親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第六十九話になります!年明け前に如何にか一本出せたぜ!自分と同じマスターの皆さんは終章お疲れ様でした!大晦日スペシャルも楽しみですね。


黒蝕の雷

調べる物は調べた。飯も食ったとなれば長居は無用と受付のスタッフルームを出て行く俺達。いつもなら索敵と地形、トラップの確認と並行して移動するのだが、如何せん今回は護衛対象が多すぎる。という訳でくノ一らしく索敵、隠形に優れる雪泉を先行させ、俺と黒雪が前列、バックアタックの警戒として景虎を後列の最後尾に配置して進んで行く。

 

「あ、列の真ん中はヴィクトルな。俺が手を離せないときの引率を頼む」

 

「えぇー「一番の年長者だろ。見かけでは分らんけど」・・・はぁ分かったよ」

多少列の配置で揉めたものの一階に悪魔の姿はいなかった。しかし流石に二階はそうでもなかったらしい。

 

「戻ったか雪泉。で、どうだ?」

 

「罠の類は見当たりませんでしたが、悪魔が視認出来るだけで数十体確認できました。私の【アナライズ】では実槻様の【アナライズ】程の情報は得られませんが、名前とレベルは看破出来ました。レベルは10~15レベルとなります。また他の人間の姿や気配はありませんでした」

「同じスキルでも使い手によって見れる情報の多さが変わるのか・・・まるでゲームだな」

「最大レベルが100のゲームだとしたら序盤のちょっと強い敵くらいかな?もうちょっと進んだ先で雑兵になるくらいのレベルだよね」

「まぁそんなのでも覚醒もしていない人間だと攻撃一発で死ぬらしいけど」

「ゲームでボコすか倒す雑魚モンスターも一般人に取っては遭遇したらほぼ死ぬレベルだろうしねー」

「でもここ以外に道も無いのよね。足を引っ張っている身で言うのもあれなんだけど」

「他には地下一階もありますけどただの駐車場ですからね」

「実槻お兄様、どうなさいますか?」

これが本当にゲームならMAP埋めの為に行っているのだが、現実だし、護衛対象も居て出来る限り最短攻略を目指す以上スルーだ!スルー!

 

「・・・よし纏まった。景虎皆を頼む」

 

「先行して制圧するんですね。私も同行しましょうか?」

「いや、保険は黒雪だけでいいし今のメンツだとお前がケツを持ってくれないと少々不安でな」

 

背後の守り、特に今回は警護対象の守りも含まれるので信頼出来る仲間に任せたいが黒雪含めた悪魔である仲魔だと一部のアイテムが使えなかったりと汎用性に欠ける。ここもある意味ではゲーム通りなのかも知れないな・・・まぁ原作主人公パーティメンバー並みの才覚がある奴なんて早々いないんだけども。

 

「うーん、そういうことなら仕方ないですね!皆や実槻の背後の守りは任せて下さい!」

『(相変わらずその気にさせるのが上手いな・・・)』

 

景虎をその気にさせるなんぞ何年も一緒にいた俺にとっては朝飯前だ。黒雪や雪泉だけでは無く、親戚の皆も見慣れた様な、またやってるよ的な視線を感じるが無視無視!

 

 

 

景虎達と別れ黒雪と共に2階に上ると報告通り多数の悪魔が視認出来る。

 

「よし、報告通りだな。黒雪は下がってもしもの時のガードを頼む、俺はどこまで言っても"純後衛"だからな」

 

「ああ、もっとも出番はないだろうがね」

「保険はいかなる時も必要だろ?それじゃ行くぞ召喚『ボティス』!」

封魔管を用いた召喚を行うと東京に赴く前に悪魔合体して誕生した堕天使を呼び出す。姿はゴシックの服装を身に纏った少女だがその実俺のレベルではまだ扱い切れないはずの悪魔である。

 

「漸く私の出番ですか。遅いですよ、知っていましたけど」

ボティスは現在・過去・未来についての知識を持ち、過去視、未来視なども行える。ここまで出番が無いのも見えていたのだろう。

 

「すまんすまん、その代わり今回は黒雪とボティスの"二体"編成で行くから」

 

「ん?・・・なるほど、そういう趣向か」

「・・・面白いことを考えますね」

流石ある意味景虎以上共にあった黒雪と未来が見通せるボティスはすぐに俺がしたいことを察してくれたようで助かる。

 

「封魔管内で話を聞いて居たな?早速やるぞ!」

 

「ええ、合わせます」

ボティスと共に片手を上げるとそこにMAGを集中させて行き、魔法を発動させる。

 

「【電撃ギガプロレマ】【電撃貫通】【マハジオダイン】!!」

するとボティスのパッシブスキルである【黒蝕帯電】の連動効果が発動し、魔法より先んじて魔法の射程内の目標に『敵全体の攻撃力・防御力・回避と命中を20%減少させ、基礎確率50%で魔封状態にする。』効果を与え、おまけとばかりに敵単体にそこそこの威力(威力60)の電撃属性の魔法ダメージの追撃を与える・・・のだが。

 

「射程内に居た敵は実槻の攻撃で既に全滅してますので追撃の効果は発動しませんか、では私の番です。【電撃アクセラ】【電撃バッデス】【悍ましき雷光】!」

 

俺の魔法の射程外だった残りの通路、部屋に向けて四連続の敵全体電撃属性の魔法攻撃の黒雷が放たれる。こちらも基礎確率50%で魔封状態にでき、【黒蝕帯電】の効果で電撃貫通となっている・・・そしてまたまた【黒蝕帯電】の連動効果が発動する。

 

「敵は・・・掃討出来たようですね。追撃は二回共出来ませんでしたが、まぁいいでしょう」

「うわーえぐいなこれ。知ってたけど」

 

「更に両者とも電撃貫通持ちだからね。【悍ましき雷光】が四回攻撃なのを加味すると実槻の攻撃も含め敵全体に貫通効果のある電撃属性の五回連続の魔法攻撃をしつつ敵の能力を下げ、単体限定とはいえ追撃の二発もありと来た。これでレベル相応に弱体化しているというのだから高位悪魔は恐ろしい」

そう、【堕天使 ボディス】はメガテンの各タイトルでレベルがまちまちだが本来はレベルが70とか80台の最上位クラスかそのちょい下くらいの格がある高位悪魔なのだ。そんなのが何でまだレベル50程度の俺の仲魔になって居るかというと・・・。

 

「やっぱ合体事故って恐ろしいな・・・まぁ今回はボティス自身も干渉して来た結果でもあるけど」

 

堕天使を合体で産み出すことは既定路線だったのだが、悪魔合体時に事故が起きボティスになってしまったのだ。合体事故で想定よりも高位の悪魔が誕生するのはサマナーシリーズのソウルハッカーズでもあり、何ならランダム要素がありつつもある程度規則性もあったお陰で、合体事故を誘発するソフトを使用し意図的に高位の悪魔を誕生させる裏技などがあったりもした。

 

しかし、メガテン世界が現実となったこの世界に合体事故の規則性などあるはずもなく、合体事故が利益になるケースなど稀である。つまりそういう時は余程の豪運か何らかの干渉を受けた時なのだ。

 

「最終的に私を仲魔に加えるのは定まった未来。それが多少早く来ただけのことです」

先程ボティスが干渉したと言ったが干渉した理由はぶっちゃけ今彼女自身が言った理由が全てである。

より詳しく解説すると最近噂の黒札という輩の一人が、オセことコカベルやカスピエルを仲魔にしていると魔界の堕天使界隈でちょっとした話題になっているらしく、ボティスの本霊が興味本位に俺の未来を見ていたら自分の分霊を悪魔合体で仲魔にするというしばらく先の未来と近々合体事故を起こす未来を見て

 

『あ、この合体事故を利用すればコカベルなどの堕天使の縁などを通して、弱体化させれば自分の分霊を送りこめるな。どの道先の未来の悪魔合体で仲魔になるのだから今分霊を送って置くか、その方が合理的だ』

という判断をしたのだとか・・・遠くの未来を見れる奴等はこんな思考になるもんなのだろうか?ユリンも未来予知ならできるが、意識的に発動させた場合は直近の未来しかまだ見えないらしいのでそこまで逸脱した思考をしてないし、俺の場合は"現在"しか見えないしな。

 

「でもすごい脱法してる感が凄い。実際カスピエルも言ってたし」

 

「どの道私本来の力を取り戻すのに本来の私を悪魔合体で誕生させるまでくらいの時間が掛かるので、未来から見れば誤差の範囲です」

「まぁ実際全パラメータはレベル相応に下がっているし、スキルも一部喪失している・・・いや、それでもこのレベル帯では無法極まると思うのだが?」

悪魔の合理的な思考というのは人間のそれとはちょっと違うのかも知れない。




読了ありがとうございます!本来めっちゃ高レベルのボティスが何か弱体化して加入している理由の説明会でした。喪失しているスキルはレベルアップで取り戻していく予定です。まぁどうあがいても本来のレベルまで行かないと完全体にはなりませんが。

それでは皆さん良い御年を!来年もよろしくお願いします。
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