親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

20 / 77
第二十話になります!fgoをやりながらアプデされたAC6をやっていますが何とか投稿出来ました!


宴会の夜

「飲み物は行き渡ったか?それでは此度の石油採掘依頼の成功を祝して乾杯じゃ!!」

「「「「「乾杯!」」」」」

 

ヘドラモドキを打倒したその後ガイア連合側の作業員にバトンタッチした俺達は同じ町にある公民館を貸し切って宴会を始めていた。

 

「じゃんじゃん飲んで食べよ!代金は吾輩達が持つからの!うちは金はあるのじゃ金は!」

「MAGは?」

 

「はは!宴会で野暮なことを言うのは無しじゃよ(白目)」

宴席料理を食べつつ会場を見渡すが、やはり会場の規模の割に参加者は少ない。

神社の人達は一部壊れた神社の修繕とガイア連合側の作業員との話し合いの為神社に残っている為ここにいるのは天香山命を含めた依頼メンバーのみだ。更に大きくて目立つからという理由でパピルザクは自主的に不参加、馬である放生月毛も当然いない。

 

「人数の割に広すぎないか?」

 

「料理を置くスペースも必要じゃろ。覚醒者や悪魔は基本的に普通の人間より飯を食うからの」

「まぁな。景虎とかパクパク食べてるし」

 

アガシオンでさえもうちょっと落ち着て食べているというのに相変わらずである。

 

「そういうお主もコップが空いておるぞ?どれ吾輩自ら注いでやろう」

「お、悪いな神様」

 

コップに飲み物が注がれるが人間組は未成年なので全員ソフトドリンクだ。因みに今注がれているのはコーラだったりする。

 

「ソフトドリンクも良いが、いずれはお主達と酒を酌み交わしたいものじゃが…最近はきな臭いからの」

「まぁ流石に数年で一気に悪くなるとは思えんが、10年後とかだと怪しいわな」

 

「お主達ガイア連合の言う終末じゃな?」

そこからしばらく天香山命と時折真面目な話も交えながら飲むと他のメンバーの様子も見に行く。

 

「景虎お前一人で飲み喰いしすぎだろ…」

 

「そうでしょうか?美味しいものは食べなきゃ損ですよ!」

「全くもう少し上品に食べられないのか?」

「これは将来酒を飲むようになったら余計面倒臭くなると見えるな」

一番飲んで食べている景虎を見て、良いとこ育ちらしく上品に食べている黒雪が呆れそれを見て楽しんでいるビフロンス…ん、一人足りなくないか?

 

「あれ皐月は?」

 

「少し前に夜風に当たると外に出ていったよ。どうやら騒がしいのは苦手なようだ」

「そうか、後で様子を見に行くか」

 

「それはそうと最近伸び悩んでいたレベルもここにきて大分上がった。そろそろ頃合いではないか?」

今回の戦いで俺と黒雪が32、景虎が30、ビフロンスが28、パピルザクは29、アガシオンが25に上がっていて各自新しいスキルも獲得している。とはいえビフロンスはそろそろ大きく補強する必要があるだろう。

 

「悪魔合体だな?勿論してやるつもりだが、俺とのレベル差は4しかないから候補が中々な」

 

「別段多少のレベル差が出来る程度で、余は命令を拒否するなどはせんよ。もう少し広く探してみても良いのではないかね?」

「それなら余裕があれば私の装甲も強化して欲しいのだが」

「どうせなら私達の専用装備も作ってもらいましょう!レベル30超えたことですし!」

ビフロンスに便乗し、ここぞとばかりに自己強化を要求する二人。黒雪は余裕があればと言っているが、ビフロンスの悪魔合体は兎も角景虎の方を優先したら滅茶苦茶拗ねることは間違いないだろう。

 

「あ、これ今回の報酬だけじゃ足りずに貯金も切り崩すパターンだ」

 

「くく、如何やらその様だな。甲斐性の見せ所だぞ我が盟友?」

大金が入ったから調子に乗って買い物したら金欠になるとかゲームでなら笑い話だが、現実では勘弁して欲しいので時期を少しずらして欲しい(景虎と黒雪は同時期)と頼むと先程言ったように皐月を捜しに外に出る。

 

「あ、いたいた!気分はどうだ皐月」

 

「実槻さん?どうしたのですか?」

公民館外のベンチに座っている皐月に声を掛けると宴会中なのに俺が外に出ていることを不思議に思ったのか首を傾げている。

 

「いや、黒雪達から話を聞いてな。気分はどうだ?」

 

「そうでしたか、気を遣わせてしまい申し訳ありません。体調も問題有りません」

「ならいいが、俺も少し座らせてもらうぞ」

 

「はい」

 

彼女が座っているベンチに座り、多少会話をしているとどうやらこちらに何か言いたいことがあるように見える。

 

「あの…聞かないのですか?」

「何を?」

 

「…私がデビルシフターの力を使わないことです」

やはりそのことか。皐月は力を出し惜しみしているのはないかと俺に思われることを危惧しているのだろう…確かに俺は今まで一度も彼女がその力を使った所を見た所はない。普段なら使うほどの敵ではなかったと言えるが、今回は普通に格上相手だったので使うべき場面だ。しかし

 

「でもお前その力"使いたくない"んだろ?」

 

「っ!?…流石ですね」

一瞬驚くが、すぐに納得したのすぐに元の表情に戻る。すっかり命蓮寺内でも俺に隠し事が出来ないことが広まっているようだ。

 

「付き合いが短いから何でかまでは分からんが、意図的に避けてるのは視ていれば分かるさ」

 

「そうなのですか…今回は私がこの力を解放したとしても大して戦況に影響は無かったでしょう。引き出す悪魔は物理型ですから物理耐性持ちには相性が悪いですので…とはいえこの件を中々話していなかったのも事実です。申し訳ありません」

「気にするな、色々待つことには慣れてるからな」

 

謝罪する皐月を制するが、「ですが」と言葉を詰まらせる皐月。彼女には珍しく感情が表に出ているようだ。俺が考えていたよりも相応のトラウマがあるようだな。

 

「今は良くても…もしも、これから先私が力を使うことを躊躇ったことで…救えた命を零れ落としてしまったらと、いつも考えてしまって!」

目に涙を浮かべて、震える手で自身のスカート握る姿は余りにも痛々しかった。だが少々彼女は自身を過小評価している。

 

「"それはない"だろう」

 

「…え?」

俺の言葉に下を向いていた顔を起き上がらせ驚いた表情を見せる皐月。ここははっきりと言って置いた方が良いだろう。

 

「大丈夫だ。お前は糞真面目だからな…もし本当にそういう場面に遭遇しても躊躇いなく使う決断をするはずだ。それくらい付き合いが短くても分かる。俺が保証する」

 

俺は呆気にとられている彼女にハンカチを差し出しながら自信を持ってそう告げたのだった。

 

 

 

 

「はぁ、よくまぁ付き合いが短いのにああも言い切れるな」

 

実槻の心の奥の底、魂と直接繫がる精神世界で少女が一人溜息を吐く…醜悪であるが消えかかっている穢れを背にして。

 

「ん、まだ消えていなかったのか?本体を浄化されあとは穢れの残り香のようなものになりながらもここまで潜って来れた当たり相当タフだな。もう消え掛けだが」

 

「・・・!?・・・!」

「何故自身を犠牲にしてまでここで振り巻いた呪いが現実のあいつに影響を及ぼさないのかだと?…ハハ!人間の穢れが生み出した存在だけあって哀れだな!」

 

穢れの必死の声にならない叫びを聞き、少女を愉快そうに愚弄するように笑う。

 

「それは私の前であいつを呪い、命を奪えないまでも悪影響を与えられるようにと願っただろう?その時点でその願いは叶わない、それどころか"反転"して逆に彼に祝福を与えてしまった。祝福はそうだな公害や疫病に対する多少の耐性と言った所か?」

 

「!?」

「何故だと?決まっているだろう。『反願望機』である私の前で願ったのだからな」

 

唖然とする穢れ、彼とて目の前の少女に願ったわけではない。願いを口にした時点でアウトだっただけなのだ。

 

「それではこれで本当にさらばだ。人の欲が作り出した穢れの化身よ…なに今回の件でお前は存在は確立出来ただろうから半終末にでもなれば復活するはずだ。『公害の神』として、その時に人間相手にそのうっぷんを晴らすといい」

 

「・・・」

もはや何か言う力も無く、身体をMAGに分散され完全に消滅した穢れを見送る少女。半終末や終末に入るとサウジアラビア辺りが酷いことになりそうなことをつぶやくと視線を自身が宿る人間に戻す。

 

「本来なら一番影響を受けるのは宿主であるあいつなのだが…基本"本当に叶えたい願望"は口に出さないから大した影響はないし、強いて言うなら"強くなりたい"がそうなのかもしれないがそれは、私が反転させて叶えた"第一"の願い的に寧ろ促進される始末だ」

 

少女自身己の力を自在に操れる訳でもないのか「ままならないものだ」と肩を竦ませる。

 

「それに例え対外的に願望に分類されることでも本人が疑問の余地も無く"そうなる"と確信して口に出した場合も本人は願望ではなく事実として認識しているから私の力は働かない、丁度あの娘に言ったような台詞とかだな」

 

イマイチ自身の意図から外れる宿主に呆れながらも嫌っている様子はない。

 

「早く自身のもう一つ(悪魔)の前世のことについても思い出せ大宙実槻。貴様自身の為にも、私の解放と復讐を果たす為にも…私はお前程待つのは得意ではないぞ?」

精神世界でただ一人不気味に笑う少女は己の宿主に期待する。自身の解放と復讐を果たすために。




読了ありがとうございます!最後の少女は度々他のキャラには聞こえない声で出てきた子です。まぁ分かる人にはもう正体バレちゃうかも知れませんけどね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。