ロリ程危険な存在はいない 作:祝福
まるで、死んでるように生きてた
いや
生きているのに、死んでいた
第-1話 l'enfer
雨
痛い
寒い
何時もの事だが、キツいものはキツい
鏡を見る
散々殴られ蹴られ、顔に青タンができている
服を脱げば、痣がない場所を探すのが難しい程だ
抵抗をしないのを良い事に──いや、抵抗したら正実を呼ばれるという、地獄が今のトリニティだった
シャワーを浴びる
痛みで顔を顰めるが、耐えなきゃいけない
拭き、そのままベッドに倒れ込む
──この世は地獄だ
鳥の巣から落ちた雛を蹴り飛ばすという、鬼畜が蔓延っているのを見て見ぬふりをしている
怪我から復帰した鳥を捕まえて、翼を傷つけて飛べないようにしてから、籠に放り込む事もする
ゲヘナを卑下してるが、コイツらは醜悪だ
これじゃどっちが悪魔なのかが分からなくなる
ああ、またミカさんに問い詰められるな
コハルやレイサにも言われるだろう
ダメだ。言えば次は彼女らが狙われる
でも──
辛いな
雨
………おなか、痛い
あ、血が出てる
……気絶してる時に、撃たれたらしい
立てない……
頭も痛い
……あ、足が折れてる
さむい
ああ──
憎い……
なんで、こうなったんだろう
1人で食べていたレイサと一緒に食事に行き、はしゃぐ彼女とゲーセンで取った、アクセサリーは……
熱心に読み耽っていた本の続きを、コハルと一緒に本屋で探してた時、オススメしてくれた本は……
ああ、無い
全部、全部無い
────熱い
お腹が熱い
起き上がる
遅い……でも、帰らなくちゃ
幸い、近くだから……
焦げ臭い。なんで
何が燃えてる?
──あ
ああああああああああああああああああああああああああああ
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!
アイツらァァァァァァ!!
やりやがったなアイツらァァァ!!
熱い
せめて、学生証だけでも
あ───
あめ
さむい
いたい
「た
す
け
──…………………………」
「あ」
「え」
「エンジェ………?」
「嘘だよね……?」
「ねぇ、しっかりして……」
「ねぇ」
「エンジェェェェェェ!!!!」
「……何とか、峠は越えました。あれでまだ生きてるのが不思議なくらいです」
私は
今まで伸う伸うと何をしてたんだ
ああ、馬鹿だ
あの笑い顔の下がどうなってるかなんて、予想もつかないなんて、なんで、私は
「自分を責めないでください。貴女が来なければ──」
違う
私が、一緒に居てやれば良かったんだ
「……レイサさん」
けど、安心した
これで、安静なら回復するかもしれないんだ
誰だ
エンジェをあんなにした奴らは
「………エンジェちゃん」
包帯で見えない状態のエンジェを見たミカは、呆然と立ち尽くしていた
純粋さに目をつけていたミカは、エンジェが虐められていたのを助けたことがあった
どうやらさらに悪化してしまい、その結果、重傷を負ってしまったらしい
外でレイサが見境無くトリニティ生に襲いかかり、ツルギとカズサが来るまで暴れ続けていた
ミカも参戦して力でどうにか出来たが、力尽きて気を失うまでずっと
「エンジェ……エンジェ……」
と呟いていた
現場をツルギに任せて、病室まで一直線で行ったミカは、この状態を見てしまったのだった
「……気づけなくて、ごめんね」
啜り泣く声が病室に響いた
「……エンジェさんは、なんで言わなかったのでしょうか?」
死屍累々と化したトリニティの校庭を見下ろす位置にあるティーパーティーのカフェテラス
そこでナギサはセイアと共に会話をしていた
「……寧ろナギサはなんで言わないと思う?」
セイアからの返しに、ナギサは言い淀んだ
思い当たる節があったのだ
「誰かを守る為に黙っていた」
「それが正解だろうね。レイサとコハルはエンジェに助けてもらったらしいから、標的がエンジェに移った……て事だろう」
なんて、酷い事だろう
部下の躾が出来てないとかもあるが、無所属がトリニティに入っただけで調子に乗りだして他者を見下す言動が増え、弱者を徹底的に排他するのが問題となってきた
……これは徹底的に規制しなければならない
内部の掃除も含めて、早い段階で進めておかなければならない
エデン条約を