親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

73 / 77
第七十三話になります!今回から戦闘に入りますが大して進まないぜ!


タワーディフェンス

「ボスからの命令はメインコンピューターとあの人間を守りつつ、敵の護衛対象を人質に取るだったホ?ならスピード勝負で敵がまだこの部屋に慣れていないうちに捕まえるホ!戦力で負けてるのに後手に回る防衛戦なんてやってられんホー!カラステング出番だホ!」

「頭緩そうなのに魔王なだけはあって戦術はまともですよね貴方。はい【マハスクンダ】ですよー」

キングフロストの指示でカラステングは【マハスクンダ】で実槻達の動きを鈍らせる。

 

「ナイスだホー!あとは重ね掛けして「はいはい、デクンダの石!」ああ、解除されたホ!?」

※キングフロストのAAが一つしかないのでジャックフロストのAAで代用しています。

「あやや、やり直しますか?」

「しかし、時間を掛け過ぎれば相手も対応してくる。デクンダの石もあれ1個だけとは考えずらいぞ?」

「ヒーホー・・・時間を掛ければ向こうもこの戦場に慣れてきてデバフやバフを積んでくるホ!ここは予定通り速攻を仕掛けに行くホ!」

「ならば分断して連携を断たねばな。一体でも非戦闘員の元まで着ければこちらのものだ」

「切り込みはわしに任せとき!」

「ズルイ!オレガ先ダ!」

「回復は私の仕事だけど単体にしか出来ないから注意しなさいよ」

キングフロストが頭を悩ませながらも敵陣営が動く中実槻も対応を始める。

 

「デクンダの石を見せたしやっぱり速攻で来るか、見た所足場のキューブもランダムに動き回る奴と静止しているキューブの二種類あるみたいだな。取り合えず俺以外は常に二組で動け。完全に個別で分断されると突破されかねない」

 

「・・・すみません、足を引っ張ってしまいます」

「相手にキングフロストがいるんだ。仕方ないさ」

 

個別で当たれば頭数では一体分多く、実槻がもう一体召喚したとしてもレベルが一番低い雪泉では多少の足止めが精々であり、キングフロストと当たれば氷結属性特化の彼女では完封され足止めすら出来ない。無論彼女も武器による物理攻撃、各属性攻撃魔法のストーンなど対策は講じているのだが、いかんせん地力が違いすぎて使い捨てアイテム程度では弱点を突けても押し切られてしまう。実槻陣営の穴となってしまっていることに彼女は悔しさを感じずにはいられない。

 

「相手が接敵する前にデバフやバフを積みたいところだが相手の動きが早い。相手を止めに行く時間を考えるとどっちかしかできな・・・!?全員即座に二組ずつで散開!!」

 

「「「「っ!!」」」」

 

作戦立案中に突如実槻が二組での散開の指示を出す。未来を見るボティス以外は命令の理由は分からないが、皆即座に行動に移す。付き合いの比較的短い雪泉もすぐに動けたのは戦闘時であることもあるが実槻の指示を信頼している証だろう。

 

直後それぞれが足場にしていたキューブ状の足場が纏めて消し飛ばされる。

 

『ほう、察知したか』

 

「空間から急に高密度のMAG反応が現れればな・・・万能属性の魔法攻撃による爆撃とはやってくれる!」

 

『隙を突かねば当てられぬか。無駄に連発出来る程コストも安く無い上に威力も本来のものに比べてこの程度ではな・・・まぁよい、相手の出鼻は挫いた』

 

その言葉の通り敵陣の悪魔達が実槻達に襲い掛かって来る。

 

「お前の相手はボクホー!【氷結プレロマ】【キングブフーラ】!」

 

「く、ですが氷結属性ならまだ!」

分断された雪泉に小手調べに【キングブフーラ】で攻撃を加えるキングフロスト。【氷結耐性】を持つ彼女相手でもステータスの差で無視できないダメージを与えてくるが、一緒に同じキューブに退避した黒雪が【かばう】で彼女のダメージを肩代わりする。

 

「あまり無理をするな!こいつは私が倒す。援護を頼むよ」

「氷結特化なだけあって【氷結耐性】はそりゃ持ってるホね。でもそれなら物理で攻めればいいホ、問題はあの黒い造魔だけだホー!」

他の者もそれぞれの足場のキューブで目の前の悪魔達と戦闘に入っていた。

 

「ガルル!!オレガムコウニイキタカッタカ!」

「すまんな付き合わせて。だが我だけでは目の前の二人とまともに勝負にならんからな。あと我らの中でお前が一番手加減できないというのもあるが。うっかり人質全滅させられると困る」

オルトロスとそれを宥めているトートに対するのは景虎とボティス。キングフロストの所よりもこちらは戦力が拮抗しているので落ち着いている様子だ。

 

「オルトロスにトートが相手ですか、機動力がありそうなオルトロスを止められるのはありがたいですね。こっちもタッグマッチと行きましょうか?」

「如何やら貴女と組む流れのようですね、正確には貴女のアガシオンもいますが。実槻はグバンダとハリティーを相手取っている・・・しかし敵はまだいます。カラステングは抜けて来ますよ?」

ボティスが目を向けた方向のキューブにはハリティーの援護を受けたグバンダの斬撃を実槻が斬り払っていた。

 

「おうおう!剣は自衛用って聞いておったが案外いけるようじゃの!!」

「やっては見たけど【子守唄】の効果があるようには見えないわね。スキルか装備で無効化しているのね・・・なら私も前に出るしかないか」

「サマナー狙いなんて良くあることだしこれくらいやれなきゃな。とはいえ目の前のこいつらよりも厄介なのが突破役なんだがな」

 

周りで起こる戦闘を尻目に飛行能力によりキューブの足場を必要としないカラステングが戦場を突っ切って、入口付近にいるメアリ達を確保しに動く。

 

「さて、皆さんが侵入者達を引きつけている間にお仕事お仕事!いやー一人楽してすみま「【電撃ギガプレロマ】【マハジオダイン】!」うぎゃああああああ!?」

実槻の【マハジオンガ】がカラステングの空路を塞ぐ。命中させるよりも移動を阻害する目的で放たれた為ギリギリで回避行動が間に合った。

 

「ちょっとお二人共何やっているんですか!?危うく焼き鳥になる所でしたよ!!」

「な、なんじゃ!?普通に斬り合いの途中じゃったぞ!」

「一切カラステングの方向を見ずに魔法を放ってたわね。よく狙いが付けられたものだわ」

「まぁ流石に小細工はしているさ」

 

ガイア連合の盟主や陰陽師など使う本来の式神には術者の五感と同調させて遠方の偵察を行うという用途もある。その術自体は使役下にある存在に施すなら比較的簡単なものでガイア連合が扱う専用シキガミは勿論通常の仲魔にも使用出来る。

 

今回実槻は黒雪、ボティスの視界と聴覚を同調させ一方的に彼女達の視界や聴覚の情報を得ている。一方的なのは普通戦闘中に別の情報が流れ込むなど邪魔でしか無いからだ。だが実槻なら何ら問題なく戦闘と同時並行に処理できる。

 

「(さて、これでカラステングも迂闊に向こうには行けない。こっちに加勢してくるなら逆にやり易くなるが、まぁ気を伺いつつ待機だろうな。戦力の配置やさっきのキングフロストやグバンダの発言からしてやっぱり異界の主はこっちを監視してやがったな・・・こっちもそれを想定して幾つか手札を隠していたが現状切れる札は二枚か)」

 

『すまんすまん、その代わり今回は黒雪とボティスの"二体"編成で行くから』

 

『ん?・・・なるほど、そういう趣向か』

 

『・・・面白いことを考えますね』

 

1枚目は温存していた3体目の投入。黒雪とボティスは勿論のこと景虎や雪泉も気づいたいたが実槻はCOMPがまだ出回っていないこの世界に置いて、デビルサマナーは最大でも二体同時使役が限界という常識を逆手にとってコントロールの必要の無い黒雪を使い同時使役数を誤認させていた。

 

2枚目はキバの鎧。道中この鎧を使わず純後衛であることを強調し、接近戦能力は自衛程度であると振る舞っていたのはいざという時に前衛として動き、相手の虚をつくことが出来るようにする為だ。

 

「(まずキバの鎧は今使えば逆効果だ。使えば目の前の2体を倒せるだろうが、鎧の特性上魔法の射程が大幅に削がれてしまう。それではカラステングを止められない。速攻で倒せれば話は別だが、高い機動力のカラステングの移動速度よりも速く30レベル後半以上の連携して来て片方は回復役でもある2体の悪魔を倒せるかと言われれば無理だ。魔法の射程は短くなってるし、俺には物理攻撃スキルが無いから物理面の火力や攻撃範囲なんてお察しだ。では召喚か?空中戦も出来てタイマンも強いオセを出せば対応出来るだろうが・・・ここで切る手札では無い気がする。ただの直感だがな)」

 

前世でも自身や友人の命が掛かった選択をすることは何度かあった。そのときの経験と長年研ぎ澄まし続けた観察眼、前世から数えて100年を超える人生経験を元にした直感が手札を切り掛けた実槻自身に待ったを掛けていた。

 

「向こうと同様こっちもこの異界の核であろうメインコンピューターと菅野史を確保すれば実質勝ちだが・・・今は状況の変化を待つしかないか」

 

2体の悪魔を捌き、カラステングの動きを注視し時折飛んでくる異界の主の援護である万能属性の魔法攻撃を躱しつつ状況の変化を待つ実槻だった。




読了ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないです。昨今のゲームが面白過ぎるのが悪いんや!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。