ハイスクールD×D〜悪魔な2人の仮面ライダー〜 作:エルドラス
「……此処か」
「えぇ、間違いないですね」
教会の前に止まる二台のバイク。ヘルメットを外して教会を睨む男が二人…真とネクスだ。
二人は、秋風と名乗る男にやられた傷を高額な回復薬で治療し、アーシアを取り戻す為にやってきたのだ。
「女を守らず見捨てるなんざぁ男の恥…ぜってぇ助け出すぞ…!」
「えぇ、勿論です」
そしてネクスは本来の姿へと変化し、真もオーインバスター50を構える。
すると、何処からかこちらを呼ぶような声が聞こえた為、真とネクスは声のした方へと振り返る。
「!一誠さん、それに祐斗さんに小猫さんまで…」
「よお、さっきぶりっ……て言うか、後ろの奴誰?」
一誠は少し警戒しながら真に問いただす。
「あ、あぁ、彼はネクスですよ」
「…は?」
…真からの説明中…
「成程、それがネクスくんの本来の姿と言う訳だね」
「ピンポーン、大正解…つーか、お前らがここに来たってことは…考えることは一緒って訳か」
「当たり前だ。絶対にアーシアを助ける」
「僕達も手伝うよ」
そして小猫も小さく頷く。
「ん?そう言えば…リアス・グレモリー様と朱乃さんが来ていらっしゃらない様ですが…」
「2人は別行動を取ってるよ。それより気付いているかい?教会から妙な異質の魔力が出ている事に」
祐斗の言葉通り、教会から変な力が零れている。悪魔歴が浅い一誠でも気付く程の魔力が…
「これから教会に攻め込む訳だが、一誠は大丈夫か?俺っちや真は問題ないとして、そこの2人は戦闘慣れしているだろうが、お前はどう見てもド素人だろ」
「ぐっ…た、確かに俺は戦闘慣れしてないし、木場や小猫ちゃんより劣るかもしれないけど…」
「兵藤くん。部長が仰ってた事を忘れたの?君には『プロモーション』がある。『
「「プロモーション?」」
一誠の特性『
『プロモーション』とは普通のチェス同様で『
「成程、リアス・グレモリー様はこの教会を敵の陣地と認めたと言うことですね」
「ああ。朱乃さんの『
「それなら少しぐらいはマシになるな。ってか、自在に能力を変化させられるから羨ましいぜ」
「まぁ確かに、そう聞くととても羨ましいですね」
「…なら、五十嵐くんもネクスくんも部長の眷属になる?」
祐斗から出た言葉に真、ネクス、一誠は驚く。
「出来んのか?まさかとは思うが、一度死なないといけないとか無いよな?」
「ハハッ、そんなの無いよ。それに部長は君達に興味津々なんだ。
「成程、それは光栄なことですね…ですが、その話は後にしましょう」
そして、全員は教会へと向かうのだった。
新逹一行は教会の扉を開け、一番怪しいと祐斗から教えられた聖堂まで走る。この時点で敵は侵入に気付いている筈、後戻りの選択肢はもう存在しない。
そして聖堂の中へ足を踏み入れる。
長椅子と祭壇、頭部が破壊された聖人の彫刻が不気味な雰囲気を醸し出していた。
すると次の瞬間、男の声が辺りにこだました。
「やあやあやあ〜!ご対面!再会だねぇ!感動的だねぇ!」
そして柱の陰から出てきたのは、秋風が救出した神父フリードだった。
「フリード・セルゼン…!」
「クソ神父…今朝はよくも脱獄なんかしてくれやがったな。お陰で賞金貰えなかったじゃねぇか!」
「おぉやおや〜!テメェは俺をボッコボコに痛め付けてくれたクソ人間さん1じゃあ〜りませんか!それにそこの化物はもしかしてあの時のクソ人間さん2じゃ無いですか〜、あんた悪魔だったんだなぁ。しかもそこの雑魚悪魔とご一緒ですか〜!俺としては二度会う悪魔はいないって事になってんだけど!ほら俺、メチャクチャ強いんで悪魔なんて初見で首チョンパ、だったからね〜!でも、お前らが邪魔したから俺のスタンスがハチャメチャ街道まっしぐら!ダァメダァメ〜。人の人生設計をブッ壊しちゃ〜。だからさ、ムカつくんだよ。俺に恥をかかせたクソ悪魔のクズどもとクソ人間がよぉぉおおおおおおおおっ!」
「八つ当たりも華々しいですね」
「おい!アーシアはどこだ!」
一誠の言葉にフリードは祭壇を指さす。
「んー、そこの祭壇の下に地下への階段が隠されてございます〜。そこから儀式が行われている祭儀場へ行けますぞ〜。お前らブッ殺せば良いから、先に言っといてやります〜。それに…」
するとフリードは懐から『白いスタンプ』の様な物を取り出すと、それを地面に押し付ける。
『ジュニア!』
「っ!あれはスタンプ!」
「なんであいつが…」
すると地面から大量の怪物が湧き出してきた。
「っ!何だこいつら!?」
一誠は驚愕する。
その怪物は、原型を留めないほどクシャクシャになった白い紙屑が骨のように纏わりついた上半身をした黒ずくめのゾンビのような姿をしており、上半分を失った頭蓋骨のような頭部を持っていた。
「どうどうどう!すげぇっしょ!?俺を脱獄させた秋風の旦那が寄越してくれたこのスタンプで呼び出せるんだぜぇ!こいつらは俺の言うこと全部聞くし、何よりさっき人間をバリボリ喰らう姿にシビレビレ〜!こんな素敵なプレゼントを贈ってくれてサンキューっ!」
5人はその言葉に不快感を覚えさせられた。
「真、ネクス、あの化け物…何なのか分かるか?」
「流石に見た事ねぇけど、何か………秋風って奴の魔力の波動と似てる気がする」
「えぇ、とても不気味です」
一誠は頭は疑問だらけとなるが、今は考えてる暇などない。目の前の敵を倒して祭儀場へ進む、ただそれだけだ。
「あの雑魚共は俺っちと真に任せろ。一誠達はクソ神父をぶっ倒せ」
「っ!無茶だ!あんな大量の化け物…」
「ご心配なく、私達も全力で戦いますので、皆様こそお気をつけて」
「わ、分かった!セイクリッド・ギア!」
一誠が左手に赤い籠手を装着。
祐斗も鞘から剣を抜き、敵に剣先を向ける。
小猫は自分の何倍もの大きさがある長椅子を持ち上げていた。
「わお、なんつー怪力、流石『戦車』」
「……潰れて」
怪力少女は長椅子を敵へぶん投げる。
怪物達は何匹か潰れたが、フリードは懐から出した光の剣で一刀両断して回避する。
『ギフ〜、ギフ〜』
怪物達は奇声を発しながら真とネクスに襲いかかる。
ネクスは自身の爪で怪物達を切り裂き、真もオーインバスター50を振るって怪物達を薙ぎ倒していく。
「コイツら、強さ自体は大したことないな」
「えぇ、ですが数が多いですね」
真の言う通り、この怪物達は強さは大したことはないが、数が多く、面倒になっていた。
「よし、一気に決めるぞ!」
「ええ!」
そしてネクスは右腕に魔力を溜め、真もオーインバスター50にレックスバイスタンプをオンインする。
『必殺承認!レックス!スタンピングスラッシュ!』
そしてネクスはそのまま怪物達にエネルギーでできた爪を飛ばし、真も桃色のエネルギーで出来た斬撃を飛ばし、怪物達は全滅した。
「おい、こっちは終わったぜ。そっちはどうだ?」
真とネクスが真後ろを向くと、フリードが左手の銃を乱射しており、祐斗はそれを避けながら攻撃を仕掛けていた。
フリードも祐斗の動きを捉えて斬撃を受け止める。
「やるねキミ。かなり強いよ」
「あんたもサイコーだぜ!本気でブッ殺したくなっちまうよ!」
鍔迫り合いを中止して距離を取る2人。
真は「手助けは不要ですね」と安堵していた。
「じゃあ、僕も少しだけ本気を出そうかな」
祐斗の剣に黒い闇がまとわりつく。
舌を出しながら斬りかかってくるフリードに対し、祐斗は闇の剣で迎え撃つ。
すると、光の剣が徐々に形を失っていく。
「な、何だよこりゃ!」
「『
「て、テメェも神器持ちか!?」
祐斗も神器セイクリッド・ギアの所有者だった事に真とネクスと一誠は驚く。
光の剣は完全に形を失い、一誠はここしかないと言わんばかりに駆け出した。
「
『Boost!!』
籠手の宝玉から音声が発せられ、更に……
「プロモーションッ!『
一誠は『戦車』へと昇格、フリードが放つ光の弾丸を物ともせず突っ込んでいく。
「『戦車』の特性!それはあり得ない防御力と、バカげた攻撃力だぁああああああああっ!」
一誠の左拳がフリードを後方の祭壇まで吹っ飛ばした。
「あの時はよくもアーシアに酷い事してくれたな。一発殴れて少しスッキリしたぜ」
「ふっざけんな……ふざけんなよこのクソがぁぁあああああああああっ!」
フリードは二本目の光の剣を取り出すが、真はオーインバスター50をガンモードへと変形させ、光弾を放ち剣に当て、フリードは剣を手放してしまう。
そうして怯んだ隙に真、ネクス、一誠、祐斗、小猫が周囲を囲う。
「ヒュウッ。俺的に悪魔に殺されるのだけはカンベンしてチョンマゲ!村上の旦那から貰った化け物もバラバラ祭りになっちまったし!つーわけで、はいバイチャ!」
そしてフリーは閃光弾を使って姿を消す。
完全に逃げられたが一応は勝利した4人は、祭壇の隠し階段を下りていった。
隠し階段を下りてくと、今度は一本道となっており、進んでいくと、先に大きな扉が見えてくる。
「この道の奥……。血の匂いがする……それもたくさんの」
小猫が鼻を押さえ、真は顔を歪めながら答える。
「血の臭い?何故そんな臭いが…」
「今更考えてもしょうがない。早くアーシアを」
一誠の言葉に4人は頷く。
扉を開けると、血の臭いが鼻を貫く程強くなった。
そして次の瞬間、彼等の目に信じられない光景が飛び込んできた。
「な、何だこれ……?何がどうなってんだ……?」
さっきの怪物達の時と同じように驚く一誠。
それもその筈、辺り一面に堕天使の部下であろう神父逹が死体となって転がっていたのだ。
胴体をバラバラにされた者、首を刎ねられた者、そして幸せそうな顔をしながら死んでいる者など、様々な死体が転がっていた。
更には3人の女堕天使が全裸で倒れており、スタンプのような物を持っている男が十字架の傍に立っていた。
そして十字架に貼り付けられている少女に向かって一誠は叫ぶ。
「アーシアァァ!」
「……イッセーさん?イッセーさん……」
貼り付けられた少女が涙を流す。
するとスタンプのような物を持つ男…秋風は小さく拍手をした。
「姫と王子の感動の再会…実に滑稽な事だ」
「…秋風、こいつはいったいどう言う事だ?昼間は堕天使と共闘していたってのに、何でこいつらは傷だらけなんだ?」
ネクスはゆっくりと体を起こすレイナーレ達を指差しながら言う。
それに秋風は笑いながら答えた。
「簡単な事だよ。本来なら
「
「そうだ。だが、私はそんな野蛮な方法よりも彼女を救ってやるのだ……私達の仲間、デッドマンズとしてね…」
聞き慣れない単語に全員が理解出来なかった。
「デッドマンズ?聞いた事ないね。それがあなたの正体なのかい?」
「デッドマンズは組織名だよ。正確にはその一員、デッドマンに彼女は至るんだよ。因みに、君達が倒したあの怪物はデッドマンズの配下であるギフジュニアさ」
「…どう言う事です」
「…少し私達について話しておこう。……昔々、それこそまだ三代勢力が争いを続けていた頃、我らデッドマンズが崇拝する偉大なるお方…『ギフ様』がこの世界に現れた。ギフ様はその圧倒的な力で三代勢力を蹴散らし、その他の魔族をも絶滅寸前まで追い込んだ。だがしかし!ギフ様を危険と判断した三代勢力は共に共闘しギフ様は傷つき長い眠りに疲れてしまったのだ!」
秋風はその後も淡々と語る。
「しかし、ギフ様は眠りにつく寸前、自身を信仰する信徒達に自身の力がこもったスタンプを手渡し…それを研究した我々信徒達は生物の遺伝子を持つスタンプ…『バイスタンプ』を開発した。そして我々は考えたのだ。悪魔が人間を悪魔へと転生させるのなら…ギフ様の力がこもったこのスタンプなら、我々も進化できるのではないか?とね。そして我々はバイスタンプを使い、自身の内側に眠る負の感情の具現化たる悪魔獣、デッドマンを生み出す事に成功したのだ!そして!デッドマンを生み出せる者の中からさらに選ばれし物だけが辿り着ける究極の頂、己のデッドマンと融合しその力をその身に宿せる者を、我々は『ギフテクス』と名付けている」
それを聞いた真は奴の意図を理解した。
「まさか、アーシアさんを先程みたいな怪物に変えるつもりですか!?」
一斉に全員の目が見開かれる。
秋風は高笑いしながら、真の言葉を肯定した。
「その通り!しかしあなた達の相手をしたギフジュニアのような雑魚ではありませんよ。まぁ、私のように人間とデッドマン、二つの姿を使い分けられるギフテクスになれる存在は稀でね、殆どは二度と人間の姿に戻れなくなる欠陥品ばかりですがね。しかし、彼女は
秋風がアーシアの頬に手を添えるとアーシアの顔には恐怖が浮き出ていた。
これから自分が化け物に変えられる事を知ってしまったら無理もなかった。
「ふざけないで!その為に私を利用したって言うの!?」
激昂したレイナーレが秋風に向かって叫ぶ。
傷だらけ、全裸である事など頭に入っていない位怒りに満ちていた。
「その通りさ。貴重な人材をむざむざ手放す訳がないだろう?アーシア・アルジェントの持つ『
亜樹子は嫌味ったらしい目でレイナーレを嘲笑う
だが、レイナーレの顔には微かな笑みがあった。
「間抜けね、私達にはもう一人仲間がいるわ。裏切りの可能性を考慮した上で呼んでいたのよ。あなたはそれに気付いていない。今頃あなたを殺す手筈を整えているわ」
レイナーレは自信たっぷりに言う中、秋風は何故か笑っていた。
「そう言えば言い忘れていたね。ご紹介しよう。私の新しい仲間……『ドーナシーク』」
すると次の瞬間、教会の天井から何かが降りてきた。
その何かは、背中に細い脚、顔には人間に似た緑色の仮面、両脚は太い筋肉で覆われており、白衣の様なものを見に纏っていた。
「うそ、まさか、ドーナシークなの!?」
レイナーレは先程この化け物をドーナシークと読んだ。この慌てぶりから彼女の部下の名前なのだろう。
「その通りだよ。彼にもそれなりに才はあった様だね。フェーズ2まで彼は至ったよ。だがまぁ所詮は下級堕天使、ギフテクスには到底及ばない欠陥品だけどね」
すると秋風は懐からラフレシアが描かれた赤いスタンプを取り出した。
「冥土の土産に、君達に本物のギフテクスを見せてあげよう」
『ラフレシア!』
秋風はそう言うと、そのスタンプを自身の胸に押し当てた。
すると秋風の身体はどんどんと変化していった。
鋭利なフォルムに爪、顔には花の形をした仮面をかぶっており、両肩には巨大なラフレシアが生え、白衣を見に纏っていた。
「何だよあれ………マジで化け物じゃないか!」
「それがデットマンって奴か」
「その通り、これが私のデッドマンとしての姿、『ラフレシアデットマン』私にピッタリな美しい姿だろう?さて…」
姿を変えた秋風は、アーシアの方へと振り向く。
「そろそろ君もデッドマンになってもらおうか。安心したまえ、何も変わらないさ。ただ信仰する存在が神からギフ様に変わるだけだよ」
そう言いながら秋風はアーシアの方へと歩み寄る。
「「「アーシア(さん)に触るな!」」」
真とネクスと一誠の叫びが秋風の動きを止める。
秋風は汚物を見る様な眼で3人を睨む。
「触るな?それは私に言ってるのか?」
「あぁ、そうだ!その汚い手でアーシアに触れるんじゃねぇ!」
「何が、美しい姿だぁ?ただの花の化け物じゃねぇか。自惚れんのも大概にしとけよ」
「貴方の様な方にアーシアさんは渡さない!」
「はっはっはっはっは!私の力をまだ分かってない様だな。良いだろう、全員仲良くあの世に送ってやろう」
『ギフジュニア!』
すると秋風は地面に先程と同じスタンプを地面に押し当て、ギフジュニアを大量に召喚した。
「さぁ、良い声で泣き喚いてくれよ。聖女が堕ちるその瞬間を飾り付ける曲をね」
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