こんなに感想をもらったのは初めてです!
めちゃくちゃ嬉しい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
第三者視点?がメインです。オリ主がようやく戦います。
私は今回初めて戦闘描写をしましたが、これ難しくないですか?
迫力のある描写をされている作者様は本当にすごいと思います。
私は工場の敷地内にある少し高い倉庫の上から、捕え漏らしがないように警戒をしていた。
【アストレア・ファミリア】の団員が工場は入って行ってからいくらか経つが、戦闘音が止みそうもない。
工場内部の【アストレア・ファミリア】は苦戦しているのだろうか? 音だけで力量を測るなんてことは、私にはできないので状況がわからない。闇派閥の戦力なんてもちろんわからないし、そもそもアリーゼさんやリオンさんもどれくらい戦えるのか知らないのである。
これが終わったら一度立ち合ってみようか。
警戒を続けている私だが、なかなか逃げ出してくる者がいない。
逃げ出す人間がいないほど質が高いのか、それとも【アストレア・ファミリア】の面々にきっちり捕えられているのか。
一人くらい逃げてこないものか。
逃げ出してきた者など大した相手にはならないだろうが、一人も斬れずに終わってしまうよりはましだ。
できることなら、それなりのLvの人間と死合いたい。
おや、ようやく一人出てきたな。中の団員達はうまくやっているらしい。なかなか出てこないからつまらなかった。出てきたのは黒いローブを身に着けた人間だ。一般人の可能性もゼロではないが、歩き方からしてその可能性は低そうだ。戦える人間の歩き方だ。
さて、初仕事と行こうか。
全く、長い待ち時間だった。
輝夜には悪いが、ここは戦場だ。うっかり斬り殺してしまっても仕方がないことだろう?
どうか斬り甲斐のある人間であることを願って、私は闇派閥であろう人間の前へに飛び降りた。
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「ったく、正義の使者様も大変だなぁ? 毎回毎回こんなところに来なきゃいけないなんてなぁ?」
魔石製品工場の襲撃を指揮した女。ヴァレッタは、信者と【アストレア・ファミリア】の戦いを観察していた。
既にかなりの数の信者が無力化されているが、ヴァレッタの表情に変化はない。どころか【アストレア・ファミリア】の冒険者達を馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
今回の襲撃の目的は、冒険者側また邪神の信者どもの戦力の確認である。───無論それだけが全てではないのだが。
ある程度どちらについても把握したため、【アストレア・ファミリア】の人間に気取られることのないように気配を殺して工場内から離脱することを考える。
外は何人かの冒険者が囲っているようだが、【ガネーシャ・ファミリア】が到着した様子もないため、人手が足りていないのか包囲に穴があった。
(正義の使者様もせっかちだな。こんなもんオレに逃げてくださいって言ってるようなもんじゃねぇか)
人がいる方向を避け、工場内から離脱を成功させる。
あとはここから離れるだけだというところで、空から何かが降ってきた。
「───っ?!」
反射的に後ろへと跳び、距離を取る。
「───こんばんは。夜に一人で出歩くのは危険ですよ。ましてや、こんな時代にこんな所を」
その人間はこの場にそぐわない柔らかく落ち着いた声色で話しかけてくる。
「なんだ? お前。【アストレア・ファミリア】の新人かぁ?」
ヴァレッタは、降りてきた者に返事をしつつ観察をする。
目の前に現れるまで全く気配を感じ取れなかったことに苛立ちを感じるとともに、Lv 5を相手に気取らせずに現れたこの人間に警戒を強める。
黒く美しい長髪をおそらく腰の辺りで一つに纏めた
何よりも目を引くのは、その容貌だ。切れ長ながらも穏やかそうな瞳。すっと通った鼻筋に、先ほどから常に優しい笑みを浮かべている口元。エルフに勝るとも劣らない美しさを放っている。
「【アストレア・ファミリア】の新人……間違いではありませんよ。それはともかく、私の仕事はここを襲撃した
男は変わらぬ笑みを浮かべながら尋ねてくる。
すぐ側の工場内では【アストレア・ファミリア】が戦っているのにも関わらず、この男は一切の真剣味なく言葉を発している。少なくとも義憤に駆られていたり、正義を掲げているような人間ではないように感じられる。
(【アストレア・ファミリア】の奴らは全員仲間思いの餓鬼かと思ってたが、そうじゃねえヤツもいるのか)
そう思考しつつ、歩み寄り彼我の距離を詰めていく。
「おや? 素直に拘束されてくださるとは。楽な仕事で助かります」
下を向いて、観念して投降するかのように見せると、男ほまるで抵抗してくれた方が良かったとでも言うような雰囲気を醸し出す。
そのまま近づき、己の武器である
「はい、捕まります───なんていう奴がいるわけねぇだろ!」
大剣を男に対して振るう。その際にローブが落ち、素顔が晒される。
Lv 5による完全な不意打ち。
精々高くてもLv 2程度の新人冒険者が避けられる一撃ではない。
ヴァレッタは男を捉えたことを確信するが、次の瞬間目を見開く。
「どうしましたか? 武器を捨てない、衣服を取らない、そんな状態で近づいてくる敵に対して私が油断しているとでも思いましたか? 思われたようでしたら貴方の目は節穴であったと言わざるを得ません」
いつの間に抜いたのか、刀を大剣に沿わせ軌道をずらす事で、お返しだとばかりに腹部を蹴り付けられる。
まさか反撃をされると思っていなかったヴァレッタは受け身を取ることなく飛ばされる。ゴロゴロと転がり追撃に備えたが、男は刀を抜いたままであるものの追撃をしてくる様子はない。
「まさか貴女が女性とは思っていませんでした。誰も彼もが恩恵を授かるだけで簡単に超人になれる時代ですから、女は戦場に出てくるななどとは言いませんけれどね」
「チッ、お前Lvいくつだ? 【アストレア・ファミリア】にLv3以上はいなかったはずだ」
肉体にダメージはなかったが、それでもこの男の反応速度やカウンターの仕方はただの冒険者ではない。
これからの計画の修正も視野に入れ、面倒であるが情報を得るため会話に応じる。
「Lvですか、そうですね…………私もLv 3ですよ。ええ。Lvの差などどうでもいいのです。ですから早くかかってきなさい。
「そんなとってつけた様な言い方でオレが信じるとでも思ったか?」
破壊音が少なくなってきたことから、工場内の信者が拘束されつつある事を察する。
他の【アストレア・ファミリア】のメンバーがここへくるのも時間の問題だと考えつつも会話はやめない。
武器である大剣を担ぎ、いつ攻撃をされても対処できる様に構えておく。しかし何故か男との距離感が掴みづらく、間合いを測ることができない。そこに存在しているはずなのに、ゆらゆらと揺れて存在しない様な……輪郭が朧げに感じられる。
ようやくオラリオを崩す算段がついたのだ。こんな些細なことで計画を邪魔されては困ると、眼前の男の情報を得るために会話を続けようとしたヴァレッタだったが、上手く事が運ぶことはない。
「来ない様でしたら、私からいきましょう」
会話を続けようとするヴァレッタに痺れを切らしたのか、男が切り掛かってくる。切り付けんと男が踏み込んだことで距離が近づいているはずだが、ゆらゆらと揺れる朧げな気配はそのままである。やはり距離感を掴む事ができない。
「チッ! なんだぁ?! めんどくせースキル持ってるなぁ?!」
たまらずヴァレッタは横へ跳ぶことで距離を離す。
おそらく距離感を誤魔化すスキルだろうと当たりをつけ、どうしたものかと考える。この場でこの男と遭遇したのが不幸と思うか、この場で男の存在を知る事ができて幸いだと思うか。
「始めの一撃以外逃げてばかりではありませんか。ほら、私を斬らなければ、殺さなければ此処から逃れることはできませんよ。ですから───私と斬り合いましょう!」
「お前! どう考えても【アストレア・ファミリア】に居ていい人間じゃねえよ! オレたち側だろ!」
先ほどまで浮かべていた柔和な笑みを消して、代わりに凄惨な笑み顔全体に刻み込み、嗤いながら男は開いた距離を一瞬で潰し刀を振るう。
「失礼ですね! 私は
首を目掛けて振るわれた刀を、これまでの経験からの勘でどうにか避ける。
Lv 5のヴァレッタですらほとんど見切ることのできない刃が連続して振るわれるが、その全てをギリギリで捌ききる。未だ切られてはいないものの、ヴァレッタに余裕はない。
「クソが、動きがLv 3じゃねぇぞ。Lv偽装か? ちげーってんならどんなスキル持ってんだお前」
「ふむ。この程度なら対処できますか」
顔を歪め悪態をつくヴァレッタとは逆に、笑みを深める男。互いに視線を外さない。
「では、少し上げましょうか。どうかこれで倒れてくれませんよう」
「は?」
視線は外さないでいたはずだが、ヴァレッタが気づいた時にはすでに吹き飛ばされ宙に浮いていた。
男の腕はいつの間にか振り切られており、鈍い衝撃が全身を駆ける。
殴られたみてーな衝撃ってどう言うことだ?!
工場の壁に叩きつけられ、身体から空気が漏れる。
「これでは未だ意識が飛びませんか……恩恵持ちと言うのは随分と頑丈なようですね。実際に人間相手に使ったのは初めてですが、意識外の攻撃はかなり効果的であるようで」
そう言いながら男はゆっくりと近づいてくる。
先の一撃で身体がかなりのダメージを受けたようで、立ち上がり構えることはできたが、反撃するような余裕はない。
周りから戦闘音はすでになくなっており、【アストレア・ファミリア】の団員だろう。走って向かってくる音が聞こえる。
「投降して情報を吐きなさい。これ以上やってしまうと、私は貴女を殺してしまいそうです。貴重な情報源を殺してしまっては私が怒られますからね」
この男の中ではもう戦闘は終わっているのだろう、すでに男は始めのような柔和な笑みに戻っている。
オレができることは
「ツキサキさん! 無事ですか?!」
一人のエルフが合流してきた。確か、【疾風】だったな。ちょうどいい、【アストレア・ファミリア】の中じゃ一番楽だ。
「リオンさん。ええ、私は傷ひとつありませんよ。今からこの女性を拘束するところです」
男がエルフに視線を向けた瞬間、万が一のために懐に仕込んでおいた物を起動装置を押してエルフと男の間に投げる。
エルフは呆然とした顔でそれを見つめ、男は一瞬でそれを切り裂く。
が、もう遅い。
瞬間、辺りを閃光が駆け抜ける。
すぐ側にいたエルフと男は間違いなく目を焼かれて動けない。
「ヒャハハハハハハハハハハハハ! 油断したなぁ?! とっととオレの事を殺すか、動けないようにすればいいものをよぉ! 無駄に遊びやがって! だからこうやって逃げられんだよバーカ!」
この男は面倒だ。動けないうちに殺しておくべきだ。
自分を一方的に嬲ってきた男を出し抜いたことで興奮していたが、ヴァレッタの冷静な部分がそう判断し大剣で、目を押さえている男を切り付ける。
───おまけにお前は退場しとけよ! 男ォ!
今度こそ殺したと確信を持って言える。
─────────はずであった。
瞳を焼き、動けない状態。加えて【アストレア・ファミリア】のエルフのいた方向から切り掛かった。今できる最善をヴァレッタは間違いなくこなした。
しかし、現実として男を切ることは叶わなかった。
それどころか、ヴァレッタ自身が男に斬られていた。
腹を横一文字に裂かれる。内臓までは到達していないが、決して浅くない傷を負う。致命傷ではないがこのまま放置できる傷でない。
先の一撃で男を殺せなかった以上、この場で男と戦うことはできない。それに加えて、【アストレア・ファミリア】の増援がすぐそこまで来ている事を感じたヴァレッタは失敗を悟り、増援が到着する前にこの場から離脱する事を選んだ。
切られると同時に、斬り飛ばされた勢いを利用して全力で刀の間合いから離れる。
ヴァレッタの方向を向きながら、エルフを庇うような位置取りをしている。男は追撃を加えようとせず、ヴァレッタを警戒するに留めているようだ。
いくら戦闘力が高くとも、Lvの差による身体能力の差は埋めることが出来ないだろうと考えたヴァレッタは、吹き飛ばされながらも腹から流れ出る血を力を込める事で無理やり減らし、男とエルフの状況を確認することなく全速力で工場から離脱した
間合いを把握させない、視界を潰しても敵を把握するの少なくとも二つの厄介なスキル。Lv5を相手に切り結ぶことの出来る実力。
一人で計画を破綻させることは出来ないだろうが、それでもあの男は危険だ。
────────────────────────────────
「申し訳ありません。敵に逃げられてしまいました」
私が相手をしてまんまと逃げられてから数十分経った。
あの時、女が懐から何かを投げた事に気がついた瞬間に切ったが遅かったようで、辺りが瞬間的に明るくなり目が潰されてしまった。リオンさんの声に反応してそちらを向いてしまったのが間違いだった。武装を外させていないのに油断をして、いいようにやられるとは……なんと情けない。
無力化するまで油断などしないと言ったのにも関わらず……何をやっているんだ私は。ネーゼさんにも誰も通さないと宣言したのに…………。
「どうせ遊んでいらっしゃったのでしょう? わたくしが直前に申し上げましたのに……情けのうございますね」
「返す言葉もありませんよ。最後に油断してしまいました。次は必ず捕えます」
「そうですか、
「それは……本当に申し訳ありません。確かに仲間の事考えていませんでした」
「輝夜、あれは私のミスでもある。あまりツキサキさんを責めないでください」
「あらあら、エルフ様はお優しい事で。けれど、わたくしは何も間違った事を言ったとは思っていません。話を聞くに、その男が拘束しないでいた事が原因でございましょう?」
かなり詰められたが、どれも正しい事を言っていると理解している。
仲間を気にするようにか。今までずっと一人で戦っていたから、自分の失敗が仲間を危険に晒すという発想が無かった。まさか集団で動く事にこんなしがらみがあるとは思ってもいなかった。しかし、面倒くさがって彼女らをわざわざ危険な目に遭わせようなんて事は思わない。
今回あの女を逃してしまった事は擁護することの出来ない失態である。
「それくらいにしておきましょう? 夜切はこれから気をつけてくれればいいのよ! さぁ、ホームに帰りましょう! アストレア様が待っているわ!」
会って二日目の【アストレア・ファミリア】の団員では私の失態を責めにくい。だから輝夜が代わりに責めた。それをリオンさんとアリーゼさんに庇われる。やっていることが最悪だ。
【アストレア・ファミリア】の雰囲気を壊さないように、気をつけなければいけない。
これからはすぐに足を切り落として、動けないようにしておこう。
そうすれば逃げられることもないだろうし、私の斬りたいという欲求も満たされる。
それにしても、あの女に放った最後の一撃。
私は胴体を真っ二つにするつもりだったが、残されていた血痕と手応えからして内臓にすら届いていないだろう。
想像以上に硬い。吹き飛ばした際になんとなくの硬さは理解していたはずだが、甘かったようだ。深い傷をつける事は叶わなかっただろう。
しかし、恩恵持ちの身体が相手でも私の技術で傷をつけることが出来ると知れたのは大きな収穫だ。恩恵に拠るものでなく、ただの人間の研鑽で神の血を超えることは出来る。
とは言え逃したことに関して、私の未熟さが露呈してしまった。
油断する。感覚を誤る。どちらも戦う人間としてやってはいけない失敗だ。タケミカヅチ様がこれを見たら間違いなく私を叱るだろうし、タケミカヅチ様が私の立場なら難なくこなしていた仕事だろう。
どうにも鈍っているようだ。極東にいた頃──と言っても二週間程度前──ならば、こんな事になっていないはずだ。
息を吐くことで、意識を切り替える。ひとまずはホームに戻ろう。反省はそれからでも出来る。
崩れた工場を背に、私は【アストレア・ファミリア】のメンバーと共にホームへと歩き出した。
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アーディちゃんについて
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