親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第七十二話になります!ようやっとボス戦は入れた。


仕掛けは大体に

俺達は第一研究室の扉前に到達した。見た所セキュリティロックが掛けられているが、ここまで来たら強行突入で問題ないだろう。

 

「いよいよだ。お前ら覚悟を決めろよ」

 

「非戦闘員のぼく達は危険だから部屋の外で待機・・・なんてしたら分断されて死ぬだけだなこれは」

「はい、この階は研究者が詰めてるので悪魔がいないようですが呼び出せないとは思えません」

「実槻達の対応範囲の外に出て居たらあっという間に悪魔の餌食よね・・・最悪なのは人質にされて纏めて殺されるパターンでしょうから」

「かと言って少ない戦力を分散させて守る訳にも行きませんよね。相手がどういう敵か分かりませんし」

「この階のPCは動くようだから試しに中身を見て見たけどそのPCが使われる研究補助の為の作業データしかなかったしね」

「重要の情報は第一研究室のメインコンピューターで一元管理しているみたいだね」

「普通ならここまで徹底してメインコンピューターにデータを集積させるのは、情報漏洩、事故によるデータ破損などの危険もあってやらないのでしょうが・・・」

「相手が悪魔だもんねー。其処ら辺の心配はしなくてもいいならそりゃ手元で一括で管理するよね」

「その方が楽だもんね。研究者さん達にとっても悪魔にとっても」

このように駄弁っているが、各々緊張感を持っていることが声色から伝わって来る。

 

「非戦闘員複数人を守りながら異界の主討伐など正気の沙汰ではありませんが・・・まぁ、それが実槻の命令ならやりますよ」

「貴女がそう言うということは勝機が全くない訳でもないと」

「それが事前に分かるだけ十分だな」

「だな・・・よし、ぶっ壊せ黒雪、景虎!」

 

「ああ、合わせるぞ!」

「ええ!突撃ー!」

黒雪と景虎が協力してセキュリティロックが掛った扉を破壊した。その先、第一研究室の奥にいる女性こと菅野史以外にはここに人間はいないようだが・・・。

 

「む、あれが例の女性か。一見すると悪魔もいないように「いや、いる。見られてる」・・・そうなんだね」

部屋に入った瞬間から視線を感じる。慣れている俺、黒雪、景虎、ボティス、雪泉は部屋全体を警戒しているのを露伴達も感じ取り警戒していく。そして部屋全体に声が響く。

 

『よく来たな人間共よ。待って居ったぞ』

 

「・・・マイク越しとは勿体ぶるじゃないか?」

 

『こちらも事情があるのだよ。それに『魔王の元にたどり着く前は配下の敵と相対する』のは古今東西の伝統であろう?』

 

「おや、纏めて来ないとはお優しい」

『様式美という奴だ。無論配下の援護くらいはするがな』

 

「ほう、私達を大分舐めてくれるじゃないか」

・・・妙だ。ここまでの情報で、この異界の主は出来得る限りのことを徹底していた印象があった。それが様式美程度での理由で自分達が不利になるようなことをするのか?俺の様に範囲攻撃が得意且つ火力重視だから味方が多すぎると全力が出せないタイプか?それとも・・・。

 

『さて、どうであろうな。では我が配下達よ、遠慮は要らない。全力でもてなすといい!』

 

すると1、2階の野良悪魔達とは明らかに違うオーラを放つ悪魔が複数現れる。

 

【魔王 キングフロスト Lv36】

「漸く出番ホー!待ちくたびれたホー!」

 

【魔神 トート Lv36】

「我らの出番など無い方が良い。今回は流石にそうは言っていられないけどね」

 

【妖鬼 カラステング lv38】

「あやや、寧ろ正面から行ったら私達粉砕されそうですね」

 

【地母神 ハリティー Lv38】

「まぁあの方のことですから策は講じていると思うわ」

 

【幽鬼 グバンダ Lv44】

「そう言うこっちゃ!大将の命令通りやるぜよ!」

 

【魔獣 オルトロス Lv45】

「オレ達、オマエラ丸カジリ!」

※AAと違い首はちゃんと二つあります

 

「キングフロスト、トート、カラステング、ハリティー、クバンダ、オルトロス・・・おいおい、最低でもレベル30後半以上の悪魔が東京都の郊外の異界に現れるんじゃねーよ!」

 

「ですが相手の言う通り、真正面からなら問題なく勝てる相手ですね」

「ああ、本当に真正面から来ればな」

「!?皆さん、何かが始まります!」

そう雪泉が警告するとこの部屋自体が変容していく。いや、キューブ状に分解されていく。

 

『やはり、仕掛けというものは大胆に行かねばな!』

 

「こいつは!?・・・いや、そうかこの部屋全体の素材がマッカに置き換えられているのか!」

 

改めて周囲を見るとこの部屋全体が活性化したマッカと同様の反応を【霊眼】が感じ取る。この仕組みが発動する前は不活性化状態だったから気づけなかったか!敵と味方問わず足場もキューブ状に分解されると部屋の空間を縦横無尽に移動する。この部屋、大分空間拡張されているな。これも特定条件で発動するように仕込まれていたか。

 

非戦闘員である露伴達を見るが幸いこのキューブ化&移動現象に巻き込まれてはいない・・・ふむ。扉付近にあいつらは陣取っていたことに関係があるのか?よく見るとメインコンピューターとそれで作業中の菅野史も同様のようだ。後者を動かさないのはある意味当然だが、扉付近も動かしていないとなると出来ないと見た方がいいだろう。

 

扉は内と外を分ける境界線の概念を持つ。もしかするとこの部屋全体に作用する仕掛けを用いる際魔法も用いられているはずなのでその範囲設定の基準点になっているのだろう。ここも移動させてしまうと内と外の境界線が無くなり、その魔法の影響が外部に伝わるということか。

 

この部屋だけは全て素材がマッカに置き換えられていることから通常の素材では不味いことがあるのだろう。かと言ってこの研究所の素材全てをマッカに置き換えるのは使う量からも現実的では無い。というかそんな量があるなら普通に防衛設備や戦力の増強に当てた方が確実だ。

 

「それでも空間拡張も施したこの広い空間を全部マッカで作ったらどれくらいの費用になるのやら」

 

下の空間はメインコンピューター、入口付近以外は底なしの奈落。キューブは全てランダムな軌道を描き飛んでいるが、あっちの悪魔達は驚いた様子もない・・・当たり前だが地の利は向こうにあるようだ。

 

「向こうに地の利があるのはいつものこと。こっからが異界攻略の本番だ」

 

偶然だろうが、その言葉を合図に敵が一斉に動き出した。




読了ありがとうございます!3次元の立体的な戦闘を強いられるボス戦スタートです。
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