ロリ程危険な存在はいない   作:祝福

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始動



※補習授業部の光景、丸々カットォの巻


※評価ありがとうございます
※やっぱり何かしら言葉があるとやる気も出るし、指摘があれば作品傾向に修正を加える指標になりますねぇ

※無言で1とかにする人って、他に何か言えないんでしょうか?
※チキンやハムハムパンパンが嫌いな人だっているでしょうし、全員が評価する訳では無いでしょうけど……それでも何か一言欲しいですね!!
※ウェルチアースを推しすぎが問題説?
※知らねぇ!!ウェルチアース美味ぇ!!


※エビ漁送りじゃ

※誤字報告ありがとうございます。演出ばっかに気を取られすぎてました


第6話 incipiens

 

 

 

 

瓦礫と化した校舎

1人の生徒による宣言によって、エデン条約は既決され────無かった

 

それは、桐藤ナギサはただのティーパーティーの一員でしかなくなってしまったからだ

 

「どうして、どうしてですか!?」

 

ヒフミが焦り、既決されなかった事に先生も驚愕した。ゲヘナへ合宿に行き、全員がそこそこの点数を取り、ゲヘナの生徒やヒナとの交流を経て、アリウススクワッドの襲撃での崩壊を以てしても、その意思と精神の牙城は崩されなかった

 

だが何故、既決されなかったのか

それは──

 

 

やりすぎたんだよね、ナギちゃん☆

 

 

先生を守る様に立っていたヒナの目の前に、ミカが現れた事によって、心の奥底で転がっていた不安が顕現してしまった

 

「補習授業部……だっけ?あれ、ナギちゃんがゲヘナの方で妨害工作したでしょ?その事で私達に匿名で報告が来たんだよね」

 

疲労困憊のナギサの顔から表情が抜け落ち、膝から崩れ落ちた。

先生が支えて何とか保った精神で、ミカに問いかけた

 

「何時から……ですか?」

 

「ゲヘナから戻ってきた時にかな?ナギちゃんには連絡が行ってなかった辺り、匿名中の匿名だったって訳だね」

 

合宿から戻るまでに誰が密告したかが皆目見当もつかない。先生に聞くが、誰が連絡をしていたかは分からないと首を振る

 

「全くナギちゃん……そして、それ以上に条約より、同盟の方が先に既決した事が大きいかな」

 

──同盟?

 

先生は聞き覚えの無い単語が出てきた事に疑問を覚えた。何故、今ここで同盟が、と

 

「実はね先生、ナギちゃんと私って対立してたんだよね☆」

 

先生は驚愕した。そんな情報、知らされてない。と

 

「不都合だからね。万が一、億が一、先生が同盟側に付いたらほぼ0の勝算が0になるから。まぁ、元々0だったようなものだけどね☆」

 

襲撃してたスクワッド達がヒフミ達によって撤退を余儀なくされた中、ヒナが口を開く

 

「ごめんなさい、先生。合宿から戻る直前に、私が正義実現委員会のツルギと同盟を結んだの」

 

簡単な話だった。

エデン条約より強固で確実な和平が、条約より早く連邦生徒会に承認された為、エデン条約という存在が不要になってしまったからだ。

この上なく無意味な事を権限で無理矢理進めていた為、昔からあったが停滞されていた不信任案が通り、承認されたのだった

 

「と言っても、ナギちゃんを外したらティーパーティーは崩壊しちゃうしトップになる資格が無くなっただけで3人から減る事は無いけどね☆」

 

ナギサにとっては死刑宣告とも言える内容だった。

同時に納得もし、震える口を開いた

 

「……勝てる算段があったから、私と対立したのですか?」

 

「違うね。エデン条約そのものを怪しんでたんだよ」

 

支えられたナギサに対して、最早罵倒に近い内容を吐き出した

 

「セイアちゃんの言葉を借りるなら、薄氷の上を歩くぐらいなら、手を繋いで土の上を歩くって事」

 

エデン条約が簡単に破られてしまう程度のモノだった事に対する物言いだった。

ナギサは崩れ、その場で両手を突いて項垂れた。

ミカはそれを無視し、先生に向けて言った

 

「せーんせ☆同盟について……聞きたくない?」

 

これでは悪魔の誘惑にも近い響きだった。

 

──聞こう。聞かないと何も始まらないからね

 

返事は肯定。それに気を良くしたミカが、その場で説明をし始める。

戻ってきたヒフミを初めとする補習授業部全員が揃ったのを見て、怖気がする程の笑顔で、名前を呼んだ

 

「来てくれる?コハルちゃんとアズサちゃん?

 

ガスマスクをつけていたアズサは、外した。その下には、白いペストマスクが着けられていた。

コハルはバッグから取り出し、着けたのだ

 

「──は?」

 

顔を上げたナギサは、コハルとアズサの姿を見て唖然とした

 

──スパイだった、という事かな?

 

「ちょっと違うかな?最初からこっちの陣営だっただけだよせんせ☆」

 

ミカも白いペストマスクを着けた。

最初から勝ち目も無い戦いだった事に突き付けられ、ナギサはそのまま地面に横たわった

 

「しっかりして下さい、ナギサ様!!」

 

「ぅ……ぁ……」

 

ヒフミの呼びかけにも呻き声しか出ないただならぬ様子に、先生が口を開けた

 

──同盟。それを何で今まで黙っていたかはわかった。ただ、ここまでナギサを追い詰める必要は無かったんじゃないかな?

 

ミカは笑顔を崩さずに言い切ったのだ

 

成功しないのをわかってて続けて、それで自爆しただけだよ?

 

あっけらかんとした言い草に唖然とした先生を置いて、そのままアズサとコハルを連れて移動し始めた。

その時に言った言葉により、その場にいる全員が目を向けた

 

私がティーパーティーのホストだよ☆

 

 

 

 

 

騒動の片付けをしてる中、ナギサは先生と行動していた。

付き添いでヒフミとハナコの他に、救護騎士団の団長の蒼森ミネが来ていた

 

「被害状況は、生徒の負傷者は居らず、校舎の破壊だけと確認が取れました。余程用意周到に行われた事となりますね」

 

その校舎の修復費用と備品の修理等々の精算用紙をナギサに渡し、ミネが報告をした。

 

──何故、ナギサに精算用紙を?

 

「残念ながら、今回の件は全面的にティーパーティーでホスト代行を行っていたナギサさんの独断によって、利敵行為及び学区間での関係亀裂でトリニティとゲヘナの対立が深まる可能性があった為、その責任としてですね。一括で払い切れるでしょうが、それだけで終わる事はないでしょう」

 

淡々とした言い草に、ナギサは顔を俯かせて震える事しか出来なかった。

ヒフミがナギサの背中を撫でて宥め、ハナコがミネに質問を投げかけた

 

「この現状はミカさんが?」

 

「断言出来ません。タイミングが良過ぎるので考えましたが、調査報告にも証拠どころか活動履歴にはあくまで同盟の既決によって条約が無用になった事しか分かりませんでした」

 

断定出来ないと言い切られてしまい、調査が打ち切られたと追加で言われてしまった。

考え事をしていた先生がミネに聞いてみた

 

──ミネは、どっちを支持するの?

 

「……この状況で言うのも何ですが、私は同盟を支持します。踏み固めた地面の方が良い上に元々我々、救護騎士団はゲヘナとは対立してません。寧ろ、体育祭や非常時であれば学区関係無く協力してた為、条約に関しては反対をしていました。態々結ぶ必要性が無い、という意味では無く、今のままで良いだけです」

 

小規模での同盟は願ったり叶ったりであり、救護すべき存在が減るのは喜ばしい事である、と続けて言った。

トリニティの正義実現委員会とゲヘナの風紀委員会。この2つが手を結んだ事実が、ナギサに重く伸し掛る事になった

 

「ああ……エデン条約によって生徒会同士を結ぶ事より、互いの戦力同士で協力関係を結ぶ事で強固となった訳ですか」

 

ハナコが納得し、口に出した。

上が言うだけで何も出来ない者が提唱したモノより、実績がある者同士の協力関係が正式に認可された方がキヴォトス全域にとって良い内容と認知される。ヘルメット団等によって被害に遭った生徒が、学区を気にしないで逃げ込めるのが1番の利点だろう

 

最強同士で組むとどうなるか。

一般生徒が安全に学園生活を楽しむ為に、最高戦力を抱えた学園同士が手を取り合う。

ここを起点にして、他学園とも手を繋ぎ合わせて行く。そうすれば、小競り合いも段々減り、襲われる心配も減っていく。

まさに、エデン条約がやろうとした事を小規模にして、段々大きくなっていく段取りが出来上がって行くのだろう

 

──これは……してやられたね

 

先生からしたら、泥舟に乗るのをわかってて放置し、その横を水上バイクで通り抜けられた訳だ。

しかも、先生では助けられない内容にまで仕上げてから詰めに来ていたときた。これではシャーレもお手上げとなってしまったのだ。

しかも良い方向に転んだから尚更タチが悪い。徹底的にナギサを折る為に組まれたシナリオを読んでる様な気分だった。

当て馬にされて良い気分では無いが、必要な挫折と思う事で切り替える様に促し、口直しで飲んだ紅茶は不味く感じた。

 

アールグレイの苦味だけが残った紅茶は、敗北の味というのに相応しいモノだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうかな、エンジェちゃん?」

 

「完璧ですよミカさm……ミカさん」

 

やったね☆

 

アリウスの教会にて、テンションの高いミカと普段と変わらない様子のエンジェがお茶会を開いていた。

そこにはアリウススクワッドの面々に、コハルとレイサ、アズサもその場に揃っており、何かが行われるのを待っていた

 

離しなさい!! 離せぇぇぇぇぇ!!!

 

悲痛な叫び声が、教会の上部から吊るされていた

 

「2回目だからしょうがないけど、煩いね☆」

 

「1回目はそもそも不意打ちで仕留めたんで、真っ向から倒したのは今回が初めてでは?」

 

ミカの言葉に返答したのは、コハルだった。

そう、ミカとコハルは既に吊るされた存在──ベアトリーチェを1度していたのだった。

 

「あの時はね……私も冷静じゃなかった。だけど、あれで正解だったんだなぁって、今になって思えるんだ☆」

 

地面に敷かれた布は、赤と黄のカーペットのようだった。

下に置いてあった教典を拾い上げ、火が灯っている暖炉に放り込む

 

「これも必要なくなったし、準備万端だね!」

 

アズサがエンジェに近づき、青いライフルを手渡す。

エンジェがよく使っていたライフル──魔弾だ

 

「あれをし、キヴォトスに試練を与える準備ができる」

 

魔弾の銃口を、ベアトリーチェに向けた

 

あああああああぁぁぁァァァァ!!

 

死ね

 

あああああぁぁぁ…………ァ…………

 

首を撃たれたベアトリーチェは、肢体が力無く垂れた。

高い威力で首を繋いでいた肉が少しずつ千切れ、そして──地面に、首が落ちた

 

じゃ、 先生を──いや 挑戦者を呼ぼう☆

 

落ちてきた首をミカが踏み潰し、飛び散った血で服を赤く汚す。

首の無いベアトリーチェの肉体が氷を纏い、ゆっくりと降りて、氷の剣を地面に突き刺す。

 

暗闇から、巨大な黒い球体に手足を生やした様な存在が、カイザーPMCの死体を食い荒らし出す。

全部複製品だが、それでも肉には変わらないようで、踊り食いを止めないまま森へと消えた。

 

ベアトリーチェが垂らした血の海から、継ぎ接ぎだらけの生物が出てきて、カイザーPMCの遺体を吸収し、見た目がPMCとなった。

銃を持ち、森へと移動をし始めた

 

「あとは、これだね☆」

 

ミカは自分の指先を浅く切り、血を皿に垂らした。

そこに2つの瓶に入った血液も垂らす

 

「セイアちゃんの血と、ナギちゃんの血!そして私の血☆扉は森に存在してるから 後は勝手に向かっていくだけだね☆

 

皿から現れた白く、腹が赤い鳥がゆっくりと羽ばたいた。

首が長い、天秤を持った黒い鳥が皿の上から現れ、白い鳥を追いかける。

衝撃で落ちた皿が、地面を血で濡らす。

そこから現れたランプを持った大きい鳥が、他の鳥を追いかける様に歩き出した。

 

「先生──」

 

配置に着く為に移動して、ミカとコハル以外が誰も居なくなった教会で、静かに呟いた

 

「黄昏の試練。乗り越えてくださいね?」

 

ステンドグラスを見遣る

 

そこには十字架があり、そこには──

 

天釣エンジェの遺体が 磔にされていた

 




あの人に、助けられたんだ

無意味な日々に、光が点ったんだ

贄になるのを待つだけが、全てでは無かったんだと気づいたんだ


だから


今度は、私達が助ける番だ

────────────────────

補足
※ベアおば
物語から退場しました

※ナギサ
ミカ「その顔が見たかった!!」
しかも立場を奪われた上に責任も全部押し付けられた。
まぁ原作でもかなりやり過ぎた上に、同盟側の存在にも被害が出てしまった以上避けられないという。
本当に原作でもゲヘナと亀裂が走りかかってたので、もし破棄された場合はこうなるだろう、というイメージを描きました。本当はもっと酷いでしょうけど、結果的に同盟が結ばれた為、ホスト権限が無くなっただけで済んでる。そうじゃなかったら、ナギサが全責任を負って退学が濃厚だった模様。

※アブノーマリティ
何で出てこれたんだ?って疑問
ベアおばが他のゲマトリアから借りてた力がヒントです。
というかそれしかないでしょう?ウェルチアース複製しまくろうぜ!!

※ベアおばの遺体
再利用しました

※黒い扉
わぁ














※エンジェ
何で2人もいるの?て疑問はこの段階では答えません



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