そもそも特定の相手の可愛い顔が見たいとか好意が無いと思わないよねっていう。

いつもとは趣向を変えてお届け。一応総受けですがメインはぼ虹で、リョウと喜多ちゃんは味付け程度です。
本当は総受けながらももっとギャグっぽいノリにするつもりでしたが気が付けばR-15くらいのノリになってしまいました。元々プロットとか無しで気持ちの赴くままに書いてるので脱線は珍しくはないです。
でも初めて百合ものを書いたので楽しかったです。

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ぼっちちゃんの赤面顔が見たい!

「う~~~~~ん……」

 

 今の時刻は夕方の5時。今日のスタ練も滞りなく終わり、私こと伊地知虹夏は分かりやすく悩んでいた。

 

「なに、どうしたの虹夏」

「伊地知先輩何か悩み事ですか?」

「ああうん、ちょっとね……」

 

 喜多ちゃんとリョウが声を見かねたのか声をかけてくれた。まぁこんな分かりやすく悩んでますってリアクションしてたら声かけざるを得ないよね。

 そう、今の私には悩みがある。別に結束バンドの事や受験に関するような大きなことではなく、取るに足らないような悩みではあるんだけど……。

 

「解決できるか分からないけど話してみたら? それじゃ受験勉強に集中できないでしょ」

「そうですよ! 普段お世話になってますしいくらでも力になりますよ!」

「二人とも……!」

 

 私はいい仲間、友達に恵まれてるな……。

 ぼっちちゃんは……、お姉ちゃんとお話し中か。丁度いい。

 

「じゃあぼっちちゃんも席外してるし、ちょっと悩みを聞いてもらおうかな」

「ぼっち? ぼっちのことで悩んでるの?」

「ひとりちゃんが何かしたんですか?」

「いやいや、そんな深刻な話じゃなくてね?」

 

 確かに私の悩みはぼっちちゃんに関することだけど、別にぼっちちゃんがトラブルを起こしたとかそういうことじゃない。ただ少し気になることがあり、見てみたいものがあるのだ。

 その見たいものとは……。

 

「ぼっちちゃんの照れた赤面顔が見てみたい」

 

「郁代、今日奢ってほしいご飯があるんだけど」

「じゃあ早速行きましょうか」

「待って待って」

 

 何て友達甲斐のない奴らだ。そしてリョウはナチュラルに喜多ちゃんに集るんじゃないよ。

 

「何なの一体。勉強のし過ぎでおかしくなったの?」

「違うよ失礼な! ちゃんと理由があるんだよ!」

「理由? どんな理由があればひとりちゃんの赤面顔に辿り着くんですか?」

「うん、発端は昨日のことなんだけど……」

 

 あれは受験勉強に疲れ気分転換でもしようと何となくスマホの写真を見返しているときの事……。

 

 

 

 

 

 

 

「いやーこうして見ると意外と色々写真撮ってるもんだな」

 

 初詣の写真、リョウの家の別荘での写真、フェスで花火をした時の写真……。画像データを新しい順からどんどん見返していく。

 結束バンドを組んで気が付けば一年半以上経ってるんだもんな。そりゃ色々と思い出もできるよね。……ん?

 

「こ、これは……!」

 

 アー写の時ぼっちちゃんの下着が映り込んじゃった時の没写真……! 消したと思ってたけどうまく操作できてなかったのかな?

 しかしあの時はぼっちちゃんを揶揄おうとしたら消してくれって頼まれてすぐに消した(つもりだった)けど、こうして改めて見るとぼっちちゃんフリルのついた可愛いパンツ履いてるな。

 そういえば確か前に見せてもらった可愛い私服はぼっちちゃんのお母さんの趣味って言ってたから下着もお母さんの趣味の物を履いてるって事なのかな? 可愛いのは趣味じゃないって言ってたけど、まぁ下着は服と違って普段は見えないからどんな下着でも問題ないんだろうな。

 しかし何だな。ぼっちちゃんは普段あの野暮ったいピンクの芋ジャージの下は抜群のスタイルに、更にこんなフリフリの可愛い下着を身に着けてるって事なんだよね。……改めて考えると少しムラッとするな。

 

「いかんいかん」

 

 ぼっちちゃんに欲情するなんてお姉ちゃんじゃあるまいし。こんな画像何かの間違いでお姉ちゃんに見つかったりしたら速攻でお姉ちゃんのスマホに画像を転送されかねないし早いところ消さないとな。

 画像を選んで削除、……しようとした辺りでふと思い出す。

 そう言えばぼっちちゃんってパンツが写ってしまった時、恥ずかしがるでもなく本気で私たちに申し訳ないものを見せてしまったと落ち込んでたっけ。考えてみると別荘で海に行った時も結構大胆な水着着てたけど全然普通にしてたな。

 他にも様々な事を思い出してみるけど落ち込んだり泣いたり喜んだり溶けたり胞子化したり爆発四散したりと色んな表情を見せてきたぼっちちゃんだけど照れたり恥ずかしくて赤面した顔って見たことない。

 ぼっちちゃんってどんな時であればそういう顔を見せるんだろう。恋バナ? でもぼっちちゃんって恋愛に対してほとんど興味示さないし……。

 

「やばい、気になりすぎて勉強が手につかなくなってきた……!」

 

 イケメンに迫られた時? ちょっとエッチな目に合ってる時? う、うわー!

 

 

 

 

 

「という訳でね?」

「……はあ」

「ため息やめて!? いや見てみたくない? ぼっちちゃんが可愛く照れてる顔」

「うーん、確かに見てみたい気もしますけど難しくないですか? 先輩も言った通り同性相手にとはいえ下着を撮られても恥ずかしがるでもなく申し訳ないって落ち込むようなひとりちゃんなのに……」

 

 そうなんだよねぇ。あれから一晩考えてみたけど特に思いつかなったしなぁ。

 

「……ぼっちっていつも限界を迎えると溶けたりしてるよね?」

「え? まぁそんな感じかな?」

「ふむ、それなら……」

「あ、あの、私の名前が聞こえたんですけど何の話をされてるんですか……?」

 

 お、お姉ちゃんと話し終わったぼっちちゃんがこっちに来た。

 

「あーいや、大した話じゃないよ」

「も、もしかして陽キャの凄腕ギタリストが見つかったからクビに……!? も、もっと頑張りますからクビだけは……!」

「だから大した話じゃないって!」

「う、うう……、確かに私は大した存在じゃないですけど……」

「そういうことでもない! ていうかぼっちちゃんをクビとかあり得ないから!」

 

 涙目でドロドロに崩れていくぼっちちゃんの背中であろう部分を撫でて落ち着かせて元の形状に戻す。まったくまったく、ぼっちちゃんの自己肯定感の低さにも困ったもんだよ。

 

「よし、ぼっち」

「あ、はい。……え、え?」

 

 リョウがぼっちちゃんを壁際に追い詰めて壁に右手をつく。これはいわゆる壁ドンってやつか?

 

「ぼっち、私がぼっちを手放すなんてありえないよ」

「え、あ、あの、リョウさん……?」

「ぼっちは面白いし、実力を普段発揮できてないけどギターがすごく上手だし」

「あの、リョウさん、顔がちか……」

「それに、こんなに可愛い顔してる」

 

 リョウがぼっちちゃんの顎に指を添えて軽く持ち上げる。

 え、え。どうしたんだ急に。

 

「あ、あ、う、うぅぅ……」

 

 あ、また溶けだした。何がしたいんだリョウは。

 

「溶けるの禁止。溶けたら、お仕置き、だよ」

「ひゃう!」

 

 リョウがぼっちちゃんの耳元で囁く。

 

「もちろん崩れるのも禁止だよ。許されるのは私の顔を見ることだけ」

「あ、あ、あぅ……」

「ぼっち、もっと良く顔を見せて……」

 

 リョウが壁に付いていた手を放してぼっちちゃんの髪を軽くかき上げる。

 前に私がぼっちちゃんの前髪を上げたときはストレスに耐え切れず胞子化してたけど、今はリョウのお仕置き発言が効いてるのか形状を保ってる。

 顔を伏せたそうにしてるけど顎に添えられたリョウの指がそれを許さない。

 

「目もパッチリ開いてて、綺麗な青色の瞳で、ほら、こんなに可愛い」

 

 リョウがぼっちちゃんに更に顔を近づける。もう鼻がくっつきそうな程近くて、更に近寄れば唇さえもくっつきそうだ。

 や、やばくないか? ぼっちちゃんもすっかりリョウの瞳に奪われてる。でも私も突然の事態に体が固まってるし、喜多ちゃんも顔を赤くしながら目を輝かせちゃってる。

 

「ぼっち……」

「あっ……」

 

 リョウがぼっちちゃんの前髪から手を離すと腰に手を回して二人のお腹がくっつく。気が付けばリョウの片足がぼっちちゃんの股に入り込み、そして瞼を閉じたリョウの顔が、唇が、ぼっちちゃんの唇にゆっくり、ゆっくり、徐々に近づく。

 ちょっ、ちょちょちょっ!!

 

「ちょっ、待っ……!!」

「もう駄目ですうううううううう!!」

 

 ぼっちちゃんが耐え切れず絶叫とともにしゃがみ込んだ。

 よ、良かった……。

 

「あーあ、顔を見るだけしか許さないって言ったのに。約束通りお仕置きとしてご飯奢ってね」

 

 お仕置きってそれかい! まったく、リョウは急に訳分からないことして……。

 

「これでどう、虹夏?」

「はぁ? 何が?」

「ほら、ぼっちの顔見てみなよ」

 

 ぼっちちゃんの顔って……、こ、これは……!

 しゃがみ込んで控えめにこちらを見上げたぼっちちゃんは、瞳が潤み、真っ赤な顔をしていた。

 

「に、虹夏ちゃん……?」

 

 か、可愛い……。

 間違いなく見たことない表情だ。そうか、ぼっちちゃんは限界を迎えるといつも逃げるように崩壊していた。ならそれを禁止して限界まで追い詰めればこの顔を引き出せるってことなんだ。

 

「ひとりちゃん大丈夫? 立てそう?」

「う、うぅ……。とんでもない目にあいました……」

 

 喜多ちゃんがぼっちちゃんの手を取って立ち上がらせて椅子に座らせて、その隣に座った。

 

「でもひとりちゃんとっても可愛い顔してたわ! さっきほどじゃないけどまだ顔赤いし、折角だから写真撮りましょ!」

「ウエッ!?」

 

 何がどう折角なんだろう?

 ぼっちちゃんも当然だけどそれは恥ずかしいのか逃げようとしてる。でも喜多ちゃんもぼっちちゃんの肩に右手を回して自撮りモードでスマホを構えた。

 

「逃げないでひとりちゃん。写真撮らせてくれたら今度学校帰りにから揚げ買ってあげるから」

「うっ、から揚げ……」

「それにSNSにも投稿したりしないから。ね? 良いでしょ?」

「うっ、うぅ……、そ、それなら……」

 

 ぼっちちゃんがから揚げの誘惑に負けちゃった。本当にから揚げ好きだなぁ。あれで太らずにあのバストなんだから羨ましい。

 でもぼっちちゃんも落ち着いたのかいつもの緊張したような青ざめた顔をしていた。

 

「うーん、これじゃいつも通りね……。あ、そうだわ」

 

 喜多ちゃんは少し立ち上がり、ぼっちちゃんの頬に自分の頬をくっつけた。やっぱりあの娘のパーソナルスペース狂ってるよね……。

 

「ききききききき、き、喜多ちゃん!?」

「逃げたら駄目よひとりちゃん。崩れても駄目だからね。……んー、これでもさっきの表情の方が良かったわね」

 

 喜多ちゃん、鬼だな……。今のぼっちちゃんでも恥ずかしがってて十分可愛い表情してると思うんだけど。

 すると喜多ちゃんは暫く考え込んだ後ぼっちちゃんの頬から離れ、

 

「私もちょっと恥ずかしいけど……、えいっ」

「ふぇ……?」

 

 喜多ちゃんが、チュッ、とぼっちちゃんの頬にキスをした。

 ちょっ、ちょっと喜多ちゃん何してんの!?

 ぼっちちゃんも状況を理解したのかさっきまでとは比べ物にならないくらい顔が赤くなり、キスをしてて見えないであろう喜多ちゃんは顔の温度でそれを察したのか、パシャリ、と写真を撮っていた。

 

「ん……、うん。これは良い写真が撮れたわ。約束通りSNSにも上げないし、から揚げも奢るから安心してね、ひとりちゃん」

「あ、あ、ああああ、あ……」

「ひ、ひとりちゃん?」

 

 マズイ! ただでさえリョウとのキス未遂でほぼ限界間近だったのに、今の頬へのキスでぼっちちゃんが限界を超えたんだ!

 

「虹夏! 離れるよ!」

「でもまだ喜多ちゃんが!」

「郁代はもうあの距離じゃ間に合わない! 諦めるんだ!」

 

 そして限界まで膨らんだぼっちちゃんは

 

「あうらばっ!!!」

 

 喜多ちゃんを巻き込んで過去最大の爆発をして吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから意識を失ったぼっちちゃん以外の私たち3人は騒ぎすぎだとお姉ちゃんからゲンコツを貰いSTARRTYを叩き出され、そのままリョウと爆発に巻き込まれてアフロ頭の喜多ちゃんは家に帰り、私はぼっちちゃんを背負って上の家に帰り、ぼっちちゃんをリビングのソファに寝かせて晩御飯を作っていた。

 

「ん……、ううん?」

「お、ぼっちちゃん起きた?」

「あ、虹夏ちゃん……。ここ、虹夏ちゃんの家……? 私また気絶しちゃってたんですか?」

「そうだよー。そんな長い時間じゃないけどね」

「す、すみません。す、すぐ帰りますので」

「え? 折角だからご飯食べていきなよ。もうぼっちちゃんの分まで作っちゃってるし。もう19時だしお腹も空いてるでしょ?」

 

 そう言うとぼっちちゃんのお腹は空腹だったことを思い出したかのように、グゥッ、と鳴りだした。

 

「す、すみません……」

「あはは、もうすぐ出来るから待っててね」

 

 今日ぼっちちゃんがご飯を食べていくって分かってたらスタ練前にから揚げの仕込みとかしといたんだけどな。流石にそんなこと分かる訳もなく晩ご飯のメインは無難に肉じゃがだ。

 ぼっちちゃんも家の方に連絡を入れて、出来上がったご飯を二人で食べ始めた。

 

「どう? 美味しい?」

「は、はい。すごく美味しいです!」

 

 良かった。ぼっちちゃんも目を輝かせながらパクパク食べてるし気を使ってるとかではなさそう。

 それにしてもぼっちちゃんって男子中学生が好きそうな結構ガッツリした食べ物が好きだけど、食べ方は行儀良いよね。ガツガツご飯をかき込んだりせずにちゃんとお箸で小さい口に運んで食べるし、何か小動物みたいで可愛いな。

 

「……ん? ロイン?」

 

 ご飯を食べてるとロインの通知音が鳴った。お姉ちゃんからだ。

 なになに? 『急ですまんが今日はPA達と吞んでくる事になった。多分明日の朝まで吞むと思う』?

 

「あ、どうしたんですか?」

「お姉ちゃん今日帰ってこないんだって」

 

 本当に急だな。3人分の晩ご飯作ったのに。まあ余った分は明日の朝ごはんとかで食べればいいか。

 でもそうか、今日はお姉ちゃんがいないのか。んー、それなら一人の時間を謳歌するのも悪くないんだけど……。

 

「ねぇぼっちちゃん、良かったら今日泊まっていかない?」

「え?」

「お姉ちゃんがいないならぼっちちゃんも気兼ねしなくていいでしょ? 前はお姉ちゃんが割り込んできて二人でゆっくり遊べなかったしさ、どうかな?」

 

 あれはあれで楽しかったけどぼっちちゃんは家が遠いから中々二人で遊ぶ機会って無いんだよね。私も家事とリョウの育児に追われてたりもするし。

 流石に急すぎたかな? とも思ったけどぼっちちゃんも嬉しそうにOKしてくれた。

 ぼっちちゃんってクリスマスの時に皆で泊まった時はしんどかったのか始発でさっさと帰っちゃったけど、私だけだと全然抵抗感なさそうなんだよね。心を許してくれてるって感じがしてうれしいな。

 

 それからご飯を食べ終えて私はお風呂の準備、ぼっちちゃんは食べ終わった食器を洗ってくれている。リョウだったら絶対やってくれないからこの違いに少し感動してる。

 リョウと言えばSTARRTYを出るとき……。

 

『ねぇリョウ』

『なに?』

『今日ぼっちちゃんを照れさせる為だからってかなり際どいところまで迫ってたけど、あれぼっちちゃんが避けなかったらどうしてたの?』

『……どうしてたと思う?』

『え?』

『まあぼっちならそのまましちゃっても良かったかな?』

『ちょっ』

『何? ぼっちにキスされると困るの?』

『い、いや、そういう訳じゃ、ないけど……』

『……ふふっ』

『な、なにさ!?』

『いや別に? でもそうだね。馬に蹴られるのは私も勘弁だよ。特にその馬は凶暴そうだし』

『……どういう意味?』

 

 結局その問いかけには答えずクスクス笑いながらリョウは帰っていったけどどういう意味だったんだろう。

 お風呂の準備が終わりお湯を張り終えると食器を洗い終えたぼっちちゃんに声をかけた。

 

「ぼっちちゃんお風呂沸いたよー」

「は、はい!」

 

 ん? なんか様子が変だな。妙に緊張してるというか、気合が入っているというか。

 

「……? ぼっちちゃん先にお風呂入っていいよ、私は後で入るから」

「え、あ、ああ、そうですよね……。す、すいません先にお風呂いただきます……」

 

 え、何か落ち込んだ? どうしたんだろう。

 

 それからぼっちちゃんが上がった後私もお風呂に入り、部屋にお客さん用の布団を持って戻ると私が貸した寝間着を着てベッドに座ったぼっちちゃんが所在なさげにソワソワしていた。さっきから様子が変だな。どうしたんだろう?

 

「ぼっちちゃん、お布団持ってきたから今日はこれで寝てね」

「……はい」

 

 また落ち込んだ? どうしたんだ? さっきもお風呂に入っておいで、って言ったら落ち込んでたよね。

 ……もしかして。

 

「ねえぼっちちゃん、もしかして私とお風呂入りたかったの?」

「!!」

「それで、今落ち込んだのも私と一緒の布団で寝たかった、とか?」

「いや! あのその!! ……ぁぅ」

 

 ぼっちちゃんが顔を真っ赤にして俯く。

 お、おお……、マジか。まさかこのタイミングでぼっちちゃんの赤面顔が見れるとは。

 ……可愛すぎてちょっとイタズラしたくなってきた。

 

「いや~、そっか~。そんなに私といたかったんだ~」

「あ、あの……」

「しかも一緒に寝るくらいならまだしも、お風呂もか~。ぼっちちゃんって」

 

 ぼっちちゃんの耳元に近づく。

 

「意外とエッチなんだね」

 

「……!! ち、違います! そ、そういう理由じゃなくて……!」

 

 お、なんだ? 珍しく大きな声を出して否定してきた。

 

「い、一緒にお風呂入ったり、一緒のお布団で寝たらリョウさんみたいに虹夏ちゃんと仲良くなれるかな、って思って……」

「え?」

「そ、それで、その……」

「ちょ、ちょっと待って! 私とリョウをどんな関係だと思ってるの!?」

 

 何かとんでもない誤解をされてる気がする!

 

「え、えっと、しょっちゅう泊まって、お風呂一緒に入ったり、一緒に寝たりしてるのかなって……」

「バカップルか私とリョウは!」

「え」

「あのね、ぼっちちゃん。確かにリョウは私の部屋を物置にしてるけど言うほど泊まってる訳じゃないよ」

「そ、そうなんですか?」

「そりゃ泊まっていくこともあるけどさ、ぼっちちゃんも知っての通りリョウは一人で気ままにするのが好きだからね。家に帰れば私のベッドとは比べ物にならないくらいのふかふかベッドがある訳だし」

「あ、た、確かに」

「それにねぼっちちゃん、確かに私とリョウは親友と呼んでも差し支えない関係だけどさ、いくら仲が良いからって一緒にお風呂入ったりしないよ」

 

 大衆浴場とかなら全然話は変わるけど、家のお風呂で二人きりで同性相手でも友達と一緒の湯船に浸かるなんて冗談じゃない。小さい頃とかならリョウに限らず友達と入ることもあったけど、この年齢になって一緒に入るのは抵抗感があり過ぎる。まあ人によっては気にしないって人もいるかもだけど、少なくとも私は嫌だし、リョウもそういうタイプじゃない。

 

「お布団だって寝るときは別々だよ? 私のベッドシングルだし、それに一緒の布団で寝たら落ち着かないし」

「で、でもリョウさんの別荘の時とか……」

「あれは布団が二組しかなかったし、布団も大きかったからね。人数分あったらそれぞれの布団で寝たかったよ」

 

 まああのメンバーで一緒に寝て一番気にならない相手がリョウだったことは否定しないけど。気兼ねするような相手じゃないし。多分布団も本来はリョウの両親と、リョウの二組分なんだろうな。

 

「う、うう。そうなんですね……。私恥ずかしい勘違いを……」

 

 ぼっちちゃんが顔を手で覆って俯く。

 それにしてもぼっちちゃんがこんなこと気にするなんてな。嫉妬してた、ってことなのかな? ……可愛いな。

 そう考えると胸がキュンとして、頭がボゥってモヤがかかるのを感じた。

 

「ぼっちちゃん」

「は、はい……」

「一緒に寝よっか」

「え?」

「誤解してたとはいえ一緒に寝たかったんでしょ?」

「で、でもさっき一緒に寝るの落ち着かないって……」

「別に眠れないほどじゃないし、それに私だってもっとぼっちちゃんと仲良くなりたいしね」

 

 ぼっちちゃんはいざそう言われると恥ずかしいのか指をモジモジさせながら悩み始めた。……じれったいな。

 

「よいしょ」

「あ、に、虹夏ちゃん!?」

 

 焦れた私はぼっちちゃんの胸を押して、ベッドに押し倒した。

 

「あ、あの、虹夏ちゃん……?」

 

 私の下でぼっちちゃんは更に顔が赤くなっていく。

 ……でもリョウとキスをしそうになってた時の方がもっと顔が赤くなってたよね。

 

「ぼっちちゃんは私とリョウの仲に嫉妬したんだよね」

「あ、あの……、はい。すみません……」

「でも私も嫉妬したんだよ?」

「え?」

「ぼっちちゃんがリョウとのキスを躱した時私ね、『良かった』って思ったんだ」

 

 ぼっちちゃんがキスされそうになっていた場面を思い出して、押し倒してぼっちちゃんの胸に置かれた手に力がこもる。

 ……? 何か柔らかいな。もしかしてこれ。

 

「ぼっちちゃん、もしかしてノーブラ?」

「あ、は、はい。寝るとき何だか窮屈なので……」

 

 じゃあぼっちちゃんのこのシャツの下には完全に無防備なぼっちちゃんの豊かな胸が……。

 ぼっちちゃんがブラをしていない事、ぼっちちゃんが嫉妬してくれた事、そしてお姉ちゃんがいない事、その事を考えるとより頭が熱に支配されていくのを感じる。

 ……ぼっちちゃんのもっと赤くなった顔を見たい。その為にはきっと、リョウと同じこと、いやそれ以上をしないといけない。

 

「ぼっちちゃんはさ、私とリョウと同じくらい仲が良くなりたいんだよね?」

「は、はい……」

「それ以上仲良くなりたいとは思わない?」

「え、あ、あの、それって……」

 

 私の手のひらに伝わるぼっちちゃんの柔らかな温もり、そして指先に感じる突起物の感触。その指に感じるものを撫でるように動かすとぼっちちゃんの身体がビクッと動く。

 ぼっちちゃんの顔を見るともう火が出るんじゃないかと思うくらい赤くなっているぼっちちゃんの顔。でも爆発する様子は無くて、不安と、期待が入り混じったような瞳をしてる。そしてその瞳には、自分でも見たことがない、獲物でも見ているような私の顔が映っている。

 

「溶けたら駄目とは言わないし、避けたら駄目とも言わないよ。ぼっちちゃんに任せるから……」

 

 ぼっちちゃんの桜色の唇を見つめ、私はぼっちちゃんへ顔を近づける。

 そしてぼっちちゃんが溶けたのか、避けたのか、あるいは受け止めたのか。

 それを語る必要はないでしょ。だってこれはぼっちちゃんの可愛い顔が見たいだけのお話なんだから。

 

 


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