親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

19 / 77
第十九話になります!唐突に間に挟んでも問題ない小話を思いついて書いたら筆が乗って宴会部分を次回に回してしまった・・・多分次回で石油回は終わると思います(2回目)。


鑑定ニキとペルソナ勢

星霊神社、本日そこで行われていたショタオジと幹部クラスの黒札による会議中にとある連絡が入る。

 

「うんうん、あとは作業員に任せてくれればいいから。ご苦労様!」

「会議中に電話か、誰からだ?」

「鑑定ニキこと実槻君からさ。石油の件無事に掘り出せてこっちで派遣した作業員とバトンタッチ出来たって。詳しくは後日報告書用意して持って来るそうだよ」

「鑑定ニキもやる夫さんと同様に真面目だね」

今回はペルソナ関係の会議中だったので参加しているメンツも全員ペルソナ使いである。今回は承太郎、ハム子、カヲル、やる夫が参加している。

 

「やる夫さんも毎回会議で資料を持ってきてくれるからね」

「いや、普通報告や会議ってそういう書類を用意するのが当たり前だお。でも鑑定ニキが真面目な人なのはそうだと思うお」

「またまたご謙遜を!支部の方も問題なく運営出来てるって聞いているよ」

「それは有珠さん達の協力のお陰だお。鑑定ニキみたいにほぼ一人で"一市場の相場"の絶妙な設定をする方が凄いお!」

「確かに鑑定ニキも凄いとは思うが、やる夫さんも領分が違うってだけで凄いと思うぞ?」

ペルソナ勢から実槻の評価が高いのは彼らが主に相手をするシャドウから取れる素材が関係している。

 

「でも前までシャドウの素材は霊能装備の作成は兎も角、普通に売却する場合特殊な依頼とか以外では研究用で二束三文でギリギリ売れるくらいだったお。それに在庫のダブついて買い取ってくれない場合もあったらしいし、それを解決したのはやっぱ凄いお!」

「まぁ確かに俺や俺のPTメンバーも最初の頃は金銭的な部分で苦労はしたからな。最近はペルソナ使い用の霊能装備や道具なんかのお陰で需要も増えて来たが、別の問題も起きたし」

「やる夫さんがさっき言ってたことに繋がるけど、最初はシャドウの素材の市場での正当な買取価格の設定が分からなかったから、いやそもそも市場自体が存在して無かったか」

「神取グループとかペルソナの研究をしている所はあっても悪魔に対処する各所の霊能組織みたいに素材の市場を必要とするほどの規模や外部と繫がりのあるペルソナ使いの組織なんて無かったからね」

「元々普通の覚醒者に比べてペルソナ使いの数も少なくて、市場が生まれるほどの需要もなかったんだよね」

しかし、ペルソナの研究が進みそれら用の装備などが作られ、広まれば当然素材や購入の為の資金のやり取りも研究用として取引していた頃よりも様々な面で比較にならない程莫大なものになり自然と市場というものは作られる。問題なのはその素材の金銭的価値の相場が誰にも分からなかったことだ。

 

「市場をガイア連合内部に止めるにしても不当な取引を防止する意味合い以外でも相場ってものは必要だお。悪魔の素材は長い時間を掛けて作られた既にあった市場のものを参考にすれば良かったから問題は無かったけど」

「そこで鑑定ニキが「無いなら作ればいい」の精神で相場を作っちゃったからシャドウの素材も悪魔の素材と同様にまともに買い取って貰えるようになったもんね」

「あれは本当に助かったお。運営や懐的に」

覚醒したばかりの頃一人で活動していたやる夫も現在は支部を任せられるほど成長したが、その分一般黒札と違い、予算のやり繰りや金策が大変なのは身に染みているので買取価格の相場が設定されるのは運営計画を立てる面でもありがたいのだ。

 

因みに相場を作ったお陰で転生者と関係を持たない非転生者のペルソナ使いも(黒札に比べれば割安だが)ちゃんとした取引ができ、買い叩かれることが少なくなったので黒札以外にも利益を齎すことに繋がっている。

 

「その素材を手に入れるまでの労力や消耗、素材自体の質、希少性は勿論のことその素材がどの様な装備や道具に使用されるか、それらの研究費や能力、需要、製作に必要な個数、労力などを資料や現場の俺達、研究班からの意見から割り出していたからな。終いには素材だけじゃなくて使用された装備や道具の価格設定まで手を入れていた」

「でもそこまでやったから高性能な装備もRPGゲームとかでよくあるお店のお高いアイテムの様に頑張ってモンスターを倒して、依頼料や素材を売って金策して、貯金すれば生活費や消耗補填費とかの出費を考慮しても無理なく買えるレベルの値段設定に出来たんだお。当然買いたい装備に本人の腕が見合っていればの話だけども」

素材と装備、道具の価格設定のバランスが崩れると幾ら貯金しても目的の装備が変えず、成長も伸び悩むこともあれば、逆に苦労無く身の丈に合わない物を買えてしまい使いこなせず身を亡ぼすことに繋がってしまう為『頑張る必要はあるが、無理のない範囲で貯金していけば需要がある内に買える』というのは重要なのだ。

 

「うちの鑑定班も彼から色々習ってるけど経験値が違うからまだまだ本物の鑑定のプロみたいに価値の定まっていない物の価値を定めるなんて無理だからね!」

「こればかりは本業との差だよね、リーダーや一部の転生者のようにきっちり正式な修行をした者との差ってのはどうしてもあるものだから。プロだという意識があるから定期的なマネジメント料を払おうとしたら鑑定士として働いた報酬は鑑定関係の代金以外は受け取らない主義らしく断ったみたいだし」

「そういうのはきっちりしとかないといらん柵が生まれるとか言ってたおね・・・ただ分野が違うとはいえリーダーさんと比べるのは正直どうかと思うけどお」

「え?」

やる夫のもっともな意見にショタオジ以外はそりゃそうだと頷いたのだった。




読了ありがとうございます!実は裏で鑑定士として働いていた話でした。本筋に絡まない鑑定業などは、本人視点の時は地の文以外あまり出てきませんが、それは実槻にとって鑑定という仕事が、この世界でも特別性とかが無い当たり前の仕事だと認識している為実槻的にわざわざ特筆することではないからだったりします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。