親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第四十八話になります!スイッチ2自分も落選しました…第二抽選で通ってくれるといいんですけどねぇ。ネットやYouTubeでデスゲームネタに使われているのを見たときは笑いましたが。


東京へ

上越市から帰って来た次の日、俺は支部の支部長室で資料に目を通していた。

 

「事後処理は粗方終わったが景虎、命蓮寺の様子は?」

 

「事前の予想通りダメですね。聖は全く持って問題なし、隊長格も全員復帰出来ていますがその下が復帰できていないものが半数もいます。戦闘などの傷はとっくに治療は済んでいますが、霊質異常による症状や副作用が出ていてその回復や調整で動けません。中にはまだベッドから動けない者もいますし」

「命蓮寺の弱みが出た感じだな。全体的に質は高いが戦力としては不安定、霊質異常のケアや調整にどうしても時間が掛かってしまう。普段は長年のノウハウから来る人員配置やシフト調整で上手く回していたがフルの総力戦の場合誤魔化しきれん。今回はまだいいが、総力戦が重なれば防衛すら儘ならなくなる」

 

無論総力戦による連戦などどこがやっても辛いし、やること自体愚策だが来たる終末を考えるとそういった無理を重ねなければ成らないときは必ず来るはずだ。

 

「特にミカエルから再戦を宣告されましたしね。どの道戦力の増強は急務ですよ」

「そうなんだよな。かと言ってあんまり外部から人を呼びすぎるのも聖達の肩身が狭くなるだけだし、其処ら辺も調整しないとな」

 

「黒札を沢山呼び込むってのも無理そうですしね。肩身が狭まるということ以外にも命蓮寺はトップである聖ありきで成り立っています。彼女と対立してしまう黒札ははっきり言って組織運営上邪魔にしかなりません。借金出向組はその辺も考えて選ばれてますけど。まぁこっちに残ってくれるかはあわよくば的な感じであまり期待していませんが」

「今回の景虎と黒姫みたいにな。最後は役に立ったが」

 

「むぅ…その話はもう済んだでしょうに」

事件後抗議に来た二人に「それじゃサボらずその手の訓練もしろ」と正論で迎撃した結果渋々二人は了承したのだった。全く前世に取り巻きや家臣がいた癖に相変わらず集団行動が苦手な奴等だ。

 

「ごほん、取りあえず終末までにどれだけ準備出来るかが問題ですね。ミカエルの件もありますし」

露骨に話変えたな・・・ミカエル、戦力か。あの事件は未だに分かっていないことが幾つかある。例えば自決用として呼んだ天使達をどうやって召喚したのか、本来異界では動作しなくなるはずの精密機械である放送機材が問題なく動いていたのか・・・ガイア連合がその機材を調べても何も出なかったと聞いているが、なんとなく直感ではそれらは一つに繋がってる気がする。

 

「やっぱり証拠品とかに"アレ"を使うべきだったか?」

 

「ダメです」

俺が呟いた言葉に景虎が強い口調で待ったを掛ける。その目は普段俺に向けるものでは無く悲しげで、怒りが込められた目だった。

 

「前世で共にあった黒雪と違い、私はアレを一度しか見ていません。ですがそれでも霊能に関して無知だった当時でもアレが人には過ぎた力だと分かります。だからそう易々とやろうとしないで下さい」

「・・・間接的にだが人の命を救うことに繋がってもか?アレを使えば早い話今回の事件の"全て"が分かるぞ」

 

「だとしてもです・・・貴方が前世のお父上から設けられた"縛り"に今回の件が該当しないのは分かります。ですが私は、いえ黒雪も目の前の命を救う為なら兎も角間接的に見ず知らずの人間を救う"程度"のことでアレはやらせません」

「程度ってもうちょい言葉選べよ」

 

「程度は程度です。私達にとって見ず知らずの他人よりも実槻が優先ですから」

笑顔で言うなよな。本当こいつらは変わらないな。

 

「はいはい、分かった分かった。今回は使わないから!」

 

「分かればいいです!あ、そういえばもう来週ですね親族会」

「ああ、今回は東京でやるからついでに"新体制"のワルキューレの様子も見に行く予定だ」

 

親族会とは俺の親戚達が年に一度集まって開かれるホームパーティーみたいなものだ。もっとも強制参加という訳じゃなくて任意だし、大人はあまり来ないが。

 

「まぁ実槻が小学生から中学生に掛けて親族の問題を解決しまくった結果、問題がないか確認する為に年に一度集まることになったんですよね。今の世代の若い人達は実槻のお陰で大抵来ますし」

「用事が入ったり、海外にいる奴等以外は父方、母方問わず大抵来るからな。偶に電話やメールして元気でやってるのは知っているけども」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普通に警察案件のトラブルに巻き込まれた奴もいたからな。偶然気づかなかったらと思うと今でもぞっとする。

 

「正直親戚筋まで面倒見るだけなら兎も角その友人達まで助けるのはちょっとどうかと思いますけど」

「そう言うな、ほっとけばその親戚が巻き込まれる可能性もあったし何より友人を失うってるのは辛いもんだ。なるたけ経験しない方が良い」

 

親戚に甘いか、前世でも言われたな。前世は修行もあり若い頃はそんな余裕はなかったが大人になってから色々面倒見てたっけ。元々俺の家は家業である鑑定業を引き継ぐかどうか選ばせて、他の選択肢を選んだ者は鑑定技術を一切教えない代わりにそいつが選んだ道を家を上げて応援するのが伝統だった。本来なら修行で使うはずだった資金などを援助したりな。鑑定技術を教えないのもそんなの学んでいる時間があるなら進みたい道の研鑽使わせてやれというある種の愛情が大本にある。

 

俺は前世で弟子はいても子供はいなかったからその分の愛情を親戚に注いでいたのかもな。

今世は修行や勉学の時間を多少削っても問題なかったから早めに其処ら辺に目を向けられたのだろう。まぁ地元に居たときは景虎の面倒を見るので手一杯だったが。

 

「あれ、俺がメシア教とかメガテン要素に16年間気付かなかったのって全国飛び回って親戚の面倒見たり、地元で景虎の面倒ばかり見ていたからでは?」

 

「どうでしょうね(目逸らし)」

「目を逸らすなよ!」

 

後悔とかしてないから別にいいけども!

 

 

 

「あ、今年はお前も来い。元々親戚の友人とかも遊びに来てたし、俺達の場合とうとう付き合いましたって正式に報告する為だけど」

 

「・・・ニャー///」

こういう可愛い所は年相応なんだけどなぁ景虎。




読了ありがとうございます!次から東京編が始まります。因みにちゃんと黒雪も封魔管に入れて連れて行く予定です。次は新キャラも出ますが二人とのイチャイチャメインな章にしたいな…戦闘はまぁあるけど(目逸らし)。

アレ
実槻から前世から切り札としていたもの。正確に言えば前世の父親から精神的な縛りを儲けられ切り札に"貶められた"もの。ある意味実槻の根源に近く切り札になってから行使されたのは前世で五度、今世では今のところ一度のみ。アレの存在を知っているものは今のところ景虎以外は前世の特に親しくしていた関係者のみ前世の実槻や彼の父親から詳細を伝えられている。もっとも詳細と言うが実槻自身アレは生まれつき宿っていたものであるため具体的に何かは分かっていない。今世にいる中でアレを知るのは今のところ景虎、黒雪の他には実槻の魂と融合した悪魔(声の主)、一時期相棒であった壬生狼ニキのみで仲魔達やショタオジにすら話してはいない。まぁ終末までにはバレるけど。
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