親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第二十八話になります!タイトルを思いつくがすでに人魚ネキの所で使われていたのを思い出して急遽?マークを入れる作者。まぁ今回本当にこんな感じなのですが。


中層試験?

イタコの里から帰還して二日後、俺はシキガミの黒雪と一緒にとある用で山梨支部を訪れていた。

 

「景虎は来れないから毎度留守番させるのは申し訳ないな」

 

「ここは黒札以外は入れないのだから仕方あるまい。私もかなり怪しいが実槻のシキガミとして入ることを許されているがあいつは現地民だから完全にアウトだ」

「それはそうなんだけど・・・お土産に美味い物でも買って行くか」

 

そんな風に黒雪と雑談しながら支部内を歩いていると声を掛けられた。

 

「お、鑑定ニキと黒雪か。こちらから連絡しようと思っていたが丁度いい」

「ん、セツニキか。連絡って何かあったのか?」

 

「実槻に連絡とは鑑定して欲しいものが出来たのか?」

「まぁ結論から言うとそうなんだが・・・ちょっと複雑でな」

 

セツニキからの説明は意外と長かったので簡単にまとめると。

 

・セツニキがトップの星祭神社と呼ばれる場所に彼を中心とした修羅勢の集団がいる。

・文字通りほぼ毎日修行場異界などに通っている奴らで悪魔を狩りまくっている。

・ドロップアイテムも当然多く所有しているが、その中には呪いのアイテムや装備もある。

・それらは売ろうにも解呪や封印など特殊な手続きがあって面倒臭い。

・それでもグラ爺など一部良識ある修羅勢はきちんと処分していたのだが、大概は面倒臭がって倉庫の一つに皆して貯め込んでしまう。

・そしてそんな呪いの品を大量に貯め込んだ結果互いに干渉し合い暴走。倉庫内に定期的に悪魔が沸きまくる。

・幸い戦闘力はある奴らなので悪魔は問題なく殲滅出来ているが、きちんと封印しないと治まらない。

・でも数が多いし、各自暴走しててセツニキでもきちんと一個一個鑑定して行きながら封印しないと完全に封印出来ない・・・が残念なことに専門家ではないので鑑定出来ない物が多いし時間が掛かる。

・なら専門家に頼もう!←今ココ!

 

「という具合なんだ」

 

「えぇ・・・」

 

「やらかした一部を除いた修羅勢の処遇は?」

俺が関わることになるからか、今回のやらかしについて真剣な顔付で追及する黒雪。

 

「取りあえずは沸いてきた悪魔の処理と今回の鑑定ニキの報酬を割り勘で払うように言ってある。因みに鑑定した数やアイテムの質に応じて報酬が上乗せされる出来高払いでオールマッカで払わすから!」

 

「・・・それ大丈夫?修羅勢の大半が破産しない?」

 

「同情は・・・出来ないな。面倒だからと放置したツケと言った所か」

「そう言うこった。神社内で悪魔発生とか洒落にならんわ!馬鹿共のことは気にするなよ鑑定ニキ!」

 

黒雪の言葉に深く頷き語気を強めるセツニキ。俺達の前だからかセーブしているが、どうやら相当キレているらしい。まぁ自分の本拠地で悪魔を沸かせたとかキレて当然か、普段目を掛けてる者達のやらかしだからこそ厳格にしないと行けないもんな。

 

「了解した・・・ただ星祭神社本殿に行くには中層試験を突破しないと行けないんじゃなかったっけ?条件自体は満たしてるけど」

 

「レベルは30以上、修行場異界の上層最奥部には大分前に到達していたね」

「景虎には羨ましいとグズられたけど上層くらいは突破しておかないと格好がつかないからな。試験は確か用意された異界の初見クリアだっけ?」

 

「それなんだが例の倉庫は悪魔が沸くからほぼ異界みたいなもんだし、この依頼が中層試験の代わりってことになった。当然達成したら中層の侵入も許可するぜ。ショタオジの許可も取ってある」

 

「え、いいのかそれ?他から文句出ない?」

 

ショタオジが許可を出しているから表向きは良いにしても後から不満に思う奴が出て来ると思うんだが・・・。

 

「少なくともこの依頼の内容を中層試験に採用したら実槻以外に突破出来る者は殆どいなくなると思うぞ?」

「俺含めた修羅勢は無理だな。特にあいつらは戦闘しか出来んし」

 

「そうか・・・まぁ専門的過ぎるかぁ」

 

「「いや、普通専門家でも無理だから!」」

 

二人にツッコまれてしまったが、問題ないならいいか。

 

「OK、その依頼受けよう」

 

「・・・自分で言っててあれだが本当にいいのか?」

 

「ああ。中層に興味が無い訳ではないし、それに」

 

「それに?」

 

「山ほどあるという呪いの装備とかってのも気になるしな!!」

 

「え」

 

「セツニキ、この際に言って置くが実槻は鑑定する為なら海外の紛争地帯にも突撃する鑑定馬鹿だぞ?」

いやー、修羅勢が集めた呪いの装備とか気になるやんけ!どんな姿か、逸話、能力を持つか。実に楽しみだぜ!!

 

 

【星祭神社】

 

めちゃ見覚えのある獣道と結界を超えると星霊神社よりも一回りくらい小さい神社が見えて来る。出迎えもいるようだ。

 

「おお、お主が鑑定ニキか。儂は皆からグラ爺と呼ばれている者じゃよろしくの」

 

「ワシはシエラネキを名乗っとるの。今回は身内がすまんのう」

「気にするなってのはやらかしの内容的に言えんが、俺は依頼を受けただけだからそんなにかしこまらなくていいさ。やらかした当人達じゃないんだろ?」

 

「ああ、この二人以外にもミナミィネキとかはちゃんと処理してくれてたんだがなぁ・・・」

 

「ミナミィネキもか。まぁ彼女は色々アレだがそういう所はちゃんとする女だからな」

シキガミの掲示板を偶に覗いている黒雪が溜息を付くが、布教はしても本人の意思は尊重するからな彼女は。

 

「それでやらかした奴らは?」

 

「呪いの怖さを味わって貰うべく朝一から昼飯まで俺とショタオジが考えた特別修行中だ(ニッコリ)」

 

「なるほど、本人達がいたなら話を聞きたかったがそれならもう倉庫に突入するか。セツニキ出現悪魔のレベルのアベレージは?」

 

「大体20レベルくらいだ」

 

「ふむ、なら大したことはないな。ペレのレベリングには持って来いか」

 

懐から封魔管を取り出し、ジャヒーとペレを召喚する。

 

「はぁ、こんな依頼に呼び出さないで欲しいのですが」

「依頼の件は封魔管の中からお聞きしていました!レベル上げの機会を作って頂きありがとうございます!」

「今の俺の手持ちの仲魔は黒雪が37、ナーガラジが38、ジャヒーが34、ペレが15だからな。ペレは仕方ないにしてもジャヒーのレベルはもうちょい上げて置きたい」

 

「それは分かりますが」

ペレはやる気満々だが、馬鹿のケツ吹きみたいな依頼にジャヒーは不満げである。それはそれとして・・・

 

「グラ爺、シエラネキそんな好戦的な目を向けんでくれ」

 

「む、すまんつい癖が出てしもうた!」

 

「日頃の習慣とはいえ悪いね・・・しかしペレ以外は修羅勢の平均レベルを超える悪魔を複数使役とはの。シキガミなら分かるが二人は普通の悪魔なのじゃろ?」

「縁に恵まれたのが大きいけどな」

 

ナーガラジャことコカベルと覚醒直後に出会えたこと、悪魔研究者であり合体師でもあったエキドナと出会えたこと。他にも複数の出会いが無ければここまで手持ちが充実することも無かっただろう。

 

「黒雪も頼むぜ?」

 

「ああ、前衛は任せるといい!」

頼もしい恋人の声に頷くと俺達は件の倉庫に突入するのだった!!

 

【二時間後昼飯時】

 

「終わったわ!」

 

『はええよ!?!?』

 

セツニキ含めた修羅勢全員からツッコミを入れらる。え、戦闘シーン?ぶっちゃけあの倉庫マジもんの異界って訳じゃないから確かに量は出るけど互いに連携やら場所とのシナジーとか皆無だし、呪いに関する悪魔ばっかで偏りも酷かったから黒雪達に簡単な指示出しだけで済んで鑑定に集中出来たんだよな。

 

「いや、それでも鑑定にもっと時間掛からないの!?数日は掛かると思ってたんだけど!」

 

「今回はあくまでドロップアイテムの鑑定だからな。骨董品や素材とか違って悪魔を倒した時に産み出されたものだから傷の有無とかの状態確認は殆ど要らないし、真偽鑑定も別に贋作が混じってるとかも無かったから詳しく比較する作業とかも必要ないから手間を大分省けてる。数も数千かと思ってたら数百程度、これで数日掛けてたら先代達ご先祖や弟子の六代目に笑われるわ」

 

「何で悪魔がいて、攻撃が飛び交う中鑑定出来るんですか?」

 

「狙いは黒雪達に集中してるし、いざとなったらあいつらが身体張って防ぐから背景やBGMと変わらん。実際に当たらないならナイフやら拳銃やら突きつけられてもビビらないだろ?」

 

「流石前世で銃砲火が飛び交う中時限爆弾を解除してのけた人間の言うことは違うな。この男、アイテムから出て来た怨念に身体を覆われながらも悪影響が無いからと平然と鑑定して封印していたぞ?」

「鑑定士とは・・・?」

 

特別修行を終え、先程まで魂が抜けているかのように憔悴していた修羅勢の怒涛の質問を黒雪と共に捌いているとセツニキが呆れたような、化け物を見るような目で人込みを掻き分けて出て来る。

 

「・・・もう掛ける言葉も見つからねぇが身体は大丈夫なのか?」

 

「問題ない、元々アイテムからの魂や精神的な呪いは元から効かねぇし最近専用装備を作って貰ったから身体に影響する呪いもシャットアウトよ!」

 

景虎のと合わせて注文したときに「人や悪魔からの呪いの耐性はそこそこで良いんで、アイテムからの呪いを防ぐのにリソースを割いてくれ。あ、魂や精神的な呪いは元から効かんから身体的な呪いの対策重視で!」とか言ったら担当者に引かれたけど。他にも幾つかの属性、状態異常の無効、耐性があって気に入っているんだがな。【雷無効】は自前で習得しているが。

 

「専用防具か、そういえば前に会ったときと違って和服だな」

 

「私としては和服姿の方が見慣れているのだけどね。今世では周りから浮きすぎるから着て居なかったようだが」

「そりゃ家族全員洋服なのにガキが和服とか目立つだろ。お前とデートの時は合わせて洋服を着て居たり前世から周りに合わせていたから着慣れていなかった訳でもないしな」

 

因みに魔法の威力上昇の武器として鉄扇も作って貰った。これ自体も耐久度が高いので攻撃を防いだりと便利な代物だ。これらと煙管が俺の三種の神器だったが・・・最後のは成人後の楽しみとしよう。

 

「倉庫の浄化もしておいたが、念のため本職の巫女さん達にも浄化するように言って置いてくれ」

 

「お、おう。それで報酬だが」

 

『はぁ!?忘れてた!!!鑑定中にマッカ稼ごうと思っていたのに!?』

 

如何やら装備更新、シキガミのアップデート、ガチャやらであまりマッカに余裕のない時期に今回の事件が起こったらしく、皆懐が寂しかったらしい。

 

「私一、二個くらいしか倉庫に投げてなかったのに一律の徴収は酷いと思います!!」

 

「つってもどれが誰のものかもう分から「そう思いまして【霊視】で所有者を割り出してアイテムとその所有者をリスト化して置いたぞ!」え、それもこの二時間で!?」

 

鑑定する前から一律は不平等だと思っていたからな、セツニキは驚いているがこれくらいはサービスの内よ。

 

「一律じゃなくてリストにある金額でいいからな。マッカで払ってもらうが」

 

「あ、本当だ!リストのアイテム一個一個に鑑定結果の売却金額が乗ってる!しかもご丁寧に日本円とマッカ両方乗ってるぞ!?それを含めて査定した個々人が払う報酬の額もあるし!」

 

「やった!大分安くすんだわ!」

 

「ぐえええ!!一律で払うより高くなったんですけど!?」

 

一部以外阿鼻叫喚の地獄絵図を見ながら巫女さんに作って貰った昼飯を黒雪と共に食べ進めているとそれなりの数の修羅勢の人達が俺に頭を下げて来る。中には土下座してる奴もいる。

 

『鑑定ニキ!!ごめん報酬払うのちょっと待って!』

 

如何やら今現在支払い能力の無い奴等が報酬を支払うのを待って欲しいようだ。まぁこいつは修羅勢だし、稼ぐ手段自体は多かろう。

 

「いいぞ。何なら分割にするか」

 

『え、マジっすか!?』

 

「マジマジ・・・利息はあるけどな?」

 

『利息あるの!?それローンじゃん!』

 

俺とてこいつらに過失が無かったら利息を取るようなことはしないが、今回の騒動の罰の一つとしてこれくらいは受けて貰わないとな?

 

「似たようなもんだろ?それに安心しろ。そこまで高くは設定しねぇよ・・・安くもないがな?今全額払うか、分割で払うか選ぶといい。まぁ頭下げた奴らは分割だろうけど」

 

「・・・セツニキ!」

 

「言っとくがマッカは貸さねぇぞ?」

 

「そんなの分かってる!割のいい依頼とかない!?」

 

「それよりも修行場異界に潜った方が稼げるか?」

 

「いや、ここは二つの合わせ技で」

 

わいわいの騒いでいる修羅勢を横目に食べ終わる。さて言うこと言ったし帰るかと思い席を立つと黒雪に呼び止められる。

 

「実槻、今日山梨支部に来た理由忘れたのか?」

「あ、そうだったそうだった。ショタオジとちひろネキに相談があったんだった」

 

「どんな相談だ?」

 

「それが前からちひろネキに鑑定の難しい品の鑑定をお願いされてて、お試しとして昨日支部にそれらを贈って貰ったんだが」

 

俺の話が気になるのか先程まで騒いでいた修羅勢達もこちらを見て来るが構わず続ける。

 

「その中に結構ヤバい呪いの物品が混ざってたんだよな。魔導書が一冊」

 

「え、それヤバくない?」

 

「まぁちひろネキの弁護もしておくけど如何やら適性のある物が触れないとそうと気づかせない偽装が施されてたからな。とはいえ詳しく調べる為にも触るしかなかったんだけどそれから色々あって」

 

『あって?』

 

そこまで言うと懐からとあるペンダントを取り出し、自分の息を吹きかける。するとペンダントが一瞬暗い光を放ち反応を示すが大半の修羅勢は何をしているのか分からず首を捻るが一部の有識者達は顔を強張らせる。

 

「か、鑑定ニキ、さっき言ってた魔導書って!」

 

「お、知ってる奴もいたか。原作かパチンコかは知らないけど・・・まぁそういう訳で」

 

ペンダントを振り上げ頭上で円を作るように回すと三重の光り輝く円が露われ・・・

 

「自分、暗黒騎士キバになりました!」

『はいいいいいいいい!?』

「お前なんでまたそんな物品に巡り合うんだよ!!ミロク経典の件からまだ一週間も経ってないんだぞ!?!?」

※ミロク経典の件が月曜日、イタコの里が水、木曜日、今回の依頼が土曜日の出来事です。

 

「安心しろ原作みたいにメシア降臨させるぜ!とかは無いから・・・何かダークネス・メシアに成れとか言われたけど」

 

『ダークネス・メシア!?』

 

「実槻が見つけて来たものが騒ぎになる。前世では良くあったことだ」

恋人であり守護霊であった黒雪でさえ死んだ目でこう言ってくるが、厄い物と良く巡り合うのは前世からそうなのだからいい加減諦めて欲しいものだ。




読了ありがとうございます!修羅勢にローンを組ませる主人公。具体的に誰がやらかしてやらかしていないか、支払いが一括か、分割にしているかは設定の食い違いとかを防ぐ為Lilyala様にお任せします!グラ爺とシエラネキ、ミナミィネキは今回みたいなことはやらかさんだろうなと個人的に思ったので別枠にしましたが・・・グラ爺のAAは無かったでござる。え、暗黒騎士?それは次回で!
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