王権の光 作:ウェストフォード
その夜
バイトも終わり、いつもならルーナは、零とライラ、そして多くの使用人達が待つ豪邸に帰り、両親と一つのテーブルを囲み、夕食を取る時間だ。
しかし今日この夜は
「はい、どうぞルーナちゃん」
「ありがとう、ルビーちゃん!」
ルーナは親友の美空と共に、約12年ぶりに再開したルビーとアクア、そして二人の養母となったミヤコの五人とテーブルを囲んでいた。
こうなった経緯は30分前
バイトも終わり、二人は退勤し、家に帰ろうとしたその時であった。
「ねぇ!ルーナちゃん、美空ちゃん!良かったら一緒にご飯を食べていって!」
ルビーのその一言であった。
最初それに対してアクアは、いくら12年ぶりの再会とはいえ、二人にそんな無茶は言うなと言ったが。
「私は良いよ、ルビーちゃんとアクア君、そしてミヤコさんさえ良かったら。私もルビーちゃん達と話したいし、ねっ、美空?」
「えっ、でもご迷惑なんじゃ…」
「全然そんな事ないよ、美空ちゃん!」
ルーナがその提案に好意的であり、少し遠慮がちだった美空にも、ルビーはそう言い、そして今こうして、五人は同じ食卓を囲んでいる状況が出来上がった。
「悪いな二人とも、コイツが強引で」
「ははは…こちらこそ」
アクアはそう美空に言うと、美空は、横でルビーと共に楽しそうに話をするルーナを見て、少し苦笑いをした。
「私がこう言うのもなんだけど、苦労しているんだね君も…」
「そう見えるか?」
「まぁ、私も似た様なものだから」
なんだかんだ妹に振り回される事が多い兄であるシスコンのアクア
ルーナに振り回されることばかりの美空
少し似た様な境遇に、二人はそう言った。
すると
「美空ちゃんは、どれくらい食べる?」
「美空は、食いしん坊だから、大盛りで」
「ちょっとルーナ!」
お茶碗にご飯を盛り付けていたルビーがそう聞くと、美空の代わりにルーナが笑顔でそう答え、それに対して美空は顔を赤くしそう言った。
「はい、どうぞ美空ちゃん」
そして、そんな美空の前にルビーは大盛りのご飯がよそられた茶碗を渡した。
「それにしても嬉しいなー12年前に2回しか会っていないのに、覚えていてくれるなんて。ねぇ、美空もそう思うでしょ?」
「まぁ、確かにそうよね。でも、よく私とルーナの事、覚えてたよね2人とも」
ルビーとアクアが、ルーナと美空に以前会った時は、今から12年前、ルーナの様に記憶力が異常でない限り普通忘れていてもおかしくないのに、アクアとルビーの2人は、自分たちを覚えていた事に美空は少し不思議に思った。
すると
「だって、アイに宣戦布告をした人なんて初めてで、そりゃもう、すっごく衝撃的だんだもん。それに…」
「それに?」
ルビー初続けて何かを言おうとしたが、声が詰まり、その様子に少し疑問を感じたルーナがそう聞くと。
「それがあんなフランス人形みたいな綺麗な子だったんだから、忘れられないよ。ねっ、お兄ちゃんもそう思うでしょ」
「まぁ、そうだな」
「そう…なんだ」
ルビーとアクアのその反応にルーナはそう言った。
(それに、ママがちゃんと名前を覚えていた2人だから、忘れられないよ…)
その一方でルビーはそう心の中で思った。
(あの様子…2人とも何か隠してる?)
オックスフォード大学の心理学部教授だった母の影響ゆえに、心理学などにも精通していたルーナは、2人のその態度に何か隠しているのではと感じた。
だがルーナは、少し強引なところや斜め上をゆく奇想天外な事をする人間だが、無神経で無作法ではない為、2人のその表情を見て今は深く聞かない事にした。
「そう言えば、ここ最近2人は何かしてるの?」
すると今度は美空が、話題を逸らすようにそう2人に聞いた。
すると
「今は監督の所で、色々と世話になってる」
「監督…」
アクアのその言葉にルーナは誰の事かと少し考えると、ふとアイと初めて出会ったあの撮影現場にいた、少し気難しそうな顔をした監督と呼ばれていた人の事を思い出した。
「もしかして、あの時の撮影現場にいた人?」
「あぁ」
ルーナのその問いに、アクアはそう答えた。
「という事は、アクア君はいずれ役者兼監督になるのか〜」
「いや、別に役者になるつもりはない」
「えっそうなの?」
「あぁ、今は裏方志望で監督のところで助手やってる」
あのアイの死後、アクアはルーナたちと初めて出会ったきっかけとなった映画撮影の場にて、その撮影を監督していた映画監督、五反田監督に弟子入りして、そこで映像の編集などを手伝いながら、色々と学んでいるところだ。
「なーんだ、顔もカッコいいんだし、演技も上手そうなんだから、役者さんもやれば良いのに」
「俺はそんなに器用じゃ無い、それに…俺には演技の才能がない」
「ふーん、そうなんだ…」
アクアのその答えに、ルーナは少し含みを加えた様な感じでそう言った。
「ルビーちゃんは、何かやってるの?」
そして次にルーナはルビーに話を振った。
するとルビーは、待ってましたと言わんばかりに。
「実はね…アタシ、アイドルになるんだ〜!」
ルビーはそう言った。
「えっ、ルビーちゃんがアイドル!?」
「本当なんですか、社長さん!?」
ルビーのその発表にルーナは目を輝かせ、そして美空は少し驚いた様子で、ミヤコにそう聞いた。
「えぇ本当よ、今年から苺プロにアイドル部門を復活させると同時に、ルビーをそのアイドル第一号としてね」
ミヤコが2人にそう説明すると、その横でルビーは誇らしげに胸を張って、声に出してはいなくてもえっへんと言いそうな様子であった。
「絶対にマ…アイ見たいなアイドルになりたいんだ!」
するとルビーはそう言った。何気ないが、決意がこもった一言、だがその言葉を聞いたルーナは
「アイ…か…」
思わずそう呟き、それと同時に思い出した。
かつて4歳だった頃に憧れ、そしていずれ越えると約束を交わした、ルーナにとって人生で初めてライバルだと直感し、そしてついには手が届かなかった眩い一等星…
アイの事を思い出し、少し心の中に懐かしさと、黒いモヤの様なものが混じり合った感情が、ルーナを支配した。
「…ちゃん…ルーナちゃん?」
「えっ、あっ…ごめんルビーちゃん、少し考え事してたよ」
だがルビーに声をかけられたルーナは、我に帰り笑顔を浮かべそう言った。
すると
「大丈夫、ルーナ?」
「うん、大丈夫だよ美空」
不思議そうに首を傾げ聞いて来たルビーとは違い、心の底からルーナを心配している様な様子で、美空がそう聞くと、ルーナはそう答えた。
「自分の夢に向かってがむしゃらに頑張るなんて、なんか楽しそうだな〜」
そしてルーナは、改めてルビーにそう言った。
「ルーナちゃんと美空ちゃんは、何か頑張ってる事とか、夢中になってる事とか無いの?」
「そうだね〜中学生の時はバスケに夢中になっていたり、後バイオリンとかもやったりとか色々やってたけど…今は楽しい事や夢中になれる探している最中かな」
「美空ちゃんも?」
「まぁね、ルーナを1人には出来ないしね」
ルーナと美空のその言葉に、ルビーは、へーとでも言いたそうな様子であったが、ふととある事を思いつくと、立ち上がると。
「じゃあさ、ルーナちゃん、美空ちゃん!」
ルビーは、2人の手を取りこう言った。
「2人と、私とアイドル、一緒にやらない!?」
「「えっ?」」
突然のことで、少し驚いた様子の2人に、ルビーは両手を握りしめて、前のめりになりながらそう言い、そして続けて。
「だって! ルーナちゃんは昔、アイに宣戦布告したんでしょ!?『10年後、倒しに来る』って!……だったら、一緒にアイドルやって、アイを超えようよ!!」
ルビーがのその言葉に、ルーナのサファイアの瞳が一瞬、揺れ
12年前の約束
アイの笑顔
あの時アイから言われた「待ってるよ」の言葉。
そして、決して届かなかった、たった一人のライバルの顔
全てが走馬灯の様に、ルーナの脳内を駆け巡った。
天才で金持ちの家出身の恵まれた環境と才能を持ったアイドルって、皆様は推せますか? (今後の作品制作の参考にしたいので理由があればぜひコメント欄で教えてください)
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推せる
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うーん