親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第五十九話になります!switch2はまた外れました。今回は少し駆け足気味かもです。


因果終息

「とまぁこんな所か・・・なんだよその顔」

 

俺と藤乃、天音が事件のことを話し終えると他の奴等「ああ、うん」みたいな顔をしていやがる。

 

「相変らず君は常識が無いな」

「お前にだけは言われたくないんだが?」

 

「そうだよ、実槻は露伴と違って常識はあるよ。いざという時に躊躇いなくそれを投げ捨てられるだけだよ」

「おい!」

 

「フフ、当然だね・・・あれ、ぼく常識無いって言われてないかい!?」

俺達男性陣が言い合っているのを尻目に女性陣達も話し合っていた。

 

「相変らずなのはこちらの台詞よ。実槻兄さんも含めてどこか子供っぽい所があるのよね・・・普段はそんな面は見せないのに」

「でもそういう所も含めて魅力でしょ!それに家族同士で片意地張ってもしょうがないんじゃない?」

「ええ、それがお兄様達らしいです」

「それはそうとやっぱり当事者達から話を聞くとある程度知っている私達でも驚くことが多いわね」

「その割には皆さん普通に受け入れているように見えますが?」

「まぁ実槻お兄ちゃんがいざとなったら何でもやる人ってのは親族間じゃ結構知られてるから」

「色々介入してましたからね。私も片棒を担いだことがありますよ」

流石に刑事事件にまで発展した藤乃と天音の件程では無いが、少々強引に解決しなければならないトラブルを抱えている親族もいたので、やったるぜと腕を振るったのだがなんかそういうイメージがいつの間にか広がってしまっていたのだ。

 

「勿論最初は穏便に解決出来ないか模索しますよ?『あ、ダメだこれ』と判断したら本当に容赦ないですけど」

「・・・確かに父も大分やられましたからね。言葉で」

男性陣、女性陣共にある意味で話が盛り上がっているが、そろそろ軌道修正しないと。

 

「さて、そろそろ当初の目的に戻ろうか」

 

「ん?・・・あ、そう言えば私達の血やご先祖様の手掛かりの一環として聞いたんだった!?」

「すっかり話の方に夢中になってしまっていたな。ふむ、そういった血筋のルーツ的な内容は・・・浅上家が退魔の家系だったということくらいか」

「前大戦、つまり第二次世界大戦より前にオカルト的なものからは足を洗ってるみたいだけど、これで大分絞れたんじゃないかい?」

「ヴィクトルお兄様の言う通りですね。前大戦という言い方をしていたことを考えると第一次世界大戦まではその退魔の家系として活動していた可能性は高いかと!条件が狭まればもっと深く調べられるはずです!」

長らく手詰まりだったが、進展が見られ喜ぶ阿求。それにしても退魔の家系か、もしかすると浅上家は元名家って可能性があるな。こちらでも調べて見るか。

 

「退魔の家系ね。まぁ陰陽師やらそういうオカルトを専門にする仕事が昔あった以上そういうことを生業にする家があってもおかしくないと思うけど・・・ちょっと信じられないわね、現代にはまず合いそうにないわ」

「だから廃れてしまったと見ることも出来るのでは?オカルトで食べていけなくなったのでもっと現実的なものに乗り換えたというのも有り得ると思いますよ」

「確か今の浅上家は地主であることを活かした不動産業をしていましたね」

「はい、ですが退魔の家系というのはあの事件で初めて知りました。事件後お爺様に聞いてもあまり具体的な話をしてくれませんでしたが・・・今思うと」

「のらりくらりと躱されてた可能性はあるか。もしかして何か知っていたのかもな、天音のパパさんも爺さんは警戒していたし、事件後も話さなかったこと考えると墓場まで持って行く気だったのかもな・・・全く本当に墓場まで持って行きやがって」

 

「あのお爺様がお亡くなりになってもう二年経つのね。私達も良くして頂いたわ」

今から二年ほど前に爺さんは亡くなっている。死因は身体の複数個所にがんが転移したことによる病死である。一度存命中に見舞いに行ったときは『認知症になって死ぬよりはマシじゃわい』って笑ってたけどな。

 

【浅上臓硯(享年96歳)】

 

「死んでも死ななさそうな人だったからな。いやまぁ90歳は軽く超えていたし、大往生ではあるんだがな」

「息子がもっと早く結婚して居ればひ孫も見れたかもとか文句言ってたな。数少ない未練だったらしい」

 

「お爺ちゃんらしいね。うーん、本人に聞けないなら蔵とかに何かないかな?確か物凄く古そうな蔵があったと思うんだけど」

「あれは長らく使っていないのですが、調べれば何か情報があるかも知れません」

そうして小一時間程話し合い、俺はトイレを借りると断りを入れて席を立つ・・・そしてそれについてくる者が一人。

 

「どうした天音?俺と同じでトイレか?」

 

「メアリさん達にはそう話して付いてきました」

「そう言うってことは別件だな。何かあったか?」

 

「はい、実は実槻さんに頼み事がありまして」

「頼み事か、別に構わないがその前に一つ聞いて良いか?」

 

そう言うと天音の方向に振り返る。

 

 

 

 

 

そして懐から取り出した"拳銃"を天音に向ける。

 

「それはお前、九頭竜天音からの頼みか?それともお前に宿っている"天使"の頼みか?」

 

「!?」

俺の【霊眼】は確かに捉えていた。天音の魂と重なる様にして存在する天使のMAGを。あのパワーのときと違い、天音本人の魂は健在な為両者を比較することで判別ができた。

 

「・・・気づいて居られたのですね。そちらもお手洗いは建前でしたか」

「今日久々に会ったときから気づいて居た。最初は裏から天使に操られている或いは人格を乗っ取られている可能性も考えたがさっきのまでの話でそれは無いと見極められたし、覚醒者である俺が一人になれば動くだろうと予想も出来た・・・いい加減出てこい。お前は誰だ?」

 

俺の言葉に天音が決心したように目を閉じる。すると彼女の雰囲気が大きく変わっていく。

 

「私は・・・メタトロン様が配下、天使レミエル。貴方のお力をお貸しいただきたいのです。"異邦"の子よ」

その目は暖かくも冷たくない、実に天使らしい目だった。




読了ありがとうございます!因果は終息するものです。因みに実槻が使っている拳銃は命蓮寺から貰ったもので、ドイツ製の密輸品です。
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