親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第六十話になります!今回このカオ転世界の根幹に関わる設定が出てきますが、この設定を自作品に持ち込むかは他の三次作者様にお任せします。自分の世界ではこうなんだよ!理論で良いと思います。


世界と輪廻

「天使レミエル、呼び方は幾つかあるが、神が人間に遣わせたメッセンジャーだったか」

 

天使レミエル。ラミエルとも言われその名は「神の雷霆」「慈悲の意」を表す天使にして神が地上の人間に遣わせたメッセンジャーだ。

 

「はい。もっとも今回この娘に憑依しているのはただのメッセンジャーという役割以外にも理由があります」

「そうかい、まぁ其処ら辺も気になるがまず確認するがお前が憑依していることに天音自身は同意しているんだろうな?」

 

「無論です。先に呼びかけたのは私ですが、その声を聞き届けてくれたのは彼女の意思です」

確かに天音と人格を入れ替えるときも特に脅されている様子は見られなかった。

 

「なるほど、全く少しは相談すればいいものを」

 

「大切な人であるからこそ関わらせたくなかったのでしょう。それに今日貴方に直接会うまで覚醒者であることも知らなかったようですし」

「まぁ俺が覚醒してからまだ一年経ってないからそりゃそうか」

 

「・・・一年未満ですか。流石はこの世界に召喚されし異邦の魂を宿す者の一人ですね」

「宿す者の一人ってことはお前」

 

「はい、メタトロン様より貴方を含めたガイア連合の黒札がどういう集団かは聞かされております」

転生者であることを隠していない俺は兎も角黒札全員が異世界の転生者であると知っているとなると理由は大分絞られてくるな。

 

「それはメタトロン或いはお前らの神が、俺達を呼んだということか?」

 

「いいえ、メタトロン様と主は貴方達を召喚した側では無く、それに気付き対処した側なのです」

「対処ね、薄々気づいて居たがやっぱり異世界の魂を大量に呼び込むって不味いよな?」

 

「はい、非常に」

レミエル曰く召喚時点で一時的に悪魔などの本体がいる魔界以上の別世界とこの世界が一時的に急接近、そのせいでGPが世界的に急上昇したらしい。戦後しばらくはメシア教が主だった霊地を封印、管理したことで霊地活性を抑えられていたようだが・・・。

 

「つまり近年のGPの上昇や霊地の活性化って封印で抑えられてたもののぶり返し?」

 

「主となる原因はそうなるかと」

「「・・・」」

 

思わず沈黙してしまう俺。いや、待つのだ俺よ。別にこれ俺ら悪くないだろ?

 

「あの、因みに召喚した奴って誰なの?」

 

「残念ながら私は聞かされておりません。メタトロン様と主はご存知だと思われますが」

「話さなかったのは話す必要がないからか、話されると困るからか?うーん、情報が足りんからなんとも言えな。因みに対処って何をやったんだ?対処したにしてはGPの上昇を止められていないように見えるが」

 

「GP上昇はこういってはあれですが当時はメシア教が抑え込んでいたのでメタトロン様と主は別の事柄を対処していました」

「別の?」

 

GP上昇以外の悪影響への対処ということか。そう言えば四大天使の話はちょくちょく聞くがメタトロンとかの話はあまり聞かないが、それとも関係しているのだろうか?

 

「はい、現在主はいずれ来る終末への対策に、メタトロン様は日々崩壊する世界の壁と輪廻システムの修復に追われております」

「ふむ?前者は兎も角後者はどういうことだ?」

 

「別世界の急接近と大量にその別世界の魂がこの世界に呼び込まれたことで、世界の境界たる壁は既にいつ崩落してもおかしくない状況なのです。そうなれば今すぐにでも終末が訪れましょう。その日を少しでも引き延ばそうとメタトロン様が日々修復しているのですが・・・正直追い付いていないのが現状です」

「本当にただの時間稼ぎなんだな。それで輪廻システムの方は?正直予想出来なくもないんだけど」

 

「輪廻システムはその通りこの世の輪廻転生を司るシステムです。このシステム自体は主が作り出したものでは無く、この世界が生まれた直後にこの"星"が作り出したシステムです。代々その時代で最も力を持った神が管理権限を星から与えられています」

 

 

星、つまり地球が作り出したシステムということか。人の信仰により悪魔や神が生まれたことを考えると神性より生物が先に生まれたと考える方が自然だが、そのときから輪廻システムがあったとすると一神教自体に輪廻転生の概念は無くても矛盾はしないのか。その時代で最も力を持った神というのはメガテンVの至高天に座るような存在のことを指しているのだろう。

 

「そしてそこに突然大量に別世界の魂が投入されたと」

 

「ええ、至高の精密機構とも言える輪廻システムがそんなある種の暴挙に耐えられるはずもなく、世界の壁と同様に一時は崩壊仕掛けました。しかし、主自らが動き輪廻システムの修復と世界の壁の崩落を一時停滞させたのですが・・・」

 

【動かなければならない時には動く神様】

 

「お前たちの神でもそれが限界だったということか。輪廻システムは兎も角世界の壁の崩落は一時的にしか止められない」

 

「その通りです。終末はいずれ必ず訪れると確信した主は輪廻システムと世界の壁の修復をメタトロン様に代行させご自身は終末に向けてのご準備に入られました。メタトロン様はそれ以来それらの仕事に掛かり切りなのです」

 

【神の代行者という名の社畜】

 

「世界の壁だけじゃなくて輪廻システムも崩壊していっているのか?」

 

「崩壊自体は主の修復により防ぐことが出来ました。しかし輪廻システムに別世界の魂が大量に投入されたことで本来は起こりえないエラーやバグが起こる様になってしまいました。この中には輪廻システムを再び崩壊させる要因になるものも含まれます」

「それのデバックも並行してやってるのか。そりゃ地上に干渉したり四大天使を止めている暇はないわな、或いはそこを狙われたか。デバック作業の方は追い付いているのか?」

 

世界の壁の修復と輪廻システムのデバックを同時に熟すなど想像も出来ない労力だ。小ヤハウェと呼ばれる神の分身たるメタトロンだからギリギリ代行出来ている状況なのだろう。かと言って終末対策をしなければ事前準備無しで終末に突入してしまう・・・案外メタトロンを作り出したのは他に神を作れない一神教のルールに反せず、いざというときに仕事を分担できるようにする為だったりするのかもしれない。

 

「輪廻システムは終末後であっても必要な機構です。その為時間稼ぎの為の世界の壁修復よりも注視しているはずですので、輪廻システムを崩壊させるような致命的なものは全てデバック出来ているはずですが・・・そうではない些細なものは手が回っていません」

「神やメタトロンとて限界があるのは分かるから優先順位を付けていることに文句はないが、些細なバグってのはなんだ?」

 

「輪廻システムのバグは別世界の魂の影響によって起こるものです。当然そのバグ自体もその別世界の魂の影響を受けています。貴方方にも覚えはあるはずです」

特定個人では無く俺達黒札全体を指しているということは、あれか。

 

「・・・なるほど。つまりこの世界にメガテンシリーズやその外伝や派生作品のキャラに留まらず全く世界線や作品が違うキャラに似た奴が生まれて来るのはそのバグのせいか」

 

「はい、それらは別世界の魂の知識や記憶の影響によるものです。更に輪廻システムは生命の巡りを司る機構、それに時間による縛りはありません。つまり召喚された以前の時間軸にもその影響は及びます。そして人に影響があれば悪魔や神にも影響があるのがこの世の理、それらの分霊にも別世界の人物の似姿となって顕現するものも現れ始めました。もっとも所詮はバグによるものですのでどこまで元のオリジナルと似通っているかは個体差があります。中には別々の人物の要素が混じっているものも存在しています」

「もしかして俺達がそういったキャラ達と遭遇しやすいのも」

 

「恐らく貴方達の知識や記憶が元になったことにより、運命的に引き寄せやすくなっているのでしょう」

「一種の共鳴みたいなもんか・・・まぁ」

 

レミエルから視線を外し、景虎達のいる庭の方角に目をやる。

 

「俺にとっちゃ全くの"別人"に視えるからバグ自体は兎も角其処ら辺はどうでもいい。それに別にバグが無くても似ることはあるんだろう?」

 

俺の脳裏には黒雪と前世の友人だったとある刑事の顔が思い浮かんでいた。

 

「どうでもいいですか。ええ、世界は元々それぞれ共鳴し合っているので極偶に似る人物が現れることがあります。この世界ではバグのせいでそれが数多く、かつ再現度が高い個体が生まれやすくなっているという状態です。単純な才覚だけではなく異能までが再現されていることもあります」

「キャラによってはゾっとしないな。いいだろう、少なくとも俺はお前を信用しよう」

 

「感謝します」

拳銃を持つ手を降ろすとレミエルは頭を下げた。ここまでの情報をあの天使が提供したのはこちらの信用を得る為だろう。神のメッセージたるこいつが神やメタトロンが関わることで嘘を付く可能性もないだろう。

 

「さて、それじゃそろそろ本題に入ろうか。俺に何を頼みたいんだ?天使レミエル」

 

前置きは終わりだ。依頼を確認するとしよう。




読了ありがとうございます!因みに神とメタトロンがレミエルに召喚者が誰なのかを教えなかったのは、これを聞いたガイア連合が召喚者達の封印を解くのに躊躇する可能性を危惧したからです。

あと鑑定ニキが景虎達を元のキャラ達と比べる描写が一切無かったのは似ていたことには気が付いていましたが、完全に別人に視えているからですね。え、前世の刑事の友人には似てるネタを使ってる?あれは半分以上揶揄い目的なので、同じ技が出来ても欠片も姿以外は似てるとは思ってはいなかったりします。ミロク経典を渡されるまでヴィクトルが姿が変わっているとはいえメガテンⅢの氷川だと気づけなかったのもそれが原因です。
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