ロリ程危険な存在はいない 作:祝福
※ターニングポイントでは無く、少し遡った時の話です
※重要情報を出して、本来の世界とは明確に違う部分を開示します
※次回は掲示板形式になります(予告)
※あとがきにスチルを書き起こしました。脳内の映像を文章にするのは難しすぎてウェルチアース飲むわ
※海老漁船行きじゃ
トリニティの一室
ティーパーティーのトップしか入れない場所
そこでミカはナギサと話をしていた
「ナギちゃん」
「……なんでしょう?」
「この際だからはっきり言うね」
冷めきった紅茶と、淹れたての紅茶がテーブルに置いてある
冷めてるのは、ミカの方だった
「私は反対とか賛成とかじゃないの」
「どういう事です?」
「エンジェちゃんがゲヘナに居る時点で、エデン条約は破綻してるから、そもそも結べない。断言するね」
普段は見せない表情で、ミカはナギサを見つめた
ナギサは、ここまで落ち込んだ表情を見た事は無い
だが、聞いてもなおナギサは止まらなかった
「なんであろうと、結ぶまでは続けます。過去の清算はされなければなりません。ゲヘナの兵力を手元に置けるならそれに越した事はありませんし、だらけた下々の者達の鼓舞にもなります」
「違うの!私が言ってるのは」
「わかってますよそんなの!!」
ナギサも普段なら出さない声色となっていく
テーブルを叩いた衝撃で更に置いてあるクッキーが飛び上がり、紅茶が零れる
「直接助けられなくて!!見る事しか出来なくて!!足止めされてたなんて言い訳にもならないじゃないですか!!」
「だったらどうして別の方法を探さないの!?」
「探しましたよ、必死に!!できる手札を使ってまで探してましたよ!!」
ヒートアップしていく2人。歯止めが段々効かなくなっていく
「……わかったよ、ナギちゃん。私なりのやり方で別の方法を進めていくよ。少なくとも、エンジェちゃんのような人を増やしたくないの」
「私はエデン条約を進めます。それは私も同じです」
言ってる事は同じなのに、進む方向が違うのだ
行き着く先は同じなのに、様々な過程が違うのだった
「ミカ、君はエデン条約以外の方法があるって言ったら……どうだ?」
病室での会話だ。三階にある、エンジェがいた病室だ
「あるの?ゲヘナ共とまともに取り繕う事は出来ないと思うけど」
「違う。エンジェとの関わりがある、風紀委員をメインに条約ではなく同盟を結ぶ、という方法だ」
「それは……」
「ああ、現実的じゃないし、ましてはゲヘナの生徒会にも結局話を通さないといけないが、エデン条約程大規模じゃない。どうせエデン条約が制定されても小競り合いは続くし、破られた場合のリスクが大き過ぎる」
「な、成程……?」
「だから小さくして、現状維持と事実上の和平を行う方法として、正義実現委員会とゲヘナの風紀委員を主軸にして、段取りを取って最終的に生徒会同士での話し合いに持っていく。これがエデン条約ではない、第二プラン」
「その、第二プランは……」
「モノクロ同盟。互いに互いの正義が手を取り合う、最高戦力同士が組む強固な色同士が手を組んだらどうなるか……面白い未来に掛けてみないか、ミカ」
「セイアちゃんって……大胆だね」
「薄氷の上じゃ歩むのも怖いんだ。先も分からない上、いつ落ちるか分からないんだ。だったら、ちゃんと固めた土の上を一緒に手を取って、一緒に歩けば先が暗くても、怖くは無いだろう?」
「─────いいね。なんて素敵なアイデアなの?」
「どうだい?乗るか、乗らないか」
「乗るよ。エンジェちゃんなら、どう考えるか……手を取り合う、善い未来を選ぶんかな」
「分からない。だが──」
「間違いではない。私の予知が確かなら、最悪な未来には決してならない。保証はできる」
(セイアちゃんが提唱したモノクロ同盟。私はこっちを優先するよ、ナギちゃん)
双方は色は違えど、掲げる正義は同じだ
ならば、共通の敵がいる事を示せれば、エンジェちゃんは──
いや、戻らなくても良い。戻る訳がない
でも、一緒に買い物が出来るぐらいには戻したい
小さな切っ掛けで良いんだ。大規模な割に中身が不確かで浅いモノより、確実に結べるモノが良い
それに、ちょっと調子に乗り出したナギちゃんにお灸を据える必要がある
だからか、本来釣り合わないアリウス分校を力で従えて、よく分からない変な大人をバックに付けることが出来た
私が居ると戦力で使えるとかなんか言ってた気がするけど、エンジェちゃんと仲直りが出来れば用済みな奴らだ
……同盟が組めたら、エンジェちゃんに手土産として戦力の讓渡ができる
同盟を磐石にして、エデン条約というモノを別物にすげ替える。それで次のティーパーティーは私がトップになる。そうすれば、交流会と称してエンジェちゃんを呼べる……!
──あ、涎出てきちゃった。楽しみでしょうがないなぁ!
言い合いをしていた時の雰囲気は何処吹く風
陽気なオーラを出すミカに通りすがりの生徒はにこやかになり、ほのぼのとした時間が過ぎるのだった
「……絶対に、エデン条約を結ばせますわ」
ナギサは冷めた紅茶を飲み干し、透き通った空を睨んだ
「ええ、わかっています。間違ってる事も、出来ないことも」
ゆっくり立ち上がり、壁にもたれ掛かる
「……地獄でも良いです。シャーレの先生を使い、確実に結びます」
「そうすれば、少しは腐敗を抑える事ができましょう」
ある時、泣いていた子がいました
その子を哀れに思った小さな白い鳥が、正面から泣いていた子を見つめました
どうして泣いているの?
──悲しいの
どうして?
──苦しいの
なんで?
──痛いの
なんで?
──ああ、これは──許せないんだ
やっと、素直になれたんだ
鳥は飛び立ち、1人になった子が翼を広げる
暗き森よ、試練よ
その先に黄昏が待っている
「エデン条約って、知ってますか?」
虚ろな風景
暗い洞穴と森
ケタケタ笑うトリニティ生
ゲヘナ生と一緒に手を繋いで渡る地雷原
「今から……いえ、ここから!!」
復活せよ復活せよ
崩れたトリニティの校舎
瓦礫も上で、ヒフミが手を挙げた
教会で十字に貼り付けられてる、1人の生徒
それを嘲笑う赤い貴婦人
その様子を見下し、隕石を落として潰す1人のトリニティ生
それを見つめて、無表情となった1人のゲヘナ生
「ようこそいらっしゃいました、先生」
「あなたには、試練を受けてもらいます」
「勿論、断る事も出来ますが、あなたなら断らないでしょう」
「協定は崩れたあなたにとって、最後の手段でしょう」
「欲しければ、示してください」
「さぁ、行きましょう。暗い森へ」
「ようこそ、黄昏の試練へ」
Convention Twilight Eden