創作のモチベーションになってます!!
原作を進められて嬉しい。ようやくここまで来たかと言う感じです。
・追記
一話において主人公が黒竜と対峙している描写がありましたが、私の消し忘れによるミスです。
構想段階のものであり、投稿時には消したものだと思っていました。読者の方に指摘していただき発覚した次第です。
読者の皆様に混乱を招いてしまい、申し訳ありません。
主人公は、黒竜と対峙した事はありません。
今後このようなミスをしないよう気をつけますので、『オラリオに求めたのは再会と斬り合い』をどうかよろしくお願いします。
「ありがとう!」
「さすが【アストレア・ファミリア】だ!」
工場を出れば空は真っ暗。夕方前には帰って来れていたはずなのに、なんて事をしてくれるんだ
通りを歩いて帰っているわけであるが、その最中に市民に感謝の言葉を送られる。
リオンさんはすごくぎこちない笑みを浮かべて、手を振ろうとしている。
無理する必要はないのでは?
「この中で急に何かを投げつけらたら、絶対にわからないわね」
「まさか民衆に怯えなきゃいけねぇなんて日が来るとはな」
とはいえ、私が言ったのはあくまでも仮定である。本当にやってくるかどうかもわからなければ、もっと悪辣な事を仕掛けてくるかもしれない。用心することに越した事はない。
「お帰りなさい、みんな」
私たちがホームに着けばアストレア様が、わざわざ出迎えてくれた。
極東にいた時も子供達が飛びついて来てくれて嬉しかったなぁ。ああ、子供達が恋しい。輝夜に会う事はできたし、【アストレア・ファミリア】の皆さんとも交流できた。そろそろ帰ろうかな?
これが噂のホームシックというやつだろう。
「アストレア様!」
「ただいま帰りました、アストレア様」
「子供みてえにズラズラ並んで、帰還しましたよ、っと」
「ここまで出迎えていただくと、なんだか申し訳無く思いますね」
「そんなことないわ、夜切。帰ってきてくれた者の無事を喜ぶ。それに神も子も関係ない」
なんとも女神然とした微笑みと、言葉である。
師匠にも見習っていただきたい。あの人凄惨な笑み……もとい嗤いしかしない。
「ましてやこんな時代。
この方は何を言っているのだろうか?
「新妻……アストレア様が……! やっべ、そこはかとない背徳感が……!!」
あなたは何を言っているのだネーゼさん。神をも恐れぬ感想だな。
「なぜあなたは興奮しているのですか、ネーゼ」
やはりこの【ファミリア】の常識人は私とリオンさんだけで、間違いなさそうである。
「ふふ、疲れたでしょう? お風呂にする? それとも食事かしら?」
「あるいは……
君は何を言っているんだ。
「なっ?! かっ、輝夜っ、貴方は!」
ほら、リオンさんも言ってやってくださいよ。意味わかんない事言ってんじゃねーよって。
「あらあら〜? 今、なんのご想像を? 潔癖で高潔で下ネタなど無縁だと澄まし顔をしているエルフ様とあろう者がぁ?」
え? どう言う事?
「隣の蛮族様をご覧になっては? 何のことか全く分からなそうな顔をしていらっしゃいますよ?」
「き、貴様ぁ……!」
待って欲しい。私の知らない身内内で通じ合うような話をしないで欲しい。
「なら私はお風呂をいただこうかしら!」
「そして空気を読まない我らが団長すげ〜」
私が混乱している間にどんどん話が進んでいる。
よくわからないが、アリーゼさんがすごいらしい。さすがは私たちの団長だ。よくわからないけど。
「そうだ、アストレア様も一緒に入りましょう! お風呂もアストレア様も私が堪能するわ!!」
なら、その間私は外で剣を振っていようかな。
「さぁ、アストレア様! 私と一緒に──」
「「「「や、やめろぉ! 不敬な!」」」」
バタバタとなんだかんだ風呂は向かっていく皆さんを見送りつつ思う。
「新妻の件のほうが不敬なのでは?」
多分だけど。
「反省会よ!」
アリーゼさんと一声で全員リビングへと集まる。
風呂も食事も済ませた。毎日露天風呂に入る事ができて私は嬉しい。
そんな事はともあれ、反省会が始まる。
「一般人の被害はゼロ、もちろん冒険者の被害も!」
「相変わらず敵は有象無象ばかり。けれど、決して烏合の衆ではございません」
「ああ、統制されてやがる、この神時代に『質より量』を持ち出してくんのは時代錯誤もいいとこだけどな」
質より量は時代錯誤なのか。単純な数の暴力による敵性勢力の殲滅は、まだまだ使われているものだとばかり思っていたが、どうやら違うらしい。極東ではまだまだ使われているのに。
「……散発的な襲撃はいつまで経っても途切れない。根絶やしにすることもできず、『悪』は未だに嗤い続けている」
「私もいい加減
「そう……でも逸っては駄目よ、リュー、
【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】だった気がする。推定アルフィアなる魔導士の所属している【ファミリア】だ。
あんなのが沢山いたらしいので、ヴァレッタ程度の人間が幹部を務めている
「『古代』から続く人類史の中でも
「……しかし、そのゼウスとヘラも、『黒竜』に敗れた」
私としては黒竜云々は心底どうでもいいので、【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】が健在であった時代に生まれたかった。それなら殴り込み、もとい切り込みに行けたのに。
話が逸れた。
「今日も死者は出なかった!
胸元で拳を握りしめて言う。
「信じなきゃダメ! 地道が一番の近道だって! 私達の不屈は必ず
つまりこれからも頑張ろうと言う話である。
やはり
「その後、ついでに『黒竜』も倒しちゃいましょう! うんうん、いけるいける!」
私は別にいいかなぁ。
人型なら喜んで行くが、噂によればとてつもなく大きいとか。
私がしたいのは、互いに修めた技を用いて戦うこと。化け物の技術も何もない、ただの身体能力の押し付けと戦いたいわけじゃないのだ。
「……団長、私は貴方のその甘言を受け入れがたい。未来を想うことはいい。だが、『現実』は直視するべきだ」
普段よりいくばくか低い声で、輝夜はアリーゼさんを詰める。
「あら、何を言っているのか、輝夜? 私はちゃんと目の前のことだって見ているわ」
輝夜の指摘に首を傾げるアリーゼさん。それから微笑むと、優しい声色で諭すように、そして励ますように言う。
「だって、やるしかないもの。じゃあ、やりましょう」
「……本当に、私と貴方は相性が悪い。私はきっと、貴方だけには敵わないだろう」
これがカリスマというやつなんだろうと実感した。
なるほど、この人がいるから【アストレア・ファミリア】は【アストレア・ファミリア】たり得るということか。
輝夜だけでなくノインさんやマリューさん、イスカさんも、他の団員の人も笑顔を見せる。
輝夜の言葉で浮かんだ不安などなかったかのようだ。
「今日もみんな、私の正しさにひれ伏したわね! フフンっ、さっすが私!!」
「「「「「「「「イラッ☆」」」」」」」」
さて、今日も今日とて
オラリオは強盗やら殺人やらそういう事が少なくていい。あっても万引きや、喧嘩である。何と平和なことか。
今日はアリーゼさん、リオンさんと共に巡回。
アリーゼさんは普段通り、リオンさんは先輩としていいところを見せたいのか、とにかく二人とも大張り切りだ。
得てして、そういう日に限って面倒ごとが起きるのは世の定めであるが、そうならないことを願いたい。
起こるなら、私が切っても許されるくらいの面倒ごとで頼みたい。
「昨日の今日だ、同じ場所を襲撃などないと思いますが……私達は工業区から順に回っていきましょう」
リオンさんの一言で、私達は工業区へ向かう。
昨日焼かれた工場は完全に鎮火されており、【ガネーシャ・ファミリア】の方々の苦労が窺える。ご苦労様です。
順々に回って行けば、最後に通りに出た。
アリーゼさんは、私が初めて巡回に出た時と同じように、この街の活気の無さを憂いているようだ。
リオンさんとしても思うところはあるそう。
あれー? この都市に対して思い入れや、使命を感じていないのは私くらいではー?
「私は人々の笑顔を守れていないことが歯がゆい……」
「リオンと最初に会った頃はもっと酷かったわ」
「リオンさんはいつ頃から【アストレア・ファミリア】に?」
アリーゼさんがアストレア様と共にこの【ファミリア】を創立した、とは聞いていたがリオンさんがいつからいたかは知らない。
「三年前です」
「その頃のリオンったらすごい偏屈で、仲間外れにされた野良猫みたいな目をしていて本当に面倒だったわ!」
少し長い顔をしたリオンさん。
触れてはいけないような経歴の持ち主だったのだろうか。
そんな様子を見てか、アリーゼさんは明るく笑い飛ばした。
とはいえ、
「偏屈野良猫エルフのリオン……」
「ツキサキさん! 変な呼び方をしないでください!!」
「はいはい、わかりました。リオン先輩」
「あんまり揶揄わないでください!」
アリーゼさんのリオン評が面白かったからつい。
ここでは別れて見回りをする事になったので、見回りついでに何か食べ物を買ってあげよう。
え? お金の心配? 気にしないで。私結構持っているんだ。ええ、定期的にお金の方から向かってくるんですよ。
何故かすごく疑われてしまったが、ひとまず離脱できた。後はしっかりと見回りをしたついでに、リオンさんに食べ物を買ってあげれば本日の
「おや、ライラさんじゃありませんか」
「夜切ちょうどよかった、アリーゼは? って……何持ってんだよ」
「じゃが丸くんです。私はそこまで好きじゃないんですが、リオンさん喜ぶかなって」
「巡回中にすることじゃねぇよ」
「む、しっかり終わった後に買いましたとも」
流石にそれくらい弁えている。
「それで、どうかしたんですか? この辺りは私とアリーゼさん、リオンさんで回る予定でしたが……」
「追加の仕事……一々説明するのも面倒だ。アリーゼとリオンを見つけてからな」
もしかして
私の考えを見透かしたように、そんなんじゃねーよと呆れた様子で否定するライラさん。ですよねーって感じだ。
さっさとアリーゼさんを見つけて仕事も終わらせよう。
「アリーゼ」
アリーゼさんとリオンさんを探し出して少々。
「あら、ライラ? と、夜切??」
「ありがとうございます。もう降ろしていただいて構いませんよ?」
「はいよ。しっかしお前、軽いな」
多分貴方達がおかしな身体能力をしているだけだと思われる。
「なぜツキサキさんはライラに、抱かれて降りてきたんですか?」
「民衆からは結構喜ばれましたよ」
「ふつー逆だろ」
私は、所謂お姫様抱っこをされてここまで運ばれてきた。屋根の上を自分よりも体の小さい女性に抱えられて走る、なんて体験はなかなかあるものではない。いい経験をしたと思う。
「そんな事は置いておいて、詳細を」
「そうよ、そっちの巡回はもう終わったの?」
「ああ、終わった。終わって『別件』だ。『きな臭え動きがあるから網を張れ』だとよ」
アリーゼさんとリオンさんの纏う雰囲気が変わる。
「指示は誰から?」
「決まってんだろ」
ニヤリといい笑みを浮かべた。
「アタシの愛しの『勇者』からだ」
────────────────────────────────
「うあああああああ?!」
地下迷宮に冒険者の悲鳴が、絶叫が轟く。
あたりには血飛沫が舞い、死の匂いが漂っていた。
「い……
「『冒険者狩り』?! ちくしょう、おちおち迷宮も探索させてくれねぇのか、あいつらは!」
「に、逃げろおおおぁっ!」
Lv 2の上級冒険者達は悲鳴をあげ逃げ惑う。
ダンジョン18階層。モンスターの生まれない
地下迷宮であるのに『青空』が見えるという、ダンジョンがいかにこの世界にとって異質なものであるか、ありありと現れている階層である。
「おやおや、逃げるのですか?
冒険者が逃げ惑う中、
くすんだ血の色をした頭髪。右手に提げられた短剣は、
足もとに転がる死体の側を歩み、息のある冒険者の首を、
「そこは戦うべきでしょう! 『英雄』とまでは言わなくとも! せめて『冒険者』の名に恥じぬように!」
「それができないというなら……失望する私を、どうか血の宴で楽しませてもらいたい!!」
何かに酔っているような振る舞いから、一変。地を蹴りつけ、近くにいた冒険者に切り掛かる。
「う、うわぁあぁあぁあああ?!」
避けられぬ死の運命に少しでも抵抗せんと、冒険者は絶叫する。
「させるか、阿保」
「!」
瞬間、女の声と共に振るわれた刀の一閃が、血に染まった短剣を二つに割った。
「まーた当たったぜ、フィンの読み! どうなってんだアイツの頭! マジで結婚してやってもいいぜ、一族の勇者様ぁ!」
「超絶無理に決まっています、ゲスな笑みを浮かべる狡い
ヴィトーは短剣が切り裂かれた事に驚きつつも、素早く飛び退き距離を取る。
ライラはフィンの読みが当たった事に歓呼し、輝夜はライラの眼を見て馬鹿なことを言うなと吐き捨てる。その間もヴィトーに対して、一切の隙を見せる事はない。
「ここは私達に任せて、早く逃げて!」
「す、すまねぇ!」
最後のアリーゼの言葉に、冒険者達は従いすぐさま逃げていく。
「はて? 貴方がたは……?」
「非道の行いは見過ごせない、正義の味方よ!」
新手の登場と口上に、首を傾げるヴィトー。
「正義……? あぁ、【アストレア・ファミリア】の」
なるほどと頷き、柔和な、しかし最大限の侮蔑を込めた笑みを浮かべる。
「なるほど、なるほど。実に小賢しく、叶いもしない、ご大層な信条を掲げる愚人の方々でしたか」
「安心しろ、我々が愚物なら貴様等は屑だ。お前程度の中途半端な気狂いは、さっさと斬って終いにしてやる」
短剣を抵抗なく切れた事から、目の前の男の技量を測る。ここまで来るまでに見た冒険者の様子から見てかなりの手だれ。しかし、ここ一月ほど、文字通り死ぬ程斬り合ってきた夜切には遠く及ばない。
確実に殺せる。
そう思うも、周りを取り囲んでいるのは白いローブを纏った
「……どうして『冒険者狩り』なんてするの? お金や魔石が目的?」
「何故、と問われましても……困りますねぇ」
冒険者を全員逃し、それから尋ねるアリーゼの言葉を、心底わからないとばかりに笑う。嘲笑う。
「貴方達は美しいモノを観るのに、理由を必要としますか?」
何かがおかしい男の雰囲気に、怖気を感じるアリーゼにライラ。
「あぁ?」
訝しむ二人をよそに、大袈裟に芝居懸かった振る舞いで自らの頭上を、地面を指し示す。
「澄み渡る空を仰ぎたい」
「色とりどりに咲く花々を愛でたい」
「私の欲望は、それと同じ」
「この不完全な世界で……最も鮮やかな血というものが見たいだけ」
狂気。或いは狂喜。真っ当な感性をした人間ではない。
不快感を感じる笑みを浮かべたままの男の主張は、アリーゼ達の理解の範疇を超えていた。
その常識を逸した思考回路は、あまりに異質で、そして異端であった。
男の狂気に場が支配されようかと言う時、静かに輝夜の言葉が投げられた。
構えていた刀を降ろし、自然体。なんて事ない、世間話をするかのように問いかける。
「…………貴様は神を切ったことがあるか?」
唐突な質問に笑みを消し、何を言っているのかわからないという表情をするヴィトー。
「はて? 質問の意味がわかりませんが……そんな経験はありません」
だろうなと、刀を撫でながら頷き言葉を続ける。
その態度に眉を顰めるヴィトー。
「やはり貴様は中途半端だ」
「何を?」
「私の知っているイカれ剣狂いは、神を切ったらしい」
「一人は神を送還。一人は殺さずに四肢を削いで二度と刃向かう事がないように言わせたそうだ」
続けて輝夜は、獰猛かつ好戦的な笑みを浮かべて言う。
「それに比べれば、人の血しか見たことのない貴様は───随分と中途半端なイカれ具合だな?」
何を言われたのか分からない、そんな表情も一瞬。
ヴィトーは額に手を当て笑う。否嗤う。
「は、ははは、まさかこんなことを言われるとは! それも【アストレア・ファミリア】の人間から!」
男の雰囲気が変わった事に、ライラとアリーゼは身構える。
「───よし。貴方みたいな人は、一生牢獄の中にいた方がいいわ。うん、決まり。私が決めたわ」
アリーゼの言葉にニタリと嗤いを深めて
「それはご免です」
『悪』の一端と『正義』を掲げる者同士。
ここに、戦いの幕が切って落とされた。
爆死したら…夜切くんが「よく空白の時間を作ってくれた」とアーディさんを褒めてヴァレッタさん生捕り。リオンさん夜切にぶちぎれ&曇る。
生き残ったら…ヴァレッタさんは捕まえられずに夜切とアーディさん一時戦線離脱。翌日から
今回夜切くんは、恩恵がないのでダンジョン入るなと止められました。まぁ、闇派閥が襲ってくると聞いて行かないわけないんですけどね。
次回ヴィトー死す()
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アーディちゃんについて
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