俺の名前は両村 技(りょうむら たくみ)15歳で中学の3年まで愛媛県のとある島で暮らしていた。親の転勤で宮城県へ引っ越すことになり、この春から烏野高校へと入学した。
そう!俺は、あのハイキュウーの世界に転生したのだ。神様的なものに会ってハイキューが良いとは言ったが、まさか本編で触れられてない地域に飛ばされて泣きそうになった。だがなんとか本編に合流できそうでよかったと思っているが油断はできない。それは年代だ!多分問題ないだろうがまさか日向達の卒業後だったりしたら全く意味がないからな。
そんな心配をしつつ入学式が終わりバレー部が勧誘していないか探す。勧誘している人で年代を把握するしかない。あのメンバーじゃなかったらバレーをやる意味はないからな!いくつかの勧誘を断っていると、そこには一柱の女神が降臨していた。
「ぜひ入部させてください!!」
俺は女神(清水先輩)に跪き入部届の用紙を求める。
(ハイ確定!清水先輩がいる時点で勝ち確キタコレ)
「はいこれが入部用紙な。清水目当てなのはいいけど、バレー部だけどバレーの経験ある?」
っと清水先輩(女神)を遠ざけ菅原さんが割って入ってくる。
「ならホントに問題ないですね。小中合わせて6年間バレー部で高校でもバレーをやろうとバレー部を探していたんです。(自称)島のツインアタッカーとは俺の事です!!」
言いながら俺はゆっくりと立ち上がりながら菅原さんにニッコリ笑顔で返す。ちなみにポジションだが島の小学生や中学生なんて人数が少ないのもあり、小中の合同練習だし、お決まりのメンバー構成になる。そこで俺はセッター・ミドルブロッカー・ウィングスパイカーと毎年違うポジションをやる事でポジションの穴を埋める立ち位置になっていた。
「ツインアタッカーってバレーでどうやってやるんだよ。それは置いといて新1年ゲットだ幸先良いな。俺は菅原孝支今年3年でセッターやってる」
「よろしくお願いします。両村 技です。ポジションは特に決まって無かったんですが3年の時はウィングスパイカーでした。」
そういって菅原さんと握手をする俺は内心ホッとする。これで間違いなく本編にからめるからな。
「両村って珍しい苗字だな?初めて聞いたべ」
「愛媛出身でその中でも珍しい苗字らしいです。去年まで愛媛の離島にいたんですが親の転勤で今年からこっちに来たんです。なのでバレー以外にも町の事とか良かったら教えてくださいね」
愛媛から来たことに驚いたのか菅原さんは少しびっくりした様子だったが納得して任せろと言ってくれた。
俺は入部届を貰い帰宅した。
自分の部屋へと戻った俺は1人興奮していた。あのハイキュウーの世界に来たんだという実感がやっと持つことが出来たのだから。俺はこれから、どうかかわっていくにしても足を引っ張らないように頑張るしかない。
毎回2・3回戦負けだったが、その為の練習はしてきたつもりだ。
翌日
俺は授業が終わり、のんびりと入部届を出しに体育館へと向かうと声が聞こえてきた。
「コイツともちゃんと協力します。部活に参加させてください!」
あ!このくだりはアレか、2人がやらかした後だな。残念ながら教頭のズラは見逃してしまったようだが仕方ない。そう思いながら近づいていくと扉が少し開いてヌッと顔が出てくる。
「本音は?」
あれが怒っている時の澤村さんか・・・俺は怒らすようなことはしないと胸に誓いを立てていると影山が口を開く。
「…試合で…今のコイツと協力するくらいならレシーブもトスもスパイクも全部俺一人でやれればいいのにって思います」
ホントに言ったよコイツ。
「何言ってんのオマエェ!?」
と突っ込む日向にニッコリ笑顔で答える澤村さん
「なんで、本当に言っちゃうんだよ本音!良いと思うよそういうの」
そして真面目な顔で続ける。
「でもさ、ボールを落としてはダメ。持ってもダメ。1人が続けて2度触るのもダメ…っていうバレーボールでどうやって一人で戦うの?」
ニコっと笑って扉を閉めようとして俺に気づいてくれる澤村さん
「両村です。入部希望で来ました。入部届です。よろしくお願いします」
そう言った俺を笑顔で迎えてくれる
「菅原から聞いてるよ。ようこそバレー部にコッチおいで」
という手招きに従い中へ入る。
体育館の中に入ると、やはり田中さんと菅原さんが居た。
「来た来た」
「あぁ!?」
「ガン飛ばすな」
田中さんを注意する菅原さん。田中さんがシュンとしてるのが可笑しい。
「よろしくお願いします。愛媛出身で親の転勤で、この春からコッチに来ました。両村技です。よろしくお願いします」
そういって大きく頭を下げる。
「ああ!俺は3年の澤村大地よろしくな!」
「俺は2年の田中龍之介だ」
「改めてよろしく。3年の菅原孝支な」
俺は先輩たちに交じって練習に参加させてもらえた。そして部活が終了して片付けを始めた。
「「勝負して勝ったら入れてください!!!」って言ってきそうにないっすか?アイツ等」
「あり得る!頭冷やしてチョコっと反省の色でも見せれば良いだけなんだけどな」
「あいつ等もそこまで単細胞じゃないだろ」
そう喋り出す田中さんに苦笑いで澤村さんと菅原さんそれに俺は続くことにした。
「田中さん、それってフラグっていうんですよ」
「でも仮にそう来るとしたら。影山が自分の個人技で何とかしようとするんだろうな」
澤村さんの、その言葉を真剣に聞く
「もしも影山が自分個人の力だけで勝てるって思ってるとしたらー…中学から何も成長していないってことだな」
俺は影山の王様事件を知らないといけないのでそれとなーく田中さんにじ聞くふりをする。
「田中さん?影山ってどっちですか?あとその影山って中学で何か問題おこしたんですか?」
「あぁ、お前は知らないよな。影山は背の高い方で問題行動って言うのとは違うんだが中学時代に「キャプテン!!」なんだ?誰だ!?」
そう言って外の様子を見に行く田中さん
2人がいるようだ。
「勝負させてください!」
「俺達対先輩たちとで!!」
知ってた。と思いつつ笑いをこらえる。
「「ちゃんと戦えるって証明します」」
そんな2人に爆笑の田中さんと俺にあきれ顔の菅原さん」
「ビバ!単細胞」
「”せーの”って聞こえたんだけど」
「まさかのフラグ回収だ」
そんな2人に好感を持ってしまった田中さんは少し援護してしまうんだよな~。
「でも俺こういう奴ら嫌いじゃないっすよ!」
そう無言の澤村さんにいう田中さん(この後の展開を知っている身としては「乙」としか言いようがない。)
「負けたら?」
「どんなペナルティでも受けます」
澤村さんの言葉に即答で返す影山に澤村さんは考える。
「ふーーん…ちょうどいいや、お前らの他に1年がもう数人入る予定なんだ。そいつらと3対3で試合やってもらおうか」
「え!?巻き込まれた!助けてください田中先輩!!」
(あ!?今更、気づいたけど3対3ってことは俺と月島・山口になるのか…影山のサーブ取れるかな?ちょっと不安だな。)
泣きそうな顔でしがみつく俺にニヤニヤしながら田中さんは言う
「諦めろ」
「毎年新入部員の雰囲気を見るためにやっているゲームだ」
「でも3対3…ですか?俺達側のもう1人は…」
澤村さんの言葉に当然の疑問をもつ日向
「田中、お前当日日向達の方に入ってくれ」
ニヤニヤ顔の田中さんが一気に驚愕へと変わる
「ええ!俺スか!?」
「こういうタイプ嫌いじゃないんですよね?田中先輩?」
俺は田中さんの肩をガッチリ掴む
「関わるのは面倒くさいだろうが!!」
「それは俺も同じなので逃がしませんよ田中さん」
そんなやり取りをしていると澤村さんは真面目な顔で聞こえるようにつぶやく
「問題児を牛耳れんのは田中くらいだと思ったんだけどな……」
ピクピク!俺とじゃれついていた田中さんの動きが止まる
「っしょおおがねぇなあああやってやるよ!嬉しいか?オイ!!」
一瞬で日向のもとへと行く田中さん…すばやいな
「って菅原さん?一応確認なんですが。俺は問題児じゃあないですよね?」
「清水に釣られた時点で問題児だろ」
(真顔で言われた)
「島から出てきた俺に初見の清水先輩は仕方ないと思いません?」
「まああの2人よりかはマシってくらいかな」
そんな事を話していたら向こうも話がまとまった様だ。ってセッターやらせないってしってるんだけどね。
「ゲームは土曜の午前。いいな」
そう言いながらもう話すことはないと、体育館へ片付けに戻る澤村さん。
俺は縁下さんに聞きながら片付けを手伝いさっさと家に帰る。
次の日の朝練は7時からだが1年だし早めに出てきておきたいので日向達が体育館を出たのを見計らってから体育館へはいる。
「おはようございます」
「おう!」
「おーっす」
2人は疲れもなく返事が返ってきたが特に突いても気まずくなるだけなので特に触れない。
「田中さんがいるなら今日はセッターの練習を先にしてても良いですか?」
「いいぞぉ!」
俺はリベロ以外のセッター・ウィングスパイカー・ミドルブロッカーとちょいちょいカジっているので取り合えず一通り実力をみてからポジションを考えるらしい。
そしてあっという間の金曜日
ついに奴が来た。
「よろしくお願いしまぁーす。ミドルブロッカーの月島蛍です。」
「よろしくお願いしまーす。同じでミドルブロッカーの山口忠です」
月島と山口は自己紹介のあとにそろって頭を下げる。
「よろしく!同じ1年の両村技だポジションはまだ決まってないが経験者だ」
俺はそんな2人にコンタクトを取る。
「なんで経験者でポジション決まってないの?スタンドで応援してたとか?」
月島は不機嫌そうに言うのはいいが自分で自分のトラウマ抉らなくてもいいじゃんか。
「人数が毎年ギリギリだったから毎年違うポジションを経験してたからね。けど高校では1つのポジションに専念できそうだから先輩とよく相談して決める予定なんだ」
とニコニコ顔で返すと月島は「あ、そう」と興味なさそうだった。
(お前が降ってきて答えただけだろうに「あ、そう」はないだろ)
「ちなみに明日は部の恒例行事で1年で3対3のゲームするんだけどチームはもう決められてて俺と月島・山口だからよろしく」
「他にも1年いたんだ誰?」
と山口が聞いてきたので素直に答える。
「初日にトラブル起こしてキャプテンの逆鱗に触れたんだ。そして明日の3対3で勝ったら入部を認めてくれって1年コンビが来たからキャプテンが受けた。それで負けたら影山ってやつがセッターはさせないって条件なんだ。俺は地元コッチじゃないから知らないけど影山ってセッターで有名なんだろ?」
「あぁ。北川第一の王様か」
「あれは酷かっよねツッキー」
俺の話を聞いて2人とも納得している。
(まあ、そうだよねぇ)
「って言う事でキャプテンの澤村さんにはOK貰ってるから明日に向けて調整しようぜ」
「はいはい」
「わかったよ」
何本か俺のトスで打ってもらいながら2人の得意なポイントを探ってはみるものの毎回上手くいくとは限らないのが俺の経験の少なさがでている。付け焼刃だが取り合えず明日は使えるだろう。
「そういえば明日の相手の1年は練習する場所もないのによくやるよね」
と山口が言うので外で練習していると教えたら月島に報告に行くと2人はニヤニヤしながら出て行った。
まあ状況からして原作通りに顔見せに行ったのだろう。
俺はまっすぐ家に帰るがな!!
そして土曜日の3対3当日
「美女だっ!美女がいるっ!なあなあ?あの人マネージャーかな!?」
(日向は清水先輩初見だからソワソワしてるな。俺はもう流石に慣れたからソワソワしないがな!!)
「よーし!じゃあ、始めるぞー!」
(よし!今日は気合入れて行くぞ)
「あー、オホンッ」
あからさまに、聞こえるように月島が言い始めた。
(まあ好きにやらせるか)
「小さいのと田中さんのどっち先に潰…抑える」
日向と田中さんの方をチラッと見ながら聞こえるように言う
「あっそうそう、王様が負けるとこもみたいよねぇ」
今度は影山の方に向かっていう。そんな月島に山口はあせって月島に近づく。
「ちょっ…ツッキー聞こえるんじゃ…?やばいよっ」
「聞こえるように言ってんだろうが。冷静さを欠いてくれるとありがたいなぁ。特に家来に見放されて一人ぼっちになっちゃった王様が見物だよね」
(何事もホドホドが良いんだけどなぁ~、やり過ぎなんだよね。まあ失敗も経験だよね~)
「ねぇねぇ。今の聞いたぁ?あ~んな事言っちゃって。月島君ってばもうホント、擂り潰す!!」
ピーッ!!
試合開始の合図がなる
(よし、まずは俺のサーブだ。日向申し訳ないが狙わせてもらう)
俺のサーブを危なげながらも上げると影山はスグに落下地点へと入る。乱れてはいるが影山は、どちらでも使う事が出来る。
(だが最初に勢いをつけるなら今の日向には無理だ。)
スグに田中さんのストレート側へよる。月島もコチラを意識してクロスを締めてくれたらよかったのだがキルブロックを狙っているのだろう。
「そオォーらァアー!!」
ドガガ!!
(バレーの音か!?)
田中さんのスパイクで月島を吹っ飛ばした。
「シャアアアーーー!!」
「オイ!脱ぐな」
「まだ1点だぞ」
シャツを脱いで振り回しながら喜ぶ田中さんにツッコミの木下さんと縁下さんのふたり。
「月島君これ逆効果じゃない?」
「ちっ」
だが流石に日向のはドシャットして見せた。
「ナイスゥ!」
「ナイス、ツッキー!」
日向はショックで呆然としているが現状仕方がない。それだけの差が今はまだあるんだから。
「昨日もビックリしたけど君よく跳ぶねぇ!」
「…」
「それであとほぉ~~んの30cm身長があればスーパースターだったかもね」
(煽っても余計に燃えるだけなんだけどなぁ。まあ原作通りだし問題ないけどね)
「もう1本!!」
負けじと次を要求する日向
だがゲームが進むにつれてじわじわと差が見え始める。
バチィ!!
月島のブロックが日向を阻む。
そして山口のサーブ
「山口ナイッサぁー」
月島と影山は何かやり取りしてるので原作通りだろう。
ザッ
ボールがネットを越えなかった。
(覚醒前の山口だしやっぱダメかぁ~)
「チッ」
「ごっごめんツッキー」
「ドンマイ」
(あ!?次、影山のサーブだ。そろそろジャンプサーブに切り替えてくるか?)
ピッ!と影山のジャンプサーブが来る
(早い、けどコレなら)
影山の殺人サーブを俺は、なんとか上げる。
「山口」
「任せろツッキー!」
「ぎ」
月島のトスに山口がスパイクを打ち日向が上手くレシーブできなかった。
「くそ…」
「あのサーブを上げれる両村の守備力ハンパねぇな」
「何点か稼げると思った?俺は色んなポジションを転々としていたから中途半端だけど、どのポジションでもレシーブは基本だからな。舐めないでほしいね」
(まあ3回に1回は上げて見せるけど。それ以上は運かな。たまたま最初にその1回が来ただけだとは言えない)
「ホラ王様!そろそろ本気出したほうが良いんじゃない?」
その言葉に日向が反応した。
「ムッ!?なんなんだお前!昨日から突っかかりやがって!!王様のトスってなんだ!!!」
「君、コイツが何で”王様”って呼ばれるのか知らないの?」
「コイツがなんかスゲー上手いから…他の学校の奴がビビッてそう呼んだとかじゃないの?」
その言葉を聞いた月島は笑って答える。
「そう思ってるやつも結構、居ると思うけどね」
日向は不思議そうに思いながらも黙って話を聞く。
「…噂じゃ”コート上の王様”って北川第一の連中が付けたらしいじゃん”王様のチームメイト”がさ。意味は…自己チューの王様、横暴な独裁者、噂だけは聞いたことあったけど、あの試合見て納得したよ。横暴が行き過ぎてあの決勝ベンチに下げられたもんね」
月島は影山に向き直り続ける
「クイック使わないのもあの決勝のせいでビビってるとか?」
「…てめぇさっきから、うるっせんだよ」
見かねた田中があいだに入ろうとしたとき思いもよらないとこから待ったがかかった。
「田中」
澤村さんが田中さんにアイコンタクト。それで田中さんは黙る。
「…ああ、そうだ」
影山は静かに口を開いた。
「トスを上げた先の誰も居ないっつうのは、心底怖えよ」
「えっ?でもソレって中学の話でしょ?」
自分には全く関係ないと言わんばかりに日向は言う。
「俺には、ちゃんとトス上がるから別に関係ない。それより、どうやってお前をブチ抜くかだけが問題だ!」
日向は月島に指をさしながら言った。その言葉に田中さんも俺も思わず吹き出す。
「プッ」
「ははは」
日向は止まらない。影山に詰め寄り
「月島に勝ってちゃんと部活入ってお前は正々堂々セッターやる!そんで俺にトスを上げる。それ以外になんかあんのか!?」
その言葉に理解は出来るが納得いかない様子の影山
「そういう…いかにも「純真で真っすぐ」みたいな感じイラっとする」
「ム!?」
「気合で身長差は埋まらない。努力で全部何とかなると思ったら大間違いなんだよ」
月島と日向の話も終わった様だ。
(さてと俺のサーブだけど、ここで攻め方を変えたら空気読めないやつだろうなぁ~。仕方ない普通にサーブ打つべし)
「田中さん」
「任せろ」
田中さんのレシーブでキレイに影山のもとへボールがかえる。
「「俺に上げろ!!」」
(何であの2人はこうも合うんだろ)
「田中さ「影山!!居るぞ!!!」
(日向のその言葉に咄嗟に反応できる影山はやっぱり天才なんだようなぁ~。俺には無理)
日向のボールは何とかカスリ相手コートに入る。
「あっぶね~、空ぶるところだった…」
「お前何をイキナリ」
焦った日向にすぐさま影山が反応して言おうとするが最後まで言えなかった。
「でもちゃんとボール来た!!中学の事なんて知らねえ!俺にとっては、どんなトスでもありがた~いトスなんだ!!俺はどこにだって飛ぶ!どんなボールだって打つ!だから…俺にトスもってこい!!!」
「おい お前らクイック使えんのか!?」
(お!ビックリして田中さんが詰め寄ってる)
「クイック??」
日向は田中さんの話が全く分かってない
「今みたいな速い攻撃だよ!!」
「?全然、おれポォーンて高く山なりに上がるトスしか打ったことないです」
日向は自分が何を打ったのか分かってなくて普段の話を田中さんに説明している。
「でも今やったろ!?それに中学んとき素人セッターのミスったトスうったろ!ああいう…」
「えっ?でもどうやったか覚えてないです」
「~っ」
これだから感覚で動くやつは困る。田中さんもモヤッとしますよね。分かります。
やる気だけは日向は3人分くらいはあるもんね。
「でも俺はどんなトスでも打ちますよ!影山、打つからな!!」
「…合わせた事もないのに速攻なんてまだ無理だろ」
「なんだ、お前変!そんな弱気なの気持ち悪い。変!!」
「うっせーよ」
信じられないものを見たような顔の日向だが影山は変わらない。
「”王様”らしくないんじゃな~~い」
「今ぶち抜いてやるから待ってろ!!」
「まぁーた、そんなムキになっちゃってさぁ」
月島の煽りに反応する日向にあきれながら返す月島だけどお前プロになるんだぜ知ってる?
「何でもがむしゃらにやればいいってものでもないでしょ?人には向き不向きがあるんだからさ」
「…確かに中学んときも…今も…おれ、跳んでも跳んでもブロックに止められてばっかだ。だけど、あんな風になりたいって思っちゃったんだよ。だから、不利とか不向きとか関係ないんだ。この体で戦って。勝って。勝って。もっといっぱいコートにいたい!」
(いいね~、こんな間近で名シーンを拝めるとはなんて幸運なんだろう)
「…だから、その方法が無いんでしょ?精神論じゃないんだって”気持ち”で身長差が埋まんの?リベロになるなら話は別だけど」
(お!?何かを決めた顔の影山君が来ますね!)
「…スパイカーの前の壁を切り開く…その為のセッターだ!」
(おぉ~♪言っちゃいましたね。トスクレお化けの日向との契約完了。頑張れ天才)
月島的にはもう話すことはないのかコッチに帰って来た。
「なんかドラマ見てるみたいで面白いな。こっちの人はこれが普通なのか山口?」
「それ偏見だから!」
「月島サーブだけど大丈夫?勢いに押し負かされちゃった感があるけど」
「別に」
おれの優しいフォローを一言でバッサリ切り落としてくれた。
まあもうちょい原作通りでお願いね~
月島のサーブを上げた日向はスグに助走に入るがここで「王様のトス」で
「んぐっ」
空振り。
「ふんっ」
空振り。
「ふぐっ」
空振り。
「おい!お前もっと早くは…」
「でたぁ~”王様のトス”」
「ちっ」
日向も必死に入っているが全然間に合っていない。
「全然、タイミング分かんねよ…」
「お前、反応が早いんだからもっとこう、バッ!っとこいよグワッ!っと」
「バッ!なのかグワッ!なのかどっちだ!!!」
でたな感覚で生きている奴のやり取りだ。
「重要なのそこじゃねえよ」
そして変人速攻の立役者である菅原さんのお言葉だ
「影山?それじゃあ中学の時と同じだよ。」
「…日向は機動力に優れています。反射・スピードついでにバネもある…慣れれば早い攻撃だって…「日向のその”すばっしこさ”って言う武器。お前のトスが殺しちゃってるんじゃないの?…日向には技術も経験もない。中学でお前にギリギリ合わせてくれた優秀な選手とは違う。でも素材はピカイチ」
菅原さんの言葉に一喜一憂するトスクレモンスターは田中さんにもツッコまれてる。
(そして折角カッコよかったのにグダワラさん(グダッてきた菅原さん)になってしまう。)
「なんつぅーか。もっと日向の持ち味っていうか才能って言うか、そういうのもっとこう…なんかうまい事使ってやれんじゃないの!?」
(お?菅原さんの顔が元に戻った。冷静になれたかな?)
「…俺も…お前と同じセッターだから去年の試合…お前見てビビったよ。ずば抜けたセンスとボールコントロール!そんで何より…敵ブロックの動きを冷静に見極める目と判断力!!…俺には全部無いものだ」
「そっそんなことないっスよスガさ…「田中」!」
「一回聞いとくべ」
そっと優しく田中さんを諫める澤村さん
「技術があってやる気もあり過ぎるくらいあって。何より周りを見る優れた目を持ってるお前に仲間の事が見えないはずがない!!」
(影山は困惑してる)
(影山は考えた)
(影山は気づいた)
(よし勝ったな!風呂入ってくる。ガハハ状態の俺。これで変人速攻完成かな)
「…俺は。お前の運動能力が羨ましい!!だから能力の持ち腐れのお前が腹立たしい!それならお前の能力俺が全部、使って見せる!お前の1番のスピード1番のジャンプで…跳べ!ボールは俺が持っていく!!」
「?”持っていく”って何??どういうこと?」
「ブロックの射ないところにマックスの速さと高さで跳ぶ。そんで全力スイングだ。俺のトスは見なくていいボールにはあわせなくていい」
「ボールみなきゃ空ぶるじゃん!」
「かもな」
「うぉい!!」
「でも…やってみたい」
「…わかった!」
「まだ、やるつもり?”王様”の自己チュートスなんて誰もうてないってば」
「だよねー」
「月島?山口?」
俺はそっと月島と山口に話しかける
「うん?」
「なに?」
「出来ないから人は試行錯誤しながら練習を繰り返すんだよ?不可能を可能にするために」
「何それ?君も熱血だったの?」
「おれは事実を言ってるだけだよ。さあ何が飛び出してくるか見てみよう?」
そういって俺はサーブ位置に着く。
(試合だったらこんなwかりやすい展開ここで突き崩すんだけどなぁ~味方のレベルアップの為だ仕方ない。といっても真面目にはやるからな)
と思った所でジャンプサーブが出来るわけでもないので普通に打つ。
それを田中さんがレシーブする。
日向が走る。
日向が跳ぶ。
影山のトス。
ドンピシャ!!!!体育館にドンと初の変人速攻が決まる。
(コースまで原作通りとはっ!)
「手に。あたったぁぁぁぁ!!」
「手に当たった?大げさな…」
(さてとココは俺がもらうぜ)
「なあ月島?…あいつ今目ぇつぶってたぞ…」
「「「はぁ!?」」」
(まあ、そうなるよね。説明しよう!)
「どういう…こと…?」
「ジャンプからスイングするまでの間日向は目をつぶってたね」
「それはつまり影山がボールを見ていない日向の手のひらピンポンとにトスを上げたって事でいいのか?…両村?」
(後半のセリフ奪い返された)
「そうなりますね」
「はぁ?
(月島困惑中ですな仕方ない。初見じゃあそうなる)
「これは予想外だったけど、不可能が可能になったな。月島」
「ふん。マグレに決まってるでしょ」
「けど切っ掛けは掴めたから後はマグレじゃなくすための練習ってことだ。そこで提案なんだけど月島・山口いいか?」
「聞くだけ聞いたげるよ」
「なに?」
2人は俺にとこに来てくれる。
「今後なんだけど日向にもトスが上がるようになるけどフリーで打たそうと思う」
「なんで?そんなことしたら負けちゃわない?」
「そこまでの心配は無いさ山口。月島の言った通りまだマグレの段階だから成功確率が低いって言うのと目をつぶっている以上コースも読みにくいから変にブロックするよりレシーブで対応してみようと思う。それより火力もありきっちり決めてくる田中さんの方が脅威だから2人は田中さんについてストレートを締めて欲しい」
「なんでストレートなのさ?」
「ね。ツッキー」
「クロスなら俺がレシーブできるだろ?」
作戦ってほどでもないけどトータルディフェンスってやつかな?
「あっ!なるほどね!?ツッキーどうする?」
山口は月島に確認しているから月島次第だろう
「いいんじゃない」
・・・。
あれから何回も失敗しているが2人は諦めないで何度も挑戦している。
「さっきのはマグレだろ。なのに懲りずに何回も…」
「それでも日向は何回でもボールを見ないで跳ぶんだろうな…確かに理解不能だよな。他人を100%信じるなんて俺なら島のみんな以外は出来ない。それだって何年もかけた信頼関係があるからできる事だ」
「山口ナイッサー!」
山口のサーブを田中さんが上げる
「オーライ!任せろ」
「どうせ日向に上げても失敗だろう?両村の言う通り田中さんだけマークしておけば…」
俺はここに居るぞ!!そう主張する日向の存在感
「山口お前も来い!2枚で止めるぞ」
月島が釣られたこれでどこから来るか分からない状況になった
しかも日向は2人を躱し体が流れながらも跳ぶ!この状況で田中さんだったら仕方ない。日向に来ると信じて身構える。
変人速攻に振り切られる月島・山口
反応はできても広いコートをカバーしきれない…か。(自称)島のディフェンダーが聞いてあきれる。
・・・。
「これは流れ持っていかれたかな」
24ー23であと1点
「もうマグレって言えない確率になってきたな月島」
「そうだけど君の作戦も上手く行ってないって事でしょ?」
「そうでもない。このまま2人は基本的に田中さんで1人がレシーブでいこう。」
「両村サーブ」
「はい」
ボールを貰うも隠し玉は次のセットかな。
普通のサーブを打つも田中さんにレシーブされる。月島と山口はちゃんと田中さんをマークしてくれている。
日向は変にジタバタされるより、そのまま打たせた方がレシーブしやすい。日向には申し訳に明けど田中さんと日向なら日向をフリーにした方がメリットが多いんだよね。
~菅原・縁下~
「日向の攻撃を両村たちはまだマグレだと思ってるんですかね?」
「流石にそれはないと思うけど」
「けどずっと田中に2人付いてますね」
「ああ、何か考えがあるのか?」
「どっしゃー!!」
ドン!!
田中さんのスパイクが来る!ストレートは閉めているからクロスしか打てない。
あのトスからあの角度なら…ここだ!
バシィ!
何とか上がったけどこれは相手のチャンスボールかな。
「両村が田中のスパイクを上げた!?」
縁下さん誉め言葉です。ありがとうございます。
「クソ!決めきれなかった。影山もう1回」
悔しそうにしているもレシーブ位置にはいる田中さん
「月島・山口頼んだよ」
「ああ」
「任して」
今度はフリーの日向に上げる影山
ドッ!
ここだ!!
バッ!何とかレシーブしてみるも上手く返せない。
クソ!分かってても取りにくいな。
ピー!
1セットは仕方ないけどお陰で慣れてきたぞ。
「どうだオラァァァ!!!月島コラァァ!!日向と俺をぶっ潰すっつったろうがアァ!!」
「そーだ!そーだ!」
「やってみろやオラァ!!」
「みろやオラァ」
なんかボス猿と子分猿みたいで笑える。けど何も言い返せない月島
「なんでお前が一番威張ってんの田中~」
「あっえっ?」
菅原さんのツッコミに動揺する田中さんに追撃が
「そーだー!1年のお陰で打ててるクセに~」
「態度デカいぞ~」
「はげ~」
「今、普通に悪口混ぜたの誰だゴラァ!!」
「おっし!2セット目始めるぞ」
澤村さんが声をかける
「こっからが正念場だ!踏ん張るぞ」
「分かった」
「ああ」
最初のサーブは俺から。ここからが本番だって誰も思ってないだろうな。
きっとこっちの方が不利って思われてる。申し訳ないけどコッチも全開で行かしてもらうからな。
(自称)島のツインアタッカーのチカラを見せてやる。
「あっ!?あいつ」
「左でサーブできんのか」
ざわつく体育館
「悪いけど稼がしてもらうよ」
(流石にジャンプサーブは出来ないけど)
俺は左でのサーブを田中さんに向けて打つ。
「うぉっ!すまん影山」
田中さんは左の経験がないのか上手くレシーブできなくてボールは弾かれたが影山が上手くフォローするがこちらに帰ってくる。
「チャンスボール」
俺は丁寧にレシーブをする。山口がトスをあげやすいように。山口にはオープンでいいから上げるように言ってある。後はこっちが上手くタイミングを調整してやればいける。
俺は助走から一気にジャンプする。
ブロックは日向だが俺の正面にいる。左右どっちで打ってくるか考えすぎてしまって中途半端な位置になってしまったのかもしれない。ありがたく左でスパイクを打つ。
ドン!
ピッ!
「良し!」
(もう2・3点いけるかな)
「おいおいおい!両村おまえ!左でも打てたのか!?」
田中さんが詰め寄ってくる。
「面白いでしょ?島では小学生と混じって練習することもあったから左でやることで合わせてたんですが面白くなって本格的に練習したんですよ。なので今ではどっちでも行けますよ」
ニヤリとしてみる。
「今まで手を抜いてたのか?」
「そんな事無いですよ。ただ影山と日向にあてられてペース配分をやめただけです。さあ反撃開始だ!」