親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第八十二話になります!メガテンのゲームでもTRPGの魔都東京やカオス転生ごちゃまぜサマナーみたいな現代を舞台にした一サマナーになれるゲームをやってみたいですねぇ。


変数

「これでも止まらぬか!]

ルキフグスは焦っていた。【ビックバン】の連発も接敵までの時間を稼ぐくらいしか出来ていない。高位の魔法の連発によって急速にMPとMAGが消費されていく。MPは兎も角MAGが大幅に消費されるのは自身の身体を維持するのも苦労しているルキフグスには痛手だった。

 

彼の固有スキルには【ビックバン】より高威力なものもあるが、単体攻撃なので普通に使うだけではまず回避されるだけだろう。

 

「このまま接敵出来そうですね」

「ああ、相手が何も手を打たなかったらな」

 

この時点でルキフグスの次の手は実槻には視えていた。そしてそれはルキフグスも想定内。ならば思考を視られても問題ない策になるのは必定だ。

 

「複雑な策を弄しても意味がないなら・・・単純に物理的に対応できない策を実行するまでのこと!」

ルキフグスの周囲、いやこの電脳異界全体に魔法陣が現れる。

 

「おお!魔法陣がいっぱい出てきましたね!」

「なるほど。魔界から悪魔を大量に召喚しての物量戦術か、レベルは10~20前半くらいだな」

 

各魔法陣から悪魔が湧き出して来る。実槻は【ハイ・アナライズ】を使わずに悪魔たちの詳細な能力を瞬時に"視る"が彼らにとっては雑魚の群れだ。しかしこの群れに対処していてはルキフグスの攻撃を捌き切れない。

 

宙の視座ありとて、人間を超越した各種感覚を取り戻したとしても肉体は人間だ。どれだけ効率よく動かしても物理的に対処できる限度はあるのだ。

 

「ぐ、ぐう!わ、分かってはおったが、今の我では数を優先した場合この程度の者達しか呼べぬか・・・」

当然ここまで大量の悪魔を召喚し続けれていれば、ルキフグスも平然としては居られない。無論万全な状態ならこの程度造作も無いだろうが、今の彼では数は多いとはいえ直接の配下として召喚したキングフロスト達よりも遥かに格下な悪魔達の召喚程度で、思わず膝を付く程度には消耗してしまう。

 

「だが今は質より数よ!あのサマナーは広範囲魔法攻撃を使えるが、この数なら一度に殲滅はされまい!何よりこの者達に対処していれば我からの攻撃には物理的に対処は不可能!」

悪魔の群れが実槻達に殺到する。ルキフグスは一度攻撃の手を止め、実槻達が悪魔の群れに対処し始めるを待っている。

 

「純粋に数で押して来ましたか・・・黒雪を呼んでも焼け石に水ですかね」

「だろうな。俺みたく広範囲攻撃を得意とする奴なら兎も角黒雪をここに加えても戦局は覆らない。群れをまともに相手にせず大将首を取るにしても突破しようとしている間に【ビックバン】を放り込まれるな」

 

実槻の高度な【未来予測】が突破を選択した場合の結果から断言する実槻。例え突破戦力に黒雪を加えても突破しきる前に【ビックバン】を行使されてしまう。

 

「しかし、群れを受け持つ戦力が居れば別だ」

 

「なるほど・・・あれ?でも他に戦力は現状だと黒雪しかいませんよね?彼女だけじゃあの数は止めきれないですし、私達のどちらかと変わったり、または黒雪に加勢するなんて論外ですし」

景虎の言い分も最もである。黒雪単騎ではあの数は止められず二人のどちらかと役割を変えるか、或いはどちらかが群れを受け持つ黒雪に加勢するにしても突破に必要な機動力を持つ放生月毛を乗りこなせる景虎、ルキフグスの攻撃を捌ける実槻。この二人が揃って居なければそもそも突破が出来ない。

 

もし、他の仲魔がこの電脳異界に来れて居れば黒雪に加勢し群れに対処出来ただろう。もしくはキバの鎧な今の状態の実槻にも使えていればライゴウを操り単騎で突破し、景虎を黒雪に加勢させることも出来ただろう。

 

しかし、封魔管に入っている黒雪以外の仲魔は皆この電脳異界の外におり、キバの鎧もシステムを管理する統制人格であるアドミニストレータが実槻の宙の視座から得られる莫大な情報を処理しきれず発狂する為今の実槻には使えない。まさに八方ふさがりの状況だ・・・少なくとも景虎はそうとしか見れなかった。

 

「確かに俺達だけじゃ足りないな。そう、俺達二人だけじゃな」

 

だが、実槻のその声に動揺や焦りははない。すでに【未来予測】を覆しうる"変数"を視認しているからだ。

 

「地獄の宰相よ!俺達の為にここまでの歓迎、素直に光栄に思おう。そこまで評価されているとは嬉しい限りだ・・・この調子でこれ来る団体客も歓迎してやってくれ」

 

「団体だと?」

「心配するな。悪い奴らじゃないさ・・・なんせ俺の家族達だからな?」

 

「な!?まさか!」

「・・・なるほど。外も色々あったみたいですね」

感づいたルキフグスが慌てて外の様子を探ろうとするが、それよりも早く彼らがここに乗り込んで来る。

 

「うおおおおおおお!よし、如何にか辿り着いたぞ!」

「ここまで来るのに大分掛ったわね。まぁ戦闘経験も多少は積めたからいいけど」

「実槻兄と景虎義姉は無事だよね!?」

「あ、実槻お兄ちゃん達いた!・・・あれ、何かお兄ちゃんの雰囲気がいつもと違うような?」

「確かにちょっと雰囲気が違うわね。でもそれよりもまずやることがあるわよ」

「はい、今は目の前のことに対処しましょう。見たところあれがこの研究所に出来た二つの異界の主でしょうか?」

「その様ですね。流石に覚醒したその日に対処できる相手では無さそうなので、悪魔の群れの方の対処をした方が良さそうですが」

「とは言って僕は兎も角皆は同格以上の悪魔ばっかりだから突出しないようにね?」

一瞬空間が歪んだと思うと実槻の親戚達が現れる。そして今までの彼らとは明らかに違っていた。

 

「これは・・・まさか非覚醒だった者達が全員覚醒しているだと!?」

「え?あ、本当ですね!いつの間に・・・?」

「詳細を聞くのは後にしろ。なぁに大丈夫、ちゃんと視てたからな。あいつらなあの程度の悪魔の群れなら任せられる!」

 

そう言う実槻の顔はすでに悪魔の群れではなくルキフグスを見つめていた。




読了ありがとうございます!新たに覚醒した親戚達が外でどうしてたかは多分次回で書くと思います。
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