キャラクターのエミュも初めてで不安があります……。あまりにも酷いキャラ崩壊やこのキャラクターの口調はこうじゃない!等々ありましたら、ご指摘願います。
それでは本編どうぞ。
1
『ようやく彼に一太刀入れることができました。ですので私はこれからそちらの都市へと向かいたいと思います。噂によればあなたも順調に成長しているようですね。久しく会っていませんので、再会の日がとても楽しみに思えます。二週間ほどでそちらへと到着する予定です。それでは』
彼からこの手紙が届いてからちょうど二週間。予定通りにここオラリオへと向かってきているのならば、今日にでも到着するはずだ。ここ数年は手紙だけのやり取りのみで、顔を合わせて話すことがなかったのでなんとなく気恥ずかしさを感じるが再会がとても楽しみだ。
「輝夜! 今日も見回りに行くわよ!」
「わかった、すぐに行く」
ファミリアの団長からの声を聞き返事をする。
故郷を出てからもう数年。私はかなり成長した、もちろん彼も成長しているだろう。これから行く見回り中にばったり出会うかも? お互いかなりあの頃から変わっているはず。もしかしたら気づかないし、気づかれないかもしれない…………。
……もし会った時すぐに気づいてくれるように、今日はこの髪飾りをつけていこう。そうすればきっとあいつは気がついてくれるはず。
そう言えば、私があげた組紐はまだ付けていてくれてるんだろうか。
まぁ、会った時に聞けばいいか。
そう思い、支度を終えてホームの外へ出る。
あいつと会えるかもしれないと思うと、今日の見回りはいっそう気合が入ると言うものだ。
…………ところで、私は彼にファミリアの場所も名前も全く伝えていなかった気がするのだが彼はここに来ることができるのだろうか?
────────────────────────────────
「ここが……オラリオですか」
「お兄さんオラリオに来るのは初めてなのかい?」
目の前の行列の先にある高い壁、そしてそれよりも高く聳えるバベルと呼ばれているらしい建物。それらの迫力に驚いているとどうやら声が出てしまったらしい、すぐ前にいた旅人と思わしき人に声をかけられた。
そちらを向くと黒い髪に黒いローブ、黒い靴と言ったら全身真っ黒な男性がこちらをにこりと笑いながら見ていた。
「初めてですよ。故郷から出てきたばかりの田舎者でして」
「そうなのかい? ここは世界の中心とも言われる大都市さ! 君も存分に楽しむといいよ」
こちらに体を向け手を振り上げなら大げさに言う。
全身真っ黒なのにどうやらなかなか面白い人らしい。
せっかくなのでオラリオへ入るまで彼と話そうと思い、私が口を開こうとすると、
「けど、今のオラリオはちょっと楽しめないかもね……」
先ほどまでの雰囲気はどこへ行ってしまったのか、肩を落として残念そうにする。
はて、友人からの手紙にはそんなこと書かれていなかったのだが……?
「どういうことでしょうか? 世界の中心と聞いていたのでとても楽しみにしていたのですが……何か問題でも起きているのでしょうか?」
少し不安になったので聞いてみることにした。ただの病の流行程度ならいいのだが、新しい病気が流行っているとなると正直なところあまり入りたくない。
「実は最近のオラリオは
「そんなことが……」
なるほど、彼によればどうやらオラリオ内は荒れているらしい。
世界の中心である大都市と聞いていたが…………どうやら治安は良くないらしい。
確かに
「だから、一般人がゆっくり観光を楽しむっていうにはちょっとタイミングが悪かったね───もう少しあとなら別だと思うんだけどね」
そう言って彼は申し訳なさそうに笑う。
彼が悪いわけではないのに、なんとも優しい? ものだ。
「それは、かなり残念ですね。友人と会うついでにゆっくり観光をしてみようと思っていたのですが、話を聞くにどうにも難しそうですね…………」
少し雰囲気が落ち込んでしまった。別に観光は本当におまけ程度の予定であったからなんの問題もないため、彼がそんなに気に病むことはないのだが心なしか私よりも落ち込んでいるように見える。
このなんとも言えない雰囲気を変えるために今度こそ私は口を開いた。
「私の観光のことは、本当についでの予定だったので気にさらないでください。ここまで話し込んでいて今更のように感じますが、ここで会ったのも何かの縁です。自己紹介でもしませんか?」
「確かに、俺たち名前知らないな」
そう、私たちはかなり話し込んでいたのにも関わらずお互いの名前を知らないのだ。流石に彼のことを都市に入るまで『彼』と、呼び続けるわけには行くまい。
「では、私の方から。私は
『彼』の方に体をまっすぐに向けて軽く頭を下げる。
すると『彼』は笑って手を打った。
「さて、今度は俺の番だな。俺は
そういうとエレンは手を差し出してくる。
もちろん私もにこりと笑って、
「よろしくお願いします、エレン」
しっかりと手を握り返した。
─────────
「それで夜切、君のいう『友人』はオラリオのどこにいるのか知ってるのか? ここかなり広いから知らないと大変だぞ?」
「それは……そうですね。オラリオに来ることばかり気にしていたので、彼女がどこのファミリアに所属しているのか聞くことを忘れてました」
どうしよう、ここ数年手紙のやり取りはかなりしてたはずなのに、彼女がどのファミリアに所属していてそのファミリアはどこにあるのか? 全くわからない。なんで彼女は私に教えてくれなかったんだろうか? 私がオラリオに行くっていう手紙を送った時に、すぐ場所を教えてくれればよかったのに!
「……彼女?」
「? ええ、彼女です。あ、いえ、交際しているわけではありませんよ。人称代名詞の表現の彼女です」
なんだかすごい目でこちらを見てきたエレン。そんなに彼女が欲しいのか……エレンはそんなにモテなさそうな感じはしないけど。
しっかりと彼に訂正を入れると、すぐに満面の笑みを浮かべて頷いている。
…………それはそれでなんとも言えない気分だ。
「なんだ! それならそうと早く言ってくれ! うっかり夜切に飛びかかるところだったぞ」
やめてください。
「それはともかく困りました。彼女がどこにいるのか見当もつきません」
私がそう言うとエレンは、手を顎のあたりに当てて考えはじめた。
「何か手掛かりになりそうなことはないかい? 手紙を何年も続けていたんだろ?」
「そうは言われましても……冒険者というのになっているというのは書かれていましたね。あとは、レベルが上がったとか」
あまり、参考にならないものしかない。
オラリオに冒険者はたくさんいるようだし、レベルアップしている冒険者ももちろんたくさんいるだろう。
…………なぜ彼女は私にファミリアの位置と名前を教えてくれなかったんだろうか? まあ、おそらく忘れてたとかそんなところだろう。仕方ない。
「うーん、ありふれているね。ただ冒険者の中でレベル2以上となると才能があったみたいだね。ほとんどの冒険者はLv1で終わる。そう考えたら……まぁ多少は絞れたと思わないか?」
多少はね?
「そう言えば、女性だけのファミリアに入ったとありましたね。皆いい人たちだと」
「なにっ?! それを早く言え! 女性だけのファミリアは随分と限られている。が、正直どんなファミリアがあるかあまり詳しくは知らない。オラリオに入ったらギルドへ行くといいさ」
詳しくないのかよ。
というか、
「そんなに簡単にファミリアの情報を渡さないと思うのですが……?」
「ああ、そもそも夜切は手紙を出していたんだろう? だったら住所知ってるんだろ? それならギルドで聞けば教えてくれるだろ」
なんならそこらにいる人間でも神でもきけばいい。エレンはそう続けた。
…………確かに。何を困っていたんだ? 住所を訊けばいいとか全く思いつかなかった。
「あれ? もしかして本気で困ってた? なんだよ、お前しっかりした雰囲気あるのに抜けてるとこあるのか」
ニヤニヤとしながらエレンがこちらを揶揄ってくる。
やめろ! ニヤニヤすんな! 肘でつつくな!
そんなことを思いつつも、しっかり困っていたので正直助かった。ニヤニヤは甘んじて受け入れてやろう……。
閑話休題
そんなこんなで長い行列もようやく終わり、やっと都市に入ることができる。エレンと話しながら並んでいたので全く退屈でなかった。
エレンとの会話がなかったらそれはもう、つらい順番待ちになっていた。
エレンはひと足先にオラリオに入っている。入って少ししたところで合流する予定だ。
オラリオ非常に楽しみである。
「オラリオ外部のファミリアで
「いえ、授かっておりません」
「現在のオラリオはあまり安全とは言えません。あなたのその腰にある剣が狙われる可能性があります。どうぞお気をつけて」
衛兵さんにそう言われ、感謝を伝えて門をくぐる。
目の前に広がるのはたくさんの建物。
一際目立つのはやはりオラリオの中心にあるバベルの塔だ。近くで見ると尚更大きいように感じる。
エレンによるとあそこに住んでいる神様もいるらしい。あんなに高いと階段を登るのが大変そうだ。
そんな感想を抱きながら手を振ってくれているエレンの方へ向かう。
「どうだい、オラリオは? なかなかすごいだろう?」
自慢げに胸を張るエレン。
君オラリオ大好きだね。
しかし、このオラリオ確かにすごい。なんと言ってもバベルとても高い。
「すごいですね、本当にバベルって高いんですね。あの一番上に登ってみたいです。できたりするんですか?」
「だろ? あーバベルの頂上は無理だ。あそこに住んでる
エレンはなんとも形容し難い表情で答えてくれる。
どうしたんだろうか?
「そうですか、私も男ですから是非とも会ってみたいものです」
まぁ、とりあえずは友人と合流したい。
ここでエレンとはお別れか、なかなか楽しい時間だった。
「エレン、私はギルドへ向かって友人のファミリアのホームへの向かい方を訊いてきます。そのあとはまだ何をするか決めてませんが、おそらく観光でもしているでしょう」
「そうか、じゃあこの辺りでお別れだ。俺はしばらくオラリオにいる。どこかで会ったら飯でも食いに行こう!」
そう言うとエレンは手を差し出してくる。
私はその手を握り返し答えた。
「もちろんです。その時はエレンの仲間たちも是非一緒に」
彼の仲間だ、おそらくなかなか愉快な人たちだろう。少なくとも、噂に聞く
エレンは一瞬キョトンとした表情を見せたが、すぐに満面の笑みを浮かべて言った。
「もちろんだ」
さて、もう別れの挨拶はした。これだけ広いオラリオとはいえ、しばらくいれば彼と会うこともあるだろう。案外すぐに会うかもしれない。そう思いながらギルドへ向かおうとする───エレンに行き方を教わった─と、後ろからエレンの声がかかる。
さっき挨拶は済ませたはずだが、どうしたんだろう?
「君の友人の名前を聞いていなかったと思ってね。俺が先に会ったら夜切のことを伝えておくよ! それに、君に会えなくても友人伝に約束をつけられるしね」
なるほど、それもそうだ。
「私の友人の名前は、ゴジョウノ・輝夜です。夜切の友人だと言えば、おそらく話ができるでしょう」
「輝夜だね。わかったよ! それじゃあ今度こそまたな!」
「ええ、それでは」
そう言うとエレンは手を振りながら人混みの中へと消えていった。
活気が普段よりないとはいえこんなにも人がいるのはすごい。世界の中心都市の名は伊達じゃないらしい。
「さて、それでは私もギルドへ向かいましょう」
そういえば、輝夜。あなたは私があげた髪飾りを未だつけているのでしょうか?
私はあなたがくれた髪紐を未だ使っています。
評価、感想していただけると、作者がとても喜びます!
是非よろしくお願いします!!
アーディちゃんについて
-
爆死
-
生かす