわけで、こう言うと脳筋っぽいので言い換えれば体は資本です。その体が普通の埒外になってよくわからないなら、安寝は遠くもなるでしょう。閉架記録のリクエストも、該当案件は私では見られませんでした。屍人(ゾンビ)と戦った時の話をみんなに聞きたくもありますが、私が聞くのも悪い気がして聞けていません。今日は聖水を触る機会があったので、自分の体にわざと垂らしてみました。当然かもしれませんが、何ともありませんでした。一体何なら私を害すのか、どうにも気になって思い出してしまったのは不浄王の騒動。最初東京の左目が盗まれたというときには、犯人は北正十字五丁目のビルに逃げ込んだと後に詳報で読みました。そのビルの洗浄作業が完了していないなら、そこにはまだ濃い瘴気が残っているはず。今日の目的地はそこです。眠れない体を冷たい不安で持て余すくらいなら、どこかに出かけて体を確かめたほうがマシでした。

 地味な、しかし気力の削げる作業の末、なんとか結界の攻略が終わりました。上級悪魔を通す裏口機能なんてそれこそ行き来が記録されていそうですが、そもそも候補生(エクスワイア)の仕事なんてバレていてくれないと困ります。目的と手段が逆転していますがもうそのあたりは知りません。建設的なことなんて何にも知りません。一歩踏み出せばここからは学園の外、夜の街です。

 最初は、暗い寝静まった家々の門灯だけが両隣にありました。度々車が通ります。しかし道はすぐに、明るい裸電球で照らされだしました。その遠慮のない光が、路上のよくわからない水たまりに映って闇を追いやります。北正十字、特に目的地は低価格住宅区域(エリア)とだけあって、あまり治安はよろしくありません。こんな夜中に女一人で歩けば、誰に知れても怒られます。でも、なんだかそれが逆に愉快でした。悲観していないか心配されていましたが、どうやら自棄にはなっているようです。どうせ私はきっと死にません。怪我をできたら喜ばしいくらいです。しばらくは怖い人に声をかけられないかとかビクビクしていましたが、よく見れば歩いているのは酔っ払いばかり。お酒を飲んでいなくても、到底シラフの人間なんていませんでした。私も、含めて。

 こういう普段と違うことをするなら、形から入るのが楽なので、今日はいつもと違う服を着ていました。ルーマニアで買った可愛らしすぎる服です。帰って化粧を落とすのが面倒なので、火傷は包帯とガーゼで隠してきました。膝下丈のスカートはフリルとともに揺れます。お酒の店と一口に言っても、大きな窓の向こうでワインを出すお店も、路面にはみ出している立ち飲み屋も、ドアを締め切ったバーも色々ありました。逆に、薬局やはんこ屋さんや文具店なんかはもうシャッターを閉めて眠っています。ギラギラした光の店ばかりで、私は人の間をすり抜けていきます。着心地の良いシャツはたっぷりのレースで私の体を守って、別人の気分で気を大きくさせます。雀荘やポーカーのお店が目に入りましたが、ルールはわかりませんでした。花札なら、遊んだことあるんですけど。

「おじょウちゃん、こわイんだろう、こわイんだろう。オイで、こっちはだイじょウぶだ」

 明らかに私に向けられた声でしたが、無視しました。流石に父の形見の腕珠は付けてきていません。魔除けもなしにこんな心で場違いな夜を歩けば、悪魔に目をつけられるに決まっていました。

「ねエ、こっち、こっチっタラ」

 詳報にあったビルを探します。メモしてきたものを元に探せば、直に騎士團の名前の立入禁止柵と重たいビニールのカーテンを見つけました。あたりを確認しても、誰も私のことなんか気にしちゃいません。乗り越えて中に入りました。

 内部は一通り聖水を吹き付けて、周りに健康被害が出ないようにはしたのでしょうが、まだ立入禁止になる程度の瘴気濃度があるようでした。詳しく測るすべもないので、息のしやすさからの体感です。この年ですが、理事長の企みだったらしい不浄王戦で高濃度の瘴気は浴びたことがあるのです。詳報でもそう書いてあったような気がします。

 真っ暗の内部をライトで照らして見て回って、どうやら騒動の中心部だったらしい一際汚れたところに腰を落ちつけます。座るのは遠慮したかったので、壁にもたれてしゃがみ込みました。とりあえず、10分ここで息してみようとおもいます。夏の予防接種の範囲内かもしれませんが、予防接種も万能ではありませんし、10分もあれば、何か反応があるかくらいはわかるでしょう。目の前に魍魎(コールタール)が浮いていました。きっと隅のうごめく黒い塊もそうでしょう。夜の街の喧騒ももう遠く、吹き飛ばした魍魎(コールタール)のか細い悲鳴も聞こえます。

「こっちって、こっちってイっタノに、なぜこんナとコろニイる」

 顔のすぐ横に、悪魔の顔がありました。きっと悪霊(イビルゴースト)の、おどろおどろしい血走った目が九つ、こちらを覗き込んでいました。

「オン・マユラギランデイ・ソワカ!!」

 夜中に出歩くのですから、それなりの装備はしていました。(じょう)をつけた金剛杭を取り出して振るうと、(じょう)悪霊(イビルゴースト)を拘束します。分散して逃れようとしているようですが、これは虚無界(ゲヘナ)のものを縛る術。そうそう逃げられると思わないでほしいものです。引きずって隅の魍魎(コールタール)の溜まっているところに(じょう)ごと乱暴に蹴り入れます。魍魎(コールタール)がわっと散ったのがなんとも鬱陶しいです。

 少しずつ逃れようとする悪霊(イビルゴースト)を、今度は種子字付きの杭を打ち込んで真言を唱えます。そこで改めて悪霊(イビルゴースト)の姿を確認すれば、何とも小物でした。こんなの、こっちから着いていかなかったら人を驚かすくらいしか能がないでしょう。なんかぐちゃぐちゃ言っていますが知りません。即席ですが、札で封印したのでこのまま放置しても2週間は自力では出られないでしょう。はあ、と溜息ついてその後息を吸ったら、咳が出ました。酸欠のような感覚と、少しずつ皮膚が痒くなってきて蕁麻疹が出そうな感じ。どうやらこの体は瘴気に対しても人体と同じ反応を示すようです。まだなんか言ってる悪霊(イビルゴースト)を無視してビルを出ます。やっぱり古臭いネオンがアスファルトを照らす街でした。無機質なコンクリートとトタンで出来た、知らない場所でした。

 目的はもう果たしましたが、何か飲みたい気分でした。瘴気のせいか喉の調子がどうにも悪く、また、初めて歩く夜にどこか浮かれてもいました。しかし、高校生には夜の店は魔境に見えます。自販機はないでしょうか。

 夜歩きするのが初めての訳ではありません。でも、その時は絶対誰かが隣にいました。例えば兄であったり、坊や子猫さんであったり。皆私の事、一人で電車乗れなさそうとか思ってますけど、そんなことはないのです。そして別に、もう、誰かに着いてきてと言う必要もないのです。

「好きな人がいるんでしょ、片思いは辛いよね。お話を聞いてあげるよ、誰にも言わないよ」

 自販機を見つけて、適当に温かい飲み物を買うと、自販機の後ろから可愛らしい声が聞こえてきました。今夜は入れ食いですね。そういえば、最近は祓魔依頼が増えて人手不足と、任務の際に聞きましたっけ。お茶を飲み干して、明らかに違うゴミがはみ出ている自販機隣のゴミ箱にペットボトルを捨てて、行きと違う道を帰ります。

「好きでいるのは苦しいよね、わかるよ。なのに、好きなんだよね」

 電飾看板の浅い影の中を声は着いてきます。悪霊(イビルゴースト)の類かとおもいましたが、ひょっとすると何か恋愛特化の悪魔かもしれません。なかなかわかったようなことを言います。まあ、悪霊(イビルゴースト)にもそういうのはいますが。

 好きでいるのは苦しいというのは同意です。こんな風に好きでいるんじゃなかった。もっと、家族みたいな、私に向けられてるのと同じ好きであればよかった。裸を見て、罪悪感だけ覚えるような好きが良かった。でも、好きという感情はどうも麻薬みたいで、私が昨日まで眠れない中を無理矢理眠るために考えていたのは坊のことでした。坊のことが恋愛の意味で好きと考えていると、坊の格好良さとか優しさとか、きっとそういう意味では好いてくれない悲しさとか、それでもどうやったって愛されてる事実とか、そういうふわふわした辛さで胸が満たされて、自分の体を恐れる余裕がなくなるのです。ほんの少し涙がでることもありますが、そうやって好きに振り回されて疲れるのは、体を気にするときの不安よりずっと暖かくて、柔らかく眠りに軟着陸出来るのです。

「わかるよ、わかるよ、好きすぎて嫌いになっちゃうよね」

 違うと反論したくなりましたが、悪魔は徹底無視が大原則です。そのまま無視します。

「あんた、そこのあんた」

 今度はかすれた老婆のような声。……いえ、でもこれは、悪魔ではなく、人間の声です。振り向けば、街灯の下、机を出してお婆さんが座っていました。やっぱり、人間です。お婆さんは続けて言いました。

「そうだよ、あんたに言ってるんだ」

「……なあにお婆さん。あて、今忙しいんやけど」

 返事をして観察します。机の上には筮竹、そして料金表。どうやら占い師のようでした。お婆さんは言います。

「あんた、正十字の子だろう」

「……先生に言いつけるん?」

「いいや。とにかくそこにお座り。コーヒーを出してあげる」

「お婆さん、誰?」

 お婆さんは、机の下をごそごそやって水筒を出します。しわくちゃの顔はこんな街でも穏やかで、まあ少なくとも身の危険を感じる相手ではありません。

「しがない辻占だよ。正十字の子はすぐわかる。育ちが良さげなのに、こんなところに門限を破って抜け出してきてしまうような何かを胸に抱えた顔をしている」

 まあ確かに、周りのお嬢様にはかないませんが、これでもお寺のお嬢さんというのは育ちが良い部類になるのでしょう。“お寺の”の前には、“潰れた”が入るんですけど。少し興味を持ってしまって、椅子に座ります。お婆さんは水筒から本当にコーヒーをコップに注いでくれました。

「慈善事業みたいなもんでね。そんな子には出世払いで一つ占ってやることにしている。お代はいいから、終わったらとっとと帰りなさい。正十字のお嬢さんには、この街の夜は危ない」

「……ここだけの話ね、あて、本当はどこに行っても危なくないんやで」

 エリクサー摂取の身で怪我が出来るならさせてもらいたいくらいでした。他にも女一人ですし、イルミナティに関わってる身ですし、まずいことは色々浮かびますが、何せ祓魔師(エクソシスト)の訓練を受けている中でも、比較的応用が効くのが私の範囲です。……それをそうそう使っていいかは置いといて。

「はいはい。正十字の子らしい言い草だ。でも、誰かが助けに来てくれると信じているというより、自分がどうなってもいいみたいな感じだね。お悩みは何? 恋って感じじゃなさそうだ。お家のこと? 自分の進路?」

「それがねえお婆さん。恋なんよ。あてねえ、好きな人がおんねん。せやけど、この好きな人ってのが、えろう堅物で、まだ夢を叶えんのに女にうつつ抜かしとれん、って、本気で言うとるの」

 机に肘をついて軽く言いました。コーヒーの暗い液面に街灯の光が映り込んで、ガーゼを顔に貼り付けた私の顔も映ります。

「しかもね、この人、あての幼馴染、言うか、まあ簡単に言うと家族みたいなもんで。いや、血ぃは繋がってへんのやけど。せやから、今もね、めっちゃ仲ええの。こないだなんかハグされてもうた。えへへ。うん、相手はそれ、何とも思っとらんから、辛いわあ……」

「家族みたいな人? なに、じゃあ血はつながってなくても結婚できないのかい」

「ううん、出来ると思う。たぶん……。昔はどうか知らんけど、今はだいぶゆるくなっとるし。詳しく言うとね、あての家はその人の家を守る血統なん。ほんまは違うけど、例えるなら、やくざの組長と幹部の家みたいな? せやから上下関係もあるんやけど、えろう強い結束やから、家族みたいなもんやんなあ」

「ふうん、このご時世に身分違いの恋?」

「身分違い、はあんま関係ないわ。せやけど、もうあの人は今更あてのこと女やと思えんと思う。おんなじ、幹部的なお家の男の子達とその人と、一緒に風呂とか入れられとったもん。四六時中一緒やったし、あてかて他のお家の男の子のこと、今更男と思えん」

「ふうん、じゃあ、そのあたりを見てみようか」

 お婆さんは筮竹を手に持ってじゃらじゃらやりだしました。すると、お婆さんの後ろから、何かの手が伸びてきました。街灯の光が固まって形をなしていくそれは、どう見ても悪魔の手です。しかも、おそらく高位の。その手はお婆さんの手の中の筮竹をあっちにやったりこっちにやったりします。お婆さんは、気づいていないようです。

 お婆さんの後ろの虚空を見ると、手は虚空に人差し指を一本立てて見せました。静かに、のジェスチャーです。いつの間にか開いていた口を閉じました。

 おそらく、お婆さんの家系だかそれとも何らかの縁かで、その高位の悪魔を使役できるような立場にあるのでしょう。しかし、お婆さんは魔障を受けていないから、それが見えないし、祓魔を生業にするようなこともない。だから、それはお婆さんが占いをする時に、こっそりお手伝いをしているのでしょう。お婆さんが筮竹を数え始めると、手は筮竹から離れて、私に着いてきていた悪魔を追い払いました。距離を詰めてこなかったのでおかしいと思っていたのです。きっとお婆さんに近寄れなかったのでしょう。ずっと着けられていたら学園に入る時どうしようかと思っていたので助かりました。そっちを見ていると、お婆さんが声を出したので前を向きます。

「出たよ。水地比。……これは……」

「どういう結果なん?」

「地の上に水があるという意味さ。自然な様子だろう。地の上に水が親しむように色々なもの同士も親しむことだから、良い結果といえる。でも、同時にこれは、普通君子と部下の親しくて良いことを指す」

「……あー」

「爻は六四……伏卦は沢地萃……。そもそも内卦が坤で外卦が坎……」

 何を言っているかよくわかりませんが、お婆さんの顔は真面目です。例の高位の悪魔は姿を消していますが、きっと大外れというわけでもないのでしょう。少し居心地悪くもぶつぶつ言うお婆さんを見ながら、出してもらったコーヒーを飲みます。苦くて暖かくて、秋の夜をうろついた体によく染みます。

「うん、悪くはないよ、悪くない。易における陽は君を、陰は臣を指すが、同時に男女も指す。君と臣が良いんだ。男女も悪くないはずさ。自分を指すところに、女とか妻の象徴だって出ている。ただ、今はその人に主従として誠心誠意お仕えしな。そしてその誠心誠意ってのを見誤っちゃいけない。ずっと昔からの仲なら、その昔からと同じような付き合い方が良い。悪くないと出ているんだ。それをひとまず、維持しなさい」

「昔からを維持、ですね。今色々あるから、難しいかも知れへんけど」

「色々?」

「おたがい、進路に悩みを抱えとるいうか」

「別に同じことをしろって言ってるわけじゃない。同じ心持ち、同じ誠実さでって意味さ」

「はぁい。……覚えておきます。お婆さん、お代はほんまにええの?」

「いいよ、何なら昼に来ておくれ。あとは出世払いさね。その代わり、今日はもう寄り道せずにまっすぐ帰るんだ。いいね?」

「はぁい。ありがとうお婆さん。おやすみなさい」

「おやすみお嬢さん。良い夢を。夜道は気をつけて」

 お代として言われた以上、真っ直ぐ戻るしかありません。でも、夜道は大丈夫です。防犯ブザー持ってますから。




 タイトル回収回。いつもの捏造満載です。根本的に隙が多いので同じ頃深夜徘徊してる誰かさんと違ってよく声をかけられるのだと思います。
 占い師のお婆さんについては世界観的にこんなのもありじゃないかなっていうやつです。易については一応頑張ってみましたが話半分でお願いしますと言うか絶対信じないでください。
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