ウチ、鳳サイカっす。
激ヤバの殿堂、オオサカからキヴォトスのヴァルキューレ警察学校まで転校してきたっす。
たまには普通の毎日を過ごしたい!!
といった短絡的な願望を胸に西からやってきた訳なんすけど。
恐ろしいことにここの環境は女の子の比率がバカみたいに高いだけで(女の子とロボしかいない?)オオサカとそんな大差なかったっすね。うーん、なんというかのすたるじー?
でも向こうより親切な人が多くて、なんだかむず痒いような気もするっすね。
そんなジレンマを抱えながら、報告書を書いている。
いきなり???と思うかもしれないが理由がある。
というのも初着任した先で囚人のひとりがウチの顔見て顔を真っ赤にするや否やぶっ倒れやがったのだ。
幸いにして、事態収拾の時間は設けてもらった。一週間の間で囚人のの経過を観察し、様子をまとめて提出する。
尾刃局長かぁ、一体どんな人なんだろう。遠目に1度見た程度だったけど可愛かったなぁ。
ヴァルキューレの狂犬だなんて言われているらしいが暴れ回ってるわけでもないし。ましては人の利き腕吹っ飛ばしたり美少女と見るや否やセクハラしだすような契約刑事という訳でもない。
だもんで多分いいひとなんだろうなぁって思いました。(感覚麻痺)
「できた!届けるっすよ~!」
報告書を書き終え、公安局に向かう。
ルンルン気分で社用車のキーを刺し、ラジオをかける。
きっといいことがあるっす!
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「ご苦労様。報告書は確かに預かった…………。まぁ、かけてくれ。コーヒーくらいは出す」
「いいんですか?ウチ、社交辞令とかそんな分からないんで貰えるもんはなんでも貰っちゃうっすよ!」
「あぁ、構わないさ。お前とはこうして話してみたかったんだ」
「そうなんですか?テレちゃうなぁ~~!」
相も変わらず人懐っこい笑みを浮かべているサイカに、この歓談の場を設けた私はどこか安心していた。
最近は忙しさにかまけて、部下との交流を図ることができず、フランクな話かけ方など忘れてしまったのだ。
ヴァルキューレの狂犬と呼ばれた私の前でこんな笑顔で話していられるのは今のところこいつくらいだろうな。
「着任早々トラブルに巻き込んでしまってすまないな。ヘイローもない人間がよく鎮圧できたものだ。あんまり無理はするものではない」
「あれは鎮圧できたというかなんというか…。あっちが勝手にぶっ倒れただけっすけどね。確かに所長たちと違って私は普通の人間っすけど、あんなちょっとやそっとの事じゃウチは怪我しないっすよ!」
「それに、明日死んでもそれでいい。いつ死んでも後悔のないように生きてるんす。」
「そうか、そうか…………。だが……」
「?」
「……いや、なんでもない。何か取り留めのない話をしよう。仕事の話ばかりだと気苦労をかけてしまうだろう。そうだな、なにか趣味は─────────」
「そうっすねぇ───────────」
死ぬのが本当に怖くはないのか、そう聞きたかった。ヘイローもないただの人間がこのキヴォトスに来るのは自殺行為に等しい。
サイカはオオサカという危険な都市から来たらしいが、それでも24時間いつでもどこでも銃撃戦が起こっている訳ではないという。
このキヴォトスは少し大きな喧嘩になりさえすれば銃が出てくる。
ヴァルキューレの敷地内では滅多に起こらないが、テロだって起こる。路上で、店で、社長室で、空中で、爆発が起こるのなんてよくあることなんてレベルではなく、"ごく普通の日常風景"なのだ。
キヴォトス人、ヘイローを持つ全ての人は、強靭な肉体を持っていて、銃弾なんか斉射で浴びようが大怪我程度で済んでしまう。
しかし、サイカは違う。きっと銃弾一発まともに喰らえば致命傷。三発喰らえば死んでしまうだろう。
それでも、彼女は覚悟してここに来たという。短い間でもここで学生生活を送りたいとこのキヴォトスにやってきたのだ。
スパイ容疑だなんてとんでもない、会話していて気づいた。
彼女にこちらを探ってやろうという意図なんてサラサラなく、本音で話してくるのだ。
気づけば、私も自分の趣味や過去のことを話していた。
立場が大きくなるにつれ、失ってしまった青春を取り戻すように。
後悔がないように生きるため、サイカは全力で今を生きている。
私は、こういう無垢な人々の安全を守りたくて警察になったのだ。
志を忘れかけ、仕事にただただ没頭してるだけの私に足りないものは、サイカのような人生に彩りを足す存在だったのだ。
「────だからウチはそれが好きで~「サイカ」」
「……?…なんすか局長!ウチ、なんか変なこと言っちゃったすか!?」
「いや、違う。ただ、思ったことを今すぐ伝えたいと思ったから。後悔のないように」
「!」
「サイカ、私と友達になってくれないか?もっと君のことが知りたくなってきた」
「局長……!」
「どうだ、なって……くれるか?」
「そんなのこっちから頼みたいくらいっすよ!ありがとうございます!」
「じゃあ、その、敬語は崩してくれ。友達に敬語を使われるのはむず痒いぞ。それと、これからは局長じゃなくていい。好きに呼んでくれ」
「わーわーわー!急にめっちゃ距離詰めてきた!カンナちゃんこんなキャラだったんすかあんた!?クールでかっこいい上司なイメージだったのに!」
「私だってまだ女子高生だぞ。仕事抜きにしてしまえばこんなものだ。」
めちゃくちゃな事を言ってる自覚はあるが何故だか止まらない。友達なんて久しぶりにつくったし、四徹目なこともあって意識が怪しい。
「開き直ってる!!!!わ、ちょッ近い近い!あっ、なんで覆いかぶさるんすか!!…………寝た!!!!??」
眠気で意識が遠のく中、困り顔を浮かべた後にへにょっとした笑顔が微かに見えた気がした─────────。
忙しくって全然執筆できなくって申し訳な~い!!!!