ロリ程危険な存在はいない 作:祝福
※赤バーでビビり散らかしました。なんだこれは……怖、エビ取りに行こ……(手遅れ
後書きにエンジェの立ち絵を置いておきます
正確な情報は掲示板形式を投稿する事があるので、その時に
いつも通り昼までに書類を終わらせて、トリニティとの境目を優先してパトロールをする
この辺りは飯の美味い場所が多く、温泉も近くにある為、合宿や観光に来る人が多い
つまり、それを狙う
「あ、ありがとうございます……」
片付けた奴らをSRTの護送トラックに投げ込み、感謝を受け取る
「ここは美味しい店が多い。当然、客を狙う奴らも蔓延る。自衛手段は持ってください」
「は、はひぃぃ!!」
注意をする。そしたら効果音が付きそうな勢いで走って行き、そのまま見送る
「……」
「いやぁこちらとしたら凄い助かりますけど、エンジェさんの異名が独り歩きしてますからね」
荷台を厳重に閉めた中務キリノが寄ってくる
因みに、黄昏はそういう時間になるぐらいに犯罪が増え始めるので、抑制する為にパトロール範囲を広げたタイミングで鉢合わせした奴らが付けたモノだ
決して、意識を夕日の様に沈めたからではない。そしたらもっとエグい名前が付くはずだ。……多分
「嬉しくない」
「一般の人からは英雄扱いじゃないですか」
「英雄、ねぇ……」
「私からしたら羨ましいですよ?周囲に被害を出さずに仕留める人は中々いないので」
警察本部に連絡をしている傍らで、自販機で弾を補充する
──英雄の名は、背負うには重すぎる
なんなら復讐者の方が気楽だ。事実だし
「エデン条約。こちらからすればとっとと制定して欲しいぐらい。変な境界があるから逃げた美食研究会を追うだけで面倒な手続きを踏まなきゃ行けないし、あそこは寄るだけで吐き気がする」
「ああ、連邦生徒会長が提唱した……」
吐き溜めとゲヘナの事実上の和平条約だ
細かい内容は省くが、[いがみ合いを終わらせよう]と言ったモノだ。何せあっちと正反対の性質を持つ生徒が多いゲヘナだ。何かあるとあっちは必ずゲヘナのせいにするし、陰謀めいた事が起きればゲヘナはあっちのせいにする
あっちの裏は本質的にゲヘナの性質をそのまま貴族主義にしたようなモノなので、根元の方で似通っている。つまり、同族嫌悪だ
「破却しようがなんだろうが、とりあえず面倒な手続きを省略できるのを結んでくれさえすれば良いんだ」
「記録を残す必要がある以上、結ばれても同じ事をしそうですけどね」
「手順が少なくなる事が重要。互いの仕事を増やしたくないのは風紀委員にとっては必要な事」
書類を書いてアコに投げれば良いかもしれないが、そういう事以外は首輪をつけて鳴かせないと中々やってくれない。事務系をやれる生徒がヒナ先輩と俺しかいないのが致命的なのだ
ちょくちょくイオリにもやらせているが、任せられる書類があまり無いので、どうしても覚えさせる事が出来ない。事件があったら取り敢えず行かせてるのも相俟って尚更だ
扱いが鉄砲玉だが、それで解決できるならそれで良い
──という事ばかりしてるから進まない矛盾だ。任せようにもイオリ以外だと戦力として当てに出来ない
なので書類を昼までに終わらせてから動くというやり方になった。そうすればヒナ先輩の手が空くので、緊急で呼ばれない限りは教える時間が取れる
代わりに俺が動き回る事になったが、俺よりちゃんと教えられるという安心感がある。何分、教えるのは下手だからな……
キリノと別れ、パトロールを継続
ブラックマーケットとの境目まで来たので、引き返そうとしたところ、ペロロバッグを背負ったトリニティ生が走って行った
……?ブラックマーケットに走っていったのはトリニティ生。普通なら俺のようなタイプしか行かないであろうブラックマーケットに行く奴がいるのだろうか
ペロロバッグが目立つ……隠す気が無いのか、ただの馬鹿なのか
尾行するか
マーケットに入る時は腕章を外し、建物に侵入して屋上まで行く
そこから建物を飛んで乗り継いで行く。髪色のせいで目立つのでこういう風に行くしかない
……オークション会場か
偶に意味不明な物が出されてりしてるが、格安で銃弾が買えたりレア物が売ってたりするので、おそらくペロロ関連の物が目当てだろう
オークションに出る程の物かはさておき、もし買うようで有れば置物になってるペロロ着ぐるみを売り渡すのも手か
──なんかアイスをねじ込まれたようなモノを持ってる
あれはほんとにレア物なんだろうか?と思い調べてみた所、限定物でレア物らしい
ネット通販でも売り切れで、価格が結構なモノだ。スマホレベルだろうか
え、それを買ったのか?
……理解できないが、趣味なんだろう。理解できないが
あの着ぐるみの写真を後で撮るとして、ヘルメット団に囲まれたあの子を助けるとしよう
と思ったが、別の生徒が助けに入ったようだ。詳しく見る為に青いライフルに着けたスコープで見てみる
……アビドスか。砂漠化で埋もれかかってる場所か。マーケットに来てる理由は不明。調べてみるか
そして、[アレ]が先生か。どうやら女性らしい
このまま観察して──いや、成程
「釣り餌とは、褒められたモノでないな」
後ろにいる存在に語りかける
頭部に銃口を突きつけられる
「まぁ、監視しているこっちもこっちだがな」
ライフルから手を離し、両手を上げる
流石に分が悪い。この距離だとHGを抜く瞬間に撃たれて終わりだ
「……」
何も語らないようだ。無害かどうかを見定めてる。続きを話せ、という事か
「……あのトリニティ生を監視していた。今後の為というのもあるが、あからさまに怪しいんでな。トリニティとゲヘナの境界からマーケットに入っていけば、流石に怪しいと思うだろう?」
更に押し付けられ、頭に銃口が当たる
……嘘だと思われてるようだ
「ちなみに、あのトリニティ生がオークション会場に入って、あの人形を持って出てきて、ヘルメット団に絡まれたのを見て助けに入る所を、アビドスの生徒が助けたから動かずに監視を続ける事にしただけだ。……どうだ?」
「……そういう事にしてあげる」
構えた音がした。どちらにせよ、戦うしか無いようだ
「……理由は語った。けど、関係ないか」
「ごめんね。寝てもら──」
裏拳で弾く
「そうも言ってられない事情がある」
白HGを抜き、
「っ!?」
盾に弾かれた
……アビドス生だ
「……見た事がある」
「こっちはないかな」
早い。あの裏拳で崩れた所を狙ったが、防がれるとは
かなりのやり手だ
「こっちは目的を果たした。今から撤退するが」
「させると思う?」
「思わないな」
黒HGも抜き、撃ち込みながら前身
盾で防られる。身動ぎ1つもしないか
これならどうだ
青いライフルで、
鈍い音が響き、盾に弾丸が吸い込まれ──
盾を斜めにして逸らされた
「……成程」
硬い、早い、上手い
屋上だと勝ち目は薄いか
リロードすれば、ショットガンで撃たれるだろう
……仕方ない
黒で撃ちながら、片手で白をリロードする
持ち替えて白で撃ち、黒をリロード
──一気に飛び込む
回り込むも、盾を的確に向けてくる。その横から銃口が覗く
銃口に向けて黒で撃つ。向こうも撃ち、相殺される
散らばった弾が掠るが、気にせずに思いっきり殴り飛ばす
先生がいる方にだ
「な────!?」
「これでお相子だ」
撤収だ。次会う時は正面から会おう
「……やられた」
小鳥遊ホシノは、先程のゲヘナ生が居なくなった屋上へと足を運んでいた
殴り落とされたが、何とか誰にもバレずにすんだ。おかげで余計に疲れた
あからさまに怪しい奴だった。だが、一応経緯はわかったし、それが本当であったのも予想が付いている
それでも倒すだけ倒せば良い、と調子に乗った結果がこれだ。まんまと逃げられ、情報だけ持って行かれたのだ
背後を取っておいてこれだ。負けと変わらない
「……あのゲヘナ生は、一体」
アビドス周辺からあまり出ないのも相俟って、正体が分からず仕舞い。向こうはこっちを見覚えがあるらしいし、確実に調べられるだろう
……考えても仕方ない
先生達と合流しよう
疲れた
が、まだ勝てない相手ではないが……本気では無いだろう
本気だったらタダでは済まないだろう。体術の選択で正しかったな。長期戦は向こうの専売特許だろう
このまま帰るのもアレだ。土産を買ってから学園に戻るとしよう
次の日
昼までに書類を終わらせ、アビドスについて調べてみた
そしたら、土地の殆どがカイザー所有で埋まっていた
……何をどうしたらそうなる?アビドス高等学校以外の土地の殆どがカイザー所有になってる
流石におかしい為、連邦生徒会に連絡する。そしたら
「学区を占有は流石におかしいですね。……どうやら、借金の担保にされてるようです」
との事だ。不正取引でやられた可能性があると言う事で、連絡したら
『正当な取引だ』
と返されたとの事。どう見てもおかしい
「条約違反ですね……先生を伝手にどうにかできないか打診してみます」
「そうして欲しい」
これで幾分かマシになるだろう。最悪自分が行く事も考えたが、あくまで他学区の問題だ
だが、先生からの要請次第だろう。それ次第でどうとでもなる
……足を運ぶだけなら何も言われないか
怪しまれない様に、グルメレビューを片手にアビドスに向かう
アビドスに美味い店があると書かれている。ラーメンか……最近食べてないな
インスタントが精々だった前人生に比べ、手作り系は碌に口にしたことがない
その為、結構楽しみである。量は並を選ぶか。食い足りなければ追加を頼めば良い
道路沿いに着いた。道路の向こう側が砂漠の広大な土地だ。元マンモス校だっただけあり、砂の中に建物が幾つかあるのが見える
……何かを感じ取れる。下……更に下だ
成程、カイザーが欲しいのは下にある物か。神秘かどうかは分からないが、納得がいった
条約違反だから関係ないがな
借金の理由も予想がついた。復興か砂の処理か
この場合なら復興だろうか。砂漠化が酷くて金も足らなくなって……と言った所だろうか
となると、借金の担保が正解のようだ。連邦生徒会が言っていた情報と合致する
これでは不正取引で戻った所で、元の金額の借金は確実に残る。手痛いが、返済額が減る分には問題ないだろう
街中の方に入る
誰もいない。ゴーストタウンになってる情報も合致。前にパトロールで近くに来た時はまだ賑やかだったが、カイザーに追いやられたのだろう
勧告無しでやった可能性も視野に入れるか
稀に車が通るので、大人しく歩道橋を渡る
辛うじて残ってるショッピングセンターも、カイザー傘下の市場になってる感じだ。真っ当な商売だろうが、裏は当然真っ黒だろう
補給も殆ど絶たれ、絶体絶命だからこそ先生を……という事か
事態は深刻だ
直接足を運んで得た情報を連邦生徒会に送る
直ぐに返信が帰ってきた。内容の了承と、先生に情報が行った事がわかった
さて、レビューを確認しよう
近くにあるらしい。あの暖簾が出てる木造の店か
戸に手を掛けて、開ける
「いらっしゃい」
犬が喋っている
キヴォトスではよくある事なので、気にせずにカウンター席に座る
「中々見ないね。どこから来た感じで?」
「ゲヘナからです。このレビューで来ました」
レビュー誌を店主の犬に見せて、メニューを確認する
……どれも美味そうだ
醤油にしよう。チャーシューも付ける
店主に注文し、大人しく待つ
「……どうだい、この辺りは」
「何も無いですね」
「だろうな。みんな出ていっちまったんだ」
「カイザーに立ち退き要求されたんですね」
「ウチもそうだ。まぁ無視し続けてるがな」
「強かですね。好みですよ」
「褒めてもラーメンしかでねぇよ」
「充分ですよ」
──良い匂いが鼻腔を擽る
「お待ちどうさま」
「では、頂きます」
……美味い
熱いのを気にならない美味さだ。焼きそばハムサンドサンチェの味が何処かに吹き飛ぶ
確り煮込まれたチャーシューはスープと噛み合い、麺とのぶつかり合いが無い
一緒に噛んでも違和感無く、喉に入り込む
「美味い……」
「そりゃどうも。確り味わってくれよ」
味わうも何も、美味くて箸が止まらない
これは、他の奴らやヒナ先輩にも教えなければいけないな
「ご馳走様」
「うぉ、はっやいな」
「美味でした。これはリピーターになるしかないですね」
「じゃ、700円だぜ」
会計を済ませて、店を出る
……また来よう
そう思い、少し進んだ先で
「……昨日ぶり」
「そうだねぇ」
歩道橋の上で、正面から邂逅した
小鳥遊ホシノ
ここでの最強は、彼女だろう
「今回はレビューで来た。後、カイザーを調べに来た」
「……そう」
構えはしないようだ。カイザーの名前である程度は内容も理解したのだろう
「大方、先生が信用出来ないって所か」
そう、このアビドスは大人から見放された場所とも扱われてたのだ
特にカイザーによってだ
「……そうだよ」
誤魔化す事をしない。苛立ちも隠さずに、吐き捨てた
「あいつら、ヘルメット団を使って日夜襲ってくる」
「規約違反だな。無論、カイザーが」
「わかってる」
苦虫を噛み潰したような顔でこちらを見遣る
「……で、こっちにすんなり内容を話して。どう言った風の吹き回しで?」
「調べれば直ぐにわかる。ウチらが隠しても意味が無いと思ったからだよ」
……つまり、先生より相談しやすいっと言った所か
「……現在、連邦生徒会が不正取引である事を理由に警告しているが、正当な取引と言い張り取り付くシマもない状態だ。現在の連邦生徒会は機能してないのをわかった上で強硬策を取り始めたようだ。近いうちに襲撃があるぞ」
「……そこまでして。何が目的なの」
「調べた結果、明らかにおかしい部分があったからだ。それが砂漠も所有している事だ」
そう、砂漠だ
普通ならいらないはずだが、何故か砂漠も所有していたのだ
「砂漠の下。そこにあるモノがあいつらの目的……と思われる」
「……何があるの?」
「分からない。だが、何かはある」
砂漠を見ると、黒いトラックが走ってるのが視界に入った
「あれが答えだな」
トラックを指差しして
「採掘機材か何かだろう。兵士もいるようだし、かなり慎重にやっているようだ」
「ほんとに何が埋まってるか分からない?」
「断言できない。感覚でしかないからな」
「それでも良い」
「……神秘」
「え?」
本当に断言出来ない。だが、輝くような……そう、ヘイローと似てるような何かを知覚できた
「……これだ」
頭に付いてるヘイローを指す
「ヘイロー?」
「に近い何かだ」
青ライフルでトラックのタイヤを撃ち抜き、横転させる
規約違反をしている相手に加減はしない。少し躓いてもらおう
「じゃあ、また会おう」
「……ありがと」
……と、そうだ
自己紹介しておかなければ
腕章を着ける
「私は天釣エンジェ。じゃ、今度こそまた会おう」
人前では俺は使わない様に意識している
一応、他校でも礼儀は必要だからだ
「……え?ふうき、いいん……?」
「そう」
「ゲヘナ学園、風紀委員副委員長だ」
思考停止したホシノを放置して、ゲヘナに戻った
「嘘でしょ……」