俺はフォンテーヌ生まれ稲妻育ち   作:残雪侍

33 / 40
雷鳴の章・第五幕

 

 

 1. 稲妻 神里屋敷

 

 

「おはようございますぺドくん。昨日はよく眠れたようで何よりです」

「おはよう綾人さん。今俺の事何て呼びました?」

 

 時間が過ぎ去り朝である。身体の痛みも無くちゃんと布団で目覚めた俺は昨日の事が夢であったかのように思えていたのだが、どうやらしっかり現実で起こっていたことらしい。朝食の前に綾人さんの部屋に呼ばれたのが理由の一つ、廊下ですれ違った綾華さんに挨拶すると「『(ケダモノ)』のルド=ウィーク……っ!」と呼ばれたのが二つ目だ。あれは酷い。なんというか、魂に響くタイプの暴言だった。

 

「おや、何かおかしな事を言いましたか? 昨日は幼子相手に大立ち回り。泣きじゃくる姿を見て情欲に浸っていたとかいないとか……さすがは、サドくんといった所でしょうか」

「ちがーうッ!! 俺の名前で遊ぶのをやめろ! 自分で言ってておかしいと思うけど、昨日確かにムジナの忍者に命を狙われたんだって!」

 

 全くもって遺憾である。フリーナっ、フリーナはどこだ! 今この屋敷に出回っている情報の発信源は間違いなくあいつだ。話をしてちゃんと誤解を解かねば。こちらの事情も聞かずにろくでもない属性を付与してくるのは勘弁してもらいたい!

 

「ふふ、冗談ですよ。事情はこの子から聞いています。早柚、こちらへ」

 

 綾人さんの言葉でぼふんと傍らに煙があがる。その中から出てきたのは、昨日のムジナ忍者だ。ぼんやりとした顔に敵意は無いのでやはり師匠の手先では無かったようだ。

 

「彼女は早柚。社奉行の隠密活動を担当する『終末番』で働いて貰っています。実は昨日からルドくんの監視をお願いしていたのですが……まさか初日から見つかってしまうとは」

「……ふかく」

「なぁ、お兄様? これツッコミがいるやつなのか? 」

 

 はっはっは。じゃねえんだわ。何ちゃっかり監視をつけてやがる! この様子だと俺が船を降りた時から見られていてもおかしくない。俺ってそんなに信用ならないかなあ……。

 

「別にルドくんを信用していない訳じゃありませんよ。早柚には君の評判任務を手伝ってもらおうと思っていまして」

「依頼を? 隠密活動が必要になるような予定は無いんだが……」

「『評判任務』は色々な所を駆け回ってこなしていくものですからね。人手はあるに越した事は無いでしょう。それに、いつもサボりがちな彼女が珍しくやる気になっているようでして」

 

 やる気か……昨日の復讐としての殺る気じゃない事を祈るばかりだが、この申し出はさくさく依頼をこなしてしまいたい俺には大変ありがたい話だ。

 

「さぁ、話はこれでおしまいです。今日から頑張ってくださいね。早柚、ルドくんの事を頼みますよ」

「承知した」

 

 おぉう……言うだけ言って綾人さんは公務があるからと部屋を出ていった。残されたのは相変わらず眠そうな早柚と、めちゃくちゃ気まずい俺のみ。まぁ、朝飯でも食べながら親睦を深めていこう。

 

「あー……早柚。昨日はごめんな。奇襲かと思って手荒にしちまって。痛いところとか、無いか?」

「ん」

 

 …………なんの「ん」なんだ? ぼうっとこちらを眺める早柚の目からは感情を読みづらい。怒っている訳でも、俺を怖がっている訳でも無さそうなのがまだ救いか?

 

「じゃ、じゃあ朝飯でも食べながらこの後の予定を立てるか! 好きなおかずとかある? お詫びにやるよ……なになになに!?」

 

 忍者なんで!? ぐいぐいと近くに寄ってくる早柚に俺はたじろいだ。足を掴まれたので立ち上がることは出来ず、進撃してくる彼女に俺は追い詰められた。この感じ覚えがあるぞ──『湖の光』でバイトしてた時に裏口で懐かれた猫だ。あの時もよじ登られて身動きを封じられた。でもこいつはムジナで忍者で女の子。こんな所を誰かに見られてみろ、死人が出るぞッ!

 

「……主のせいで、拙は今たいへんなんだ」

「おい、手をにぎにぎするんじゃない。大変てなどういうことだ」

「昨日の主の言葉が、ずうっと拙の中で蠢いている。こんな大きな手で押さえつけられて、力も、拙が修めた忍術も全く通用しなくて……っ」

「そりゃこの体格差だしな。悪かったよ。にぎにぎやめない?」

 

 いつまで触ってんだ。血行が良くなって痒くなってきた。俺が手をぱっと引き離すと、早柚は大切にしていたおもちゃを取り上げられたかのような顔をした。何この罪悪感?

 

「んで、結局何がどう大変なんだよ? 痛い思いさせた詫びもあるし、俺に出来ることがあるなら手伝うけど」

「ほんとうか! な、なら……」

 

 そう言い淀むと、早柚は恥ずかしそうに頬を染めた。安心して欲しい、俺は守秘義務は守る男。犯罪に手を貸すとか以外ならちゃんと聞いてやるさ。

 

「昨日から身体がおかしくて眠れない。その手が……拙の身体に触れるのを想像すると、へその下辺りがきゅうってなる」

「…………ん?」

「おねがいだ……っ、拙にもう一度アレを……今度はにげないから、どんなことも我慢するからっ!」

 

「拙の身体を好きにしていいから! 拙を八頭身くらばれったさんにして欲しい!!」

 

「ごめんなさいあれただの脅しなのでそういう効果はありません!!」

 

 俺は土下座し、望みを絶たれた早柚は崩れ落ちた。フォンテーヌ鉄の法律、『宣伝文章に誇張表現をつけるな』は正しかった……。

 

 

 2. 稲妻 影向山

 

 

「でな? 俺の担当はどちらかと言うとボケなわけよ。それがここに来てからずっとツッコミしかしてねえ。この国、慢性的なツッコミ不足なんじゃないのかなって思うんだが」

「うん。神里屋敷のツッコミはトーマのみ。当主様の戯れをあれだけ捌けるのだから、拙の忍術などあやつに不要なのだ」

 

 山道を歩くおば様に挨拶して追い越し、けして整備されているとは言えない道を早柚と雑談しながら登っていく。崩れた橋を飛び越え、帯電して宙に浮く謎の岩場を飛び移る。時には崖を走って垂直方向のショートカット。一般人には厳しくないかこの道? 早柚は涼しい顔で着いてくる。伊達に忍者やってねえな。

 

「ほいっと! 山頂に到着ってな。じゃあ俺は神子さんに会ってくる。終わったら呼ぶから昼寝はするなよ」

「分かっている……これも身長を伸ばすため!」

 

 そういうと早柚はドロンと煙を焚いて消えた。この神出鬼没加減はどこぞの配達員さんを思い出すぜ。

 結局早柚のお願いを叶えてやることは俺には難しいというか無理だった。だが、手伝えることが全くないという訳でもない。

 栄養も運動も早柚には足りている。ならば足りていないのは生活リズムだ。子供は夜中にしっかりとした睡眠をとることで成長していく。幸いなことに早柚の任務は俺に着いてくる事以外は無いらしいので、夜間はしっかり寝てもらう事にした。日中はよく食べよく遊び、眠りの質を上げるために昼寝は控える……効果が出るかは分からんが、今までの生活よりはマシだろう。

 

「あら、さっきぶり。早かったわねえ」

「どーもおば様。なんで崖走った俺らより早く着いてるんですかね。実はあなたも忍者だったり?」

「コツがあるのよ」

 

 ねーよそんなコツはッ! くそ、気を抜いたらこれだ。早柚の身長が伸びるのより俺がツッコミ担当にされる方が早いかもな。

 

 さっさと用事を済ませてしまおう。俺は道行く巫女さんに神子さんの依頼を受けに来たと説明した。巫女さんが神子さんを呼びに行っている間に別の巫女さんに話しかけられる。神子さんを待っている間におみくじでも引いていけとの事。箱の中から竹くじを取り出し、それを巫女さんに交換してもらう。小さく降りたまれた紙を開封! 出てきた結果は『剣鬼ち』だった。

 

「縁起悪ッ!? この流れなら神子吉だろうが! 」

「何を騒いでおる? ん、それは───おお、『剣鬼ち』を引き当てるとはやるではないか。それはレアじゃぞ?」

 

 馬鹿やってたら狐宮司がやってきた。こんな不吉の象徴をおみくじに混ぜるなよ。俺じゃなかったら速攻でお焚き上げコースだ。あんまり持っていたくないのできゅっとむすんで神子さんに投げ渡した。宙を舞ったおみくじは、何かにつままれたように挙動を不規則に変えて彼女の手に収まる。器用だな。

 

「確かに、今のままであればこのくじは大凶以下の呪物。手に持ったものは三代先まで呪われる事間違い無しの代物じゃな」

「言い過ぎじゃない? さすがの俺もヘコむぞ」

「それを覆すための『評判任務』じゃ。ほれ」

 

 そう言って俺に渡されたのは纏められた紙束。いよいよ『評判任務』の始まりだ。妖魔退治でもお使いでも何でも来い! と身構えた俺の目に飛び込んできたのは、煙緋先生の所で何度も見たものだった。

 甲だの乙だの、期限や報酬だの……固い雰囲気で難しそうな文章が纏められたそれはいわゆる契約書である。

 

「元素視覚に反応は……無いな。紙が二重になってもいない。ちっ、呪詛の類か? 専門外なんだよな」

「小僧。妾のことを全く信用しておらんな?」

 

 しゃーねえだろ。ただでさえ得体の知れない契約が二つか三つ結ばれてんだ。これ以上厄介な契約を結ばれてたまるかという話である。煙緋先生も言ってたぞ、人外と結ぶ契約には気をつけろ〜ってな。

 

「こら、契約内容を読む前から突っぱねるんじゃあない。そんな少年に育てた覚えは無いぞ」 あっはい。

 俺は大人しく契約書に目を通した。信託は絶対なのだ。

 

「ん〜……? なんだこれ。要するに俺を元にした作品を作る許可をくれって事か? こんなの依頼じゃねえだろ。というか八重堂って……八重堂!?」

 

 テイワット随一と言ってもいい大手出版社じゃねえか! 俺の流されていった娯楽小説コレクションも殆どがここから出ているものだった。なるほど八重神子だから八重堂……数々のヒット作の種を生み出した伝説の編集長は彼女だったのか!

 

「どうじゃ、少しは妾の事を信じる気になったか?」

「……まあ、八重堂のブランドに嘘は無いよな。問題なのはそのブランドを俺の名前が穢さないかって所なんだが」

「売り上げの事は気にするな。なに、欲しいのはお主の経歴、いわば設定じゃ。『普段うだつの上がらない剣士。しかしその正体は戦場の悪夢とも呼ばれる剣の鬼だった──!』これに飛びついた作家が多くてな」

「人の半生を設定とか言うんじゃねえ……なにっ、枕玉先生も俺の事を書いてくれるかもしれないのか」

 

 俺は著者候補の中にあの枕玉先生の名前があるのを見つけた。良いよね『沈秋拾剣録』。設定が突拍子も無いだとかごちゃごちゃ言われているらしいが、全体を通して見たら壮大な武侠モノだ。名前からして沈玉の谷を文字っているのだろうし、話の難解さからして谷の奥地に住む老齢で聡明な賢人なのだろう。璃月にいる間に会ってみたかったなぁ。

 

「契約は把握した。俺の事は好きに書いてもらっていいよ」

「そうか! ではここに印を──」

「ただ、報酬の件……使用料についてなんだが」

「なんじゃ不満か? 先に使用料、次は売り上げに応じて追加報酬が出る破格の契約だと思うが」

「いや、報酬は無くていい。俺の取り分は汚名を被ることになるかもしれない作者達に回してくれ」

 

 当然の話だ。好きなだけ暴れて、無差別に人を傷つけた過去を持つ俺が今度はその名前を使って金儲けなんて許されるはずが無い。たとえ設定やフィクションだからと言われても納得はしないだろう。

 

「ふむ……無償の献身と仁義を通す姿勢。まさしく武侠小説の主人公に相応しい人間性じゃな。お主がそれで良いならそうしよう」

「そんな高尚な人間だったらうだつの上がらない設定が邪魔にならない? まあいいや……俺の気が変わる前にそれで契約を結ぼうぜ」

 

 俺はイマジナリー煙緋先生にも契約書を渡して、うんと深く頷いた彼女のサムズアップを確認した後、金額の契約を変更した書類にサインした。

 

「うむ、これにて妾の依頼は完了となった。ただ、無償でお主の名前を借りるのは八重堂として避けたい。変な噂を立てられても迷惑じゃからな」

 

「そうじゃ、完成品ができたらお主の家に書籍を送ろう。物語が素晴らしい結末を迎えられるかは、お主の働きにかかっておるぞ?」

 

 言われるまでもねえ。俺は『評判任務』の八重神子の挿絵が入った部分に印をもらった。やったことと言えば契約書にサインしただけだが、今の俺は八重神子の信頼を勝ち取ったということになるらしい。次の住民依頼もこれのおかげで門前払いは回避できるだろう。

 

「……ん、待て。さっきの契約、おみくじの種類とかグッズ展開については書いてなかったな。ありゃどうなって──居ねえ!」

 

 あの女狐逃げやがったなッ!俺は激怒した。今回は逃がしたが次出会った時には必ずあの邪智暴虐の宮司をとっちめなければならない。逃げた分と合わせて迷惑料ふんだくってやる!

 今は『評判任務』が先だ。俺は早柚を呼んで下山を開始した。城下町に着く頃には昼時だし、どこかで昼飯にして午後からまた依頼をこなすとしよう。

 

 

 3. 稲妻 稲妻城

 

 

「早柚、メシができたぞ。これが『ルド特製稲妻風パスタ』だおあがりよ!」

「なぜ蕎麦がぱすたに……? んっ! うまい!」

「おい真面目にやってくれ! 誰が錬金術を見せて欲しいと頼んだ!?」

 

 所変わって稲妻城。俺たちは城下町一番の料理屋を謳う志村屋に依頼と昼食を兼ねて訪れていた。

 出された依頼は【『木南料亭』に負けない異国の料理を】との事だったので俺の得意料理を振舞ったのだが、どうやら店主には不評らしい。調理中に食材が変化する事なんてよくある事だろうが!

 仕方が無いので『湖の光』の定番メニューであるトマトソースパスタを作ってみると、「これに比べるとさっきのパスタはカス」と高評価をいただけた。依頼完了!

 

「早柚、片方を貶さないと褒めることができない大人にはなるんじゃねえぞ」

「不評の理由は調理方法にあるような……」

 

 それって俺の調理技術がスゴすぎるって意味だよな。冗談はさておき次の依頼だ。俺たちは道端に停めてある屋台に着いた。屋台の主の智樹くんに出された依頼は【だんご牛乳の新しい味を考えて欲しい】だった。随分と食べ物系統に偏ってるな。あの雷神まさか自分の好みで依頼を選んたりしてないか?

 

「シンプルに果物を混ぜてフルーツだんご牛乳、コーヒーは牛乳と相性抜群だし入れてみるか……後はだんごにも工夫をしたいよな」

「おお、それっぽいことをスラスラと……主はすいーつも作れるのか?」

 

 ぽいって言うな。俺が作れるスイーツのレパートリーは多いんだぞ。フリーナのスイーツリクエストに応えまくった結果だ。そうだな……フォンテーヌ期間限定コラボ、千霊フレーバーとかどうかね。小さめの千霊ムースを沈めるんだ。

 

「……おやっさんのメニューの件は手紙を送ればいいとして。さすがに千霊ムースをそのままパクるのはマズイよな。よし──早柚ッ!」

「ふゃ!? 」

「にゃーん──に"ゃ!?」

 

 急に大声を出した俺に早柚が驚き、屋台の下から箱型の猫さんがむにっと出てきて固まった。なんで綺良々がここに。どうした、挟まったのか?

 わたわたと身体を振って隙間から出てきた綺良々はそのままドロンと人型に変化。俺の両肩をがっちり掴んで揺さぶった。あばばばばっ!?

 

「る、ルドさん! 私なにかしちゃったかなっ! 」

「現在進行形で俺の三半規管をぶっ壊しに来ていること以外は何もしてないなッ、一体どうした!」

「ならどうして私以外の人に配達を頼もうとしてるのっ、まさか私、契約切られ(すてられ)ちゃう!? 嫌にゃー!」

 

 誤解を招きかねない発言は控えろ! 俺は素早く綺良々から距離を取って周りを警戒した。サロン・ソリティアの気配無し……助かったか。

 俺は錯乱状態の綺良々に近づいて、彼女を落ち着かせるように説明した。

 

「早柚には少しお使いを頼もうとしてただけだ。我らが審判官様に権利申請とか諸々確認したくてな。書類ができたらもちろんお前に任せるつもりだったさ……」

「……ほんと? ルドさんの配達員は私だけ?」

「もちろんだ。俺が最高評価を付けるのはお前だけだよ」

「ちょ、ちょっと言い過ぎだよぅ……えへへ」

 

 よし。にゃーにゃーしっぽを揺らして照れる綺良々に見えないように俺はガッツポーズをした。言葉はアレだが彼女以上に頼れる配達員は居ないと評価している。これからもよろしくなァ! おいそこのムジナと人間、女性を誑かすクズ男を見るような目で俺を見るんじゃない。

 

「あっそうだった! ルドさんにお荷物ですっ!」

「俺に? 差出人は…………ヌぅ」

 

 にこにこ笑顔に戻った綺良々は自分の仕事を思い出したらしい。手渡された荷物の送り主を確認すると、見慣れた最高審判官様のお名前が。

 気になる荷物の中身は……フォンテーヌの各種グルメの利用を許可する許可証がどっさりと入っていた。マジでどこまで先読みされてるんだ? しかしこれで自由にフォンテーヌ料理を布教する事ができるぞ。やったぁ。

 

「主、主。箱の底にある手紙に目を通さなくてもよいのか? なんというか……凄い圧を感じるのだが」

「早柚ちゃそさぁ……口は災いの元って言葉があってだな」

 

 言われなきゃ展開的に読まなくてよかったんだが。俺は早柚の口に飴玉を突っ込んで黙らせた後にしぶしふ手紙を開いた。

 

『ごきげんよう。各国の視察は順調なようで何よりだ。君の個人的な任務についても把握した。送った許可証は店先に置いておけば効力を持つので、その調子でフォンテーヌの文化を存分に広めて欲しい』

「この人もう報告要らねえじゃん、話が早くて助かるけどさ……ん、二枚目があるな」

 

『ところで話が変わるが、最近フォンテーヌは雨続きだ。関係ないかもしれないがそろそろ君たちが出かけて一週間以上経つ。この後の天気予報は、晴れ時々曇り、ところにより雨……稲妻に水龍と言ったところか。ではまた』

「なぁ!? これ雷って意味だよな? 稲妻(ここ)に水龍って意味じゃないよな!?」

 

 これはきっと脅しだ。さっさと決着をつけてフリーナをフォンテーヌまで送り届けろという脅迫だ。こうしちゃ居られねえ! 俺は綺良々とだんご牛乳を飲みながら雑談していた早柚を引っ掴んで次の依頼へ走り出した。信託(脅)は絶対なのだ。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。