フリーレンぽいエルフの話   作:フリーレンのそっくりさん

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バハルス帝国

「ではこれが今回の報酬の0階位魔法『シミを綺麗に取る魔法』のスクロールだ。次もまた頼むぞ」

 

「うん、確かに。次は10年後ぐらいでいいかな?」

 

「せめて3年にしてくれ。爺がお前を追っ掛けて帝国を抜け出しかねん」

 

 

ここはバハルス帝国。人類圏であるこの大陸で一番勢力の大きな国で、そして私の目の前にいるのはジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス、その皇帝だ。

親族や役に立たない貴族を血祭りに上げて、玉座を強奪した鮮血帝なんて物騒な二つ名を持っているけど、柔軟な発想の持ち主のようで得になると判断すれば私みたいな得体の知れないエルフに依頼を出してくる。

 

私がフールーダに捕まって帝国と関係を持つようになったのは先々代の頃だったけど、彼が皇帝になって直ぐだったかな。私が魔法の収集を趣味にしていることを知ると、大量のスクロールを持って自分のレベリングに付き合ってくれって直談判してきたんだ。

 

「ところでフリーレン。私のレベルは今どれぐらいかな?」

「60前半ぐらいかな。前の世界の法則通りならとっくにレベル100になっていてもおかしくないんだけど、やっぱりこの世界はレベルが上がりづらいみたいだね」

「遂に帝国四騎士を超えてしまったか……」

「そろそろ時間停止対策をしたほうがいいかも」

「ふ、10位階魔法。時間停止(タイムストップ)だったか?」

 

数年前まで6位階魔法が国の切り札であった身としては、実感がわかないな、と呟いてジルクニフはそろそろ爺もその域に達したか?と私に問い掛けてきた。

 

「元々魔法への理解だけなら私よりも深かったんだ。11位階、超位階魔法だってそのうち使えるようになるよ」

「っ!……そうか」

 

ジルクニフが言っている爺と言うのはフールーダパラダインと言って、二百年ぐらい種族転生もせずに生きていた人間のことだ。この帝国で長らく魔法の研究をしていたようだが何故か6位階が使えるレベルで止まってしまっていたので、色々と職業の構成とかアドバイスしていたらあっという間に私と同じレベルまで達してしまった。

多分、戦ったら千年分の経験や装備の優劣で私が勝ってしまうんだろうけど、転移直後のプレイヤー相手ならレベル100でも倒してしまえると思う。

 

魔法で無理やり寿命を伸ばしていたから体力がないのが難点だったけど、私達プレイヤーと現地人の肉体の波長をリンクさせてこの世界の枷を取っ払うとかで、長寿の森妖精(エルフ)に転生したから、今ではワールドアイテムをいくつも持ってる法国だって無視は出来ない帝国最強の魔法詠唱者だ。

 

「ちょっと前から思ってたけどレベリングに私を使う理由って何なのかな?フールーダに頼めばよくない?」

 

「爺はあれでいて多忙でね。近頃は高弟達のレベリングにも力を入れているから、私個人の理由で連れ出すわけにはいかないんだよ」

 

「そっか。でも陛下もレベル60だ。戦場に出るわけでもないのに、これ以上レベルを上げる必要ってあるの?」

 

「陛下はやめてくれ。君とは友人関係でいたいんだ。レベルを上げる理由も君との交流を絶やさない為でもあるが……近頃、どうにも評議国の連中がキナ臭い。即死対策は重ねているが、流石にあの国のドラゴンがいきなりこの城にブレスなど放ってきたらひとたまりもない」

 

だから死なない程度に鍛えたいらしい。

それなら部下を強化して守ってもらえばいいかと思ったけど、後衛ごと巻き込む手段なんて数えられないほどあるし、確かに理には叶ってると思った。

ジルクニフほどの王なら自分が死んでも国が倒れないようにするのは簡単だろうけど、自分が生き残るのが一番良いように国を導けると判断しているんだろう。

 

それとも王国を飲み込んだばかりで、慌ただしい時期に自分が消えるのは不味いと思っているのか。

 

 

「あ、そう言えばエ・ランテルに行きたいんだけど通行書を発行してもらえないかな?」

 

王国のことで思い出した。

一年前にあった戦争で、ジルクニフが単身突撃し軍の上層部を軒並み、そして王様の首を立ち切ったことで、あの国は帝国に吸収されたのだ。

それで今は、帝国側で回せるように使える人材は残しつつ、大半無能らしい貴族連中を血祭りにあげているとかで、亡命防止の為、出入りがかなり厳しくなっている。

国が発行する通行書がなければ大商会でも通ることが出来ないと言われていたから、ついでにお願いしようと思っていたんだ。

 

「それぐらいことなら容易い」

 

直ぐに一筆したためてくれた。

 

「それじゃあ三年後にまた来るよ」

 

「あぁ。また君が気に入りそうな魔法を沢山仕入れて待っているよ」

 

 

今回は一ヶ月近く滞在しちゃったけど、帝国は古くから魔法に力を入れていたお陰で沢山珍しい魔法を手に入れることが出来て大満足だ。

本当はもっと、一年ぐらい滞在してたかったけど最近取った弟子の視線が日に日に厳しくなってきたので、これぐらいで打ち切ることにしたんだ。

 

 

「ほ、ほら、見てよこれ。この魔法があれば白い服に泥を浸けても一瞬で綺麗になるんだよ」

 

「むぅぅぅ!!!!」

 

「……ごめんて」

 

この前、お気に入りのシャツを汚したって言ってたから喜んでくれると思ったけど、フグみたいに頬を膨らませて、とても怒っている。

弟子の多いフールーダにこんな時どうすればいいか聞いとけばよかった。




この世界のジルクニフ。
人類最強の王。禿げない。
知恵が回り、武は誰よりも秀でている。
自分でやった方が両者の被害を最小限に抑えれると思ったので王国との戦争では最前線に立った。

フルーダ・パラダイン
人類最強の魔法詠唱者。
初見ならアインズにも勝てる可能性はある。(回数を積み重ねるごとに勝率は低くなる)

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