親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

13 / 77
第十三話になります!ふふ、とうとう先日fgoの上杉謙信宝具5がLv120になったぜ!120は三人目ですが達成感がすごい、まぁこの小説に出てくる謙信は今回出番無いんですけどね!日常回です!


新潟市は今日も平和です!!

とある日の朝。新潟駅に一見すると中年のサラリーマンが降り立つ。

恰好は一般的な社会人のスーツ、鞄、腕時計と極々普通なのだが、着ている人間は普通ではない。

 

「(ここが最近話題になっている新潟市か。確かに他の主だった都市より強力な結界が張られているな・・・流石に帝都の結界ほどではないがアレは他と別格だから比べる方が間違っているか)」

 

男は所謂ダークサマナーと言われる裏側の人間である。一口にダークサマナーと言っても大手との繫がりがない野良のサマナーを便宜上そう呼んでいたり、業界を生き残る為に必要に駆られて少し悪いこともしている者など多種多様だがこの男は一応霊能関係の依頼などもこなすがあくどいことも平気でやる極々一般的なダークサマナーだ。経歴的には中堅と言えるだけの実務経験を重ねている・・・まぁそれでもレベル一桁だったりするのだが。

 

そんな男がなぜ県都とはいえこんな田舎に来ているのかというと新潟市に突如現れた隠れ寺に関係している。新潟市も曲がりなりにも一県の県都なのだが、何故かそこは新潟県の他の霊能組織から不可侵扱いされておりどの組織も手を出さないでいた。しかし一ヵ月ほど前その県都を縄張りにしているという霊能組織が現れた。最初は皆疑ったものの守護する霊能組織が表向き無かったにも関わらず霊能被害が他の町ほど出ていなかったことやその霊能組織『命蓮寺』のトップである尼が寺の資料のコピーを一部公開したことで、戦前からある組織であることが明らかになった。

 

因みに男は知らないことだが、県都が不可侵になっていたのは『命蓮寺』の原因となった一部の名家が寺の人間と他所の組織の者が接触しないように裏で動いた結果だったりする。

 

「(普通なら幾ら由緒あるとはいえそんなぽっと出の組織・・・由緒あるぽっと出の組織とか意味が分からないが一先ず置いて置くとして、そんな組織はすぐ既存の組織からの横やりだか妨害が入るもの・・・余程の後ろ盾がない限りはな)」

 

だがそうはならなかった。ガイア連合、現在この日本に置いて新参であるのにも関わらず大きく勢力を広げている謎の霊能組織が後ろ盾になっているからだ。加えてその組織でも好待遇を受けている通称黒札の一人も手を貸しているのだからますます手に負えず、同県の他の組織はどういう対処をするべきか困惑しているらしい。

 

「(とはいえ外と繋がった以上面倒事も呼び込むもんだ。俺みたいにな)」

 

男の依頼人からの要望はこの町で霊能絡みのテロを起こすこと。普通なら命蓮寺の手の者がすぐに駆けつけて鎮圧するのだが、それらの妨害は依頼人側がしてくれるとのことなので安全に行えるだろう。

 

「(へへ、この依頼の依頼料も素晴らしいが一番魅力的なのは地元の霊能組織すら妨害可能の権力を持っている人物とのコネが出来ることだ!依頼をこなして信用を重ねていけば美味しい思いも出来るというものだ!)」

 

はっきり言ってこの男は調子に乗っていた。確かに男の仕事は妨害が入らない状況での一般人相手の霊能テロ、これだけなので楽勝な依頼である。一般人は悪魔や異能に対して無力なのだから栄達する未来に思いを馳せるのも無理はない・・・もっとも

 

「おじさん落とし物だぜ?」

 

「おや、何か落としてしまったかな?(おっと少し妄想が過ぎたか気を付けなければ。この後はまずは用意されている拠点に向かって)」

 

「ああ、落としたぜ・・・一般的な倫理観をな?」

 

それは所詮妄想で終わる未来なのだが。

 

「え?」

 

声を掛けた少年の言葉に困惑しているとガチャリと後ろから何か突きつけられる。振り向くと明るそうな少女が男に微笑掛けていた・・・銃を思いっきり突きつけながら。

 

「おじさーん、ちょっと私達に付き合ってくれないかな?あ、すぐ近くにもう一人いるから滅多なことはしない方がいいよ」

 

「え?」

 

「なぁに素直に話してくれれば命までは取らないさ・・・命はな?」

 

男にはその少年と少女の笑みが死神に見えたそうな。

 

新潟市は今日も平和だなぁ!

 

【その日の夕方のとある駅近のカフェ】

 

「いやーまさか今朝捕まえた不審者がこの県の非主流派の議員の雇われダークサマナーだったとはな!御蔭で大捕り物になっちまったぜ」

 

「この新潟市の市議会議員で裏のことを知っている人は私達に協力的ですので忘れそうになりますが、新潟県の県議会議員の非主流派で事情を知る人達は霊能組織に懐疑的みたいでしたね。今回の依頼も事件の解決が遅れたことを理由に非難するつもりだったみたいですし」

「私達の邪魔するつもりだった癖によくそういうこと言えるなぁもう。まぁそんな嫌がらせが派閥の致命傷になったんだけどさぁ」

「そうですね」

 

ジト目で見てくる二人はダークサマナーなどの対人間担当のクルルの部下である錦木千束と井ノ上たきなだ。主に暗殺、捕縛、隠密、市内パトロール任務をこなしている彼女達コンビと行動を共にすることがクルルの依頼を受けているときに多い。え、景虎と黒雪はどうしたかって?あいつらは襲撃やら奇襲は兎も角今日みたいなパトロール任務なんて糞程向かないので対悪魔&異界担当のベルベッドに預けてあるからどっかで暴れているだろう。

 

「あのダークサマナーを「む、何か怪しいな」でとっ捕まえたと思ったら鞄や服に仕込んだ武器とか札とかを的確に見つけるんだから怖い怖い」

「だってあの鞄外見からでも3cmほど厚底しているのが分かったし、スーツも不自然なふくらみとかあったからな。隠す技術は未熟も良い所だったから良かったものの、其処ら辺がプロレベルだと俺でも事前に容疑者を絞って時間を掛けて観察しないと分からんよ」

 

「未熟?そもそもスーツの件は兎も角鞄の件は明らかに実物知ってないと分からないと思うのですが・・・」

 

「それは前世からの職業病という奴だ」

 

前世からの癖だが店頭の商品から美術館に飾られるほどの名画まで色々な物の情報を日常的に仕入れ頭に叩き込んでいるので、一般的な鞄の情報くらいすぐに脳内データベースから引き出せるだけなのだ。

 

「あと霊力の反応はあったからただの不審者じゃなくて裏の人間ってことはすぐわかったからな」

 

「ああ、確か【霊眼】ってスキルだっけ?」

 

「そうそう、便利で助かってるよ」

 

【霊眼】以前最初に星霊神社に行って鑑定士のバイトをしたときに得たパッシブスキルだ。

霊視に似ているように見えるが、効果的には霊力を見分けることに特化した仕様で、人間や悪魔は勿論霊力の宿ったアイテムや装備の霊力を見分け、霊力の強さも見ることが出来る便利なものだ。

例え【アナライズ】や霊視から隠蔽するアイテムやら術式があってもそれらの霊力は見れるためそれらから隠している者の強さを凡そ計れるので重宝している。

 

「まぁ霊力見えているだけじゃ霊能関係のアイテムや装備の正確な価値は分からんから星霊神社や命蓮寺のその手の資料を読んで勉強中だ。命蓮寺のは全部頭に入れたが、星霊神社は4割程でまだまだ見てない資料はあるがな」

 

「それはそれでやばい思いますよ。それにそのあと雇い主の議員の自宅に踏み込んで、依頼したことを認めなかったから自宅にある怪しく思った所を調べて秘密基地の様な隠し部屋に隠した不正の証拠を見つけまくりますし」

「ボタン式の金庫をノータイムで開けるのとかどうやったの?」

 

「だって床のタイル同士が一部数ミリ離れてたり、外と中から見たとき間取りが違って見えたり、埃かぶってる本棚の本の中に一つだけ綺麗な本があったらすぐ分かるだろう!」

 

秘密基地染みた隠し部屋には驚いたけどな。

 

「いや、普通は分からんて。そんでもって金庫は?」

「ボタン式だからな。長い間使ってたみたいだし、正解の番号のボタンが他の番号のボタンより2ミリほど低かったからそこをよく押している証拠だ。順番はボタンを押すときに議員の視線が最初に止まった番号が最初の番号の可能性が高い。ご丁寧に一つ押したら次の番号に微かに視線を向けてたから総当たりせずに一発でやれただけだ」

 

これが比較的新しい金庫だったら警察の鑑識みたいに指紋を浮かび上がらせるとかしないと行けないからな。出来るけど面倒だから古い金庫で良かったよ。

 

「あとは見つけた証拠から芋ずる式に捕まえた議員と共謀していた他の議員達や協力者を警察や他の霊能組織と連携して捕まえるだけさ。不正に気付きながら証拠が無く立件出来なかった警察やずっと邪魔してきた奴らを排除出来るとあって霊能組織側も乗り気だったのは幸いだった」

 

「裏事情知らずにかつ不正とかしてなかった非主流派の議員さん達可哀そうだよねー、これからどーすんだろ?」

「表向きの派閥は残るんじゃないか?反対意見のない議会とか不健全にも程があるからな。もっとも裏関係では主流派のいいなりコースだろうけど」

 

これでこの県の霊能関係の風通しがよくなって根を張る霊能者や霊能組織に議員関係でアホな横やりが入ることはほぼ無くなるはずだ。

 

「何度か一緒に仕事してますけど裏社会的なことに詳しくないですか?」

「鑑定士や古物商などは盗品を捌く裏の市場に通じてることもあるからな。俺の家はそいつらをしょっ引くのに協力する側だけど自衛の為にそういう知識も押さえてある。伊達に五代も続いてないさ、厳密には六代かも知れんが」

 

「へーってあれ六代目って就任してたの?」

 

「俺が死んだときはまだ。だが親戚で有望な奴がいたから弟子として仕込んでたからな。腕も商人としては及第点だが鑑定士としてはもう一流、それに生前書いた遺書でも弟子を六代目に指名したし、縁がある人達に『もしものことがあったら弟子を気にかけてやって欲しい』と頼んでいたから大丈夫だろう」

 

「お、根回し良いね」

「俺も前世ではいい年だったから念のためにな。それにこれからは俺よりも弟子の方が上手くやれる時代だろうからな」

 

今回ここまで上手く行ったのは前世よりもこの世界のIT技術が発展していないことが挙げられる。貯めこんだ金や証拠になりそうな資料をデータ化し、インターネットに保存することがまだ難しく一般的では無い時代な為重要なものは自宅などの目の届く範囲に置いていたのだろう。

 

しかしこれからはそれこそITの時代だ。この世界は一部黒札達の頑張りで前世よりも進歩の速度は前世よりも早いとはいえまだまだインターネット黎明期、俺自身もある程度は出来るからまだ対応出来るが前世ではあと十年も経てば通用しなかっただろうな・・・弟子はその手の技術が俺より上だから大丈夫だろう。

 

「まぁそれ以外では俺にまだ(・・)敵わないからその事でよくマウントは取られて少しウザかったがな・・・あのオタクの弟子は」

 

「・・・やはり心配ですか?」

「いや?全くしていない」

 

たきなからの言葉を明確に否定する。確かにまだまだ未熟な所はあり、六代目になった後も失敗を重ねるだろう。だが

 

「俺の弟子で俺が六代目と認めた人間だ。あいつなら失敗も糧にして立派に六代目をやれるさ」

 

「それを何処の誰であろうと否定させはしない」

 

「「・・・」」

 

「あの何で黙ってるの?」

 

二人がすっかり黙ってしまったので変なこと言ったかと困惑してしまう。

 

「前から思ってたけど実槻も景虎達に負けないくらい身内へのラブというか愛が重いよね」

「え?」

 

「この場合はライクじゃないですか?どっちにしろ冷たいよりは全然良いですけど、やっぱり惹かれあってる人って似てる所が無いように見えても共通点は何処かにありますよね」

「え?」

 

「ありゃりゃ、こりゃ自覚無いパターンだわ。混乱している間にホットケーキお代わりしちゃお!」

「実槻さんの奢りだからか遠慮がないですね千束は・・・私も頼みますけど」

俺があいつらと同じで愛が重い?いや、そりゃ身内に愛を向けてないとか斜に構えたことを思ったことはないけどマジで?と追加注文したホットケーキを二人が食べ終わるまで終始困惑していた俺なのだった。




読了ありがとうございます!え、日常回じゃない?いやですね新潟市は今日も平和だったじゃないですか!新潟県議会は荒れましたけど。それと本家・どくいも氏のスレで三次のキャラ紹介が欲しいと書かれていたのですが、如何せんまだ主要人物が全員出てきてないのである程度出て切るまでまとめはお待ちいただけるとありがたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。