親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第十八話になります!ガンブレ4、fgoの夏イベと奏章Ⅲと色々忙しい夏ですが、皆さん体調にはお気をつけてお過ごしくださいね!


穢れに炎の救済を

ヘドラモドキから呪詛をくらい身体の身動きがほぼ取れなくなった俺。こうなってくると原作ゲームとは違い出来ることはたかがしれている。

 

まず攻撃は論外だ。発動までに時間が掛かり過ぎて避けられるし、最悪味方に当たってしまう。デバフも能力低下系は味方と息を合わせることが出来ないので、予期せぬタイミング掛かり、戦闘リズムを崩す可能性がある。

 

「・・・あと、俺が出来ることは・・・【マカジャマ】!」

 

ヘドラモドキには魔封耐性があるので掛かる確率は低いがどの道俺が出来ることは指揮以外だとこれしかないのだ。ソシャゲのガチャを回すかの如く試行回数を稼ぐのだ!

 

「ビフロンスも戦闘に参加しろ。俺はここから指揮と【マカジャマ】に専念する」

 

「しかし、今の盟友にあの悪魔の攻撃を避けられるとは思えないのだが?」

「それはそうだが、幸いまだ自我がちゃんと出来ていないからか手近の敵の攻撃を優先しているように見える。俺が受けた範囲魔法もあるが状態異常は強いが威力自体はそこそこレベルだから手持ちの回復アイテムで対処可能だから致命的なことにならないだろう」

 

「・・・」

え、何かビフロンスからすごい睨まれてる!?・・・別にそこまで間違ったことは言ってないよな俺?普通にここまでのヘドラモドキを観察した結果に基づいてちゃんと考えたんだけどな・・・。

 

「なるほどなるほど、盟友の観察眼は余達も信用しているし、実際理解出来なくもない」

「だ、だろ?」

 

「もっとも納得出来るかは別だが」

「うお!?」

 

そういうと座り込んでいた俺の手を掴み身体を引き上げ俺を抱え上げるビフロンス。だが俺を連れて行くのはビフロンスの負担が増すことになると思うのだが。

 

「盟友、分霊とはいえ君より長く生きた(悪魔)としての忠告だ。例え十分に勝算があることだとしても命を賭けなくていい選択肢があるときに無暗に賭けるものではない。その行為でより有利になる場合があってもだ」

「それは・・・」

 

「無論自身の命を賭けなければならない戦いというのものは確かにある。退く選択肢があってもそれを選べないときはある。だが今回は違うであろう?」

まっすぐこちらを見るその目は悪魔特有の蠱惑的なものだけではなく、俺に対する慈愛のようなものを感じさせた。

 

「余の負担が増える?そんな心配をされるほど余は軟弱ではない、それに盟友はやたら重い女に執着されるからな。もし君にもしものことがあったらあの二人がどうなるかなど言うまでもないだろう?」

「あーそれは確かに考えるだけでも恐ろしいな(白目)」

 

「全くだ。余としても我が盟友が契約の約定を果たす前に死なれては困る」

「・・・そうだな。約束は守らないとな」

 

やれやれ、俺としたことが些か自身の命を軽く扱っていたようだ。まだ前世の老い先短い爺だったころの精神が残っていたか、あるいは人生二周目を一周目のロスタイム的に考えていたか。あの二人以外にも心配なことはあるし、これからはもうちょっと『いのちだいじに』で行くとするか。

 

「分かればよい・・・後はあの悪魔の討滅だが」

「それなら策がある。皆の元に連れて行ってくれ」

 

「ほう、ならば話は早い。飛ばすとしよう!」

 

俺を抱いたままビフロンスは飛翔し、皆が戦う戦場に戻る。さて、上手く行くといいけど

 

 

「よし、【マカジャマ】に掛かった!後は作戦通りに!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

ヘドラモドキの攻撃をいなしいる中戦場に戻った実槻の【マカジャマ】でヘドラモドキが魔封状態になったのを合図に各自が動きだす。

 

「まずは私達だ!アガシオン、攻撃力強化を!」

残り少なくなったMPを消費し、アガシオンが【タルカジャ】を使用すると黒雪、皐月が動く。

 

「【物理プロレマ】【アクセルクロー】!!!」

「【グラムカット】!」

物理攻撃スキルを二人同時に発動するが、それはヘドラモドキ自体を狙ったものではない。

 

『!?』

 

「自身に攻撃されず驚いたか?残念だがそれは有効な攻撃手段を持った者達に任せよう」

「液体の身体が仇になりましたね。それにこれで『持続的な』回復は出来ませんよ?」

二人の攻撃はヘドラモドキの足元を狙ったもので、地面に深く溝を作った。身体が液体である以上その溝から自身の身体を構成する石油が漏れ出す恐れがあるため移動を実質封じ、更にほぼ自身の身体と言える周囲に湧き出す石油もその溝に流れるので石油そのものを補填して回復する行動を取れなくさせる。

 

「周りの石油で削られた身体を補填・・・俺が流された後に見せた行動らしいがそれをされちゃこっちの消耗がキツくなるからさせる訳には行かない…後は追い込みだ」

 

動きを止めたヘドラモドキにパピルサグと放生月毛に跨った景虎が迫る。

 

「【ハマ】!」

「【チャージ】は既に済ませています。駆けよ放生月毛!【白龍撃】!!」

「ヒヒーーーン!!!」

「■■■■■ーー!?!?!?」

弱点の破魔属性攻撃がヘドラモドキを貫く。特に後者の攻撃は痛いという所のダメージではないのだろう。先程と同じような叫び声を上げながら悶えている。

 

「よしよし、ここまでは想定通り!まぁ魔法が使えたままだったらこっからでも崩されただろうがな。弱らせたぞ神様!いっちょ頼む!」

 

「ふふ、任せるがよい!!」

石油が周りに流れなくなったので天香山命が結界を解除すると神社の中にいくつもある祭器が起動し、彼女自身の神としての力を高めていく。

 

「力が漲って来たのじゃ!!『饒速日尊と天道日女命の子である天香山命の名において、汝を浄化せん!!』」

「■■■■■■■■■■!?!?!?」

「うおすっげー効いてる」

 

「ぬはは!!特大ダメージじゃな!」

破魔属性の浄化の力が神社内に広がり、天香山命が得意げに高笑いをする。

大きくダメージを受け、持続的な回復も無くなっている以上通常ならこれで詰みなのだが、曲がりなりにも一度浄化を耐えた穢れの化身だけあり、即座に消滅はしない。

 

しかし如何せんここは天香山命の本拠地、貯めこんだMAGの消耗を度外視すればこの神社内にいる間高威力の破魔属性攻撃を受け続けるという下手なダメージ地帯も真っ青なことも出来る為このままでは後数秒後に『悪魔』としての消滅は免れない。

 

「■■■■!!」

「おお、本当に飛んだ(・・・)のじゃ!!」

「原作からして飛ぶからなぁ」

 

ただでさえ公害をまき散らす怪獣が空を飛ぶという厄介にも程がある性質は受け継いでいるようだと実槻は飛び立ったヘドラの更に上空(・・・)から観察する。

 

「良かったなビフロンス、待ってるのが無駄にならなくて」

 

「ああ、空中なら引火などを気にする必要はあるまい」

というのも実槻とビフロンスはモデルになった怪獣の能力から飛行能力を備えていることを予想し、事前に空中に待機していたからだ。

 

「幾ら動作が鈍くなってても…事前に準備を終えていたら問題ないんだよ!!!【電撃プロレマ】【マハジオンガ】!」

 

「■■!?」

ビフロンスに抱かれた状態で魔法の準備を整えていた実槻から放たれる雷がヘドラモドキの全身を貫き、動きを止める。

 

「そしてこれで詰みだ【アギラオ】!!」

「■■■■ーーーー!?!?」

ビフロンスが止めとばかりに繰り出す炎がヘドラモドキを焼き、落下しながら声にならない絶叫を上げさせる。ここまでされればもはや浄化に抗う術はない、地面と接触する前に全身を炎で焼き尽くされ破魔の力で浄化される様を実槻達は静かに見届けたのだった。

 

 

 

 

 

「うぎゃああああ!?吾輩と神社のMAGの残高がああああ!?倒した悪魔のMAGを取り込んでも完全に赤字じゃーーー!!」

「最後の最後で締まらねぇ・・・」

 

尚代償として天香山命と弥彦神社のMAG貯金は一時的にだが完全に死んだ。




読了ありがとうございます!石油編は多分次回で終わるかな?次のネタ考えないとな・・・。
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