親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第四十四話になります!決着にはまだ掛かります。え、一度の投稿の文字数が少ないからだって?それはごめんね!


盤上に駒は出揃った

各地で命蓮寺メンバーが奮闘する中、アリーナでの暗黒騎士と天使・・・パワーとの戦いは続いていた。

 

『あああーーー!!!めんどく(さいですねぇぇぇ!!!)せぇぇぇ!!!』

 

というか泥試合の様相を呈していた。戦闘中にも関わらず思わず心の中で両者が叫んでしまうほどに。

 

「(美九を守ることについては問題ないし、こいつを倒す隙も幾らかあるが、儀式を如何にかする前に倒したらさっき言ったように集めた生体MAGのエネルギーが暴走してここら辺が吹っ飛ぶから今は耐えるしかない!互いに生体MAGを大量に取り込む続けているから常時HP、MP、スタミナをほぼ無尽蔵に回復しているに等しい今の状況は良いとも悪いとも言えないな)」

 

「(誘宵美九を仕留めようにもあの暗黒騎士が的確にガードに入って来ますね。ガードを躱そうにもタイマンでは厳しい。援軍を呼ぶ手立て自体はあります。放送機材などにインストールした"あのプログラム"を起動させれば・・・く、大分身体は慣れて来ましたが生体MAGの濁流を浴びているに等しいこの状況の中、戦闘中に並行してプログラムに適量のMAGを流すMAGコントロールを行うのは無理ですね。せめて平時なら集中すれば行けそうなだけに歯痒いですね)」

剣撃が、雷が、光が両者を迸る。アリーナのファン達は徐々に美九側に傾いて来ているがそれでもまだ五割にも満たない。

 

「(ちぃ!!やはり本来はワルキューレのファンな分美九だとファン達を掌握するのに時間が掛かり過ぎる!彼女達とのコラボ経験があり、ファン層もある程度被っていて双方共にファンという人間が生まれやすいだけまだマシとはいえ、魔法陣が起動する方が早いか・・・?一応それを防ぐ対策と保険は用意してはいるが、間に合うかどうかギリギリか)」

 

「(やはり先に暗黒騎士を倒した方が結果的には速く済む、済むのですが先程から私の攻撃が大幅に勢いが削がれている!鎧に我々天使の力を削ぐ能力、或いは耐性があるの知っていましたが予想以上です。なんなら大型の機材を全力で投げつけた方がまだ効く気がします。ならば攻め手を変えたい所、しかしこのパワーの霊基では搦め手はそれほど行えない。せめて劣化分霊でも私"本来の霊基"ならまだやりようはあるのですが・・・!)」

内心愚痴りつつも互いに次の一手を模索する。そしてパワーは能力が無理なら口での搦め手を仕掛けて行く。

 

「私にかまけすぎてよろしいのですか?そろそろ天界よりこの会場に召喚された同胞達の数も揃い市内に打って出る頃。無論会場にいる貴方のお仲間がある程度数を削って来るでしょうが、全て止めきれるとは思えませんが?」

「そろそろか・・・問題ない。こちらもそろそろ来る頃だ。迎撃はあの者達が行うだろう」

 

【会場出入口付近】

 

異界となっている会場から天使がまとまった数が出てきているが、未だ会場周辺から外には出ていない。それはそれぞれの部隊を離れ、こちらに救援に駆けつけた二人のお陰である。

 

「えぇい!数が多い!!」

「出て来るのは大半がエンジェル、他はアークエンジェルが少し。格上はいないが数が脅威か」

周囲のエンジェル達を叩き潰していっているのはペンテシレイアとハンナ・ルーデルだ。前者は特殊事件・事案調査部隊、後者は対悪魔・異界部隊所属である。

 

「邪魔だ!潰れろ羽虫共!!」

 

ペンテシレイアの鎖付き鉄球の一撃が天使達を纏めて押しつぶす。

 

「しかし、毎度共闘する度に思うが貴様の戦闘時の変わりようは凄まじいな。普段はもっと冷静でビジネス用語使いまくりのバリバリのOLのようだというのに」

「知っているだろう。私のアマゾネスの血と記憶が滾っているせいだ!!」

ペンテシレイアは誇り高きアマゾネスの一族の血を引き、女王ペンテシレイアの転生体でもある。元々は血を引いているだけのバリバリ仕事ができる日本人OLだったが、悪魔絡みの事件に巻き込まれ血の力と前世に覚醒。窮地を脱するも前世の女王の意思を完全には制御し切れずブラックな命令を度々してくる上司を半殺しにしてしまい、会社をクビになった所で聖に勧誘され、命蓮寺に所属することとなった。それ以来ケジメのつもりなのか前世と同じペンテシレイアという名で通している。

 

「そういう貴様こそいつになく飛んでいるではないか。戦狂いめ」

「心外だな。私はこう見えても平和の為に戦っているというのに」

ハンナ・ルーデルはドイツの元軍人という命蓮寺でも珍しい経歴を持つ。ドイツ軍でも有名なエースパイロット兼指揮官だったが、部隊と作戦行動中に偶然悪魔と遭遇。市街地が近かった為交戦、ハンナ本人が途中で覚醒を果たしたことで後遺症を残すほどの大怪我を負いながらも撃退に成功するが部隊は壊滅してしまいその責任を取って軍を除隊。その後後遺症を押して世界中を回り悪魔の情報を集めていた最中にこの町に立ち寄り聖が接触を果たしたことで命蓮寺所属となっている。

 

「それにだ。折角シキガミのパーツを回してくれた実槻殿の為にも使い倒すのが礼儀。それに私はテストパイロットだから飛べるときに飛ぶだけだ」

「・・・あいつならもっと身体を労われと言うだろうがな」

後遺症のせいで長時間の戦闘には耐えられなくなっていたが、シキガミのパーツ移植で戦力増強と共に後遺症の軽減、そしてパイロット経験があるならとガイア連合製造部が開発した"ストライカーユニット"のプロトタイプのテストパイロットにもなっている。まだ不自由はあるが戦闘機のように上空から攻撃出来るのは大きなアドバンテージだろう。

 

しかし、それでもやはり頭数が足りていない。

 

「また出て来たな。消耗しているとはいえ大抵の奴なら我ら二人で押し止められるが・・・あれはプリンシパリティか!」

「それも複数出てきて他の天使達を纏めているな。今まではその都度全滅させて来たがいよいよ本格的な防衛戦だ。ボス格には勝たなくていい、外に出さないように押し止め雑魚を一体一体確実に片付けて数の利点を潰していけ!」

二人とも腹を括った所で彼女達の背後からこちらに近づく気配を感じる。

 

「この気配は・・・そうか彼女達も来たか」

「援軍、というよりは文句を言いに来たと言った所だろうがな」

二人とも苦笑し、肩を竦める。

 

「実槻殿、これも貴殿の読み通りなのかな?」

そうつぶやいたハンナの言葉をかき消すかのように蹄の音と二人の女性の大声がこの場に響く。

 

「「実槻ーーーー!!!!邪魔とはどういうこと(ですか)だああああーー!!!」」

 

「ふふ、相変わらず皆さんは仲良しですね」

愛しい恋人に「今回の作戦に邪魔だから」の一言で待機させられていた景虎、黒雪。彼女達を止めようとした聖から事情を聞き出し、会場に突撃して来たのだった。因みに聖は止められないことにそうそうに気が付くと自分が参戦する大義名分作りの為に二人を誘導して案内役として付いて来た辺りちゃっかりしている。

 

彼女達が参戦したことで描写していない者達はあれど新潟市という盤上に全ての駒が出揃うことになったのだった。




読了ありがとうございます!実槻とパワーがアリーナで泥仕合をしている中他の場所の戦況は動いていっている感じですね。
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