スパイダーマンとして転生したのにヒーローもヴィランも全くいない世界とは聞いてないよ神様!?   作:佐久間有限

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新作書きました!
よろしくお願いします!


第1話

都内某所。週末で人が賑やかに集まる中、最近では珍しくもなくなった光景を市民は目撃していた。

 

 

「こら〜!!さっさと捕まれ!蜘蛛男!」

 

「ちょっと〜?ボクはスパイダーマンって何度言ったら分かるんだ?」

 

 

ここ数ヶ月で国内で最も有名になってしまったベテラン警察官と謎の蜘蛛男。蜘蛛男は赤と黒のピッチリスーツを身にまとい手から蜘蛛の糸を発射しながらゆるやかに逃げていた。

 

 

「もう〜強盗が逃げないように捕まえたじゃないか!ボクは悪いことなんてしてないよ!」

 

「うるさいぞ!蜘蛛男の糸が頑丈過ぎて取り外すのに苦労すると苦情が何件も入ってきている!迷惑をこれ以上掛けたくなかったら投降しろ!」

 

「嫌だね!ばいばーい!」

 

 

今までは会話する為か緩やかに動いていたがスピードを上げて急カーブをすると蜘蛛男は姿を見忽然と消していた。これもお決まりだ。

 

 

「はぁ…疲れる」

 

「警部、今日もお疲れ様です」

 

「部下達には巡回して蜘蛛男を見つけたら報告するように伝えろ」

 

「了解しました!」

 

 

ベテラン警察官、竹内健三は非常に疲れていた。理由は先程まで怒号を飛ばし投降を促していた蜘蛛男が原因だ。蜘蛛男は突然現れて犯罪者を取り締まるようになっていた。発見された時はSNSを中心に盛り上がりを見せ蜘蛛男を撮った映像や写真は日々バズっていた。

そんな盛り上がりを許すことが出来なかったのが警察庁だった。全く知らない一般市民が勝手に犯罪者を取り締まるようになった。世間からしたらヒーローかもしれないが警察庁の威信としては簡単に許せる事ではなかった。

そこで竹内健三を蜘蛛男逮捕する特別指令が下された。竹内健三本人からしたら余りにも貧乏くじだし見つけても忽然と姿を消す蜘蛛男をどう捕まえろと言うんだ。最近はワイドショーで紹介されたりして色々と面倒事も増えているのに。

 

 

「私としては…協力関係を結べたら理想なんだがなぁ」

 

 

愚痴を零しながら再度パトカーのエンジンを鳴らし蜘蛛男捜索を継続する事になった。そんな光景をビルの屋上から見る青年が1人。

 

 

「竹内警部も大変だね」

 

『更に盗聴を続けますか?』

 

「いや、やめていいよ。お疲れ様…マーベル」

 

 

紹介が遅れたね。ボクの名はピーター・パーカー。元々はアメコミが大好きでMCUやDCの映画やコミックを欠かさず見ていた。変化が起きたのはスパイダーマンの新作を見た帰り道だった。

素晴らしい映像作品に心踊ったし次が最高に待ち遠しい。それが原因で集中力が散漫になっていたんだと思う。簡潔に言えばボクは赤信号を渡りトラックに跳ねられて数分後には気を失ってしまった。

 

そこから目が覚めるとボクは綺麗な女神様みたいな人に出会った。まぁ本物の女神様だったしボクがあのまま死んでしまった事を告げられた。悲しみに満ちていたボクを励ましながらチャンスもくれた。

好きなキャラクターになり第二の人生を歩む選択肢をくれた女神様に感謝しつつボクはスパイダーマンになりたいとお願いした。MCUの中でもトップクラスに大好きなスパイダーマンになるなんて最高の第二の人生だろ?そんな風に思えたのは転生してから数十分だったけどね。

 

 

「君が…ボクのサポートAI?」

 

『サポートAIマーベル。ピーター・パーカーの忠実なるサポートAIです』

 

「これも女神様のお恵みかな?それは嬉しいけど笑ココって日本だよね?」

 

『その通りです』

 

 

サポートAIの名前がマーベルという事に多少疑問はあったけど気にせず転生先で降り立った部屋にあったパソコンで調べ物をした。そしたら…予想外な事が起きてしまった。

 

 

「アイアンマンは!?トニー・スタークどこ!?」

 

『世界中で調べてもアイアンマンとトニー・スタークの存在は確認できません』

 

 

他にもMCUに出てくるキャラクターを調べても全く見つからない。途方に暮れているとメールが届いた…女神様からだ。

 

 

【女神様です】

 

『本来会えると思っていたMCUのキャラクター達がいなくて混乱していると思う。先に謝罪しておくね。数多のマルチバースを管理する中であなたがいる世界はヒーローもヴィランもいない世界。このまま進んでいくといつか滅ぶのを待つしかない世界であなたをスパイダーマンとして送りました』

 

『あなたがその世界でスパイダーマンとして活動する事で世界は滅びから回避できる。騙す形の転生になって本当にごめんなさい。代わりに女神様から転生特典を幾つか渡します』

 

『まずはサポートAIマーベル。この世界で1番頼りになる相棒役よ。次に好きなだけ無限に使えるクレジットカードに世界中にあなただけが使える部屋や機械類も用意済み。他にも色々あるけど別途でメールを送るからちゃんと確認するようお願いします』

 

『最後にヒーローやヴィランではないですがあなたのお気に入りのキャラクターも存在しています。彼等と話すか話さないかはあなたの自由。良きスパイダーマンを送れますように』

 

【女神様より】

 

 

正直言ってこの日は寝込んだ。

 

数日経つと頭も冷静になってきて色々考えた。サポートAIのマーベルにも相談して俺は…スパイダーマンとして生きる事を決めた。日本で生まれ育った生粋の外国人(という設定の)、ピーター・パーカーとしてね。




次回は日曜0時に投稿
お気に入りのキャラクターも早速登場します!
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