親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第七話になります!fgoのコラボイベント楽しみだぜ!


命蓮寺

聖さんの案内で命蓮寺に向かう事になった俺達。前世で聞いたこともない寺だけあり、大通りから外れた裏道を通り、明らかに寺を隠す為だろうと思われる結界を抜けると、そこには立派な寺が・・・!

 

「・・・寂れているな」

 

『元はそれなりに立派な建物だったのが分かるだけ虚しいな』

 

「お恥ずかしながら・・・」

とはいかず、ものっすごい寂れていた。まぁ話を聞いた感じ、表には一切出てない寺なんだから訳ありだと思っていたがな。

 

「寺の住人が見えませんが?」

 

「元々表に出せないお寺なので警戒心が強い者が多いのです。お二人が来ることを連絡したために隠れてしまっているのかもしれません」

「警戒心、か」

 

寺が隠されている辺り厄ネタ感はあったが当たりかなこりゃ。

 

「ならビフロンスは戻して置くか?」

「悪魔の私がいるとより警戒させてしまうか・・・少々残念だが仕方がない」

「あ、それが例の封魔管ですね。聖さんは見たことがあったりします?」

 

「私も資料で見たことがあるだけですね。製造元のヤタガラスも解体されてしまいましたし、今ではごく少数しか出回ってません」

「え、そうなの?」

 

ショタオジからはシキガミと悪魔合体用にと複数本貰ったんだが・・・金払った方が良かったかな?

ビフロンスを戻した後もそんな雑談を交えながらお寺の一部屋に通される。割と広く、よく会議などが行われている部屋らしい。

 

「私以外の寺の者も何人か呼んでいますので、集まるまでの間にこの寺が如何いう目的で建てられたのかをお教えいたしますね」

「表に出てないというだけで厄ネタ感が凄いんですけどね!」

「コラ!思っててもそういうのは言わないの!」

 

そんな流れで命蓮寺のそこそこ長い歴史を、お茶菓子の大福と緑茶を頂きながら聞いていた。

内容が意外と長いので要点をまとめてみる。

 

1.命蓮寺は前大戦時より前からあるらしい

 

2.建てられた理由は、新潟県に存在する名家から時々生まれる血が濃くなり過ぎて生来から霊質に異常をきたした者、穢れを持った者(人に仇名す悪魔の転生体やアウトサイダー、デビルシフター、デビルチルドレン)などを引き取らせる為

 

3.丁度県都の守護役が空席だったから寺は県都に建てよう。折角生まれたんだから世の為人の為に使い潰されてね!あ、地元には戻って来ちゃダメだよ?表に寺の名前が出ることも禁止で!

 

4.いやダメだろコレ!と思った聖さんのご先祖様。だが止められる力も無く、少しでも集められた者達の生存率を上げるためにまとめ役として着任

 

5.しばらくは良い様に使われる。因みに寺の存在を知っているのは一部の名家だけで、他の大多数の事情を知らない名家から「上記2」のようなことをする代わりに金を得て恩を売っていた。表向きは事情を知る一部の名家が引き取っていると説明していた。

 

6.得た金や売った恩の甲斐もあって事情を知る一部の名家は、新潟県で名家として頭一つ抜けた存在になる。そんなときに前大戦が勃発、調子に乗ったのか更に成り上がろうと国の命令を聞き参戦。

 

7.そっちがそう来るならこっちも!と本気を出した連合軍に大敗し、主力の大半を喪失。それだけでは無くこの県で頭一つ抜けて目立っていたことが災いし、泣きっ面に蜂のごとくメシア教に念入りに根切にされて事情を知る一部の名家全てが断絶。

 

8.事情を知らない名家もかなりの被害があり、多数の資料が失われたことで一部の名家しか知らなかった命蓮寺のことは勿論、「上記2」の様なことを一部の名家がしていたとされていたことすらも歴史の闇に消えて忘れられてしまう。

 

9.命蓮寺自体はその存在が隠匿されていたことと、認識を阻害する結界のお陰でメシア教に気づかれずに生き残る。

 

10.命蓮寺側はまた使い潰されることを懸念して、生き残った名家と連絡を取らず県都である新潟市の守護に専念。

生き残った名家側も、そもそも命蓮寺の存在すら知らない&県都が霊的災害が少ないのは分かっているが、家がガタガタで地元の霊的災害に対応が追い付かず、県都を気にしてられねぇ!ということもあり現代に至るまで交流は無い。

 

「うーん想像通り闇深いなこれ。ここまで隠匿されている以上、寺自体が曰く付き且つ周辺の霊能者に比べて妙に戦闘力が高いから、寺の人間も訳ありなのは分かってたけど」

 

『やれやれ、これだから人間という奴は・・・』

 

「というか今までよく残ってましたね。便利使いしていた一部の名家が消えた以上そんな特殊な人間を引き取る機会は無くなったでしょうに」

「当時の者達の子孫の他にも、一般の家庭でその様な出自で生まれて来てしまう赤子を保護したりもしてきましたので・・・例外もありますが、そういう場合、名家で生まれること以上に悲劇的なことが起こる可能性が高くなってしまいますから」

少し悲しそうな表情を見せる聖さん。彼女とて親元から離すのは不本意のはずだが、悲劇を未然に防ぐ為にも必要なことだと自身に言い聞かせているのだろう。

 

「寺の皆は他の名家に復讐心とかは無いのか?」

 

「使い潰されていた世代はもう皆亡くなっていますし、あの子達はその出自故短命で亡くなることが多く代替わりも早いので『自分がそうなるかも』という恐怖はあっても、憎しみまでは幸いにも引き継がれておりません。それに他の名家の方々も当時のことを殆ど知らないでしょうから、彼らに当たるのは筋違いと言うものです」

恐怖は兎も角、憎しみは引き継がれていないのか。すっかりこの寺の歴史の一部になっているみたいだが、聖さんのご先祖が憎しみを持ち難くする様に立ち回っていたのかも知れないな。

 

「なるほど・・・この寺の歴史と従来のスタンスは分かった。それ故に新しい疑問も生まれたがな」

 

「その疑問はこの後お答えします。丁度声を掛けた者達も来たようですし、皆さん入って来て大丈夫ですよ」

 

聖さんの言葉を待っていたのか襖が開き、数人の女性達が部屋に入って来る。

 

「遅くなり申し訳ございません聖様」

俺達を一瞬ちらりと見るが、聖さんに敬意を持っているのか、彼女への謝罪を優先する、刀を腰に下げている真面目そうな少女。何か髪色が景虎と似ている気がする。

 

「へー貴方達が例の・・・二人共良い目しているわね」

次に口を開いたのはゴシックに身を包んだメスガキ感がある少女。でも前世の職的に目を褒められて嫌な気はしないな!

 

『こいつちょろすぎだろ』

 

「・・・」

打って変わってこちらを警戒する様な視線を向ける少女。聖さんに謝罪していた少女もそうだが、この二人はかなり体幹がいい。接近戦を主体にしているのだろう・・・まぁ聖さんが一番体幹良さそうに見えるんだけどな!

 

「いやー済まない済まない。準備に時間が掛かってね」

白髪で前三人と違い、純粋な戦闘員とは少し違う風体の少女。俺達に向ける視線が何かを観察する様なものなので、本業は研究者や学者の可能性があるな。

 

「こいつら初対面の相手に自由に接し過ぎだ!」

苦労人の様な哀愁を感じる動物の耳が付いた少女。というかこの子気配的に悪魔じゃない?

 

「見た所全員女性?一人は悪魔だけど」

 

「ああ、それは単純にこの寺に引き取られる出自の者の割合が女性の方が多いからさ。男性よりも女性の方が、身体的にも霊的にも柔軟だからね。欠陥があっても無事生まれて来る確率が男性より高くなる」

「へー、そういうこと言えるってことはやっぱ本業は研究者か?」

 

「おや、よく分かったね?」

 

「そりゃあんな観察する様な視線を向けられたらな」

 

「・・・なるほどクルルの言う通り良い目を持っているじゃないか」

「それほどでも」

 

そりゃ前世の仕事は観察眼のプロみたいなもんだからな。

 

「この流れで手早くボクから自己紹介を済ませよう。ボクはエキドナ。戦えなくも無いが、ご推察の通り本業は悪魔を研究している研究者さ」

エキドナが他の四人に目配せして、彼女達も順番に名乗っていく。

 

「私は聖様の補佐役を務める皐月夜見と申します。以後お見知り置き下さい」

「クルル・ツェペシよ。先祖に吸血鬼がいたらしくてね、私はその先祖返りらしいわ」

「・・・ベルベット・クラウ。貴方達を見極めさせて貰うわ」

「この寺を守護する毘沙門天様から派遣された大黒天・・・の劣化分霊だ。君が言ったように悪魔だが先に言っておくけど戦闘力は期待しないでくれよ?私は戦闘力を削ってその他の力をより引き出す目的で作られた分霊だからね」

「また国際色豊かですね。あ、ベルベットさん警戒するのはご自由ですが、私は兎も角、実槻を不意打ちしようものならこちらも問答無用でヤリますからね?」

自己紹介の仕方がバラバラなのは規律が無いのか、自由にさせているのか微妙な所だが、思ったより外国人もいるな。あと景虎は威嚇するな。というか自分自身に対して不意打ちして来るのはいいのかお前。

 

「はは、言われているぞベルベット?因みに外国の人間もここにいるのは、大概がメシア教の過激な連中の実験体や、彼らに捕らえられていたのを救出した者達だからさ。ここにいるのだとベルベットが前者、クルルが後者になるね。私は聖の先代に悪魔の知識を買われたからここにいるんだ」

「メシア教はこの地にもちょっかいを掛けているみたいですね」

 

「いつも通りだな!」

 

とは言ってもちょっかいを掛けたのは過激な思想の奴等なんだろうけどな。この寺の人間に区別が着くのかは知らないが。

 

 

 

「所で約二名程着ている服がアレなんだけど仏門的にいいのか?」

 

「おっしゃる通りです。私も再三指摘しているのですが聞き入れて貰えません」

「か、彼女達はこの寺の尼という訳ではありませんので・・・」

「そういう問題か?」

 

割かし自由なんだなここって。




読了ありがとうございます!今回出て来たキャラ以外にも寺の人間はいます。勿論男性もいますが比率的には7:3で女性の方が多いですね。
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