親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第四十一話になります!今回説明の地の文が多くなることをご容赦ください。


キバの鎧と魔導馬

「それじゃ今から作戦を説明する」

 

天使が陣取るアリーナに突入し、自体の解決を図るべくこれから行う作戦を仲魔共々控室にいる皆に伝える。

 

1.アリーナへの突入

 

「来いライゴウ!」

 

『ヒィィィーーーンン!!』

 

「ちょっとここは狭いけど我慢してくれ」

 

漆黒の魔導馬ライゴウを呼び出すとそのまま騎乗する。流石に控室は狭いが少しの辛抱だ。

 

「おお、かっこいい!!・・・そのお馬さんに乗って乗り込むの?」

「いや、結界ってのがあるから無理「正解」え?」

「もっと直接じゃなくて回り道していくがな」

 

牙狼の原作での魔導馬は現世と異界や魔界を行き来する能力を持つ、それはこの世界でも同様だった。魔界に自由に行き来する力を持たせるとは相も変わらず技術は凄いなメシア教は。

 

「なるほど・・・だが魔界はこの現世とは比べ物にならない程の危険地帯だ。時間の流れも異なる。余としてはおすすめはしないのだが?」

「安心しろショタオジからも今の実力で、悪魔の本霊が鎮座する魔界には絶対に行くなと言われている。俺が行くのは魔界は魔界でも内なる魔界だ」

 

内なる魔界、原作ではホラー達の住む真魔界に繋がると言われるその精神世界と似たようなものはメガテンやペルソナの各種作品でも多く見られ、サイコダイバー、ペルソナなどその世界に侵入出来る力もまた存在する。そして一種の異界とも言えるそれらにもライゴウの行き来する力は有効だ。

 

メガテンシリーズでも出て来たように精神世界そのものは入ってしまえば、ペルソナ使いでなくても問題なく行動可能だ。タルタロスやマヨナカテレビなどで普通の覚醒者が力を発揮出来なくなるのはシャドウやペルソナの概念がその空間の主導権を握っているのが理由の一端ではないかと考えている。

 

精神世界はペルソナとシャドウの元とされる普遍的無意識と強い繋がりを持つ。そしてそれらはすべての人間同士を繋いでいるものだ・・・つまりそれらの繫がりを通して別の精神世界へ渡ることも出来る。

 

「つまりペルソナ使いではないマスターでも通常の精神世界なら問題なく動けるので、結界の内外にいる人間の精神世界を経由して向かうと?」

「ああ、ただ誰の精神世界でもいいって訳じゃない。俺という存在を受け入れてくれる人のものでないと拒絶反応でまるでマヨナカテレビやジェイルのような複雑な迷宮へと姿を変えてしまう。それに幾らライゴウでも出口となる人間を定めていないとどこから出ればいいのか分からんしな・・・まぁ鎧を使えばマヨナカテレビとかも問題なく動けたりするんだが」

 

鎧を子宮と見立てる構造のお陰で鎧内部は一種の異界となって居るからか、あるいはアドミニストレータというペルソナの様な魂の保護機能があるお陰か、もしかすると素材となるソウルメタルに秘密があるのか、マヨナカテレビ内部でも問題なく活動出来ることがスライムニキとそのパーティーメンバーの協力の元行った実験で判明している。もしかするとメシア教もペルソナ能力のことは知っていて、そっち方面にもメシアの牙であるキバの鎧の装着者を投入出来るようにしていたのかもしれない。

 

後年長崎支部の傘下に入った現地異能組織『天草十字凄教』がキバの鎧の量産品であるハガネの鎧を用いていた。しかし量産品というだけあり、キバの鎧の能力を簡略化してしまっているのでマヨナカテレビなどでも活動するということは出来なかった。無残ニキがガワだけ同じで中身がほぼ別物のハガネの改良型も生み出していたが、中身が別物ということもありこちらも元の旧型同様活動出来なかった。

 

これらのことを元に無残ニキと自分が色々調べた結果先に述べた三要素すべてが必要なことだったことが判明する。鎧内部を異界とすることで装着者への活動阻害を遮断、聖女達の魂で装着者の魂を守るというペルソナの代替機能、無残ニキがいらんだのクソ仕様だのそもそも高位の悪魔のフォルマ自体使う理由がわからんとか先の二つ以上にボロクソに言っていたソウルメタルは、単純に鎧の性能上昇目的の他に『情報生命体だった悪魔の一部が実体化し、現物となった』という概念そのものが悪魔と近しい存在であるシャドウに干渉するのに必要だったのだろう。

 

もっともそれだけではガイア連合の武器にも該当するのだろうが、フォルマに特殊な技術で金属を融合させると精神に感応して変化する性質が備わるというある種の原作要素的な効果を発揮したのだ。もっともその代わり元となった高位悪魔にも大いに干渉されてしまう弱点が生まれてしまったが、元々ペルソナの代替とメシアを産み出す子宮の概念構築の為に聖女達の魂は必要だったのでついでにそれのプロテクト機能も付けた感じなのだろう。装着者が堕天したあとに鎧や魔導馬がそれに引きずられたのもそういう性質によるものだったのだ。

 

悪魔とシャドウ、どちらかを対処するだけで良ければ要らない機能や要素が多々あるキバの鎧だが、その両方に対応できる+一部を除く戦闘能力の大幅強化+装着者をメシアとして再誕させる機能といったものを複合させた装備品と考えれば当初の予想よりも高性能で完成度が高く、ハイエンドな代物と言えよう・・・まぁ採算度外視の上倫理観を宇宙に放り投げた代物であるのは変わらないのだが。あとこのスペックを要求したプロジェクトの責任者だった司祭や大天使、或いは当時のメシア教上層部は研究者や技術者達にこんなとんでもない無茶ぶりを投げるんじゃない!

 

こうしてみるとハガネが量産品とはいえ少数生産だったのは、お手軽に戦わせながらデモノイド化、普通の覚醒者でもシャドウにも対応できるようにしようと量産して見たものの簡略化しすぎてデモノイド化能力は糞、シャドウ対策で運用した場合そもそも機能しない、こんなんじゃ採算に合わなくて量産品の意味ねぇよ!ということで初期生産分しかそもそも作っていないからというのが理由だったのだろう・・・つまりそれを支援という名目で在庫処分のように譲渡された当時の天草十字凄教の立場って・・・まぁうん、ガイア連合に合流出来て良かったね(白目)。ただ聖女達の魂に代替する技術を産み出せれば悪魔用とシャドウ用にと装備を変える必要性が無くなるだろう。

 

因みに無残ニキがある意味一番ボロクソ言ってた『天使のヒエラルキーによる強制命令』・・・無残ニキ曰く"キリストのコピーである以上、四文字の分霊でなきゃならないんだから、天使“ごとき”の命令に従ってしまっている時点で、四文字未満の天使よりさらに格下の存在しか生み出せてないって事を自ら証明してしまっている"という考えをアドミニストレータに聞いてみた所

 

「ああ、それはちょっと誤解があるわね。そもそも天使って主が単独で産み出したものよね?そしてメシアはかの聖母の子宮に主が宿した・・・つまり聖母と主の合作による存在よ。どちらにも主が関っている以上ある程度性質は似るし、同じ存在から産まれたという概念がある以上天使もメシアも同じ系譜に属するわ。そもそも天使の力もメシアの力も元をただせば主の力なのよ?あるのは単純に純度の差、メシアは主の分霊と言われるほど主の力の純度が高く、天使はそれと比べて大きく純度が低い。言わばメシアとは人としての概念を持ちながら主の力を分霊レベルの高い純度で保有する存在のことよ」

 

「だから純度を問わなければ、神霊や天使よりも天使と人間のハーフの方が概念的には近かったりするのよね。それで無残ニキって人の言ってたことだけどメシアを後天的に生み出すならまずは概念的に近い天使と人間のハーフのような存在に身体と魂を改造していくのだけど・・・この"ような存在"っていうのが紛らわしいのだけど性質や概念が似ているだけで天使と人間のハーフとは別物なのよ。そう、貴方に言った天使に近い存在になると言ったのはそういう意味よ。行き成りメシア、言わば主と人のハーフのような存在にするのは負荷が大きくてね。同じレールに乗せたあとで段階的に改造していく想定だったの」

 

「それでは何故天使のヒエラルキーの強制命令が効いたのか、なんなら何故堕天したのか。簡単に言えばヒエラルキーのシステム、堕天システムがキバの鎧の初代装着者だった彼を"天使"と誤認したからよ。丁度あの頃の彼は改造が進んで先に言った主と人のハーフと天使と人のハーフ、その中途の存在に至っていたころだったの。無論これらのシステムは天使と人のハーフに影響は及ぼさない、でも彼の持つ主の力は天使と人のそれより純度が高かった。故にシステムは天使と誤認してしまったのよ、恐らく協力していた大天使がそれに気が付いて安全装置に利用したのでしょうね」

 

「ただ司祭と大天使の誤算は人としての概念を有していたが故にシステムの縛りも緩くなっていたことだったわ。私が天使の適応されるシステムに"従う"と言わずに"影響を受ける"という表現をしたのはそれらの理由があったからよ。もし本当にヒエラルキーに従っていたら"暴走"なんて命令外の行動起こせる訳ないでしょう?あとは洗脳を施すのは悪影響が出そうだからある程度の記憶操作をされて終わりよ。メシアとして再誕したら当然誤認も無くなるけどそうなったら"メシア教のメシア"として振る舞うでしょうから安全装置なんていらないわよ」

 

「それほど天使に取ってそれは絶対的なものなの。あまりに階級に差がある天使からの命令なら洗脳みたいに反発心があってもそれが正しいと思い込むくらいよ。まぁ結果的に縛りが緩くなっていたのだからガバった部分があったのは否定しないけど」

 

「え、それらを今まで詳しく言わなかった理由?それは私があくまでこの鎧のシステムの一部であるというのと・・・元は兎も角私は悪魔よ?概要くらいは自分から説明するけど聞かれたこと以外詳しく説明する理由があるのかしら?」

などということがアドミニストレータの悪い笑みと共に判明したりするのだがそれはもう少し未来のお話だ。

 

「出入口、ゲートはここにいる美九と丁度非番でライブに来ていてアリーナにいる千束だ。時間がない、準備出来次第行くぞ!」

 

数分で準備を終わらせいざ行かん美九の精神世界へ!

 

 

 

「あ、美九もアリーナに連れて行くから俺の後ろに乗ってな?大丈夫本人も自分の精神世界に入れるから!」

 

「どうして?」

「だからステージ衣装に着替えさせたのね・・・でも何故美九は都合よく衣装を持っていたの?」

「「え、プロなんだから最低限の仕事道具くらい常に携帯していて当然(だろ?)では?」」

「「「「「「「「ア、ハイ」」」」」」」」

 

美九に化粧道具は言うに及ばず、折り畳んでも皺が出来にくい素材の衣装と携帯式マイクは常に持ち歩く様に教育していたのが功をそうした・・・俺?勿論最低限の鑑定道具は持ち歩いているぞ?だから星祭神社倉庫悪魔発生事件の時も話を聞いてすぐ鑑定作業に入れたんだよ。




読了ありがとうございます!という訳で頓西南北様著作の「ファッション無惨様のごちゃサマライフ」から無残ニキを出させて頂きました・・・台詞はないけど。キバの鎧を取り扱ってくれていたことに少し前に気が付いたので今後も出されるならと設定の齟齬が起こらないよう順繰りに出す予定だった設定を一度に出させていただきました。まぁ今後思い付きで追加設定が盛られるかも知れませんけどね!天使のヒエラルキー云々はもっとあとの時系列で出て来る十戒システム搭載の悪魔召喚プログラムでサヤカちゃんがお労しいことになった場面から着想を得ました。
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