ロリ程危険な存在はいない   作:祝福

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何も無い、意思も無い




※難産でした。
※割と本気で
※ソシャゲをハシゴすると口からウェルチアース吐きそうになるレベルで忙しいですね



※今回は確信に迫る内容が1部あります。
※ウェルチアース飲みながらご覧下さい。
※エビ漁船に連れてかれる可能性はあります


第2幕 Nihil, nihil est intentio

 

 

 

 

 

飛び込んできた異形を全員が散開して回避する。

轟音とともに土煙が舞う。収まると、抉れた地面の中に異形が居た

 

「……当たったらやばいわ」

 

「でも、制御出来てなさそうね」

 

アルとヒナの発言が現状、異形に対する感想だった。

穴から這い出てきた異形は、ヒナに向かって飛び込んできた。

ヒナは横に避け、異形は再度穴を作り出す程の威力の攻撃を地面に放った。

土煙が舞い、何も見えなくなる。

 

その中から異形が飛び出してきた

 

「な──」

 

ヒナに体当たりが直撃し、右に弾き飛ばされる

 

「委員長!!」

 

「ぐ……無事よ」

 

受け身を取って立て直すも、左腕が傷だらけになり、血塗れになっていた。

痛みで顔を顰めたが、左手を軽く揺らして動けるのを確認して、MGを構えた

 

「全員、ヒットアンドアウェイ(撃ったら逃げる)。適当なライフルで頭を撃たれる方がまだマシな痛みよ」

 

「誰が適当な銃ですってぇ!?」

 

『言い返す暇なんてないですよ!撃ったら逃げるを繰り返して!』

 

「りょーかい」

 

カヨコがスキルを使う。すると少しよろけ、見当違いな方に腕を振るい、地面を軽く抉る。

ヒナとアルもスキルを使うも、効いている様子が無い。

身動ぎも無く、走ってアルの方に向かっていく

 

「これでも喰らいなさい!!」

 

ハルナのスキルが直撃する。

右腕に穴が空き、バランスが崩れて顔から地面を擦りながら樹木にぶつかる。

千切れかかった腕から血を流し、首を捻りながらハルナの方を向いた

 

good bye

 

全員が視認出来ない速度で、ハルナを左の拳で殴り飛ばす。

地面を転がり、止まる。

咄嗟に防いだのか、右腕が変な方向に曲がっている。

 

「ハルナ、腕が……」

 

「どうってことないですわ」

 

何事も無いような立ち振る舞いで立ち上がり、左でSRを拾って持つ。右腕は力なく垂れ、出血もしているのか、指先から血が滴る

 

「回復を!」

 

「止血だけで良いですわ。応急処置の暇も無いのですのよ?」

 

チナツから受け取って止血剤入り注射器を右腕に突き刺し、押して入れ込む。

慣れているのか、顔を顰める事なく入れ終わり、注射器を投げ渡す

 

「これで充分ですわ」

 

(……なんてハードボイルドなのかしら!参考にしたい……けど)

 

心配は余所に、異形を視界に入れ続けるアル。

ヒナ共々攻撃が効かない、カヨコをあの火力の中に放り込むのは得策じゃない。狙撃が効いたハルナは右が使えない。

 

(かなりピンチね。ハルナの攻撃が1番効いているから、如何にハルナの狙撃を正確に当てるかが重要。私と風紀委員長の攻撃は効かない。なら、1つしかないわね)

 

──カヨコで足止め。視線は私が、風紀委員長が支えてハルナの狙撃。これしかないわ

 

思い立ったら直ぐ行動。アルはヒナにハルナの傍に行くように言い、異形の前に躍り出る

 

「こっちを見なさい!」

 

スキルで頭部を撃つ。当然効かないが、顔がアルの方を向いた。

 

「カヨコ!」

 

「任せて!」

 

真後ろに移動したカヨコが、スキルを使う構えをする。

異形が後ろに腕を振るうも、アルの射撃によってバランスを崩して虚空を振るう事となった

 

「怯め!」

 

「gua…!?」

 

スキルを放たれ、大きく怯む。

チャンスとみたハルナが構えるも、バランスが悪いのか、異形に狙撃が当たる事無く地面に小さな穴を開けただけであった。

 

ヒナが右手でSRを掴んで、異形に銃口を固定する。

 

「これでどうかしら?」

 

「助かりますわ」

 

スキルを発動。

スキルを使っても一切ブレない、性格無比な神秘の籠った狙撃は、動き出す寸前の異形の頭部を撃ち抜いた。

 

大きく、体勢を崩した。

 

 

「今だぞ!!やってやれよ、ドラゴン!!」

 

 

半分白く、半分黒い、東洋の竜が森の奥から現れた。

口を開き、白いブレスを放ち始める

 

「遅いですわ!!」

 

「すまねぇな!奴に対しての1番の有効手段なんだよ!」

 

遅れて出てきた赤ずきんの手には、白と黒の勾玉が1つになった物を握っていた

 

「私が此奴らの契約者となって、1つになる事を承認した。それで、あんなモンになったってわけだ」

 

「元々は1つなんですのね。勇ましくて良いですわ〜」

 

作戦があると聞いていたハルナ以外の面々は、ドラゴンが出てくるとは予想してなかったようで、驚愕の表情で赤ずきんをみていた

 

「ああ……此奴は元々、というか私もだが、研究所にいたんだよ。それで途中までいたあの魚で部屋の前を通り過ぎたあと、ドラゴンになったのを覚えたんだよ。似たようなモンがくっつけばそうなるんじゃねぇかなってな」

 

「へぇ……」

 

ヒナは相槌をうつ。アルは納得はしたものの、想定外のファンタジーが目の前で繰り広げられてるのを、カヨコと一緒になって眺めていた

 

「終わった後もまだ倒れてないかもしれないから……」

 

「すごい勢いでアレを焼いてるように見えるけど、普通ならもう倒せてない?」

 

「ボスよボス。油断しちゃダメよ」

 

ブレスを吐き終わったのか、ドラゴンは光を放ちながら分裂し、白と黒の金魚に戻った。

じっと異形の方を向いたまま動かない

 

「……g…ga……ga……」

 

千切れかかった右腕が治っているものの、何とか立ち上がった異形。

それを警戒し、赤ずきんがハルナの前に出てHGを構える

 

「しぶてぇ奴だな」

 

「あれだけ焼かれても無事なのは、頑丈にも程があるわね」

 

ハルナを支えながら、ヒナが感嘆とする。

 

「可愛らしい姿に戻っちゃいましたわね」

 

「1回が限界だそうだ。そりゃあ、私も含めて弱くなってるからな」

 

「そうなのかしら?」

 

「ウチらは人間から出てきたモンなんだよ。でも、あの赤いバケモンは中身に人間がいるな?だから影響が小せぇんだよ」

 

「……じゃああの異形は本来の力なの?」

 

「そうなるな。お前ら、よくあれだけ戦えるモンだと思ったぜ」

 

ゲヘナ屈指の実力者が集まって、これだけの負傷を負わされたのである。弱体化してたら、もっと楽だったという事である。

 

「……ん?中に人間?」

 

「おう、あの何も無いの中に人間がいるぞ」

 

アルが口に出した言葉に、赤ずきんが答える。

 

震えながら立ち上がった何も無いが、ガラスが割れるような音と共に崩れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──あの時。なんで呑気にいつも通りの明日が来るなんて思ってたんだろう」

 

雨が降る、トリニティの庭園へと全員が移動していた。

雨に打たれる、1人のトリニティ生が庭園のベンチに座っていた。

 

「1人で食べるお弁当。味が無いような気がして、つまらない日だった」

 

独白が響く。全員が静かに耳を傾ける

 

「手を差し伸べてくれた。光が、差し込んだんだ」

 

雨が強くなる。俯いたままの生徒が立ち上がり、空を見上げた

 

「だけど──」

 

空が、赤く染まった

 

「──死んじゃってたんだ

 

鐘の音が響く。枯れていく庭園の植物

 

「ああ、だから。あの彼女は、本当のエンジェじゃないって」

 

こちらに向いた顔は、両目が無く、黒い空洞が空いて、そこから血の涙を流す──レイサがいた

 

「ああ、私には何も無いんだって、何も残ってないんだって、分かったんだ」

 

覚束無い足取りで、ゆっくりとヒナ達に向かってくる

 

「でも、蘇るなら。また、会えるなら、望んでも、良いよ、ね?」

 

言葉も途切れ途切れになっていき、ヒナの目の前まで移動してきた

 

「あ、とは お がい。 エ ジェ を たす て」

 

血溜まりとなって、崩れたのを皮切りに、元の景色──暗い森へと戻る

 

「──貴女は、それでよかったの?」

 

ヒナの目の前には、顔の半分の皮膚がない宇沢レイサが倒れていた。

ヘイローが消え、生々しい姿を見たアルが軽く悲鳴を上げ、カヨコとチナツは目を逸らした

 

「貴女は、守れなかったのね。だから、砂漠の中にある1つの砂粒を探すような事をして、藁にもすがる思いで、試練に参加したのよね?」

 

ヒナの言葉に、誰も答えない。

赤ずきんはそれを見て、何も言わなかった

 

「その覚悟、確りと見届けたわ。エンジェに会いたいその気持ちは、命を懸けるに値するモノなのね」

 

「どうやら、私らの知ってる天釣エンジェが、本当のエンジェでは無いような口ぶりみたいだけど……」

 

アルの疑問に、赤ずきんが答えた

 

「アレだろ。肉体は本物だけど、中身は別人って奴だろ?たしか、なんて言ったか……」

 

「スワンプマン、でしたか?たしか」

 

「あれは死ぬ直前の状態の本物と同じ姿になって、本物と同じ日常生活を送る。だけど、そいつは本当に同じ存在なのか?という思考実験よ」

 

「でも、それがそのまま本当に起きたら、それって……」

 

全員の顔が青ざめる

 

 

「あのエンジェが、スワンプマンそのものなの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤ずきんは、レイサの身体を確認する。

呼吸はしてる。安らかな、それでいてなにか憑き物が落ちたような寝顔をしている

 

(気絶しただけだな。まぁ、これが終わる頃まで起きる事は無さげだがな)

 

持っている包帯で顔を覆う。ミイラのような姿になったが、無いよりはマシだろう

 

(アレと一体化するのに、顔の皮膚を対価にしたって所か。けッ!少なくとも何も無いも弱くなってたって事だな)

 

全盛期の力に戻す為の対価と、レイサの目的が合致したという事だろう。じゃなかったら、1人で戦うだろうな、と思う赤ずきん

 

「アレの代償にしては安くすんで良かったな、クソガキ」

 

赤ずきんは悪態を吐きながら、レイサを背負ってヒナ達に追加の報酬を要求するのだった

 






何も無い
「good bye」
弱体化に弱体化を重ねられたが、レイサの皮膚を取り込んだ事によってほぼ全盛期の力を取り戻した。
なお本来は擬態した存在の〇して剥ぐのだが、そこまでの力が出なかった模様。
中身にレイサを入れる事で2重の弱体化を回避。
倒されると収容室に戻される機能のおかげで顔も皮膚以外は五体満足の状態に戻っている


レイサ
世界の宇沢。
ヒナに向けて言った言葉がヒント。
目が覚めるのは、全てが終わった後だろう



ヒナ
想定外の内容が出てきて混乱中。
ドッペルゲンガーと勘違い仕掛けたが、違うと判断した模様


ハルナ
あのドラゴンかっこよいですわね
食べれないのかしら?


陰と陽
弱体化食らった為、合体出来なかった模様。
赤ずきんのおかげで1つになれたが、短い時間しななれなくて悲しい
それでも合体できた事を感謝している模様


赤ずきん
察してる人も多いが、結構な修羅場(脱走鎮圧)をしている,
陰陽の合体を確り見ている。なんなら戻り際に何も無いも見ている
報酬をくれる限りは手伝うつもりでいる。





スワンプマン現象
池で〇んだ存在と、池で〇ぬ直前の存在の姿形記憶服装全部同じ存在が、〇ぬ前と同じ行動をしているが、それが本物かどうか、という思考実験。
レイサがたどり着いてしまった考え。それがゲヘナチームにも伝わり、SAN値が減少した模様
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