今回原作描写多めですが、規約には引っかかっていないと思いたい。
これアウトっぽくないか?とか、原作部分多すぎない?と思ったら感想で教えて欲しいです。すぐに直します。
私の精霊や団員の魔法等によって工場の全焼は防ぐことができた。近隣への延焼もしていなければ、人的被害もない。
今までの工場全焼に比べれば遥かにマシな被害である。
工場を襲ってもいいが、燃やすのはやめて欲しい。私の様な一般人にとっては、本当に面倒なのだ。もし私に精霊が協力してくれなくなったら、途端に炎で焼かれてしまう。
どこぞの竜もどきの人もどきに焼かれたことがあるが、アレは本当に苦しくて仕方がないのでやめて欲しい。
「
フフンって、フフンって。なんだかそれいいな。そうはいっても、私がやろうと気持ち悪いだけである。
「清く美しい者はボンボン爆発する工場も、すぐに鎮圧できてしまうの!」
「意味がわかんねーよ。しっかしまぁ、よくも毎度そうやって勝ち誇れるもんだな」
最近オラリオに
ああ、私のこんな姿を極東に残してきた子供達が見たらどう思うのだろうか……。でもどうか、心までは売っていないから許して欲しい。
「アタシはこのキリがねえ戦いに、ほとほとうんざりしてるぜ」
ライラさんは肩をすくめて言う。私がロクでもない事を考えている間に、そんな事を考えていたなんて……。私は仕事を増やしてくれるなと言う一心である。
しかし、ダンジョンなど興味のない私は
「……ええ。また
アリーゼさんの普段の明るく活発な様子は鳴りをひそめ、沈痛な面持ちで語る。
「団長様のせいではございません。それもこれも、どこかのエルフ様が足を引っ張っり、剣狂いが遊んでいたせいでございましょう」
「……輝夜、私に落ち度があったとでも?」
「私は遊んでなどいないのですがねぇ」
謂れのない罪を責められ私は悲しくて仕方がない。輝夜にとって私はアリーゼさんを慰めるための道具でしかないとは……。ああ、悲しい。
私は遊んでいなかったと胸を張っていえるので、輝夜のお小言など右から左だ。
しかし、そうはいかないのがリオンさん。今にも爆発しそうな雰囲気を醸し出している。
「あら、気付いていらっしゃらないので?」
「あの、輝夜様? その辺りにしておいた方が……」
私が宥めようとするも、頬に手を当てたままニコニコとした笑みを浮かべている。
それ普段の輝夜をを知っているリオンさんからしたら、ただの挑発行為にとれるんじゃ?
「敵陣に切り込んだのは私だ! 倉庫もいち早く押さえた! 一体どこに不手際があった!」
私が敵陣に切り込んだのは最後だし、倉庫を押さえるのも早くはなかった。……ふむ。私の方がよっぽど不手際では???
何より! とリオンさんは続ける。
「猫被りはやめなさい! あなたのそんな口調、聞いているだけでも腹立たしい!」
「あの、リオンさんもそれくらいで───」
「ツキサキさんは黙っていてください! これは私と輝夜の問題です!」
私が二人の間に入って宥めるも、やはり叶わず。私も一応輝夜に言われてるので、仲間に入れてはくれないだろうか。
ほら、私と輝夜とリオンさんで三角関係というヤツを作りませんか?
……果たして三角関係の使い方は、これで合っているのだろうか?? わからないがまぁいい。
とにかく輝夜も落ち着いてと言おうとしたが、時すでに遅し。
「まぁまぁ、威勢のいい。では遠慮なく言わせてもらいますが───」
「ぶわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁかめ!!」
ううっ、私の耳元で叫ばないで欲しい。ああ、リオンさんは輝夜の豹変っぷりに怯んでしまっている。
そこで動揺して終えば、会話の主導権は輝夜に握られてしまう。付き合いの長い私が言うんだから間違いない。
「どこに不手際があった? 落ち度だらけだろうが、たわけ!」
「なっ……!」
「義憤に駆られ独断専行したお前の尻拭いをさせられたのは誰だ! この私だ! 図に乗るな愚か者! いや糞雑魚妖精め!!」
「く、くそざこ?!」
……これ以上巻き込まれたくなかった私は、静かに二人の間から抜け出す。
私が離れるとほぼ同時に殴り合いを始めた。Lv 4とLv 3の喧嘩はそれなりの見ものである。
そんな二人にライラさんは呆れ顔でため息をつく。反対に、アリーゼさんは胸を張り自慢げだ。
確かに喧嘩するほど仲がいいと言う諺もあるが、あれはどう考えても行き過ぎである。
「剣狂い、こいつらどうにかしてくれねーか?」
「私は初めに止めようとしたんですがねぇ」
「あの中に放り込めば大好きな姫様とイチャつけるぜ」
「私のことをなんだと思ってるんですか」
「剣狂いに決まってんだろ」
「……左様で」
何も否定はできない。
ライラさんと顔を見合わせてため息をつく。やれやれ全く、ライラ先輩を困らせるんじゃないよ。
「すまない。遅れた、アリーゼ」
「あ、シャクティ! きてくれたのね!」
それなりに形を保っていた工場を破壊せんと暴れる二人をよそに現れたのは、うなじの位置でばっさりと切った藍色の髪に、深い切れ込みの入った同色の戦闘衣。身長は高く、怜悧な顔立ちの人間。
【ガネーシャ・ファミリア】団長のシャクティ・ヴァルマ氏である。
………………シャクティさんの格好を見て、隣のライラさんに声をかける。
「ライラさん」
「どうしたぁ?」
「女性冒険者は基本的に肌を出さなければいけない、なんて決まりのようなものでもあるんでしょうか?」
「はぁ? 何言ってんだお前」
「いえ、その……極東では肌をなるべく見せない、そもそも女性が人前に出ることは少なかったもので」
つまり何が言いたいかと言うと
「女性冒険者の方々って痴女なんで……っ?!?!」
「何言ってんだお前!!! アホなこと言ってんじゃねーよ!」
「い、痛いです……でもこのファミリアで、お腹出していないのアリーゼさんと輝夜、セルフィさんくらいですよ?!」
「動きやすさ重視だ馬鹿野郎!」
「納得いきませんねぇ……こんな風になってしまうくらいなら、子供達にはオラリオに来て欲しくないなぁ」
「お前……失礼なこと言ってる自覚あるか?」
「価値観の違いに震えていただけです」
よく考えたらアストレア様も薄着である。
神々ですら薄着。なるほどこれが世界の中心ですか……やはり子供達を連れてくるとことはできないと確信した。春姫や命に悪い影響を与えかねない。
二人が薄着で外を出歩くなんて……私はどんな顔をしてあげればいいんだ。いや、命はお貴族様ではないからいいのか? ううむ、しかしなぁ。
「昏倒している
「「「了解!」」」
私がライラさんと話している間に、シャクティさんは【ガネーシャ・ファミリア】の団員に指示をしていた。
焼き討ちの後始末ご苦労様です。
素早く現場を確認している【ガネーシャ・ファミリア】を横目に、ライラさんと近くの瓦礫に腰を下ろして、輝夜とリオンさんの喧嘩を眺める。
殴り合いは本当に上手く入れなければ、有効打とならないのが恩恵のない私の辛いところ。やはり刀こそ至高である。
「だ、団長!」
緊迫した声が工場内に響き渡る。じゃれあっていた輝夜とリオンさんも、争いをやめ話を聞く姿勢を見せている。
「なんだ何か見つかったのか?」
「武装解除され重傷を負った
………………………………なるほど。
「それはいけません! 私が行ってすぐに治しましょう! ええ! 何、四肢を刎ねられていようとも治せますとも!」
「おい夜切」
「輝夜さん、どうかしましたか?」
「切腹しろ」
「何故です?! 私は悪党を切っただけですよ!?」
「自白したな馬鹿者」
おかしい。
「み、皆さん? どうかされましたか? そんな目で私を見て……」
「アタシらは夜切を捕まえなきゃいけねーかもしれねぇな」
「ライラさん?」
「ツキサキさん、やりすぎです……それは正義ではない」
「リオンさん?」
「いいから早く治してこい」
「……承知しました」
白い目で見られて私は悲しいよ。私だってこの都市のために、面白くもなんともない雑魚を切っていると言うのに。
私は二つの【ファミリア】の視線から逃れるように、治療へ走った。
「ひっ、くくるなぁぁああ!!!」
「いや! いやよ!!! こないで!!! いやぁぁあああぁ!」
「はいはい、すぐに私は帰りますよっと」
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!! ぁああぁぁあぁ!!?!?!」
「やめて! もう切らないで!!!!」
「ひっ、こっちを見るなぁぁああ!!!」
「ああぁああぁ?!」
血を失いすぎて死ぬことがないように、一度止血した部分をもう一度薄く切る。取れた腕や足の切断面をそこへつけて、ヨミによって癒す。後遺症が残り不自由になるなんてこともなく、完璧な施術である。
私の切り方とヨミの力があればこれくらい余裕なのだ。
「よし! これで問題ありませんね!」
最後には何故か一言喋らず、唸っているだけの何かになってしまったが問題ない。【魔法】で正気に戻らせれば話を聞けるだろうし、この程度で狂ってしまう奴は、戻らなくとも大した情報は持っていない。
一仕事終えた気持ちで皆のところへ戻った。
「お、おい輝夜」
「…………なんだ」
「アタシらの方が
「それは夜切だけだ。私を一緒にするな」
「だって腕と足切って治して尋問だろ? よっぽどやってることやべーぞ」
「…………私は知らん」
「輝夜が言わないのなら、私がしっかり言わなくては」
夜切が治療? していると言う倉庫から少し離れているこの場所ですら、恐怖と苦痛に染まった叫び声が聞こえてくる。
ライラはドン引き、輝夜は聞こえないふり、リオンは後輩を指導しなければと真剣に考えていた。
「アリーゼ、やつの手綱はしっかり握っておけ」
「夜切はちょっとやりすぎちゃうのよね」
ため息を吐きアリーゼに言うシャクティ。アリーゼとしても思うところはあるらしく、普段よりも態度がしおらしい。
「捕えた末端の雑魚はなんも知らされてねえ徹底ぶり。今まで手がかりはなんも見つからなかったが……今回はどうなっかな」
「シャクティ、何かわかった?」
「【アストレア・ファミリア】の迅速な迎撃。工場の全焼が防がれたことによって、『あるもの』がなくなっている事がわかった」
「それは?」
「魔石製品の『撃鉄装置』だ」
シャクティの説明になるほどと頷く一同。
「夜切とリオンがくらったっていう閃光手榴弾の量産が目的か?」
「それに類するものかと」
「全く……嫌になるぜ」
「ツキサキさんが言うには、爆発物を同じように投げられたら面倒だと」
「あの剣術狂いが何を考えていたのか、なんとなく想像できてしまうのを喜んでいいのか……判断に困りますねえ」
「夜切と一番仲良いのは輝夜だもの! 移っても仕方がないわ!!」
「あ、皆さん、終わったんで連れてきましたよ〜」
【アストレア・ファミリア】で『撃鉄装置』の使い道を考察していると、夜切と【ガネーシャ・ファミリア】の団員は意識のない
夜切に襲われる前までは真っ白だっなのであろう装備は、自身の血で赤黒く染められている。夜切は一切血で汚れている様子はないのに、不思議だ。
「ツキサキさんこっちへきてください」
「? わかりました」
夜切は【ガネーシャ・ファミリア】の団員に、よろしくお願いしますと頭を下げて引き渡し、リオンの方へ向かっていく。
「どうかしました…………いでっ」
「貴方は【アストレア・ファミリア】の団員であると言う自覚はあるんですか?!」
「え? ええ。なかったらここにきていませんが?」
「〜〜〜っ?!」
「えっと、何をそんなに怒って……?」
「わかりました! 今日という今日はツキサキさんに、教育をしなければ!」
頭を叩かれたところが痛いのか、若干涙目になりつつ頭をさすりながらリオンの話を聞いている。
「以前閃光手榴弾を投げつけられて、リオンさんを無駄に危険に晒してしまった事があったので、そうならないように手脚を落として身包みを剥いだだけなんですが…………」
「そ、そうなんですか……」
「ええ。仲間を危険に晒すくらいでしたら、私は徹底的に動けないようにしますとも」
「むぅ……」
「それに結局は治しているし、彼らも捕まればこうなる事は理解した上で襲撃しているでしょう」
ならばその気概ごと切り裂いて、二度と社会に刃向かわないようにしなければいけません。と語る夜切に、途中までの話で納得しかけていたリオンは首を傾げざるを得なかった。
皆の下に戻ったと思ったら、リオンさんに怒られてしまった。
あなた私が恩恵のない人間だと言う事忘れてませんか?
Lv 1の雑魚だろうと切られたら簡単に切れちゃうんですよ。だから念には念を入れて切っておかなければ。
以前輝夜に言われた一人の油断がなんとやらと言うやつだ。
「夜切は、『撃鉄装置』の使い道なんだと思う?」
「『撃鉄装置』?」
「魔道具を起動させる為のボタンでございます」
「なるほど」
そうなると……誰でも使えて面倒なものを作ってくると思うが、具体的なものと言われると難しい。
「『撃鉄装置』のある爆発物を一般人を脅して持たせて、冒険者に突撃させるとかですかね?」
「「「「うわぁ」」」」
「え? 私聞かれたから頑張って考えて答えただけですよ???」
「輝夜がお前の友達やっていてくれてよかったぜ」
「夜切は人でなしね!」
アリーゼさんに言われるのが一番傷つく。リオンさんは最早顔を合わせてくれない。輝夜もゴミを見る目で私を見てくる。
朝廷で関係のあったお貴族様が、政敵を暗殺する為の計画で似たようなことを言っていただけだ。私の考えじゃない。
「これからアタシらは一般人が爆弾持ってねぇか考えないといけねぇのか?」
「ないとは思いたいですが……
「事前にそうあるかもしれないと考えることが出来てよかったと、そう考えるべきでございましょう」
ここは「フフン! 私のおかげでみんなの危機感が高まったわね!」とでも言うべきだろうか? いや、ない。
「人でなし夜切は放っておいて」
「ライラ先輩? それ後輩いびりって言うんですよね?」
「わたくしが思うに、事実を述べているだけなので
全く【
悲しくなったのでリオンさんの方を向けば、黙って顔を逸らされる。最後の砦であるアリーゼさんは、シャクティさんと話しており私のことなど気にも留めていない。
「お姉ちゃん、
シャクティさんとアリーゼさんの会話に割って入ったのは、薄蒼色の髪をした少女。青が主だった色の戦闘衣はシャクティさんに似ている。
「アーディ、他のものがいる場でその呼び方はやめろと言っているだろう」
「あ、ごめーん、お姉ちゃん」
そう、彼女はアーディ・ヴァルマ。【ガネーシャ・ファミリア】の団長であるシャクティさんの妹である。
都市で暴れる者を捕らえたときには、度々お世話になっている。私の短い人生において、と言う枕詞はつくものの屈指の善人である。
アーディさんの様な人間は、自分より弱い人間の身代わりになって死ぬ傾向にあるので少し心配ではあるが、よっぽどのことがない限りLv 3の冒険者が死ぬことはないはずだ。
話は変わるが、彼女の武器は魔力を流せば人を殺さないようにできるとか。量産できれば訓練の際に、実際に切れるけれど死なないと言う完璧な道具になりそうで、私も欲しい。
「ツキサキさん帰りますよ」
「後処理とギルドへの報告は?」
「アーディ達がやってくれると、さっき言っていましたが?」
「それはそれは……聞いていませんでした」
「人の話はしっかりと聞いておくべきです」
「ごもっともで……」
最近リオンさんが先輩風というのを吹かせてくる。
ライラさんに聞けば、今まではリオンさん自信が一番遅く入団し下の子扱いされていたらしい。
つまり、自分よりも遅く私という団員ができたことで、自分がされた事を私にもと考えたそうだ。
愛い愛い、なんともまぁ可愛らしいことではないか。そんなリオンさんのためだ。私もおとなしく後輩してあげよう? というものだ。
「さっきのは普通に夜切が悪いと思うぞ」
どこからか
帰ろうとする私とリオンさんに近寄ってきたアーディさん。
「リオン。またね」
「ええ、アーディ。また」
「夜切もまたね」
「お先に失礼します」
「さあ、正義の凱旋よ! アストレア様のもとへ帰りましょう」
リューさん先輩概念を書きたいけど難しいそう。
よろしければ感想・評価・お気に入り登録よろしくお願いします!!
アーディちゃんについて
-
爆死
-
生かす