親友が英雄の転生者だった件について   作:電脳図書館

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第九十話になります!ようやっと新章突入ですよ。


厄介事は尽きぬもの

俺が自らの半身であるエフェメロスと邂逅してから数日が経った。今でも半身と言っていることからも分かるだろうが、俺はあいつの手を取り契約を交わす道を選んだ。契約したことで将来的に厄介事を呼び込むことになるのはまず間違いないが、元から【宙の視座】、暗黒騎士、終末、ミカエルからの宣戦布告など多くの厄介事を抱え込んでいる身だ。一つ新たに増えた程度誤差でしかない。

 

それらに対処する為に更なる戦力向上を求められる中自身の半身の力すら使えない様では先が思いやられる。幸いエフェメロスの目的的に俺の人格を乗っ取る可能性も無いからな。さて、新潟支部に戻って来たことだし、あの研究所の異界化事件後の顛末を簡単に纏めるとしよう。

 

研究所が異界化していた件は当然ガイア連合、根願寺、命蓮寺、レミエルに報告済みだ。しかし、潜伏していた高位悪魔がルキフグスであることは根願寺には伏せている。経緯も含め余りにも偶然過ぎて、信用されない可能性が高かったので本来今のGPでは現れないような高位悪魔が裏で手を引いていたとぼかして伝えている。

 

当然ガイア連合と命蓮寺、親族メンバー、レミエル&天音と口裏は合わせてのことだが、まぁそれでも根願寺の連中は泡吹いて気絶したし、キョウジさんは絶句してたからまんま話してたら信用されない以前にショックで死人が出てたかもしれない。

 

そして苦労して助けた菅野史ことフミだが助けてから程なく目が覚めていた。操られていたときの記憶も薄っすらあるらしく、こちらの説明もすぐに理解してくれた。ガイア連合への勧誘も上手く行ったが、俺達の支部よりもガイア連合の開発部行きを希望していたから俺からの推薦状を持たせて行かせてやった。人材的に惜しいという気持ちもあるが、本人の希望を捻じ曲げて引き留める気はないし開発部の方が、うちの支部より環境も整っているしな。彼女の才能を生かすならあっちに行く方がいいだろう。

 

「色々ありがとね。まぁ恩知らずって思われるのも癪だから何か開発部に用があったら私に連絡しなさい。手が空いていたら対応して上げるわ」

とか別れ際に行ってくれたので、一応助けた恩は感じてくれている様だ。開発部に人材を提供し、強いコネが出来たと思うことにしよう。この件を依頼したレミエルと天音はルキフグスの存在に驚いたものの彼女が無事にガイア連合に所属することになったことに満足していた。彼女達についてはまだ語ることもあるが、今すぐ取り組むことでもないので後日の話としよう。

 

因みに研究所は此度の一件を受け閉鎖、フミ以外の研究者や職員達の身柄はガイア連合で治療をしたのち根願寺に引き渡している。リハビリくらいならガイア連合外でも問題ないだろう。記憶の方はフミ以上に朧気でルキフグスのことも漏れる心配はない。

 

親族メンバーもガイア連合製のお守りを渡した後、彼らの地元に戻って行った。ただ修行は行う必要はあるので各自のスケジュールを調整し、空いた時間にうちの支部に来て俺が修行を付けている。その時の送り迎えには結標の【トラポート】を使わせてもらっている。後日メアリと美九以外にもガイア連合のゴールドカードを渡すつもりだ。

 

エフェメロスの件は念の為あの電脳異界にいたメンバーと仲魔以外には伏せており、口外しない様にお願いもした。ガイア連合に話さない理由は以前語ったので割愛するとして、雪泉含めた命蓮寺にも教えないのは互いのことを考えてのことだ。洩れる口を少なくする為であるのともしこの隠蔽が露見した際にあちら側にも責を負わせない為でもある・・・本来なら親族メンバーにも黙っていたかったが、エフェメロスとテュフォンの力を使った場面を見られていた以上誤魔化すのは無理があったので仕方がない。

 

【宙の視座】のことも既に知っている黒雪以外にも詳しく景虎、仲魔、親族メンバーに話すことになったが・・・昔一度見せたからか、薄々どういうものか察していた景虎以外の全員から『そんなものを簡単に使おうとするな!今回は仕方ないけどさぁ!』と言われてしまったので既に今までの様に封印済みだ。

 

「この数日は後処理に追われたが、如何にか明日の月曜日には学校に行けるな」

 

「家族の用事で県外に行くと言って休んでましたからね・・・定期テストも近いですし」

「俺はまぁ余裕だが、お前はちょっと頑張らないとな?」

 

「そうですね!ということでいつものことですが色々教えてください!」

「偶には体育以外も自分で如何にかして欲しいんだがなぁ。まぁお前は地頭は良いから教えるのは楽だけども」

 

久々に景虎と買物をした帰り道、珍しく学校の話題で駄弁っているが、基本的に高校で習う学問は全て頭に入っている俺は友人達(景虎の影響で前世より少ないがいるにはいる)との交流目的だったり、景虎は俺が通っているからという理由で通っているので、学校に関しての関心は薄く話題にも上がりにくいのだ。

 

「そんなこと言って頼まれれば他の子にも勉強教えてるじゃないですか」

「まぁ実際成績は全教科"同率"一位だから教えを頼んで来る奴は多いな。特に男子」

 

「女子はもう片方の方に行きますからね。やはり同性の方が気楽なんでしょうね」

まぁ本当は俺に近づく女子に牽制して来る景虎に怯えているからなのだが・・・わざわざ言うほどでもないか。それに別に純粋に勉強見てもらいたいというだけであれば景虎も邪魔はしないし。自分も勉強を教えて貰っているのに他の女子はダメという程狡い奴ではないのだが、普段の振る舞いがアレだから勘違いされても仕方ないけども。

 

「とはいえ、あいつもバイトやらなんやらで大変だしこれ以上負担掛けるのも可哀そうだしなぁ」

 

「私も体育などの運動面では、実槻とその子と並んで同率一位なんですけど教える才能は明確に二人よりないですし興味もないですが、その子自体はすごい子だとは思っていますよ」

実際生活費や奨学金の返済の金をバイトで稼ぎながら全教科一位という成績は誇れるものだ。覚醒者の力は抑えてるとはいえ、人生二週目の同率一位の俺なんかと比べても何倍も優秀な子だ。天才とは彼女の様な人のことを言うのだろう。

 

「その上性格もいいんですからそりゃ男女問わず人気にもなりますよ。実槻曰くそれは仮面らしいですけど」

「人は仮面を被るものだ。完璧な文武両道の優等生という仮面を必死に維持している彼女には、敬意を抱くことはあっても偽りだと馬鹿にするなんぞそれこそ愚かだ」

 

無論その努力には相応の負荷が掛っている訳だが、俺達はクラスメイトとはいえ彼女と特に深い仲ではない。流石に彼女の状態が倒れるほど限界ギリギリであったならそんなもの無視して助けに入ったかもしれないが、幸い仲の良い同性の親友二人が支えているようだし、そこにただのクラスメイトが余計な口を挟むなんて無粋な真似はすべきではない。

 

「ん、景虎。人が来るぞ」

 

「おっとすみません」

曲がり角で左側から人が来たので、ぶつかりそうになっていた景虎に声を掛け衝突を回避させる。

 

「あ、いえこちらこそ・・・って大宙君と長尾さん?帰って来てたんだ」

「む、その声は。噂をすれば影という奴でしょうか?」

「よぉ、久しぶり。少し前に帰って来ててな。明日から学校にも行く・・・んだが、どうしたんだそのパーカー?それにそのお腹も」

 

パーカーのフードを深く被っていた故一瞬分からなかったが、立ち振る舞いや声に覚えがあった。先の話に出ていた彼女だ。しかし、彼女の私服は初めて見たがパーカーとか着るのかっという感想を思う前に腹の部分が膨らんでいるのが気になる。後なんか別の違和感も感じる。上辺りか?

 

「えっとそれは「もしや妊娠!?」ち、違うから!?」

「いや、動きが妊婦のソレじゃないしサイズ的に俺達が休む前からある程度膨らんでいないとおかしい・・・何かパーカーの中に抱えているのか?」

 

「う!相変わらず鋭いっていや、何でもないから!そ、それじゃ買物あるからこれで!」

そうしてその場を去ろうとしたとき、彼女の腹が動きだした。

 

「オギャー!」

 

「「オギャー?」」

 

「あ、ちょ違うって!動かないで!あ!?」

腹から鳴き声を出した彼女は慌ててパーカー内部を覗き込んだが、隙間から"小さい手"が暴れているのが視え、その手がフードに触れ弾くようにフードを取ってしまう。

 

「「え?」」

 

「あー・・・これは「ばふぅ!」あっ・・・」

「「・・・」」

 

そこには見慣れた彼女の顔・・・だけでは無かった。違和感の正体を図らずも知り景虎と共に困惑する中で、首元からまだ小さい赤子の女の子が顔を出した。

 

「えっとその・・・色々何があったんだ酒寄?その赤子といい、その"狐耳"といい」

 

「・・・」

 

恐らく隠したかったことが一瞬で全てバレてしまった彼女は時間が止まったかのようにしばし、静止すると半分やけになって涙目になりながら口を開く。

 

「ゆ、誘拐とかじゃないよ!!なんか昨日、ゲーミング電柱から赤ちゃんが出て来て!家でなんとか寝かしつけて私も寝たらなんか狐耳生えてて!!もう訳分からないけどベビー用品買わないといけなくて!!でも赤ちゃんや狐耳がバレたら一大事だし!!」

「お、OK。大体言いたいことは分かったからちょっと落ち着こうか!」

 

「混乱しているとはいえ、伝えたい内容はちゃんと伝わってますから・・・意味は全く分かりませんけど」

そうしてしばらく二人で泣く赤子と酒寄こと酒寄彩葉を諫めたのだった。




読了ありがとうございます!え、東京編が終わったら自衛隊と協力後まで時間を飛ばすんじゃなかったのかって?・・・全部ネトフリが悪いんや!!!彩葉さんAAは今回使った2枚しかないのに出してしまいましたが・・・逆に考えるんだ!作品に出して活躍させることで、AAが新たに作られることに貢献するのだと!あ、当然ですが、彼女達の背景や設定は原作と変わって来るのでご容赦の程を。
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