親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第七十四話になります!先日メガテンTRPGをやったので更新意欲も高まって来ているので投稿です。


氷の魔王

「ほらほら行くホー!【ぶちかまし】だホー!」

「雪泉、前に出ない様に立ち回れ!」

「黒雪様!」

自身の巨体を活かし【ぶちかまし】を決めるキングフロスト。【かばう】で雪泉のダメージを肩代わりする黒雪だが先程違い物理属性な為【物理無効】の効果でダメージを負わない。そしてタダで殴らせるほど彼女も甘くはない。

 

「調子に乗るな!」

「ヒーホー!?この造魔【物理無効】と【猛反撃】も使えるホ!?それに接触するだけでダメージがあるっぽいホ!」

攻撃を仕掛けたのに二重の反撃に苦しむキングフロスト。【ぶちかまし】は自身のHPが多いほどダメージが上がるので余計に彼にとっては厄介だった。更にそれを追い打ちを掛けるように事態は動く。

 

『黒雪、俺の【ハイ・アナライズ】であいつは呪殺も弱点だと分かった。ただ相手もグバンダが【呪殺ブロック】を持ってるから俺とタイミング合わせろよ!』

 

『ああ、タイミングを計ろう』

火炎だけでは無く呪殺も弱点だと実槻の【ハイ・アナライズ】で判明した直後念話で連絡を取り、連携する実槻と黒雪。距離は離れているものの、黒雪は実槻用に調整された専用シキガミであり、前世からの付き合いである二人の連携に淀みなど無い。

 

「はあああああ!!」

「おお!急に積極的になりやがったぜよ!そうこなくちゃ面白くないぜよ!」

「急に仕掛けてきたわね?」

グバンダを一時的に押し込むことで【呪殺ブロック】をする隙を与えぬように立ち回ることで黒雪が呪殺魔法を放てるように援護する。

 

「ここだ!【呪殺プレロマ】【ムドオン】!」

黒雪の右手の切っ先から黒紫のレーザーが放たれる。それに含まれる呪殺の魔力にキングフロストは慌てふためく。道中呪殺魔法を使っていなかった為自身の弱点の一つである呪殺持ちという事前情報が無かったからだ。

 

「え、ちょ呪殺持ちなんて聞いてないホ!?グバンダ!ってなんか抑え込まれているホ!」

「な、これが狙いだったじゃか!?」

「いつの間に連携を!!」

グバンダに【呪殺ブロック】を使わせようとしていたキングフロストだが、その暇がないことを悟る。しかし彼の身体は巨体の為回避は出来ない。可能なのは魔法による迎撃のみだ。

 

「こうなったら一か八かの【氷結プレロマ】【キングブフーラ】!!」

キングフロストと黒雪の氷結と呪殺の魔法がせめぎ合う。両者ともプレロマを持ち、魔法と物理両面で戦える為どちらかに極端に特化している訳でもない・・・ならばあとはレベル差がものを言う。

 

「ヒーホーーーー!?」

「よし、入ったな!・・・しかし流石に大分威力を減衰させられたようだ」

レベル差で黒雪が押し切ったが流石にその一撃ではキングフロストは倒れない。

 

「うう、すごい痛いけど流石に死ぬほどじゃないホ!・・・とはいえこのままじゃやばいホ!【マハタルカジャ】や【コンセントレイト】で威力を上げた【キングブフーラ】で攻められれば、でもそんな暇なさそうだホ」

威力が足りないなら威力を上げれば良いのだが、キングフロストが持つ威力上昇の手段である【マハタルカジャ】や【コンセントレイト】では攻撃に移行するまでに一瞬間が空いてしまい、その瞬間に【ムドオン】を喰らいかねない。そんな中とあるアイデアがキングフロストの頭に浮かぶ。

 

「もう、これしかないホね。行くホ!【ぶちかまし】!」

「また雪泉狙いか!させるものか!」

【かばう】スキルで先程と同様に雪泉を守りに行くが、当然彼もそれを読んでいた。

 

『いや、さっきと動きが微妙に違う。避けろ!』

 

『何だと!?』

カラステングへの警戒の為視覚と聴覚を同調させていた実槻が念話で指示を出すが【かばう】の挙動に入ってしまった黒雪はもう止まれない。

 

「ここが勝負だホ!」

「な!?」

「跳躍した!?」

ゲームと違い物理、魔法も含めた攻撃、防御スキルの挙動が決まっている訳では無い。無論黒雪の【かばう】が守る対象の盾になることを強いられるように一定の縛りがあるがそれ以外は使用者の自由に出来る。

 

その挙動で威力や攻撃範囲が変わる場合もある。例としてみれば【スラッシュ】の攻撃スキルを剣で行った場合上段からの斬り込みと周りを薙ぎ払うよな半円状の斬り込みでの威力や攻撃範囲の違いなどが分かりやすいだろう。

 

「ぐうう!」

「押しつぶしてやるホ!」

そして【かばう】の縛りの中には相手の攻撃をどうあっても避けることが出来ないというものがある。相手の攻撃のダメージを自身が肩代わりするという効果なので当然と言えば当然であり、物理攻撃なら貫通系でもない限り【物理無効】でダメージを0に抑えられる・・・しかしあくまでそれはダメージの話。

 

質量差のある相手に押しつぶされた場合それを跳ね除ける力はない。今回の場合ダメージも受けず、黒雪は造魔の為呼吸を必要としないので窒息することもないが動きを物理的に動きを封じられた形となる。もし彼女が【物理無効】ではなく【物理反射】持ちだったならこの【ぶちかまし】による押しつぶしも自動的に跳ね除けられただろう。

 

「今が攻め時ホー!【マハタルカジャ】【コンセントレイト】!」

「まずい!」

ここぞとばかりバフを積むキングフロスト。普通の【タルカジャ】よりも広範囲を効果対象に出来る【マハタルカジャ】な為離れて戦っている味方全員の支援も兼ねている。黒雪は【猛反撃】スキルを持つがそもそも動けなければ反撃も行えない。

 

「それでも接触するだけでダメージがあるからそう長く抑え込めないホ!だから今こそ全力の【氷結プロレマ】【キング「させません!」ぶぅ!?」

この状況で唯一動ける雪泉がアギラオストーンを複数投擲し、キングフロストにダメージを与える。弱点なのとアギストーンより上位のストーンなので無視できるダメージでは無いのだが。

 

「痛いけど・・・攻撃を止めるほどじゃないホー!」

「それに私もいるしね!【ディアラマ】!」

キングフロストが根性を見せると同時に遠方にいるハリティーが回復を行う。実槻との戦闘中なので常時回復を掛けられる訳では無いが、あくまでグバンダのサポートとして動いてる彼女はこういった行動も合間合間に行うことが出来る。

 

反対に実槻はグバンダ、ハリティーの二体の攻撃を捌きつつカラステングの動向にも注意しなければならず、更に下手に魔法で援護すれば行使中にカラステングが防衛ラインを突破してくるので魔法は常にフリーハンドにしなければならない。実際実槻が今の所その二体相手に魔法を用いず剣で対応しているのはその為だ。

 

もし雪泉が氷結では無く火炎特化であったなら彼女のレベルでも攻撃を中断させることは出来ただろう。とはいえその場合【氷結耐性】が【火炎耐性】になっていそうなので初撃の【氷結プロレマ】付き【キングブフーラ】で瀕死になる可能性があり、そもそも妨害自体出来たかも怪しいのだが。

 

「それじゃ行くホ!一点集中【氷結プロレマ】【キングブフーラ】!」

「【氷結吸収】の耐性を活かしたゼロ距離攻撃か!ぐうう!!」

黒雪は身動きが取れないので耐え忍ぶことしか出来ない。【キングブフーラ】が相手の防御を下げる効果があるとはいえタンク役でもある彼女のHPは高く、身体も接触するだけでダメージが出る特別仕様、一点集中している為攻撃に晒されていない雪泉のストーン攻撃は今だ続いている為HPが削り切れるよりも先にキングフロストを剥がせる可能性はある。

 

ハリティーも下手に回復を連打すると実槻に斬られる隙が出来るので迂闊に回復は出来ない。しかしキングフロストの狙いは別にあった。

 

「く、身体が!!」

「倒せないなら氷漬けにして動けないようにするだけだホー!!」

「あれは凍結の状態異常!?」

徐々に黒雪の身体が凍りついていく。氷結属性の攻撃を受け続けると起こるFREEZEと呼ばれる状態異常だ。彼女の動きを止められれば完封出来る雪泉を倒し、他の援護に行くことが可能になる。黒雪と雪泉はここに来て苦境に立たされることになる。




読了ありがとうございます!ぶっちゃけタイマンでやり合うならキングフロストが黒雪に勝てる道理はないのですが、同レベルの仲間の有無がキングフロスト優勢に偏らせた形です。因みに実槻が黒雪と同じ状況になった場合指示を念話で送るタイムラグが無いのでスキル発動前に中断させ回避か、魔法で迎撃出来ていたでしょう。その場合キングフロストは大きな隙を晒します。本編で彼がここが勝負と言ったのはこのリスクも理解していたからですね。
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